Q.

MATLAB と Simulink は、米国 FDA による妥当性確認や認定を受けていますか。

A.

現在、FDA は汎用ソフトウェア開発ツールの認定や妥当性確認を行っていません。医療機器メーカーは、医療機器の開発に使用するソフトウェアツールの妥当性を確認する責任があり、誤った出力があった場合でも危害を及ぼすリスクが許容範囲内であることを証明する必要があります。

MATLAB で記述されたソフトウェアの妥当性確認は、多くの医療機器メーカーによって、規制プロセスの一環として行われています。医療機器メーカーは、そのワークフローにおいて、MATLAB の妥当性を確認し、設計管理 (品質システム規制) または電子記録 (21 CFR part 11) のいずれかの要件をサポートするためのプランを策定し、実行しています。これには、以下のようにさまざまな MATLAB および Simulink 製品や使用例が含まれます。

  • MATLAB と MATLAB Report Generator を使用したデータの解析とレポート作成
  • MATLAB Compiler を使用した信号および画像処理診断ソフトウェアのデプロイ

また、医療機器メーカーは、医療機器の動作をモデル化するために、Simulink を使用して妥当性を確認したアプリケーションを開発しています。

  • MATLAB、Simulink、Simscape を使用した物理システムおよび生理学のモデル化
  • Embedded Coder を使用した Simulink と Stateflow からの医療機器向け組み込みソフトウェアの生成

Polyspace Bug Finder と Polyspace Code Prover を使用すると、MISRA C® や CERT® C などのコーディング規約への準拠性や、Simulink と Embedded Coder を使用した場合と使用しない場合の組み込みアプリケーションにおける実行時のロバスト性を検証できます。

Q.

MATLAB と Simulink で作成したソフトウェアの妥当性を確認するにはどうすればよいですか。

A.

MATLAB コードやその他のソフトウェアの妥当性確認は、主に 2 つの手順で構成されています。

  1. MATLAB やアドオン製品が想定したとおりに動作し、正しい結果が得られることを確認するための妥当性確認プランを策定し、実行します。確証試験は、多くのリスクレベルにおいて許容されます。MathWorks では、高品質の製品を提供することを目的として、社内で網羅的なテストを実施しています。
  2. アルゴリズムが想定したとおりに機能し、要件に基づく適切な結果を出力するかどうかについて、その妥当性を確認します。

MATLAB アプリケーションの場合、Tool Validation Kit は多数の組み込み言語機能の開始点に適しており、使用例の追加に対応するよう拡張できます。

組み込みアプリケーション用の Simulink モデルおよび生成コードの妥当性確認は、IEC Certification Kit および検証と妥当性確認のための Simulink 製品でサポートされています。アプリケーション固有のアルゴリズムの検証と妥当性確認でサポートが必要な場合は、MathWorks Consulting Services がお手伝いします。

Q.

ソフトウェアツールの妥当性確認プランはどのように作成すればよいですか。

A.

大きく分けて以下の 3 つの手順があります。

  1. プランの文書化
    リスクを特定して文書化し、使用目的を明確にし、リスクを許容範囲内に抑えるための妥当性確認のアクティビティを選択します。文書化の必要がある一般的な項目としては、危害要因の評価、開発プロセスにおけるツールの役割、標準作業手順書、妥当性確認手法、リソース、スケジュールなどがあります。
  2. 妥当性確認プロトコルの策定
    リスク対策のためにツールからの出力をテストすることが必要な場合は、テストケース、予想される結果、仮定などのプロトコルを作成します。
  3. 妥当性確認プロトコルの実行
    必要に応じてテストケースを実行し、証拠をツール妥当性確認レポートにまとめ、妥当性確認アクティビティを文書化します。

Q.

MathWorks の沿革について教えてください。MathWorks は品質に関する声明を出していますか。

A.

MathWorks は 35 年以上の歴史があり、その製品はさまざまな産業分野や高信頼性アプリケーションで使用されています。ユーザーは世界中で 100 万人を超えています。

MathWorks では、MATLAB と Simulink について、その品質を重視した開発プロセスについて説明する 1 ページの品質宣言書をご提供できます。また、サードパーティの独立したテスト機関である TÜV SÜD による詳細な監査報告書も取得しています。これらは、IEC 62304 および 61508 規格のツール認証要件をサポートする IEC Certification Kit とともに提供され、MathWorks が実行するソフトウェア開発および妥当性確認の手法が医療機器開発における使用に適していることを証明するものです。

これらの文書は、ツール妥当性確認レポートと合わせて、FDA 申請時のソフトウェアツール妥当性確認ドキュメンテーションの一部として使用することができます。

Q.

MathWorks は私の所属する組織のツール妥当性確認に対する取り組みをサポートしてくれますか?

A.

はい。高い専門性を持つ MathWorks Consulting Services をご利用ください。コンサルタントは、妥当性確認プランの作成、妥当性確認プロトコルの策定、ツール妥当性確認レポートの一部としてのプロトコル実行の証拠の収集をサポートします。Tool Validation Kit と IEC Certification Kit は、テストケースを追加して拡張できるように設計されており、ツールの使用状況が変化しても、新しいテストケースを簡単に追加することができます。これにより、MATLAB と Simulink でのアルゴリズムやシステムの開発作業に集中しつつ、ソフトウェアツール妥当性確認のアクティビティを省力化することができます。

ツール妥当性確認や IEC 62304 認証に関する詳細情報が必要な場合、またはソフトウェア妥当性確認の専門家へのご相談を希望される場合は、MathWorks Consulting Services までお問い合わせください。

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