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importONNXNetwork
(削除予定) 事前学習済みの ONNX ネットワークのインポート
importONNXNetwork
は将来のリリースで削除される予定です。代わりに importNetworkFromONNX
を使用してください。 (R2023b 以降)コードの更新の詳細については、バージョン履歴を参照してください。
説明
は、ファイル net
= importONNXNetwork(modelfile
)modelfile
から事前学習済みの ONNX™ (Open Neural Network Exchange) ネットワークをインポートします。この関数は、ネットワーク net
を DAGNetwork
オブジェクトまたは dlnetwork
オブジェクトとして返します。
importONNXNetwork
には、Deep Learning Toolbox™ Converter for ONNX Model Format サポート パッケージが必要です。このサポート パッケージがインストールされていない場合、importONNXNetwork
によってダウンロード用リンクが表示されます。
メモ
既定では、ソフトウェアが ONNX 演算子をそれと等価な組み込みの MATLAB® 層に変換できないときに、importONNXNetwork
がカスタム層の生成を試みます。ソフトウェアによる変換がサポートされている演算子の一覧については、組み込みの MATLAB 層への変換がサポートされている ONNX 演算子を参照してください。
importONNXNetwork
は、生成されたカスタム層を名前空間 +
に保存します。modelfile
importONNXNetwork
は、組み込みの MATLAB 層への変換がサポートされていない各 ONNX 演算子のカスタム層を自動生成しません。サポートされていない層の処理方法の詳細については、代替機能を参照してください。
は、1 つ以上の名前と値の引数で指定された追加オプションを使用して、事前学習済みの ONNX ネットワークをインポートします。たとえば、net
= importONNXNetwork(modelfile
,Name=Value
)OutputLayerType="classification"
はネットワークを DAGNetwork
オブジェクトとしてインポートしますが、その際、インポートされたネットワーク アーキテクチャの最初の出力分岐の末尾に分類出力層が追加されます。
例
Deep Learning Toolbox Converter for ONNX Model Format のダウンロードとインストール
Deep Learning Toolbox Converter for ONNX Model Format サポート パッケージをダウンロードしてインストールします。
コマンド ラインで importONNXNetwork
と入力します。
importONNXNetwork
Deep Learning Toolbox Converter for ONNX Model Format がインストールされていない場合、この関数は、必要なサポート パッケージへのリンクをアドオン エクスプローラーに表示します。サポート パッケージをインストールするには、リンクをクリックして、[インストール] をクリックします。コマンド ラインでモデル ファイル "simplenet.onnx"
からネットワークをインポートして、インストールが正常に終了していることを確認します。サポート パッケージがインストールされている場合、この関数は DAGNetwork
オブジェクトを返します。
modelfile = "simplenet.onnx";
net = importONNXNetwork(modelfile)
net = DAGNetwork with properties: Layers: [9×1 nnet.cnn.layer.Layer] Connections: [8×2 table] InputNames: {'imageinput'} OutputNames: {'ClassificationLayer_softmax1002'}
ネットワーク アーキテクチャをプロットします。
plot(net)
ONNX ネットワークの DAGNetwork
としてのインポート
事前学習済みの ONNX ネットワークを DAGNetwork
オブジェクトとしてインポートし、インポートしたネットワークを使用してイメージを分類します。
squeezenet
畳み込みニューラル ネットワークの ONNX モデルを生成します。
squeezeNet = squeezenet;
exportONNXNetwork(squeezeNet,"squeezeNet.onnx");
クラス名を指定します。
ClassNames = squeezeNet.Layers(end).Classes;
事前学習済みの squeezeNet.onnx
モデルをインポートし、クラスを指定します。既定では、importONNXNetwork
はネットワークを DAGNetwork
オブジェクトとしてインポートします。
