Robust Control Toolbox は、プラントに不確かさが存在する場合の、制御システムの性能やロバスト性を解析および調整するための関数とブロックを提供します。不確かなパラメーターやモデル化されていないダイナミクスなどの不確かな要素とノミナルダイナミクスを組み合わせることにより、不確かなモデルを作成できます。プラントモデルの不確かさが制御システムの性能に与える影響を分析し、不確かな要素のワーストケースの組み合わせを特定できます。H∞ およびμ設計法によって、ロバストな安定性と性能を最大化するコントローラーを設計することができます。
このツールボックスは、Control System Toolbox の自動調整機能にロバスト調整を追加します。調整されたコントローラーは、複数のフィードバックループにまたがる複数の調整可能なブロックで分散化できます。ノミナルプラントの性能を最適化しながら、不確かさの全範囲にわたってより低い、最小の性能を適用できます。
プラントの不確かさのモデル化
不確かなパラメーターや考慮されていないダイナミクスなどの不確かな要素と、ノミナルダイナミクスを組み合わせることにより、不確かさをもつ詳細なモデルを作成します。不確かな状態空間および周波数応答モデルを使用して、不確かなシステムを表現します。
ドキュメンテーション | 例
ディスク余裕を使用した安定性解析
SISO および MIMO フィードバックループのディスクベースのゲインと位相余裕を使用して、不確かさが制御システムの安定性と性能に与える影響を定量化します。
ドキュメンテーション | 例
ロバスト性およびワーストケース解析
無作為抽出を用いずに、ワーストケースの性能の上限と下限を計算します。また、システムが安定性や目標とする性能を維持しながら、不確かなパラメーターの変動をどの程度許容できるかを示すロバスト性の余裕を計算することもできます。
ドキュメンテーション | 例
Simulink によるロバスト制御の設計
不確かさの要素を Simulink モデルで表現し、モデルを線形化して、システム全体での不確かさの影響を解析します。Simulink でモデル化された不確かなシステムの自動コントローラー調整を実行します。
ドキュメンテーション | 例
線形行列不等式
一般的な線形行列不等式 (LMI) 問題を指定し、求解します。Robust Control Toolbox には、実現可能性、コストの最小化、および一般化固有値最小化のための LMI ソルバーが用意されています。
リファレンス アプリケーション
航空宇宙、パワー エレクトロニクス、および自動車分野の参照例を使用して、不確かさをもつプラントモデルに対して、MATLAB および Simulink でモデル化した、構造が固定されたコントローラーを合成して調整します。
ドキュメンテーション | 例