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Simulink での固定小数点の反復的変換
固定小数点ツールは、Simulink® モデルにおいて固定小数点データ型を指定するタスクを自動化するユーザー インターフェイスです。このツールは、シミュレーション範囲、派生範囲、または設計範囲に基づいてモデル オブジェクトの範囲データを収集します。次に、[固定小数点の反復的変換]
ワークフローでは、ツールによって、精度を最大化し、かつ範囲をカバーする固定小数点データ型が推奨されます。その後、推奨されたデータ型を確認し、モデル内のオブジェクトに選択的に適用することができます。設計要件が満たされない場合、データ型推奨設定を調整し、その効果を可視化して、システムが要件を満たすまで反復できます。
モデルを固定小数点に変換するには、固定小数点ツールを使用した固定小数点の反復的変換の手順に従ってください。完全な変換プロセスの例は、浮動小数点モデルから固定小数点モデルへの変換を参照してください。
DataTypeWorkflow.Converter
オブジェクトおよび関連付けられているオブジェクト関数は、固定小数点ツールの [固定小数点の反復的変換]
の代わりに使用できるコマンド ライン ツールです。
ツール
固定小数点ツール | 浮動小数点モデルを固定小数点モデルに変換 |
関数
fxptdlg | 固定小数点ツールを開く |
クラス
DataTypeWorkflow.Converter | 固定小数点コンバーター オブジェクトの作成 |
DataTypeWorkflow.findDecoupledSubsystems | 近似で置き換えるサブシステムのリストの取得 |
DataTypeWorkflow.ProposalSettings | データ型の推奨のための推奨設定オブジェクト |
DataTypeWorkflow.Result | 実行結果情報を含むオブジェクト |
DataTypeWorkflow.VerificationResult | システムの固定小数点への変換後の結果の検証 |
トピック
固定小数点の反復的変換ワークフローの概要
- データ型の変換の概要
3 つの方法のうちのいずれかでのモデルのデータ型の固定小数点への変換。 - 固定小数点の変換ワークフローのベスト プラクティス
ベスト プラクティスを使用して、モデルを固定小数点に変換する。 - 固定小数点ツールを使用した固定小数点の反復的変換
固定小数点ツールを使用して、システムを浮動小数点から固定小数点に変換する。
- ステップ 1: 変換するシステムの準備
- ステップ 2: 範囲の収集
- ステップ 3: データ型の変換
- ステップ 4: 新しい設定の確認
- ステップ 5: 別のデータ型の探索
- 浮動小数点モデルから固定小数点モデルへの変換
固定小数点ツールを使用して浮動小数点モデルを固定小数点モデルに変換する。 - 固定小数点ツールのコマンド ライン インターフェイス
コマンド ライン インターフェイス ワークフローと固定小数点ツール ワークフローの違いについて学びます。
変換するシステムの準備
- 固定小数点ツールを使用した変換するシステムの準備
固定小数点ツールを使用して、設計対象のシステムについて変換プロセスとの互換性をチェックします。 - 動作の制約の指定
信号許容誤差と Model Verification ブロックを使用して、固定小数点実装の動作を検証します。
範囲の収集
- 固定小数点のインストルメンテーションおよびデータ型オーバーライド
モデルの範囲情報を収集するための、固定小数点のインストルメンテーションおよびデータ型オーバーライドの設定。 - 範囲の収集手法の選択
データ型推奨のベースとなる 3 つの範囲収集手法から選択します。 - 範囲解析の機能について
静的解析による範囲情報の派生方法を学びます。
- 固定小数点ツールによる整数データ型オーバーライドの回避
データ型オーバーライドの使用時にモデル内の整数データ型を維持する。
データ型の推奨
- 固定小数点ツールによるデータ型の推奨方法
固定小数点ツールが収集された範囲および推奨設定に基づいてデータ型を推奨する方法を学びます。 - マージされたシミュレーション範囲に対するデータ型の推奨
固定小数点ツールを使用して複数のシミュレーション結果をマージし、マージされた結果に基づいてデータ型を推奨します。 - 推奨データ型に対するハードウェア実行設定の影響
固定小数点ツールを使用して、単純移動平均アルゴリズムを実装するモデルの語長の推奨を得ます。
データ型の変換
- 参照モデルの固定小数点への変換
固定小数点ツールを使用して、参照モデルのシミュレーションの最小値または最大値をログに記録し、収集された範囲の和集合に基づいてデータ型を推奨する。 - 固定小数点ワークフロー内のバス オブジェクト
データ型オーバーライドのバス オブジェクトでの動作とバス オブジェクトのデータ型の決定方法について学びます。 - 固定小数点ツールを使用したデータ オブジェクトのオートスケーリング
固定小数点ツールを使用して、データ型の指定にデータ オブジェクトを使用するモデルを固定小数点に変換。 - MATLAB Function ブロックの固定小数点への変換
固定小数点ツールを使用した MATLAB® Function ブロックの固定小数点への変換
結果の確認
- 固定小数点ツールでのビューの制御
固定小数点ツールでの情報のフィルター処理、並べ替え、および解析。 - シミュレーション結果の表示
シミュレーション データ インスペクターを使用してシミュレーション結果を表示し、実行を比較して固定小数点設計を検証します。 - 浮動小数点から固定小数点への変換を複数行うことによる探索
さまざまな推奨設定の探索を繰り返し、浮動小数点から固定小数点への最適な変換を見つける。 - データ ディクショナリを使用した複数のデータ型動作のモデル化
参照されるデータ ディクショナリを使用してモデルに複数のデータ型のセットを保存する方法を示す例。
トラブルシューティング
固定小数点の変換でサポートされていないブロックのトラブルシューティング。
Follow best practices and avoid unsupported MATLAB Function block features.
Best Practices for Working with Stateflow Charts in Automated Fixed-Point Conversion Workflows
Follow best practices for Stateflow® charts to avoid unexpected results.
オートスケーリング後にデータ型の伝播エラーを引き起こす可能性のあるモデル化手法について学びます。
範囲解析の問題のトラブルシューティング。
モデル内で競合する設計の最小値と最大値が指定されるのを回避します。
設計最小値と最大値の入力情報を追加指定することにより、設計範囲情報が不十分であるために発生したエラーをトラブルシューティングします。
設計範囲の情報が不十分であるために派生範囲の解析が正常に実行できない場合に、トラブルシューティングを行います。
System object の範囲解析のトラブルシューティング
モデルに対する範囲を派生させることができるように、必要に応じて System object™ を再構成します。
固定小数点ツールでデータ型が推奨されない場合のトラブルシューティング。
構造体の初期条件を Simulink.Parameter
オブジェクトで置換する方法を示す例。
モデルと互換性がないデータ型が固定小数点ツールで推奨される場合のトラブルシューティング。