患者モニタリング向け
MATLAB および Simulink を使用することで、医療機器のグローバルな規制基準に準拠しながら、患者モニタリング機器やプログラム医療機器 (Software as a Medical Device、SaMD) アプリケーションをクラウド上で大規模に設計、開発、シミュレーション、展開することができます。FDA/CE 規制対象のワークフローでの使用を目的として、MathWorks 製品の妥当性を確認し、IEC 62304 などの整合規格に適合させることができます。
MATLAB および Simulink を使用して、次世代の患者モニタリング製品を開発することで、市場投入に必要な時間を短縮した事例をご紹介します。
「MATLAB、MATLAB Coder、Fixed-Point Designer を組み合わせることで、小規模なチームでも、複雑なリアルタイム信号処理アルゴリズムを開発することができました。また、それを最適化して消費電力やメモリ要件を削減しただけでなく、組み込みコードの実装を加速し、医療機器の妥当性確認に必要な厳密なテストを実行することができました。」
Marina Brockway, VivaQuant
MATLAB および Simulink を使用した患者モニタリング機器の開発
AI に対応した患者モニタリング機器の開発
医療機器開発向けのモデルベースデザイン (MBD、モデルベース開発) の手法により、IEC 62304 などの医療機器の規制に準拠しながら AI 対応の医療機器を構築できます。MATLAB を使用すると、機械学習とディープラーニングの技術を組み込んだ AI モデルを開発し、生体信号、医用画像、および医療データを解析できます。Simulink をプラットフォームとして使用することで、機械学習モデルを統合してコードを自動生成し、要件の検証、テストの自動生成、認証規格への準拠を行うことができます。主な機能は次のとおりです。
- ポイントアンドクリック アプリによる機械学習およびディープ ラーニング モデルの学習と比較
- 特徴選択、解釈可能性、モデル選択、およびハイパーパラメーター調整などを自動化した機械学習 (AutoML)
- コードを変更することなくビッグデータおよびクラスターに計算処理をスケーリング
- MATLAB でのアルゴリズム検証およびツールの妥当性確認の実行
患者モニタリング機器のモデル化とシミュレーション
患者モニタリング機器の開発は、ソフトウェア、機械、電気、流体システムなど、エンジニアリングの複数の分野にまたがって行われることがあります。動的システムモデリングに Simulink を使用することで、これらの複数のドメインを統一されたシミュレーション環境に統合し、複雑な患者モニタリング機器を効率的に設計および実装することができます。動的システムモデリングとシミュレーションにより、妥当性確認と検証の段階を含め、そのような機器の製品開発期間を短縮できます。MATLAB および Simulink によるモデルベースデザインの使用は、エンジニアリング チームが社内の研究開発から設計、実装までを単一の環境で行えるようにするモジュール式開発の一手法です。
患者モニタリング アルゴリズムをクラウドやエッジデバイスに展開および拡張
マルチコア デスクトップ、GPU、クラスター、クラウドを使用すると、大規模な計算を実行し、シミュレーションを並列化することができます。MATLAB を使用してデータを保存場所で処理し、MATLAB Parallel Server を使用して高性能クラスターに拡張し、MATLAB Production Server を使用して MATLAB 解析をアプリケーションに統合することができます。
MATLAB および Simulink により、ボタンを押すだけでコードを生成してハードウェア上で実行できます。これらの製品は、新たな組み込みシステムのプロトタイピングから量産に至るまでの、設計、コーディング、および検証を支援します。MATLAB と Simulink を使用すれば、次のことが可能になります。
- オンプレミス環境かパブリッククラウド環境 (AWS® や Microsoft® Azure® など) かを問わず、信頼性が高く、安全でスケーラブルな実稼働アプリケーションを Windows® および Linux® で実行
- 既存の DevOps のワークフローやツールに合わせて、エンジニアが作成したモデル、アルゴリズム、アプリケーションを再コーディングの必要なく実稼働システムに自己展開
- 最適化された C、C++、CUDA®、Verilog®、VHDL®、ストラクチャード テキスト コードを生成
検証、妥当性確認、テスト
Simulink が提供する豊富な検証機能および妥当性確認機能により、ターゲット ハードウェアに対するモデルやコードの厳密なテストと検証を行うことができます。Simulink Test および Requirements Toolbox を使用すると、次のことが可能になります。
- 要件の作成、解析、管理、およびトレーサビリティ レポートの作成
- テストの完全性を測定するモデルとコードのカバレッジ解析の実施
- モデル、生成コード、シミュレーション上または物理的なハードウェアのシミュレーションベースのテストの管理
- 整数オーバーフロー、デッドロジック、ゼロ除算などの隠れた設計エラーの特定
- FDA/CE 規制遵守の証明として使用するカスタマイズ可能なレポートの作成
MATLAB および Simulink の導入事例
ユニークな取り組みを行う研究所が、障がい者のためのアクセシビリティおよびモビリティのソリューションを開発
縁石を登る車椅子型ロボットからブレイン マシン インターフェイスに至る支援技術の開発