Simulink.Parameter オブジェクトの範囲の派生
この例では、パラメーターのストレージ クラスが Auto に設定されていない場合に、Simulink.Parameter オブジェクトの設計範囲情報が範囲解析でどのように考慮されるかを説明します。パラメーターのストレージ クラスが Auto に設定されている場合は、解析にはパラメーターの値が使用されます。
ex_derived_min_max_3 モデルを開く
open_system("ex_derived_min_max_3.slx")

このモデルに、Inport ブロックに指定された設計の最小値と最大値が表示されます。両方の Inport ブロックの設計範囲は [1...2] です。
モデルに設計範囲を表示するには、[デバッグ] タブで [情報のオーバーレイ]、[信号のデータ範囲] を選択します。
ゲイン パラメーターの確認
各 Gain ブロックをダブルクリックし、[メイン] タブに表示される [ゲイン] パラメーターの名前をメモします。
Gain ブロック ゲイン パラメーター Gain1paramObjOneGain2paramObjTwo[モデル化] タブの [設計] ギャラリーを展開し、[モデル エクスプローラー] を選択します。
[モデル エクスプローラー] ウィンドウでベース ワークスペースを選択し、モデルで使用される各ゲイン パラメーターの情報を表示します。
ゲイン パラメーター 型情報 値 ストレージ クラス paramObjOneSimulink.Parameterオブジェクト2AutoparamObjTwoSimulink.Parameterオブジェクト2Model default
範囲の派生
Simulink® [アプリ] タブから [固定小数点ツール] を選択します。
固定小数点ツールの [新規] ワークフローで、
[固定小数点の反復的変換]を選択します。固定小数点ツールの [設計対象のシステム (SUD)] で、変換するシステムとして
ex_derived_min_max_3を選択します。[範囲の収集モード] で [派生範囲] を選択します。
[範囲の収集] ボタンをクリックします。
解析が完了すると、固定小数点ツールによって、モデル内のブロックの派生した最小値と最大値がスプレッドシートに表示されます。
ブロック 派生範囲 原因 Gain1[2..4]Gain ブロック
Gain1で指定されたゲイン パラメーターparamObjOneは、ストレージ クラスが[自動]に指定されたSimulink.Parameterオブジェクトです。範囲解析ではSimulink.ParameterオブジェクトのValueプロパティの値2を使用し、ゲイン パラメーターに指定された設計範囲を無視します。Gain2[1..20]Gain ブロック
Gain2で指定されたゲイン パラメーターparamObjTwoは、ストレージ クラスが[Model default]に指定されたSimulink.Parameterオブジェクトです。範囲解析は、このパラメーターに指定された設計範囲の[1..10]を考慮します。