MATLAB Parallel Server を使用すると、MATLAB プログラムや Simulink シミュレーションをクラスターやクラウドで実行できます。プログラムやシミュレーションのプロトタイプをデスクトップで作成した後、クラスターやクラウドで実行できます。コーディングし直す必要はありません。MATLAB Parallel Server ではバッチジョブ、対話式並列計算、および大規模行列による分散計算がサポートされています。
クラスター側のライセンスは、すべて MATLAB Parallel Server によって処理されます。デスクトップ ライセンス プロファイルがクラスターで動的に有効化されるため、クラスターのための MATLAB ライセンスを用意する必要はありません。ライセンスモデルには、無制限のスケーリングをサポートする機能が組み込まれています。
MATLAB Parallel Server は、プログラムやシミュレーションを、スケジュールされたアプリケーションとしてクラスターで実行します。MATLAB Parallel Server に付属する MATLAB 最適化スケジューラを使用することも、独自のスケジューラを使用することもできます。プラグイン フレームワークにより、一般的なクラスター スケジューラ サブミッション クライアントと直接通信できます。
R2019a 以前は、MATLAB Parallel Server は MATLAB Distributed Computing Server という名称でした。
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1 つのコードを作成するだけで複数の環境で使用可能
Parallel Computing Toolbox を使用してデスクトップでアプリケーションのプロトタイプ作成およびデバッグを行うと、コードを作成し直すことなく簡単にクラスターやクラウドにスケーリングできます。また、インタラクティブに開発を行い、バッチワークフローで実運用に移行できます。
アルゴリズムを変更することなく複数のマシンで実行可能
デスクトップでプロトタイプを開発すると、そのコードを作成し直すことなくコンピューティング クラスターに拡張できます。クラスター プロファイルを変更するだけで、デスクトップからさまざまな実行環境にアクセスできます。
集約されたリソースからの CPU および GPU へのアクセス
MATLAB デスクトップ環境から自社クラスターの高性能ハードウェアを直接利用できます。
複数の Simulink シミュレーションの管理の自動化
複数のプログラム実行やパラメーター スイープの設定、モデルの依存関係やビルドフォルダーの管理、ベース ワークスペース変数のクラスター処理への転送が簡単に可能です。また、シミュレーション マネージャーのユーザー インターフェイスを使用すると、クラスターで実行されている複数の Simulink モデルを可視化して管理できます。
Windows、Mac、または Linux からのビッグデータ処理
小規模なデータから大規模なデータまで、同じ MATLAB 解析を使用できます。また、Windows®、Mac®、または Linux® のデスクトップから、Spark™ 対応 Hadoop® クラスターまたは従来型のクラスターで、標準ファイルシステムを使用してビッグデータを処理できます。
メモリ障壁の克服
アルゴリズムを作成し直したり共有メモリ アーキテクチャを使用したりしなくても、1 台のマシンのメモリでは容量が不足する計算を実行できます。
デスクトップ用ツールボックスをクラスターで使用
クラスターで必要なライセンスは MATLAB Parallel Server ライセンスのみです。ダイナミック ライセンスにより、クラスターで各ユーザー独自のデスクトップ ライセンス プロファイルを有効化できます。
既存のハードウェアおよびインフラストラクチャの使用
数台の専用マシンからクラスターを作成して MATLAB ジョブスケジューラでジョブを管理することも、既存のクラスターと統合してサードパーティ製スケジューラでジョブを管理することもできます。ジョブの管理は、MATLAB から直接行えます。
クラウドへのアプリケーションのスケーリング
パブリッククラウドおよびプライベートクラウドと統合できます。これにより、クラウドの強力な専用ハードウェアにアクセスできます。MathWorks および MathWorks をホストしているプロバイダーから提供される構成済みオプションを使用することも、自身でインフラストラクチャを構築することもできます。