net = importONNXNetwork("squeezeNet.onnx",Classes=ClassNames)
net = DAGNetwork with properties: Layers: [70×1 nnet.cnn.layer.Layer] Connections: [77×2 table] InputNames: {'data'} OutputNames: {'ClassificationLayer_prob'}
インポートしたネットワークを解析します。
analyzeNetwork(net)
分類するイメージを読み取り、そのイメージのサイズを表示します。このイメージは 384 x 512 ピクセルで 3 つのカラー チャネル (RGB) があります。
I = imread("peppers.png");
size(I)
ans = 1×3
384 512 3
イメージのサイズをネットワークの入力サイズに変更します。イメージを表示します。
I = imresize(I,[227 227]); imshow(I)
インポートしたネットワークを使用してイメージを分類します。
label = classify(net,I)
label = categorical
bell pepper
ONNX ネットワークの dlnetwork
としてのインポート
事前学習済みの ONNX ネットワークを dlnetwork
オブジェクトとしてインポートし、インポートしたネットワークを使用してイメージを分類します。
squeezenet
畳み込みニューラル ネットワークの ONNX モデルを生成します。
squeezeNet = squeezenet;
exportONNXNetwork(squeezeNet,"squeezeNet.onnx");
クラス名を指定します。
ClassNames = squeezeNet.Layers(end).Classes;
事前学習済みの squeezeNet.onnx
モデルを dlnetwork
オブジェクトとしてインポートします。
net = importONNXNetwork("squeezeNet.onnx",TargetNetwork="dlnetwork")
net = dlnetwork with properties: Layers: [70×1 nnet.cnn.layer.Layer] Connections: [77×2 table] Learnables: [52×3 table] State: [0×3 table] InputNames: {'data'} OutputNames: {'probOutput'} Initialized: 1
分類するイメージを読み取り、そのイメージのサイズを表示します。このイメージは 384 x 512 ピクセルで 3 つのカラー チャネル (RGB) があります。
I = imread("peppers.png");
size(I)
ans = 1×3
384 512 3
イメージのサイズをネットワークの入力サイズに変更します。イメージを表示します。
I = imresize(I,[227 227]); imshow(I)
イメージを dlarray
に変換します。イメージを次元 "SSCB"
(spatial、spatial、channel、batch) で形式を整えます。この場合、バッチ サイズは 1 であるため、バッチ サイズを省略できます ("SSC"
)。
I_dlarray = dlarray(single(I),"SSCB");
サンプル イメージを分類し、予測されたラベルを見つけます。
prob = predict(net,I_dlarray); [~,label] = max(prob);
分類結果を表示します。
ClassNames(label)
ans = categorical
bell pepper
複数の出力をもつ ONNX ネットワークのインポート
複数の出力をもつ ONNX ネットワークを DAGNetwork
オブジェクトとしてインポートします。
ONNX モデル ファイルを指定し、事前学習済みの ONNX モデルをインポートします。既定では、importONNXNetwork
はネットワークを DAGNetwork
オブジェクトとしてインポートします。
modelfile = "digitsMIMO.onnx";
net = importONNXNetwork(modelfile)
net = DAGNetwork with properties: Layers: [19×1 nnet.cnn.layer.Layer] Connections: [19×2 table] InputNames: {'input'} OutputNames: {'ClassificationLayer_sm_1' 'RegressionLayer_fc_1_Flatten'}
このネットワークには 2 つの出力層があります。1 つは数字を分類する分類層 (ClassificationLayer_sm_1
)、1 つは数字の予測角度の平均二乗誤差を計算する回帰層 (RegressionLayer_fc_1_Flatten
) です。ネットワーク アーキテクチャをプロットします。
plot(net)
title('digitsMIMO Network Architecture')
