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NormalDistribution

正規確率分布オブジェクト

説明

NormalDistribution オブジェクトは、正規確率分布のパラメーター、モデルの説明および標本データから構成されます。

正規分布は、ガウス分布とも呼ばれる、パラメーターを 2 つもつ曲線群です。モデル化に正規分布を使うことは、中心極限定理により正当化されます。この定理は、(概ね) 有限の平均と分散をもつ分布からの独立標本の和は、標本サイズが大きくなるにつれて正規分布に近付くというものです。

正規分布は、次のパラメーターを使用します。

パラメーター説明サポート
mu (μ)平均<μ<
sigma (σ)標準偏差σ0

作成

NormalDistribution 確率分布オブジェクトを作成するには、いくつかの方法があります。

  • makedist を使用して指定したパラメーター値により分布を作成する。

  • fitdist を使用して分布をデータに当てはめる。

  • 分布フィッター アプリを使用して対話的に分布をデータに当てはめる。

プロパティ

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分布パラメーター

正規分布の平均。スカラー値として指定します。

データ型: single | double

正規分布の標準偏差。非負のスカラー値として指定します。

makedist を使用してオブジェクトを作成するときに、sigma がゼロになるように指定できます。一部のオブジェクト関数は、標準偏差がゼロの pd オブジェクトをサポートします。たとえば、random(pd) は常に mu を返します。cdf(pd,x) は、0 または 1 を返します。この出力は、xmu より小さい場合は 0、それ以外の場合は 1 です。meanstd、および var はそれぞれ、pd の平均、標準偏差、分散を返します。

データ型: single | double

分布特性

この プロパティ は読み取り専用です。

分布の打ち切りについての論理フラグ。論理値を指定します。IsTruncated0 である場合、分布は打ち切られません。IsTruncated1 である場合、分布は打ち切られます。

データ型: logical

この プロパティ は読み取り専用です。

確率分布のパラメーターの個数。正の整数値を指定します。

データ型: double

この プロパティ は読み取り専用です。

パラメーター推定値の共分散行列。p 行 p 列の行列を指定します。p は分布のパラメーターの個数です。(i,j) 要素は、i 番目のパラメーターの推定値と j 番目のパラメーターの推定値間の共分散です。(i,i) 要素は、i 番目のパラメーターの推定分散です。パラメーター i が固定値であり、データに分布を当てはめて推定した値ではない場合、共分散行列の要素 (i,i) は 0 になります。

データ型: double

この プロパティ は読み取り専用です。

固定パラメーターの論理フラグ。論理値の配列を指定します。0 の場合、配列 ParameterNames の対応するパラメーターは固定されません。1 の場合、配列 ParameterNames の対応するパラメーターは固定されます。

データ型: logical

この プロパティ は読み取り専用です。

分布パラメーター値。スカラー値のベクトルを指定します。

データ型: single | double

この プロパティ は読み取り専用です。

確率分布の打ち切り区間。打ち切りの上限と下限を含むスカラー値のベクトルを指定します。

データ型: single | double

その他のオブジェクト プロパティ

この プロパティ は読み取り専用です。

確率分布名。文字ベクトルを指定します。

データ型: char

この プロパティ は読み取り専用です。

分布の当てはめに使用するデータ。以下を含む構造体を指定します。

  • data:分布の当てはめに使用するデータ ベクトル

  • cens:打ち切りベクトル、ない場合は空

  • freq:度数ベクトル、ない場合は空

データ型: struct

この プロパティ は読み取り専用です。

分布パラメーターの説明。文字ベクトルの cell 配列を指定します。各セルに、1 つの分布パラメーターの簡単な説明が含まれます。

データ型: char

この プロパティ は読み取り専用です。

分布パラメーター名。文字ベクトルの cell 配列を指定します。

データ型: char

オブジェクト関数

cdf累積分布関数
gatherGPU からの Statistics and Machine Learning Toolbox オブジェクトのプロパティの収集
icdf逆累積分布関数
iqr確率分布の四分位数間範囲
mean確率分布の平均
median確率分布の中央値
negloglik確率分布の負の対数尤度
paramci確率分布パラメーターの信頼区間
pdf確率密度関数
plot確率分布オブジェクトのプロット
proflik確率分布のプロファイル尤度関数
random乱数
std確率分布の標準偏差
truncate確率分布オブジェクトの打ち切り
var確率分布の分散

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既定のパラメーター値を使用して正規分布オブジェクトを作成します。

pd = makedist('Normal')
pd = 
  NormalDistribution

  Normal distribution
       mu = 0
    sigma = 1

パラメーター値を指定して正規分布オブジェクトを作成します。

pd = makedist('Normal','mu',75,'sigma',10)
pd = 
  NormalDistribution

  Normal distribution
       mu = 75
    sigma = 10

分布の四分位数間範囲を計算します。

r = iqr(pd)
r = 13.4898

標本データを読み込み、学生の試験成績データの 1 列目が含まれているベクトルを作成します。

load examgrades
x = grades(:,1);

正規分布をデータに近似することにより、正規分布オブジェクトを作成します。

pd = fitdist(x,'Normal')
pd = 
  NormalDistribution

  Normal distribution
       mu = 75.0083   [73.4321, 76.5846]
    sigma =  8.7202   [7.7391, 9.98843]

パラメーター推定の横にある区間は分布パラメーターの 95% 信頼区間です。

拡張機能

バージョン履歴

R2013a で導入