MATLAB と Simulink には、自律型モバイルロボット (AMR)、サービスロボット、およびその他の無人地上車両 (UGV) を開発するためのアルゴリズム、モデリング、シミュレーション ツール、ROS、およびハードウェア接続が搭載されています。
MATLAB と Simulink を使用すれば、次のことが可能になります。
- ロボットの仮想モデルのインポートと機械設計や電気部品の要件の調整
- 慣性航法システムと GNSS センサー向けセンサーモデルのシミュレーション
- 粒子フィルターやモンテカルロ位置推定などのアルゴリズムを使用したロボットの位置推定
- SLAM (自己位置推定と環境地図作成) アルゴリズムを使用した環境地図の構築
- A* や RRT などのパスプランニング アルゴリズムを使用した最適な経路の検索
- 平滑化や障害物回避などのパスメトリクスを使用した経路最適性の評価
- パス追従や障害物回避制御アルゴリズムを使用した動的な環境下でのナビゲーション
- ターゲット ハードウェア向け量産向けコードの自動生成
モバイルロボット向け
MATLAB および Simulink の使用
プラットフォーム開発
物理モデルを構築またはインポートして、車輪付きロボットや脚付きロボットのロボットダイナミクスをシミュレーションします。接触力やトルクのような実世界の制約を適用して、ハードウェア プラットフォームでのアルゴリズムの影響を解析します。MATLAB と Simulink を使用すれば、次のことが可能になります。
- 差動駆動やアッカーマン ステアリングのような一般的なモバイルロボットを設計するために、運動学的な動作モデルと車輪エンコーダーを使用します。
- ロボット力学の物理モデリングによる詳細な動的モデルの設計
- CAD ソフトウェアからの機械設計のインポートと単一のシミュレーション モデルでの電気システムや制御システムとの接続
- Gazebo などの環境モデリング向け外部ロボット シミュレーターとのインターフェイス
- ROS/ROS2 ミドルウェアへの接続
知覚と位置推定
ロボットの視点で環境マップを構築し、モバイルロボットを位置推定できます。センサーモデルとあらかじめ用意されたアルゴリズムを使用して、マッピング、位置推定、およびオブジェクト検出アプリケーションを開発し、モバイルロボットが周囲の環境や位置を学習できるようにします。MATLAB と Simulink を使用すれば、次のことが可能になります。
- IMU と GPS センサーの読み取り値のシミュレーションおよび融合と正確な姿勢推定
- 適応型モンテカルロ位置推定アルゴリズムを使用した Lidar ベースのロボットの位置推定
- Lidar SLAM や単眼 Visual SLAM を使用した 2D マップや 3D マップの構築および可視化
- SLAM マップビルダーアプリを使用してループ閉鎖を対話的に変更することによるマップ精度の向上
- 自己中心型占有マップの作成と可視化による動的環境の表現
- ディープラーニングや YOLO、SSD、CNN などの機械学習アルゴリズムを使用した、ロボットの安全なナビゲーションのためのオブジェクトの検出、識別、追跡
モーション プランニングと制御
モバイルロボットが目的地に到達するための経路を検索します。ウェイポイントを生成し、グローバルな経路またはローカルな軌跡に従うように制御コマンドを送信します。MATLAB および Simulink には、未知の環境でモバイルロボットがナビゲートするための検索およびサンプリングベースのプランニング アルゴリズムと、パス追従制御アルゴリズムが用意されています。MATLAB と Simulink を使用すれば、ロボットが次のことができるようになります。
- A* や RRT などのアルゴリズムを使用した、最短距離で障害物のない経路の検索
- ローカル リプランニングを使用した、動的な環境で障害物を安全に回避するナビゲーション
- 平滑化や障害物からの距離などのメトリクスを使用した、計画された経路の可視化および評価
- 非線形モデルの予測制御を介した経路の最適化
- 単純追跡コントローラーを使用した、計画された経路の追従
- Vector Field Histogram を使用した、障害物回避のためのステアリングコマンドの計算
- DDPG などの強化学習手法を使用した障害物回避
シミュレーションベースのテスト
シミュレーションで設計エラーを検出し、ハードウェアテストのリスクとコストを削減します。MATLAB と Simulink には、モバイル ロボット アプリケーションの開発時間やテスト時間だけでなく、性能を最適化するための対話型のアプリやシミュレーション ツールが搭載されています。MATLAB と Simulink を使用すれば、次のことが可能になります。
- 軌跡を生成してセンサー動作をエミュレートし、その性能のキャリブレーションを実行
- オドメトリの推定値を解析することにより、車輪エンコーダーのエラーの発生源を除去
- 抽象モデルを使用して自律アルゴリズムの妥当性確認を素早く行うか、より忠実度の高いモデルを構築
- Gazebo に接続して時間同期コシミュレーションを実行し、閉ループシミュレーションでアルゴリズムをテスト
- モバイル プラットフォームでの展開前に、さまざまなエッジケースのシナリオでナビゲーション アルゴリズムを実行
- C/C++、VHDL®/Verilog®、CUDA® C/C++ コードを自動生成し、ラピッド プロトタイピングや量産用に使用