System Identification Toolbox

測定された入出力データから線形および非線形動的システムモデルを作成

 

System Identification Toolbox™ は、測定された入出力データから動的システムの数学モデルを構築するための MATLAB® 関数、Simulink® ブロック、およびアプリを提供します。第一原理や仕様からのモデル化が容易ではない動的システムのモデルを作成および使用できます。時間領域と周波数領域の入出力データを使用して、連続時間と離散時間の伝達関数、プロセスモデル、および状態空間モデルを同定できます。また、組み込みのオンライン パラメーター推定のアルゴリズムも提供します。

ツールボックスには、最尤推定、予測誤差法 (PEM)、部分空間システム同定などの同定手法も用意されています。非線形のシステムダイナミクスを表すために、ウェーブレット ネットワーク、ツリーパーティション、およびシグモイド ネットワークの非線形性をもつ、Hammerstein-Wiener モデルや非線形 ARX モデルを推定できます。また、ユーザー定義モデルのパラメーターを推定するために、グレーボックス システム同定を実行できます。同定したモデルは、システム応答の予測や、Simulink でのプラントモデリングに使用できます。また、時系列データのモデル化や、時系列予測もサポートしています。

今すぐ始める:

システム同定アプリ

測定された入出力データを使用して、システムの線形および非線形モデルを対話形式で推定します。

データのインポートと前処理

測定された時間領域と周波数領域のデータをインポートします。トレンド除去、フィルター処理、リサンプリングなどの操作を行うことで、データを前処理したり、欠損データを再構成したりすることができます。

モデルの推定と検証

測定された入出力データから線型モデルおよび非線形モデルを同定します。同定されたモデルの比較、プロパティの解析、信頼限界の計算、テストデータセットに対する検証を行うことができます。

線形モデルの同定

コントローラー設計などのアプリケーションでは、測定データから線形モデルを推定します。

伝達関数およびプロセスモデル

指定した数の極と零点をもつ、多入力多出力の連続時間/離散時間伝達関数を推定します。転送遅延は、ユーザーが指定することも、ツールボックスに自動的に決定させることもできます。

状態空間と多項式モデル

最適なモデル次数を決定し、システムの状態空間モデルを推定します。ARX、ARMAX、Box-Jenkins、Output-Error 多項式モデルも推定できます。

周波数およびインパルス応答モデル

スペクトル解析と相関解析を使用して、周波数領域と時間領域のデータからシステムのモデルを推定します。周波数応答データは、Simulink Control Design を使用して Simulink モデルから取得することもできます。

オンライン推定

適応制御、故障検出、ソフトセンシングなどのアプリケーションに、オンライン推定モデルを使用します。これらのモデルを展開し、ライブデータを用いて組み込みデバイスでリアルタイムに実行することができます。

再帰モデルを用いたパラメーター推定

新しいデータが追加されるとパラメーターを更新する再帰モデルを使用して、システムのモデルをリアルタイムに推定します。これらのモデルは、組み込みの Simulink ブロックを使用して実装することができます。Simulink Coder™ を使用してブロックから C/C++ コードを生成し、組み込みデバイスをターゲットにします。

カルマンフィルターによる状態推定

粒子フィルターだけでなく、線形、拡張、またはアンセンテッド カルマン フィルターを使用して、リアルタイムデータからシステム状態を推定します。組み込みの Simulink ブロックを使用して、これらのアルゴリズムを実装することができます。Simulink Coder™ を使用してブロックから C/C++ コードを生成し、組み込みデバイスをターゲットにします。

制御システム設計と Simulink

組み込みのブロックを使用して Simulink で推定モデルを実装します。MATLAB や Simulink でコントローラーを設計する際に、推定モデルを使用してプラントモデルを表現することができます。

Simulink との統合

組み込みのブロックを使用して、Simulink で推定モデル、状態推定器、および再帰モデルを実装します。これらのブロックを使用して、システムの解析や制御設計のタスクを実行することができます。

コントローラー設計

Control System Toolbox を使用したコントローラーの設計および調整のために、推定したモデルを使用します。PID 調整器アプリのシステム同定機能を使用して、測定データまたは不連続性をもつ Simulink モデルから線形プラントのダイナミクスを推定します。 

非線形モデルの同定

システムの非線形性を捕捉することができるモデルを推定します。

非線形 ARX モデル

ウェーブレット ネットワーク、木分割、シグモイド ネットワーク、およびニューラル ネットワーク (Deep Learning Toolbox™が必要) で表現される非線形性と自己回帰モデルを組み合わせてシステムをモデル化します。

ウェーブレット非線形性をもつ非線形 ARX モデルの推定。

Hammerstein-Wiener モデル

線形システムの入力や出力に存在する静的な非線形歪みを推定します。たとえば、DC モーターを動作させる入力電流に影響を与える飽和レベルを推定することができます。

グレーボックスモデルの同定

既知のパラメーターと未知のパラメーターが混在した方程式のセットで表現されるグレーボックスモデルを構築します。その後、測定されたテストデータを使用してこれらのパラメーターを推定し、モデル構造を変更することなくシステムのダイナミクスを取得することができます。

線形グレーボックスモデル

微分方程式、差分方程式、または状態空間システムを使用して、線形システムをモデル化します。測定された入出力データから、振子の質量と長さ、またはモーター抵抗とバック EMF 定数などの指定されたモデル パラメーターを推定します。

DC モーターの線形グレーボックスモデル。

非線形グレーボックスモデル

非線形微分方程式または差分方程式を使って、システムをモデル化します。測定された入出力データから、指定されたモデルパラメーターを推定します。

ツータンクシステムは、線形モデルよりも非線形グレーボックスモデルでよく表現されています。

時系列モデル

AR、ARMA、状態空間、その他の線形および非線形モデルを同定して時系列データを分析します。

時系列モデル

システムから測定されたデータに適合する時系列モデルを推定します。時系列モデルの将来の値を予測して、システムがどのように動作するかを予測することができます。

時系列モデルを使用して、機器の状態を予測できます。

新機能

ライブエディター タスク

重み付けプレフィルターを損失関数に適用することで、推定された状態空間とプロセスモデルの精度を改善

ライブエディター タスク

状態空間とプロセスモデルの同定タスクを対話的に実行し、MATLAB コードをライブスクリプトに生成

拡張およびアンセンテッド カルマン フィルター向け残差

フィルター予測の残差および残差共分散を算出

これらの機能および対応する関数の詳細については、リリースノートを参照してください。