無人航空機向け
MATLAB と Simulink には、無人航空機 (UAV) や自律飛行アプリケーションの開発を加速させる機能が用意されています。
MATLAB と Simulink を使用すれば、次のことが可能になります。
- UAV システム アーキテクチャのモデル化および解析
- 環境要因を含めた UAV プラントモデルを使用した飛行制御アルゴリズムの設計とシミュレーション
- コンピューター ビジョン、Lidar とレーダー処理、センサーフュージョンのためにあらかじめ用意されたアルゴリズム、センサーモデル、およびアプリを使用した、自律飛行向け知覚システムおよびモーション プランニング システムの開発
- 閉ループ 3D シミュレーション環境での UAV の性能評価
- 量産向けコードの自動生成とフライト コントローラーやオンボードのコンピューティング ボードへの展開
- MATLAB と Simulink から UAV に接続して制御
- UAV のフライトテレメトリとペイロードのデータ解析
UAV 開発向け
MATLAB および Simulink の使用
UAV プラットフォーム開発
MATLAB と Simulink を使用すると、要件とリンクさせながら UAV システム アーキテクチャをモデル化して解析することが可能になります。ハードウェアに接続せずに、シミュレーションでプラントモデルを使用して飛行制御アルゴリズムを設計およびテストし、フライトテスト前にリスクを低減することができます。さらに、ハードウェア実装のための飛行制御ソフトウェアの量産向けコードを自動的に生成することができます。MATLAB と Simulink では、以下のことが可能になります。
- UAV アーキテクチャモデルを要件とリンクさせながら開発して検査
- UAV プラットフォーム、飛行制御システム、および環境影響のモデル化と、システムレベルのシミュレーションの統合および実行
- マイクロプロセッサ、FPGA、GPU に実装するための量産向けコードを自動生成
- PX4 などの一般的な UAV 自動操縦装置や Raspberry Pi™ などの低コストのハードウェアへの接続
- Micro Air Vehicle Link (MAVLink) 通信プロトコルを使用した UAV ハードウェアへの接続と、対話型のアプリを使用したフライト テレメトリ データの解析
知覚と位置推定
自律飛行を行うには、UAV による自己認識および状況認識が必要です。MATLAB と Simulink には、オブジェクト検出、地図作製、位置推定アプリケーションを構築するためのあらかじめ用意されたアルゴリズムおよびセンサーモデルが搭載されています。IMU/GPS センサーの読み取り値をシミュレーションして、UAV の姿勢を推定するための融合および位置推定のアルゴリズムを設計します。ディープラーニングと機械学習を使用して、物体や人物を検出するためのアルゴリズムを開発したり、UAV を使用した外観検査を行うためのアプリケーションを構築したりします。MATLAB と Simulink を使用すれば、次のことが可能になります。
- オブジェクトの検出および追跡、動き推定、3D 点群の処理、センサーフュージョンの実行
- 画像分類、回帰、特徴学習のためのディープラーニングの使用
- 3D Lidar SLAM と Visual SLAM のアルゴリズムを使用した環境地図の作成
- 位置推定のためのセンサー フュージョン アルゴリズムの設計およびシミュレーション
- C/C++、固定小数点、HDL、CUDA® コードへのアルゴリズムの自動変換
モーション プランニングと制御
自律型 UAV は、衝突のない経路に従いタスクを完了するために、環境をナビゲートする必要があります。MATLAB と Simulink には、あらかじめ用意されたアルゴリズムとブロックライブラリを使用して、UAV ミッションを構築し、複雑な経路を計画する機能が搭載されています。また、組み込みのアニメーション機能を使用して、UAV のモーション プランニングの初期評価を行うこともできます。MATLAB と Simulink を使用すれば、次のことが可能になります。
- ウェイポイント追従、軌道追従、経路管理などによる UAV 誘導モデルを使用した UAV ミッションの設計とシミュレーション
- UAV 経路向けのハイブリッド A* や RRT* などのパスプランナーの使用
- モデル予測制御を使用した軌跡最適化と制御の実行
- 強化学習を適用した UAV の軌跡生成
- MATLAB 内での UAV 飛行のアニメーション化
シミュレーションベースのテスト
シミュレーションの使用により、仮想テストで設計エラーを検出し、ハードウェアによる飛行テストのリスクとコストを削減することができます。MATLAB と Simulink で UAV プラントモデル、飛行制御、自律飛行アルゴリズムを統合し、シミュレーション テストを実行して自動化することができます。また、フォトリアリスティックなシミュレーション環境での自律型 UAV アプリケーションの閉ループシミュレーションのために、センサーの読み取り値を合成することもできます。MATLAB と Simulink では、以下のことが可能になります。
- GPS、INS、Lidar、カメラなどの自律型 UAV アプリケーション向けセンサーのシミュレーション
- UAV シナリオの作成と直方体ベースのシミュレーション環境でのシミュレーション
- フォトリアリスティックな 3D シミュレーションのための Epic Games® Unreal Engine® との統合
- ROS/ROS2 や Gazebo のようなシミュレーターとの接続による自律型 UAV アプリケーションのシミュレーション
- コックピット計器ブロックを含めた Simulink モデルでの飛行ステータス情報の表示