インポートしたネットワークを使用して予測を行うには、関数predict
を使用し、ReturnCategorical
オプションを true
に設定します。
入力引数
modelfile
— ONNX モデル ファイルの名前
文字ベクトル | string スカラー
ネットワークを含む ONNX モデル ファイルの名前。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。ファイルは、現在のフォルダーまたは MATLAB パス上のフォルダーに含まれていなければならず、そうでなければこのファイルの絶対パスまたは相対パスを含めなければなりません。
例: "cifarResNet.onnx"
名前と値の引数
オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN
として指定します。ここで、Name
は引数名で、Value
は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。
例: importONNXNetwork(modelfile,TargetNetwork="dagnetwork",GenerateCustomLayers=true,Namespace="CustomLayers")
は、modelfile
内のネットワークを DAGNetwork
オブジェクトとしてインポートし、自動生成したカスタム層を現在のフォルダー内の名前空間 +CustomLayers
に保存します。
GenerateCustomLayers
— カスタム層の生成オプション
true
または 1
(既定値) | false
または 0
カスタム層の生成オプション。数値または logical 1
(true
) または logical 0
(false
) として指定します。GenerateCustomLayers
を true
に設定した場合、ソフトウェアが ONNX 演算子をそれと等価な組み込みの MATLAB 層に変換できないときに、importONNXNetwork
がカスタム層の生成を試みます。importONNXNetwork
は、生成した各カスタム層を、+
で個別の Namespace
.m
ファイルとして保存します。カスタム層を表示または編集するには、関連する .m
ファイルを開きます。カスタム層の詳細については、カスタム層を参照してください。
例: GenerateCustomLayers=false
Namespace
— カスタム層名前空間の名前
文字ベクトル | string スカラー
importONNXNetwork
がカスタム層を保存するカスタム層名前空間の名前。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。importONNXNetwork
は、カスタム層の名前空間 +
を現在のフォルダーに保存します。Namespace
Namespace
を指定しない場合、importONNXNetwork
は、カスタム層を現在のフォルダー内の +
という名前の名前空間に保存します。名前空間の詳細については、Create Namespacesを参照してください。modelfile
例: Namespace="shufflenet_9"
例: Namespace="CustomLayers"
TargetNetwork
— Deep Learning Toolbox ネットワークのターゲット タイプ
"dagnetwork"
(既定値) | "dlnetwork"
Deep Learning Toolbox ネットワークのターゲット タイプ。"dagnetwork"
または "dlnetwork"
として指定します。関数 importONNXNetwork
は、ネットワーク net
を DAGNetwork
オブジェクトまたは dlnetwork
オブジェクトとしてインポートします。
ネットワークを
DAGNetwork
オブジェクトとしてインポートする場合、ONNX モデルによって指定された入力層と出力層か、名前と値の引数InputDataFormats
、OutputDataFormats
、またはOutputLayerType
を使用して指定した入力層と出力層をnet
に含めなければなりません。ネットワークを
dlnetwork
オブジェクトとしてインポートする場合、importONNXNetwork
によってnet
の各出力分岐の末尾にCustomOutputLayer
が追加され、場合によっては入力分岐の先頭にCustomInputLayer
が追加されます。入力のデータ形式または入力のイメージ サイズが不明の場合は、この関数によりCustomInputLayer
が追加されます。これらの層のデータ形式に関するネットワーク固有の情報については、CustomInputLayer
オブジェクトおよびCustomOutputLayer
オブジェクトのプロパティを参照してください。Deep Learning Toolbox の入出力データ形式を解釈する方法の詳細については、ONNX 入出力テンソルから組み込みの MATLAB 層への変換を参照してください。
例: TargetNetwork="dlnetwork"
