設計範囲の競合の修正
次の例に、設計範囲の競合を修正する方法を示します。モデル内で競合する設計の最小値と最大値を指定すると、範囲解析ソフトウェアからエラーが報告されます。このエラーを修正するには、モデルに指定された設計範囲を調べて、矛盾する設計指定を特定します。情報が整合するように修正します。次の例で、Outport ブロックに指定された出力設計範囲は Inport ブロックに指定された入力設計範囲と競合しています。
モデルを開く
ex_range_conflict
モデルを開きます。
open_system("ex_range_conflict.slx")
このモデルに、モデル内のブロックに指定された設計の最小値と最大値が表示されます。
Inport ブロックの
In1
とIn2
の設計範囲は[-1..1]
です。Outport ブロックの
Out1
の設計範囲は[10..20
です。
モデルに設計範囲を表示するには、[デバッグ] タブで [情報のオーバーレイ]、[信号のデータ範囲] を選択します。
固定小数点ツールでの範囲の収集
Simulink® [アプリ] タブから [固定小数点ツール] を選択します。
固定小数点ツールの [新規] ワークフローで、
[固定小数点の反復的変換]
を選択します。固定小数点ツールの [設計対象のシステム (SUD)] で、変換するシステムとして
ex_range_conflict
を選択します。[範囲の収集モード] で [派生範囲] を選択します。
[範囲の収集] ボタンをクリックします。
Sum ブロックの派生範囲である
[-2..2]
は Outport ブロックに指定された設計範囲の[10..20]
の外にあるため、固定小数点ツールはエラーを報告します。
設計範囲の競合の修正
競合を修正するには、Outport ブロックの設計範囲を
[-10..20]
に変更し、この範囲に Sum ブロックの派生範囲が含まれるようにします。モデルで Outport ブロックをダブルクリックします。
[ブロック パラメーター] ダイアログ ボックスで [信号属性] タブを選択します。
このタブで [最小値] を
-10
に設定し、[OK] をクリックします。
前に収集された範囲をクリアし、範囲解析を再実行します。
固定小数点ツールの [新規] ワークフローで、
[範囲の収集]
を選択します。ワークフローを変更すると、ワークフローがアクティブな間に収集された範囲データがクリアされます。
[固定小数点の反復的変換]
ワークフローに戻します。範囲の収集モードとして [派生範囲] を選択します。
[範囲の収集] ボタンを再度クリックして、範囲解析を再実行します。
範囲解析により Outport ブロックの最小値
-2
と最大値2
を派性させます。