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固定小数点ツールによるデータ型の推奨方法

固定小数点ツールを使用して語長を推奨するには、モデルのデータ型に対する小数部の長さの要件を指定しなければなりません。モデル化するシステムに必要な精度に応じた小数部の長さを選択します。小数部の長さを指定しない場合、固定小数点ツールは [既定の小数部の長さ]4 に設定します。固定小数点ツールは、収集された範囲情報でオーバーフローが発生するのを避けるために、指定された小数部の長さを使用して、選択したモデルまたはサブシステムのオブジェクトに対する最小の語長を推奨します。

推奨される語長は以下に基づいたものとなります。

  • 設計範囲情報と固定小数点ツールが収集する範囲情報。この収集された範囲情報は、シミュレーション範囲データ、派生範囲データ、または派生範囲によるシミュレーション データのいずれかです。

  • ブロックや信号オブジェクトに対して指定するデータ型の符号属性と小数部の長さ。

  • [コンフィギュレーション パラメーター] で指定した製品ハードウェア実行の設定。

固定小数点ツールでの範囲情報の使用方法

固定小数点ツールは、範囲情報の可用性と固定小数点ツールの設定に基づいて、さまざまな種類の範囲情報を使用するかどうか判断します。

設計の範囲情報は、シミュレーションの範囲データや派生した範囲データより常に優先されます。設計の範囲情報がないときは、固定小数点ツールはシミュレーション範囲データまたは派生した範囲データのいずれかを使用します。安全余裕を指定する場合、固定小数点ツールは安全余裕を考慮します。

たとえば、信号の設計範囲が [-10,10] の場合、固定小数点ツールはこの範囲を推奨に使用し、シミュレーションの範囲および派生した範囲情報をすべて無視します。

信号に指定された設計情報がなく、シミュレーション範囲の [-8,8] と派生した範囲の [-2,2] が設定されている場合は、推奨にこれらの範囲を組み合わせた [-8,8] を使用します。安全余裕が 50% に指定されている場合、推奨では [-12, 12] の範囲を使用します。

固定小数点ツールでのターゲット ハードウェア情報の使用方法

固定小数点ツールは理想的な語長を計算した後、この語長がターゲット ハードウェアの製品ハードウェア実行の設定に整合していることを確認します。

  • ターゲット ハードウェアが FPGA/ASIC である場合、固定小数点ツールは理想的な語長を推奨します。理想的な語長が 128 より長い場合、固定小数点ツールは 128 を推奨します。

  • ターゲット ハードウェアが組み込みプロセッサである場合、固定小数点ツールは理想的な語長を切り上げて、プロセッサの最も近いサポートされているデータ型を推奨します。

継承した出力データ型を使用するオブジェクトに対する推奨の取得方法

ブロックは、そのブロックが接続されている信号や特定のブロック パラメーターなど、さまざまなソースからデータ型を継承できます。次の表に、ブロックが指定する継承ルールの種類を示します。

継承ルール説明

Inherit: Inherit via back propagation

Simulink は、データ型伝播中に自動的にブロックの出力データ型を決定します。この場合、そのブロックは、下流のブロックまたは信号オブジェクトのデータ型を使用します。

Inherit: Same as input

ブロックは、ブロックの出力信号に対して単一入力信号のデータ型を使用します。

Inherit: Same as first input

ブロックは、ブロックの出力信号に対してその最初の入力信号のデータ型を使用します。

Inherit: Same as second input

ブロックは、ブロックの出力信号に対してその 2 番目の入力信号のデータ型を使用します。

Inherit: Inherit via internal rule

ブロックは、内部ルールを使用してその出力データ型を決定します。内部ルールに基づいて、組み込みターゲットのハードウェア特性を考慮して、数値精度、パフォーマンスおよび生成されるコード サイズを最適化するデータ型が選択されます。ソフトウェアで常に処理効率と数値精度の両方を同時に最適化できるわけではありません。

継承された出力データ型を指定する結果に対する推奨を有効にするには、固定小数点ツールで、ツールストリップの [変換] セクションの、[設定] の下にある [継承された型の変換] 設定を [はい] に設定します。

継承した出力データ型を指定するオブジェクトに対して、固定小数点ツールは収集された範囲および指定された推奨設定に基づいて新しいデータ型を推奨します。

固定小数点ツールが継承したデータ型に対して推奨を行わない場合

固定小数点ツールは、ブロックまたはモデル オブジェクトの [出力データ型] パラメーターに対してのみデータ型を推奨します。Sum ブロックの [アキュムレータのデータ型] または Gain ブロック内の [ゲイン] パラメーターなどのその他のブロック データ型に対しては推奨を行いません。

固定小数点ツールはまた、継承した出力データ型を使用している場合は次のモデル オブジェクトに対する推奨も行いません。

  • 信号オブジェクト

  • Stateflow チャート

  • バス オブジェクト

  • MATLAB® 変数

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