MATLAB および Simulink を使用すると、エンジニア、研究者、および科学者は、業界の規制や規格に準拠しながら補聴器と人工内耳を設計、プロトタイピング、テストできます。開発プロセスにおいて、MATLAB および Simulink 製品の FDA/CE 規制に対する妥当性を確認し、IEC 62304 などの規格に準拠させることができます。

MATLAB と Simulink を使用すると、次のことが可能になります。

  • リアルタイムテストによる高度なデジタル信号処理 (DSP) アルゴリズムの開発
  • 人工知能 (AI) モデルの学習、検証、最適化、および補聴器への統合   
  • ノイズ、クロックジッター、その他の障害が存在する場合のミックスドシグナル システムの設計とシミュレーション
  • 低レイテンシ、低消費電力無線通信システムの設計とテスト
  • DSP、AI、および無線アプリケーション向け ASIC 設計の作成と検証

「Sonova では、さまざまなバックグラウンドを持つエンジニアが、革新的な信号処理システムを設計するための共通言語として、MATLAB と Simulink を使用しています。モデルベースデザインと高速リアルタイム プロトタイピングを使用して、ビジネスで要求される製品開発のペースを維持することができます。」

Raoul Glatt, Sonova

リアルタイムテストによる高度な DSP アルゴリズムの開発

MATLAB と Simulink では、対話型のアプリを使用して DSP アルゴリズムやフィルターの作成とシミュレーションを行うことができます。その後、モデルベースデザイン (MBD、モデルベース開発) を使用して、リアルタイム ハードウェアで即座にアルゴリズムをテストし、臨床的性能評価を行うことができます。プロトタイピングにより最も信頼性の高いアルゴリズムを特定した後に、それらを最適化して性能と電力効率を高め、コード生成を使用してターゲット ハードウェアに実装することができます。


補聴器への AI の統合

MATLAB と Simulink では、対話型アプリやウェーブレット スカログラムなどの高度なスペクトル解析技術を使用して、AI モデル用に信号から識別的特徴量を抽出できます。音響シーン認識やバックグラウンド ノイズからの音声分離など、AI を活用したアプリケーションを作成できます。補聴器に統合する場合、モデルベースデザインを使用した IEC 62304 準拠の開発プロセスに沿って、AI モデルの量子化、最適化、コード生成を使用したターゲット ハードウェアへの実装をすべて行うことができます。


複雑なミックスドシグナル システムの設計とシミュレーション

MATLAB と Simulink を使用して、ノイズ、クロックジッター、および各主要電子部品のその他の障害が存在するミックスドシグナル システムをモデル化してシミュレーションできます。さまざまなシステム コンポーネントを検証し、メモリや電力の厳しい制約の中で最適化するためには、連続時間信号と離散時間信号を迅速にシミュレーションできることが不可欠です。開発プロセスの初期段階で設計のシミュレーションを行うことで、エラーを検出し、システム コンポーネントの要件を定義できます。


低レイテンシ、低消費電力無線通信システムの実現

MATLAB と Simulink は、RF とアンテナのエンジニアがマルチドメイン シミュレーションを使用して、Bluetooth LE などの低レイテンシ、低消費電力アプリケーション用の無線技術を設計するのに役立ちます。また、補聴器間の専用通信プロトコルをシミュレーションし、5G、WLAN、Bluetooth などの無線規格との共存および干渉における機能を検証することもできます。通信システムを最適化し、レイテンシや電力消費を最小化できます。


次世代 ASIC 設計の作成と検証

MATLAB と Simulink を使用することで、音響や通信関連の DSP アルゴリズムを電力とメモリの制限内でカスタム ASIC 向けに設計できます。DSP や通信アルゴリズム、AI モデルの最適化を行い、ASIC への統合前に検証することができます。このプロセスにより、アルゴリズムと HDL コード検証の有効性を高め、さらに補聴器システムのコンテキストにコードを統合することができます。


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