cdf
累積分布関数
構文
説明
y = cdf(___,'upper') は、極端に上裾にある確率をより正確に計算するアルゴリズムを使用して cdf の補数を返します。'upper' は、前の構文のどの入力引数にも従うことができます。
例
分布名 'Normal' と分布パラメーターを指定して、正規分布の cdf 値を計算します。
cdf を計算する値が含まれている入力ベクトル x を定義します。
x = [-2,-1,0,1,2];
平均 が 1、標準偏差 が 5 に等しい正規分布の cdf 値を計算します。
mu = 1;
sigma = 5;
y = cdf('Normal',x,mu,sigma)y = 1×5
0.2743 0.3446 0.4207 0.5000 0.5793
y の各値は、入力ベクトル x の値に対応しています。たとえば、"x" 値が 1 の場合、対応する cdf 値 "y" は 0.5000 です。
正規分布オブジェクトを作成し、そのオブジェクトを使用して正規分布の cdf 値を計算します。
平均 が 1、標準偏差 が 5 に等しい正規分布オブジェクトを作成します。
mu = 1; sigma = 5; pd = makedist('Normal','mu',mu,'sigma',sigma);
cdf を計算する値が含まれている入力ベクトル x を定義します。
x = [-2,-1,0,1,2];
"x" の値における正規分布の cdf 値を計算します。
y = cdf(pd,x)
y = 1×5
0.2743 0.3446 0.4207 0.5000 0.5793
y の各値は、入力ベクトル x の値に対応しています。たとえば、"x" 値が 1 の場合、対応する cdf 値 "y" は 0.5000 です。
レート パラメーター が 2 に等しいポアソン分布オブジェクトを作成します。
lambda = 2; pd = makedist('Poisson','lambda',lambda);
cdf を計算する値が含まれている入力ベクトル x を定義します。
x = [0,1,2,3,4];
x の値におけるポアソン分布の cdf 値を計算します。
y = cdf(pd,x)
y = 1×5
0.1353 0.4060 0.6767 0.8571 0.9473
y の各値は、入力ベクトル x の値に対応しています。たとえば、x 値が 3 の場合、対応する cdf 値 y は 0.8571 です。
また、確率分布オブジェクトを作成せずに同じ cdf 値を計算することもできます。関数 cdf を使用し、レート パラメーター について同じ値を使用してポアソン分布を指定します。
y2 = cdf('Poisson',x,lambda)y2 = 1×5
0.1353 0.4060 0.6767 0.8571 0.9473
cdf の値は、確率分布オブジェクトを使用して計算した値と同じです。
標準正規分布オブジェクトを作成します。
pd = makedist('Normal')pd =
NormalDistribution
Normal distribution
mu = 0
sigma = 1
x 値を指定し、累積分布関数を計算します。
x = -3:.1:3; p = cdf(pd,x);
標準正規分布の累積分布関数をプロットします。
plot(x,p)

3 つのガンマ分布オブジェクトを作成します。1 つ目では、既定のパラメーター値を使用します。2 つ目では、a = 1 と b = 2 を指定します。3 つ目では、a = 2 と b = 1 を指定します。
pd_gamma = makedist('Gamma')pd_gamma =
GammaDistribution
Gamma distribution
a = 1
b = 1
pd_12 = makedist('Gamma','a',1,'b',2)
pd_12 =
GammaDistribution
Gamma distribution
a = 1
b = 2
pd_21 = makedist('Gamma','a',2,'b',1)
pd_21 =
GammaDistribution
Gamma distribution
a = 2
b = 1
x 値を指定し、各分布の累積分布関数を計算します。
x = 0:.1:5; cdf_gamma = cdf(pd_gamma,x); cdf_12 = cdf(pd_12,x); cdf_21 = cdf(pd_21,x);
形状パラメーター a および b に異なる値を指定する場合は、プロットを作成してガンマ分布の累積分布関数の変化を可視化します。
figure; J = plot(x,cdf_gamma); hold on; K = plot(x,cdf_12,'r--'); L = plot(x,cdf_21,'k-.'); set(J,'LineWidth',2); set(K,'LineWidth',2); legend([J K L],'a = 1, b = 1','a = 1, b = 2','a = 2, b = 1','Location','southeast'); hold off;

0.1 および 0.9 という累積確率でパレート分布の裾を 分布に当てはめます。
t = trnd(3,100,1); obj = paretotails(t,0.1,0.9); [p,q] = boundary(obj)
p = 2×1
0.1000
0.9000
q = 2×1
-1.8487
2.0766
q の値での累積分布関数を計算します。
cdf(obj,q)
ans = 2×1
0.1000
0.9000
入力引数
確率分布名。次の表のいずれかの確率分布名を指定します。
name | 分布 | 入力パラメーター A | 入力パラメーター B | 入力パラメーター C | 入力パラメーター D |
|---|---|---|---|---|---|
'Beta' | ベータ分布 | 1 番目の形状パラメーター a | 2 番目の形状パラメーター b | 該当なし | 該当なし |
'Binomial' | 二項分布 | 試行回数 n | 各試行の成功確率 p | 該当なし | 該当なし |
'BirnbaumSaunders' | バーンバウム・サンダース分布 | スケール パラメーター β | 形状パラメーター γ | 該当なし | 該当なし |
'Burr' | ブール型 XII 分布 | スケール パラメーター α | 1 番目の形状パラメーター c | 2 番目の形状パラメーター k | 該当なし |
'Chisquare' または 'chi2' | カイ二乗分布 | 自由度 ν | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
'Exponential' | 指数分布 | 平均値 μ | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
'Extreme Value' または 'ev' | 極値分布 | 位置パラメーター μ | スケール パラメーター σ | 該当なし | 該当なし |
