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ライス分布

定義

ライス分布は、次の密度関数をもちます。

I0(xsσ2)xσ2e(x2+s22σ2)

x > 0 において、非心度パラメーターは s ≥ 0、スケール パラメーターは σ > 0 です。I0 は、第 1 種のゼロ次変形ベッセル関数です。x がパラメーター sσ をもつライス分布をもつ場合、(x/σ)2 は 2 つの自由度と非心度パラメーター (s/σ)2 をもつ非心カイ二乗分布をもちます。

背景

通信理論では、仲上分布、仲上分布、ライス分布、および レイリー分布は、多重経路で受信機に到達する散乱信号のモデル化に使用されます。散乱の密度に依存して、信号は異なるフェージングの特性を示します。レイリー分布と仲上分布は、散乱密度が強い場合の散乱信号のモデル化に使用されます。一方、ライス分布は、見通し距離内通信の信号が強い場合のフェージングをモデル化します。仲上分布は、レイリー分布を拡張したもので、フェージングの範囲を詳細に制御できます。

パラメーター

分布パラメーターを評価するには、mle または分布フィッター アプリを使用します。

既知のスケール パラメーターによるライス分布の近似

非心度パラメーターが 8、スケール パラメーターが 5 のライス分布から、サイズが 1000 の標本データを生成します。最初に、ライス分布を作成します。

r = makedist('Rician','s',8,'sigma',5);

次に、作成した分布から標本データを生成します。

rng default % For reproducibility
x = random(r,1000,1);

スケール パラメーターが既知であると仮定して、非心度パラメーターを標本データから推定します。mle を使用してこれを行うには、ライス確率密度関数をカスタム定義しなければなりません。

[phat,pci] = mle(x,'pdf',@(x,s,sigma) pdf('rician',x,s,5),'start',10)
phat = 
7.8953
pci = 2×1

    7.5405
    8.2501

非心度パラメーターの推定値は 7.8953、95% 信頼区間は 7.5404 と 8.2501 です。この信頼区間には、真のパラメーター値 8 が含まれています。

参考

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