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固定翼 UAV 用のウェイポイント追従の調整

この例では、固定翼無人航空機 (UAV) 用のウェイポイント追従コントローラーを設計します。Guidance Modelブロックと Waypoint Followerブロックは、UAV ガイダンス モデルをシミュレーションし、ウェイポイントを追従するコマンドを生成する主要コンポーネントです。

この例では、各種の制御構成を繰り返し、固定翼 UAV の運動学モデルをシミュレーションすることで、UAV の飛行動作を実証します。

ガイダンス モデルの構成

固定翼ガイダンス モデルは、固定翼のエアロダイナミクスと自動操縦で構成される閉ループ システムの運動学的動作を近似します。このガイダンス モデルは、UAV の安定飛行状態に近い低忠実度での小型 UAV の飛行シミュレーションに適しています。このガイダンス モデルを使用して、ウェイポイント追従によって誘導される固定翼 UAV の飛行状態をシミュレーションできます。

次の Simulink® モデルを使用すると、ステップ制御入力に対する固定翼ガイダンス モデルの応答を観察できます。

open_system('uavStepResponse');

ウェイポイント追従との統合

fixedWingPathFollowing モデルは、ウェイポイント追従と固定翼ガイダンス モデルを統合しています。このモデルは、ガイダンス モデルの出力バス信号から必要な情報を抽出し、ウェイポイント追従に供給する方法を示しています。このモデルは、ガイダンス モデル ブロックの制御入力と環境入力を組み合わせています。

open_system('fixedWingPathFollowing');

ウェイポイント追従の構成

ウェイポイント追従コントローラーには、"UAV Waypoint Follower" ブロックと固定翼 UAV 機首方位コントローラーの 2 つの部分があります。

UAV Waypoint Follower ブロックは、現在の姿勢、前方注視距離、および指定された一連のウェイポイントに基づいて、UAV の目的の機首方位を計算します。UAV はこれらの機首方位に沿って飛行し、リスト内の各ウェイポイント (指定された遷移半径内) を通ります。

Heading Control ブロックは、協調飛行条件下でロール角を制御することにより UAV の向首角を制御する比例コントローラーです。

UAV Animationブロックは、UAV の飛行経路と姿勢を可視化します。無風状態での固定翼シミュレーションでは、ボディピッチ角は飛行経路角と迎角の和になります。小型固定翼 UAV の場合、迎角は通常、自動操縦によって制御され、比較的小さいままです。可視化のために、ピッチ角を飛行経路角で近似します。無風で横滑りがゼロの条件では、ボディのヨー角は向首角と同一になります。

シミュレーションを通じたウェイポイント追従コントローラーの調整

モデルのシミュレーションを実行します。スライダーを使用して、コントローラーのウェイポイント追従を調整します。

sim("fixedWingPathFollowing")

次の図は、前方注視距離を小さく (5)、機首方位制御を速く (3.9) した場合の飛行動作を示しています。UAV はウェイポイント間で非常に曲線的な経路を追従していることに注意してください。

次の図は、前方注視距離を大きくし、機首方位制御を遅くした場合の飛行動作を示しています。

まとめ

この例では、複数の制御パラメーターのセットを手動で繰り返しながら、UAV フライト コントローラーを調整します。このプロセスは、カスタマイズされたナビゲーション コントローラー用の最適な制御構成を得るために、大規模な制御パラメーター セットを自動的にスイープするために拡張できます。

飛行動作が設計仕様を満たしたら、選択した制御パラメーターを Aerospace Blockset でビルドした高忠実度モデルや外部のフライト シミュレーターでテストすることを検討します。

% close Simulink models
close_system("uavStepResponse");
close_system("fixedWingPathFollowing");