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MultinomialDistribution

多項確率分布オブジェクト

説明

MultinomialDistribution オブジェクトは、多項確率分布のパラメーターとモデルの説明から構成されます。

多項分布は、二項分布 の汎化です。二項分布は、2 つの結果をもつ過程を n 回独立試行した場合に "成功" する回数の確率を示し、多項分布は、結果が k 個である過程を n 回独立試行した結果の、それぞれの組み合わせの確率を示します。任意の 1 回の試行での結果の確率は、それぞれ、一定の確率 p1, ..., pk で与えられます。

多項分布は、次のパラメーターを使用します。

パラメーター説明サポート
Probabilities結果の確率0Probabilities(i)1;all(i)Probabilities(i)=1

作成

MultinomialDistribution 確率分布オブジェクトを作成し、makedist を使用してパラメーター値を指定します。

プロパティ

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分布パラメーター

多項分布の結果の確率。範囲 [0,1] のスカラー値のベクトルとして格納します。Probabilities の値の合計は 1 でなければなりません。

データ型: single | double

分布特性

この プロパティ は読み取り専用です。

分布の打ち切りについての論理フラグ。論理値を指定します。IsTruncated0 である場合、分布は打ち切られません。IsTruncated1 である場合、分布は打ち切られます。

データ型: logical

この プロパティ は読み取り専用です。

確率分布のパラメーターの個数。正の整数値を指定します。

データ型: double

この プロパティ は読み取り専用です。

分布パラメーター値。スカラー値のベクトルを指定します。

データ型: single | double

この プロパティ は読み取り専用です。

確率分布の打ち切り区間。打ち切りの上限と下限を含むスカラー値のベクトルを指定します。

データ型: single | double

その他のオブジェクト プロパティ

この プロパティ は読み取り専用です。

確率分布名。文字ベクトルを指定します。

データ型: char

この プロパティ は読み取り専用です。

分布パラメーターの説明。文字ベクトルの cell 配列を指定します。各セルに、1 つの分布パラメーターの簡単な説明が含まれます。

データ型: char

この プロパティ は読み取り専用です。

分布パラメーター名。文字ベクトルの cell 配列を指定します。

データ型: char

オブジェクト関数

cdf累積分布関数
icdf逆累積分布関数
iqr確率分布の四分位数間範囲
mean確率分布の平均
median確率分布の中央値
pdf確率密度関数
plot確率分布オブジェクトのプロット
random乱数
std確率分布の標準偏差
truncate確率分布オブジェクトの打ち切り
var確率分布の分散

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既定のパラメーター値を使用して多項分布オブジェクトを作成します。

pd = makedist('Multinomial')
pd = 
  MultinomialDistribution

  Probabilities:
    0.5000    0.5000


3 つの可能な結果をもつ分布の多項分布オブジェクトを作成します。結果 1 の確率は 1/2、結果 2 の確率は 1/3、結果 3 の確率は 1/6 です。

pd = makedist('Multinomial','Probabilities',[1/2 1/3 1/6])
pd = 
  MultinomialDistribution

  Probabilities:
    0.5000    0.3333    0.1667


分布からランダムな結果を生成します。

rng('default');  % for reproducibility
r = random(pd)
r = 2

この試行では、結果が 2 になりました。既定では、各実験の試行回数 n は 1 です。

各実験の試行回数 n が 1 であり、実験が 10 回繰り返される場合の分布から、ランダムな結果を生成します。

rng('default');  % for reproducibility
r = random(pd,10,1)
r = 10×1

     2
     3
     1
     3
     2
     1
     1
     2
     3
     3

配列内の各要素は、1 回の試行を含む個別の実験の結果です。

各実験の試行回数 n が 5 であり、実験が 10 回繰り返される場合の分布から、ランダムな結果を生成します。

rng('default');  % for reproducibility
r = random(pd,10,5)
r = 10×5

     2     1     2     2     1
     3     3     1     1     1
     1     3     3     1     2
     3     1     3     1     2
     2     2     2     1     1
     1     1     2     2     1
     1     1     2     2     1
     2     3     1     1     2
     3     2     2     3     2
     3     3     1     1     2

結果の行列の各要素は、1 回の試行の結果です。列は各実験の 5 回の試行に対応し、行は 10 回の実験に対応します。たとえば、最初の実験 (最初の行に対応する) では、5 回の試行のうちの 2 回が結果 1 となり、5 回の試行のうちの 3 回が結果 2 となります。

バージョン履歴

R2013a で導入