'F' | F 分布 | 分子の自由度 ν1 | 分母の自由度 ν2 | 該当なし | 該当なし |
'Gamma' | ガンマ分布 | 形状パラメーター a | スケール パラメーター b | 該当なし | 該当なし |
'Generalized Extreme Value' または 'gev' | 一般化極値分布 | 形状パラメーター k | スケール パラメーター σ | 位置パラメーター μ | 該当なし |
'Generalized Pareto' または 'gp' | 一般化パレート分布 | 裾の指数 (形状) パラメーター k | スケール パラメーター σ | しきい値 (位置) パラメーター μ | 該当なし |
'Geometric' | 幾何分布 | 確率パラメーター p | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
'Half Normal' または 'hn' | 半正規分布 | 位置パラメーター μ | スケール パラメーター σ | 該当なし | 該当なし |
'Hypergeometric' または 'hyge' | 超幾何分布 | 母集団のサイズ m | 母集団内で対象となる特徴をもつ項目の個数 k | 抽出した標本の個数 n | 該当なし |
'InverseGaussian' | 逆ガウス分布 | スケール パラメーター μ | 形状パラメーター λ | 該当なし | 該当なし |
'Logistic' | ロジスティック分布 | 平均値 μ | スケール パラメーター σ | 該当なし | 該当なし |
'LogLogistic' | 対数ロジスティック分布 | 対数値の平均 μ | 対数値のスケール パラメーター σ | 該当なし | 該当なし |
'LogNormal' | 対数正規分布 | 対数値の平均 μ | 対数値の標準偏差 σ | 該当なし | 該当なし |
'Loguniform' | 対数一様分布 | 下限端点 (最小) a | 上限端点 (最大) b | 該当なし | 該当なし |
'Nakagami' | 仲上分布 | 形状パラメーター μ | スケール パラメーター ω | 該当なし | 該当なし |
'Negative Binomial' または 'nbin' | 負の二項分布 | 成功回数 r | 1 回の試行における成功確率 p | 該当なし | 該当なし |
'Noncentral F' または 'ncf' | 非心 F 分布 | 分子の自由度 ν1 | 分母の自由度 ν2 | 非心度パラメーター δ | 該当なし |
'Noncentral t' または 'nct' | 非心 t 分布 | 自由度 ν | 非心度パラメーター δ | 該当なし | 該当なし |
'Noncentral Chi-square' または 'ncx2' | 非心カイ二乗分布 | 自由度 ν | 非心度パラメーター δ | 該当なし | 該当なし |
'Normal' | 正規分布 | 平均値 μ | 標準偏差 σ | 該当なし | 該当なし |
'Pearson' | ピアソン分布 | 平均値 μ | 標準偏差 σ | 歪度 γ | 尖度 κ |
'Poisson' | ポアソン分布 | 平均値 λ | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
'Rayleigh' | レイリー分布 | スケール パラメーター b | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
'Rician' | ライス分布 | 非心度パラメーター s | スケール パラメーター σ | 該当なし | 該当なし |
'Stable' | 安定分布 | 1 番目の形状パラメーター α | 2 番目の形状パラメーター β | スケール パラメーター γ | 位置パラメーター δ |
'T' | スチューデントの t 分布 | 自由度 ν | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
'tLocationScale' | t 位置-スケール分布 | 位置パラメーター μ | スケール パラメーター σ | 形状パラメーター ν | 該当なし |
'Uniform' | 一様分布 (連続) | 下限端点 (最小) a | 上限端点 (最大) b | 該当なし | 該当なし |
'Discrete Uniform' または 'unid' | 一様分布 (離散) | 最大観測可能値 n | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
'Weibull' または 'wbl' | ワイブル分布 | スケール パラメーター a | 形状パラメーター b | 該当なし | 該当なし |
例: 'Normal'
確率分布。次の表のいずれかの確率分布オブジェクトを指定します。
出力引数
代替機能
cdfは、名前nameによって指定された分布、または確率分布オブジェクトpdのいずれも受け入れる汎用関数です。正規分布の場合はnormcdf、二項分布の場合はbinocdfなど、分布特有の関数を使用する方が高速です。分布特有の関数の一覧については、サポートされている分布を参照してください。確率分布の累積分布関数 (cdf) または確率密度関数 (pdf) のプロットを対話的に作成するには、確率分布関数アプリを使用します。
拡張機能
使用上の注意事項および制限事項:
入力引数
nameはコンパイル時の定数でなければなりません。たとえば、正規分布を使用するには、coder.Constant('Normal')をcodegen(MATLAB Coder) の-argsの値に含めます。入力引数
pdは、ベータ分布、指数分布、極値分布、対数正規分布、正規分布、ワイブル分布の近似確率分布オブジェクトとなります。確率分布を関数fitdistの標本データに当てはめることで、pdを作成します。たとえば、確率分布オブジェクトのコードの生成を参照してください。
コード生成の詳細については、コード生成の紹介および一般的なコード生成のワークフローを参照してください。
この関数は、GPU 配列を完全にサポートします。詳細は、GPU での MATLAB 関数の実行 (Parallel Computing Toolbox)を参照してください。
バージョン履歴
R2006a より前に導入R2023b 以降では、cdf でピアソン分布がサポートされます。
MATLAB Command
You clicked a link that corresponds to this MATLAB command:
Run the command by entering it in the MATLAB Command Window. Web browsers do not support MATLAB commands.
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