Aerospace Blockset
航空宇宙機の運動のモデリング、シミュレーション、解析
Aerospace Blockset™ は、航空宇宙機のモデリング、シミュレーション、解析に使用する Simulink® ブロックを提供します。機体の運動、検証済みの飛行環境モデル、パイロットの挙動を組み込み、このモデルをフライトシミュレータ ーの FlightGear に接続してシミュレーション結果を可視化します。
Aerospace Blockset では、空力係数や Data Compendium (Datcom) 導関数を使用して、固定翼機、回転翼機、およびマルチコプターのモデルを作成できます。また、事前構築済みのコンポーネント ライブラリを使用して、GNC アルゴリズムを設計しアクチュエーターの運動および推進サブシステムをモデリングすることができます。航空宇宙向けの数学演算、座標系、および空間変換が組み込まれており、3 自由度 (3DOF) および 6 自由度 (6DOF) の物体の挙動を表現できます。
このブロックセットには、大気、重力、風、ジオイド高、磁場に関する検証済みの環境モデルが含まれており、これらで飛行条件を表現することでシミュレーションの忠実度が向上します。機体制御解析ツールでは、航空宇宙機の動的応答と飛行特性を解析できます。解析の完成度を高めるため、事前構築済みの フライトシミュレーターのFlightGear インターフェイスで、標準的なコックピット計器を使用して機体の飛行を Simulink から直接可視化することができます。
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質点、3 自由度、および 6 自由度の運動方程式
運動方程式ブロックを使用して、不変質量および可変質量による 3 自由度および 6 自由度の運動方程式のシミュレーションを実行できます。また、機体、風、地球中心地球固定 (ECEF) 座標系の運動方程式の表現を定義できます。
飛行制御解析
Aerospace Blockset および Simulink Control Design™ を使用して、航空宇宙機の動的応答の高度な解析を実行できます。初回使用時にはテンプレートを使用し、関数を使用して Simulink でモデリングされた機体の飛行特性の演算と解析を実行できます。
誘導、ナビゲーション、および制御
誘導ブロックでは、2 機の機体間の距離を演算できます。ナビゲーション ブロックでは、加速度計、ジャイロスコープ、慣性計測装置 (IMU) をモデリングできます。制御ブロックでは、航空宇宙機の運動を制御できます。
大気
ブロックを使用して、International Standard Atmosphere (ISA) や 1976 Committee on Extension to the Standard Atmosphere (COESA) の大気モデルなど、標準大気の数学表現を実装できます。
重力と磁場
1984 World Geodetic System、1996 Earth Geopotential Model (EGM96)、または World Magnetic Models (WMM) などの標準を使用して重力および磁場の演算を実行したり、天文データをダウンロードしてジオイド高およびジオイド起伏の演算を実行したりできます。
風
MIL-F-8785C、MIL-HDBK-1797、および U.S. Naval Research Laboratory Horizontal Wind Models (HWM) の標準による数学表現などを適用し、飛行シミュレーションで風の影響を考慮します。
飛行計器
飛行計器ブロックを使用してナビゲーション変数を表示できます。このブロックでは、対気速度計、上昇率計、排気ガス温度計、高度計、人工水平儀、旋回傾斜計などの飛行計器ライブラリを使用できます。
フライトシミュレーター インターフェイス
ブロックを使用して、フライトシミュレーターのFlightGear とのインターフェイスを使用し、3 次元環境で航空宇宙機の運動を可視化できます。まずは NASA の HL-20 リフティングボディ宇宙往還機を使用した実行例をご覧ください。
アクチュエーター
固有振動数、減衰比、飽和、比率、偏差の制限などに基づいて線形および非線形のアクチュエーターを表現できます。
パイロットモデル
伝達関数を使用して運動モデル内でパイロットの応答を考慮し、反応時間を表現します。パイロットモデル ライブラリには 3 種類のブロックが含まれていて、双一次 (Tustin) 変換、精度、交差の各モデルを実装できます。
エンジンシステム
ターボファン エンジンシステム ブロックでは、特定のスロットル位置、マッハ数、高度におけるターボファン エンジンおよび制御機器の推力および燃料流量の重量の演算を実行できます。
CubeSat シミュレーション ライブラリ
このライブラリには、Simulink® ですぐにシミュレーションできる、モデル化された小型衛星の例が用意されています。また、Simulink スタートページから直接開くテンプレートモデルも提供しています。ライブラリには、並進ダイナミクスおよび回転ダイナミクスのモデル化を始めるのに役立つ、さまざまなレベルの忠実度の軌道伝播の計算や衛星の姿勢プロファイルの決定のためのブロックが含まれています。
天象ブロックライブラリ
Simulink で、NASA Jet Propulsion Laboratory (JPL) から取得したチェビシェフ係数を使用して、ユリウス暦の特定の日における太陽系小天体の、特定の物体中心に対する相対的な位置と速度、および地球の章動と月の秤動運動を表現できます。
Orbit Propagator ブロック:
さまざまなレベルの忠実度で 1 つ以上の衛星軌道を伝播
Attitude Profile ブロック:
目的の衛星姿勢になるように回転を計算
International Geomagnetic Reference Field ブロック:
13 世代の国際標準地球磁場 (IGRF-13) を Simulink に実装
[2020a] World Magnetic Model ブロック:
World Magnetic Model 2020 を Simulink に実装
[2019a] CubeSat シミュレーション ライブラリ:
CubeSat の運動と力学をモデリング、シミュレーション、可視化する
[2019a] 飛行制御解析ツール:
航空宇宙機の縦方向と横方向の飛行特性を解析
これらの機能やそれに対応する機能の詳細については、リリースノートをご覧ください。