サブシステム レベルでの範囲の派生
個々の Atomic Subsystem と Atomic チャート用に範囲情報を派生できます。モデル レベルで範囲を派生させるとき、ソフトウェアではモデルのスコープ内のすべての情報を考慮に入れます。サブシステム レベルのみで範囲を派生させるとき、ソフトウェアではサブシステムをスタンドアロン ユニットとして処理するため、派生した範囲はサブシステムまたはチャートで指定されたローカルな設計範囲情報のみに基づくことになります。したがって、サブシステム レベルで範囲を派生させるとき、解析結果はモデル レベルでの解析の結果とは異なる可能性があります。
たとえば、定数値 1
の入力信号に接続されている、設計の最小値が -10
、設計の最大値が 10
である入力をもつサブシステムについて検討します。モデル レベルで範囲を派生させるとき、範囲解析ソフトウェアでは入力として定数値 1
が使用されます。サブシステム レベルで範囲を派生させるとき、範囲解析ソフトウェアでは定数値を考慮に入れず、その代わりに範囲として [-10..10]
が使用されます。
サブシステム レベルで範囲を派生させる場合
次のことを容易にするために、サブシステム レベルで範囲を派生させます。
システムの検証
モデル内の個々のサブシステムを 1 つずつ解析することがベスト プラクティスです。これにより、サブシステムの Atomic な動作が理解しやすくなります。また、すべての問題の原因を分離することでデバッグが容易になります。
キャリブレーション
サブシステム レベルでの解析の結果は、サブシステム内で指定されている設定のみに基づいています。推奨されるデータ型は、サブシステムの意図された全設計範囲に対応しています。これらの結果に基づいて、モデルの他の部分でサブシステムを再利用できるかどうかを決定できます。
サブシステム レベルでの範囲の派生
範囲を派生させるための完全な手順は、範囲の派生方法で説明されています。
サブシステム レベルで範囲を派生させるために覚えておく必要がある重要な点は、次のとおりです。
サブシステムまたはサブチャートは Atomic でなければなりません。
"Atomic サブシステム" は、親モデルを基準にした単位として動作します。Atomic Subsystem ブロックの実行は、親ブロックの実行とインターリーブしません。Atomic Subsystem を抽出して、スタンドアロンのモデルとして使用できます。
固定小数点ツールの [設計対象のシステム (SUD)] で、対象とするサブシステムを選択します。
[範囲の収集モード] で範囲の収集方法として [派生範囲] を選択します。