学際的なチームは、自律型無人潜水機ワークフロー全体で、共通の統合環境として MATLAB および Simulink を使用できます。システム エンジニアリングから、プラットフォーム モデリング、環境シミュレーション、および自律アルゴリズム設計まで、モデルベースデザイン (MBD、モデルベース開発) は、海上試運転をする前に、リスクを軽減し、システム性能の十分な信頼性を確立するのに役立ちます。
自律型無人潜水機 (AUV) 向けの MATLAB の使用
Simulink モデルに要件をリンクさせる、トレードスタディの実行とアーキテクチャの開発
MATLAB と Simulink を使用すると、実装とコード生成に至るまで、システム アーキテクチャに対して要件を追跡する真のデジタルスレッドを作成できます。これにより、ダイナミクスモデル (電気機械システムとプロペラなど) を使用してトレードスタディを実行したり、ミッション計画向けに高水準の通信システムを評価したりすることができます。また、バッテリー容量やピーク時負荷などのシステム固有の電力制約を評価する電力システムモデリングを実行することもできます。DDS や ROS などのミドルウェアを使用すると、コンポーネントとアプリケーションは、設計が成熟するにつれ、情報を共有し、相互に連携することができます。
複雑な 3D ダイナミクスと電気機械動作のモデル化および可視化
MATLAB と Simulink を使用すれば、強力で効率的な水中プラットフォームのマルチドメインモデルを構築できます。Simscape と Simscape Multibody を用いた物理モデリングによって、流体力学、流体効果、動的挙動、および CAD モデルからの慣性の効果を統合できます。Simscape Electrical では、バッテリーや推進機などの電子コンポーネントおよびメカトロニック コンポーネントを備えた電力システムのモデルを構築できます。実際的な電気機械プラントモデルを使用して、コンポーネントの障害をシミュレーションし、システムレベルの性能を評価できます。Simulink では、プラントモデルを低解像度直方体環境または Unreal Engine を用いたフォトリアリスティックな世界に接続することでループを閉じ、センサーの動作をシミュレーションして、知覚アルゴリズムの妥当性を確認し、結果を提示することができます。
検出、知覚、およびミッション計画のためのモデルの活用
MATLAB と Simulink には、アルゴリズムを開発し、システム性能を最適化するためのツールが用意されています。ソナー、フェーズドアレイ、慣性測定ユニット (IMU) などのセンサーモデルを使用して、システムがセンサー フュージョン、位置推定、マッピング、追跡のための環境をどのように検出するかをプロトタイピングすることができます。MATLAB および Simulink では、機械学習およびディープラーニングの機能によって、車両の自律レベルを高めることができます。さらに、Communications Toolbox と Phased Array System Toolbox が、ミッション計画や通信性能に関する信号伝播および経路損失モデルの解析に役立ちます。
複数の自由度と制約のためのコントローラーの設計と最適化
MATLAB と Simulink を使用して、海洋車両用のモーション プランニングとパス追従のコントローラーを設計、反復、最適化できます。車両の運動を 2D と 3D でシミュレーションできます。3D シミュレーションでは、海洋車両の運動の結合効果をさまざまな座標軸でモデル化し、観察できます。運動のシミュレーション中に、エネルギー消費量や回転半径などのパラメーターを監視し、特定の条件での運動プランナーを最適化できます。 MATLAB と Simulink で設計された運動コントローラーは、マイクロコントローラーや FPGA などの組み込みハードウェアに直接展開できます。
自律アルゴリズムの開発とテスト
MATLAB と Simulink を使用すると、システムロジックをモデル化し、運動プランナーとアルゴリズムを評価できます。モーション プランニング、位置推定およびマッピングの例は、カスタム ソリューションの着手、およびテスト用のベンチマークの提供に役立ちます。範囲、解像度、ノイズ、電力などの調整可能なパラメーターを持つセンサーオプション間の設計トレードオフを調べることができます。また、ロール角や最小回転半径などの高忠実度またはシステムレベルの車両運動を考慮した、パスプランナーを設計することもできます。Stateflow を使用すると、監視制御、タスク スケジューリングおよび障害管理システムを設計し開発できます。