InputDataFormats
— ネットワーク入力のデータ形式
文字ベクトル | string スカラー | string 配列
ネットワーク入力のデータ形式。文字ベクトル、string スカラー、または string 配列として指定します。importONNXNetwork
は、入力データ形式を ONNX ファイルから解釈しようと試みます。importONNXNetwork
が入力データ形式を導出できない場合、名前と値の引数 InputDataFormats
が役に立ちます。
InputDataFomats
には、ONNX 入力テンソルの順にデータ形式を設定します。たとえば、InputDataFormats
を "BSSC"
として指定した場合、インポートされたネットワークは 1 つの imageInputLayer
入力をもちます。importONNXNetwork
が ONNX 入力テンソルのデータ形式を解釈する方法、およびさまざまな Deep Learning Toolbox 入力層について InputDataFormats
を指定する方法の詳細については、ONNX 入出力テンソルから組み込みの MATLAB 層への変換を参照してください。
空のデータ形式 ([]
または ""
) を指定した場合、importONNXNetwork
は入力データ形式を自動的に解釈します。
例: InputDataFormats='BSSC'
例: InputDataFormats="BSSC"
例: InputDataFormats=["BCSS","","BC"]
例: InputDataFormats={'BCSS',[],'BC'}
データ型: char
| string
| cell
OutputDataFormats
— ネットワーク出力のデータ形式
文字ベクトル | string スカラー | string 配列
ネットワーク出力のデータ形式。文字ベクトル、string スカラー、または string 配列として指定します。importONNXNetwork
は、出力データ形式を ONNX ファイルから解釈しようと試みます。importONNXNetwork
が出力データ形式を導出できない場合、名前と値の引数 OutputDataFormats
が役に立ちます。
OutputDataFormats
には、ONNX 出力テンソルの順にデータ形式を設定します。たとえば、OutputDataFormats
を "BC"
として指定した場合、インポートされたネットワークは 1 つの classificationLayer
出力をもちます。importONNXNetwork
が ONNX 出力テンソルのデータ形式を解釈する方法、およびさまざまな Deep Learning Toolbox 出力層について OutputDataFormats
を指定する方法の詳細については、ONNX 入出力テンソルから組み込みの MATLAB 層への変換を参照してください。
空のデータ形式 ([]
または ""
) を指定した場合、importONNXNetwork
は出力データ形式を自動的に解釈します。
例: OutputDataFormats='BC'
例: OutputDataFormats="BC"
例: OutputDataFormats=["BCSS","","BC"]
例: OutputDataFormats={'BCSS',[],'BC'}
データ型: char
| string
| cell
ImageInputSize
— 最初のネットワーク入力の入力イメージのサイズ
2 個または 3 個の数値のベクトル
最初のネットワーク入力の入力イメージのサイズ。2 次元イメージの [height,width,channels]
または 3 次元イメージの [height,width,depth,channels]
にそれぞれ対応する、3 個または 4 個の数値のベクトルとして指定します。modelfile
の ONNX モデルで入力サイズが指定されていない場合にのみ、ネットワークはこの情報を使用します。
例: ImageInputSize=[28 28 1]
(2 次元グレースケール入力イメージの場合)
例: ImageInputSize=[224 224 3]
(2 次元カラー入力イメージの場合)
例: ImageInputSize=[28 28 36 3]
(3 次元カラー入力イメージの場合)
OutputLayerType
— 最初のネットワーク出力の層のタイプ
"classification"
| "regression"
| "pixelclassification"
最初のネットワーク出力の層のタイプ。"classification"
、"regression"
、または "pixelclassification"
として指定します。関数 importONNXNetwork
は、ClassificationOutputLayer
オブジェクト、RegressionOutputLayer
オブジェクト、または pixelClassificationLayer
(Computer Vision Toolbox) オブジェクトを、インポートされたネットワーク アーキテクチャの最初の出力分岐の末尾に追加します。pixelClassificationLayer
