Parallel Computing Toolbox を使用して、デスクトップ上でアプリケーションのプロトタイピングやデバッグを行ったり、MATLAB Parallel Server を使用してクラスターやクラウドに簡単にスケーリングしたりできるほか、コード変更も最小限に抑えられます。MATLAB Parallel Server は、クラスター ハードウェアを活用するための対話型ワークフローとバッチワークフローの両方をサポートしています。
組織内のユーザーは、MATLAB および Parallel Computing Toolbox を使用して、オペレーティング システムや環境、スケジューラの違いを気にすることなく、MATLAB Parallel Server で構成された計算リソースにジョブを投入できます。MATLAB Parallel Server は、MATLAB および Simulink をアプリケーション層で既存のスケジューラ環境と統合します。
「MATLAB Parallel Server を使用して Azure クラウド上で実行するようになってから、24 時間かかっていた処理時間が 3 時間に短縮されました。ジョブスケジューラが MATLAB に統合されているため、プールを開いて parfor ループを使用するだけで並列計算を簡単に活用できます。」
MATLAB Parallel Server のライセンス
MATLAB Parallel Server は、MATLAB とは別にライセンスされます。また、同時実行される MATLAB 計算エンジン (ワーカー) の数に基づいてライセンスが付与されます。ワーカーは、スケジューラーで起動した MATLAB の計算エンジンごとに、ライセンスからチェックアウトします。ライセンスのサイズは、同時実行が必要なワーカーの数によって決まります。ライセンスモデルには、無制限のスケーリングをサポートする機能が含まれています。
エンドユーザーには、デスクトップ上で使用する MathWorks® 製品について、クラスター上で自動的にライセンスが付与されます。クラスターで要求されるのは MATLAB Parallel Server ライセンスのみです。
MATLAB Parallel Server は、ネットワーク ライセンス マネージャーによる管理、またはオンラインライセンスで使用できるため、クラウドや個人用クラスターでの実行に便利です。
ライセンスのニーズに応じて、以下のいずれかのオプションを選択してください。
クラスター環境のオプション |
設定の難易度 |
新規クラスターごとの初期設定 |
サポート対象のジョブスケジューラ |
ライセンス マネージャー |
---|---|---|---|---|
MathWorks Cloud Center |
低 |
Web アプリケーションまたは MATLAB での設定 |
MATLAB ジョブスケジューラ |
オンラインライセンス |
MathWorks のクラウド向け参照アーキテクチャ |
中 |
テンプレートを使用した設定 |
MATLAB ジョブスケジューラ |
ネットワーク ライセンス マネージャー、 |
MATLAB 専用クラスター |
中 |
ソフトウェアやスケジューラのインストールおよび設定 |
MATLAB ジョブスケジューラ |
ネットワーク ライセンス マネージャー、 |
汎用クラスターとカスタムクラウド |
高 |
ソフトウェアのインストールと既存のスケジューラとの統合 |
サポート対象のサードパーティのスケジューラ (Slurm など)、Kubernetes の MATLAB ジョブスケジューラ |
ネットワーク ライセンス マネージャー、 |
低 |
パートナーによる対応 |
MATLAB ジョブスケジューラまたはサポート対象のサードパーティ スケジューラ |
ネットワーク ライセンス マネージャー、 |
上記のライセンスオプションはすべて、表内のどのクラスター環境オプションでも使用できます。オンラインライセンスを使用する場合は、MathWorks アカウントを対象ライセンスにリンクする必要があります。
*注: 複数のライセンス マネージャー オプションが表示されている場合は、最初のオプションを推奨します。
設定に関するご質問がありましたら、サポートまでお問い合わせください。