Wireless HDL Toolbox (旧称: LTE HDL Toolbox) は、5G、LTE、WLAN、およびカスタムの OFDM をベースとした無線通信アプリケーションを開発するための、検証済みかつハードウェア対応の Simulink ブロックおよびサブシステムを提供します。このツールボックスには、リファレンス アプリケーション、IP ブロック、およびフレームベースとサンプルベースの変換用インターフェイスが含まれます。
リファレンス アプリケーションは変更して独自の設計に統合することが可能です。ツールボックスにより提供されるアルゴリズムの HDL 実装は、効率的なリソースの使用とパフォーマンスを実現できるように、FPGA、ASIC、および SoC デバイスでのプロトタイピングまたは量産製品展開向けに最適化されています。
ツールボックスにより提供されるアルゴリズムは、可読性のある、論理合成が可能な VHDL および Verilog コードを生成するように設計されています (HDL Coder を使用)。OTA (over-the-air) テスト向けに、送信機モデルおよび受信機モデルを無線デバイスに接続することができます (Communications Toolbox ハードウェア サポート パッケージを使用)。
構成可能な OFDM
直交周波数分割多重 (OFDM とは (5:16)) ハードウェア サブシステム IP を使用してデータを送信および受信します。HDL 向けに最適化された IP ブロックを使用して、OFDM ベースのカスタム FPGA または ASIC ハードウェアを設計します。
ドキュメンテーション | 例
衛星通信
FPGA または ASIC 実装に対応した DVB-S2 および CCSDS ベースの衛星通信を設計します。DVB-S2 受信機などのサブシステム IP を統合したり、HDL 向けに最適化された IP ブロックを使用して独自の IP を開発したりできます。
ドキュメンテーション | 例
WLAN
FPGA または ASIC ハードウェアに対応した無線 LAN 通信システムを開発します。WLAN 受信機または時間および周波数同期サブシステムから始めるか、あるいは IP ブロックを使用してカスタム機能を作成します。
ドキュメンテーション | 例
カスタム通信
ハードウェアで実証済みの基本ブロック IP を使用して、カスタム通信システムを開発します。デジタル プリディストーター (DPD) や可変サイズ FFT などの設計例を使用して、すぐに開発を始められます。
ドキュメンテーション | 例
検証
ハードウェア対応モデルのシミュレーションを実行しながら、その結果を MATLAB のリファレンス アルゴリズムと比較します。HDL Verifier により、生成された HDL を使用したコシミュレーションや、RTL 検証用のモデルの生成 (5:45)を行います。
ドキュメンテーション | 例
FPGA、ASIC、および SoC への展開
HDL Coder を使用して、アプリケーションのターゲットを FPGA ベースのソフトウェア無線 (SDR) プラットフォーム (34:04)に設定し、ライブの OTA (over-the-air) 信号を使用してプロトタイプを作成し、同じモデルを量産展開に再利用できます。
ドキュメンテーション | 例
製品リソース:
「Wireless HDL Toolbox の LTE ゴールデン リファレンス モデルを活用し、HDL Coder を使用してモデルのコードを Zynq® UltraScale+™ RFSoC ボードに展開することにより、実装を加速させることができました。この方法で、エンジニアリングの作業量を少なくとも 1 年分減らすことができたため、デジタルエンジニアを増員することなく、私 1 人で実装を完了できました。」
Matthew Weiner, RF Pixels