(Computer Vision Toolbox) オブジェクトを追加するには、Computer Vision Toolbox™ が必要です。modelfile
の ONNX モデルによって出力層のタイプが指定されている場合、または TargetNetwork
を "dlnetwork"
として指定した場合、importONNXNetwork
は名前と値の引数 OutputLayerType
を無視します。
例: OutputLayerType="regression"
Classes
— 最初のネットワーク出力の出力層のクラス
"auto"
(既定値) | categorical ベクトル | string 配列 | 文字ベクトルの cell 配列
最初のネットワーク出力の出力層のクラス。categorical ベクトル、string 配列、文字ベクトルの cell 配列、または "auto"
として指定します。Classes
が "auto"
の場合、importONNXNetwork
によってクラスが categorical(1:N)
に設定されます。ここで、N
はクラスの数です。string 配列または文字ベクトルの cell 配列 str
を指定した場合、importONNXNetwork
によって出力層のクラスが categorical(str,str)
に設定されます。TargetNetwork
を "dlnetwork"
として指定した場合、importONNXNetwork
は名前と値の引数 Classes
を無視します。
例: Classes={'0','1','3'}
例: Classes=categorical({'dog','cat'})
データ型: char
| categorical
| string
| cell
FoldConstants
— 定数畳み込みによる最適化
"deep"
(既定値) | "shallow"
| "none"
定数畳み込みによる最適化。"deep"
、"shallow"
または "none"
として指定します。定数畳み込みは、ONNX 演算子からそれと等価な組み込みの MATLAB 層への変換の際に、ONNX 初期化子 (初期定数値) に対して演算を実行することで、インポートされたネットワーク アーキテクチャを最適化します。
ソフトウェアにより等価な組み込みの MATLAB 層に変換できない演算子が ONNX ネットワークに含まれている場合 (組み込みの MATLAB 層への変換がサポートされている ONNX 演算子を参照してください)、定数畳み込みによる最適化によって、サポートされていない層の数を減らすことができます。FoldConstants
を "deep"
に設定した場合、ネットワークに含まれるサポートされていない層の数は、この引数を "shallow"
に設定した場合と同じか、それより少なくなります。ただし、ネットワークをインポートする時間が長くなる可能性があります。ネットワーク アーキテクチャの最適化を無効にするには、FoldConstants
を "none"
に設定します。
定数畳み込みによる最適化を実行しても、サポートされていない層がネットワークに残っている場合、importONNXNetwork
はエラーを返します。この場合、importONNXLayers
または importONNXFunction
を使用してネットワークをインポートできます。詳細については、代替機能を参照してください。
例: FoldConstants="shallow"
出力引数
net
— 事前学習済みの ONNX ネットワーク
DAGNetwork
オブジェクト | dlnetwork
オブジェクト
事前学習済みの ONNX ネットワーク。DAGNetwork
オブジェクトまたは dlnetwork
オブジェクトとして返されます。
ネットワークを
DAGNetwork
オブジェクトとしてインポートするには、TargetNetwork
を"dagnetwork"
として指定します。その後、DAGNetwork
オブジェクト上で、関数classify
を使用してクラス ラベルを予測します。ネットワークを
dlnetwork
オブジェクトとしてインポートするには、TargetNetwork
を"dlnetwork"
として指定します。その後、dlnetwork
オブジェクト上で、関数predict
を使用してクラス ラベルを予測します。正しいデータ形式を使用して、入力データをdlarray
として指定します (詳細については、dlarray
の引数fmt
を参照してください)。
制限
importONNXNetwork
は次の ONNX をサポートします。ONNX 中間表現 version 7
ONNX 演算子セット 6 ~ 14
メモ
エクスポートしたネットワークをインポートする場合、元のネットワークの層とは異なるネットワークの層が再インポートされ、サポート対象外となる可能性があります。
詳細
組み込みの MATLAB 層への変換がサポートされている ONNX 演算子
importONNXNetwork
は、組み込みの MATLAB 層への変換を行う次の ONNX 演算子をサポートします (いくつかの制限があります)。
* importONNXNetwork
が Conv
ONNX 演算子を convolution2dLayer
オブジェクトとしてインポートし、Conv
演算子が 2 つの要素 [p1 p2]
のみをもつベクトルである場合、importONNXNetwork
は convolution2dLayer
の Padding
オプションを [p1 p2 p1 p2]
に設定します。
ONNX 演算子 | ONNX インポーター カスタム層 |
---|---|
| nnet.onnx.layer.ClipLayer |
| nnet.onnx.layer.ElementwiseAffineLayer |
| nnet.onnx.layer.FlattenLayer または nnet.onnx.layer.Flatten3dLayer |
| nnet.onnx.layer.IdentityLayer |
| nnet.onnx.layer.ElementwiseAffineLayer |
| nnet.onnx.layer.PreluLayer |
| nnet.onnx.layer.FlattenLayer |
| nnet.onnx.layer.ElementwiseAffineLayer |
ONNX 演算子 | 対応する Image Processing Toolbox™ の層 |
---|---|
DepthToSpace | depthToSpace2dLayer (Image Processing Toolbox) |
Resize | resize2dLayer (Image Processing Toolbox) または resize3dLayer (Image Processing Toolbox) |
SpaceToDepth | spaceToDepthLayer (Image Processing Toolbox) |
Upsample | resize2dLayer (Image Processing Toolbox) または resize3dLayer (Image Processing Toolbox) |
ONNX 入出力テンソルから組み込みの MATLAB 層への変換
importONNXNetwork
は、ONNX ネットワークの入出力テンソルのデータ形式を解釈し、それらを組み込みの MATLAB 入出力層に変換しようと試みます。解釈の詳細については、ONNX 入力テンソルから Deep Learning Toolbox 層への変換およびONNX 出力テンソルから MATLAB 層への変換の表を参照してください。
Deep Learning Toolbox では、各データ形式の文字は次のラベルのいずれかでなければなりません。
S
— 空間C
— チャネルB
— バッチ観測値T
— 時間またはシーケンスU
— 指定なし
ONNX 入力テンソルから Deep Learning Toolbox 層への変換
データ形式 | データの解釈 | Deep Learning Toolbox の層 | ||
---|---|---|---|---|
ONNX 入力テンソル | MATLAB 入力形式 | 形状 | 種類 | |
BC | CB | c 行 n 列の配列。ここで、c は特徴の数、n は観測値の数です。 | 特徴 | featureInputLayer |
BCSS , BSSC , CSS , SSC | SSCB | h x w x c x n の数値配列。ここで、h、w、c、および n は、それぞれイメージの高さ、幅、チャネル数、および観測値の数です。 | 2 次元イメージ | imageInputLayer |
BCSSS , BSSSC , CSSS , SSSC | SSSCB | h×w×d×c×n の数値配列。ここで、h、w、d、c、および n は、それぞれイメージの高さ、幅、深さ、チャネル数、およびイメージの観測値の数です。 | 3 次元イメージ | image3dInputLayer |
TBC | CBT | c x s x n の行列。ここで、c はシーケンスの特徴の数、s はシーケンス長、n はシーケンスの観測値の数です。 | ベクトル シーケンス | sequenceInputLayer |
TBCSS | SSCBT | h x w x c x s x n の配列。ここで、h、w、c、および n は、それぞれイメージの高さ、幅、およびチャネル数に対応し、s はシーケンス長、n はイメージ シーケンスの観測値の数です。 | 2 次元イメージ シーケンス | sequenceInputLayer |
TBCSSS | SSSCBT | h x w x d x c x s x n の配列。ここで、h、w、d、および c は、それぞれイメージの高さ、幅、深さ、およびチャネル数に対応し、s はシーケンス長、n はイメージ シーケンスの観測値の数です。 | 3 次元イメージ シーケンス | sequenceInputLayer |
ONNX 出力テンソルから MATLAB 層への変換
データ形式 | MATLAB 層 | |
---|---|---|
ONNX 出力テンソル | MATLAB 出力形式 | |
BC , TBC | CB , CBT | classificationLayer |
BCSS , BSSC , CSS , SSC , BCSSS , BSSSC , CSSS , SSSC | SSCB , SSSCB | pixelClassificationLayer (Computer Vision Toolbox) |
TBCSS , TBCSSS | SSCBT , SSSCBT | regressionLayer |
インポートされたネットワーク用のコードの生成
MATLAB Coder™ または GPU Coder™ を Deep Learning Toolbox と共に使用して、インポートされたネットワーク用の MEX コード、スタンドアロン CPU コード、CUDA® MEX コード、またはスタンドアロン CUDA コードを生成できます。詳細については、コード生成を参照してください。
MATLAB Coder を Deep Learning Toolbox と共に使用して、デスクトップまたは組み込みターゲットで実行される MEX コードまたはスタンドアロン CPU コードを生成します。Intel® MKL-DNN ライブラリまたは ARM® Compute ライブラリを使用する生成済みのスタンドアロン コードを展開できます。あるいは、サードパーティ ライブラリの関数を呼び出さない汎用の C/C++ コードを生成することもできます。詳細については、MATLAB Coder を使用した深層学習 (MATLAB Coder)を参照してください。
GPU Coder を Deep Learning Toolbox と共に使用して、デスクトップまたは組み込みターゲットで実行される CUDA MEX コードまたはスタンドアロン CUDA コードを生成します。CUDA 深層ニューラル ネットワーク ライブラリ (cuDNN)、TensorRT™ 高性能推論ライブラリ、または Mali GPU 向け ARM Compute ライブラリを使用する生成済みのスタンドアロン CUDA コードを展開できます。詳細については、GPU Coder を使用した深層学習 (GPU Coder)を参照してください。
importONNXNetwork
は、ネットワーク net
を DAGNetwork
オブジェクトまたは dlnetwork
オブジェクトとして返します。これらのオブジェクトは両方ともコード生成をサポートします。MATLAB Coder オブジェクトおよび Deep Learning Toolbox オブジェクト用の GPU Coder サポートの詳細については、サポートされているクラス (MATLAB Coder)およびサポートされているクラス (GPU Coder)をそれぞれ参照してください。
コード生成をサポートする層をもつあらゆるインポート済みネットワーク用にコードを生成できます。MATLAB Coder および GPU Coder を使用したコード生成をサポートする層のリストについては、サポートされている層 (MATLAB Coder)およびサポートされている層 (GPU Coder)をそれぞれ参照してください。各組み込み MATLAB 層のコード生成機能と制限の詳細については、各層の拡張機能の節を参照してください。例については、imageInputLayer
のコード生成とGPU コード生成を参照してください。
GPU におけるインポートしたネットワークの使用
GPU 上では importONNXNetwork
は実行されません。ただし、importONNXNetwork
は、深層学習用の事前学習済みニューラル ネットワークを、GPU で使用可能な DAGNetwork
オブジェクトまたは dlnetwork
オブジェクトとしてインポートします。
ネットワークを
DAGNetwork
オブジェクトとしてインポートした場合、classify
を使用して、インポートしたネットワークによる予測を CPU または GPU で実行できます。名前と値の引数ExecutionEnvironment
を使用して、ハードウェア要件を指定します。複数の出力があるネットワークの場合、DAGNetwork
オブジェクト用の関数predict
を使用します。ネットワークを
DAGNetwork
オブジェクトとしてインポートした場合、predict
を使用して、インポートしたネットワークによる予測を CPU または GPU で実行できます。名前と値の引数ExecutionEnvironment
を使用して、ハードウェア要件を指定します。ネットワークに複数の出力がある場合は、名前と値の引数ReturnCategorical
をtrue
として指定します。ネットワークを
dlnetwork
オブジェクトとしてインポートした場合、predict
を使用して、インポートしたネットワークによる予測を CPU または GPU で実行できます。入力データとネットワーク パラメーターのいずれかが GPU に保存されている場合、関数predict
を GPU で実行できます。minibatchqueue
を使用して入力データのミニバッチの処理と管理を行う場合、GPU が使用可能であれば、出力はminibatchqueue
オブジェクトによって GPU 配列に変換されます。dlupdate
を使用して、dlnetwork
オブジェクトの学習可能パラメーターを GPU 配列に変換します。net = dlupdate(@gpuArray,net)
関数
trainnet
およびtrainNetwork
を使用して、CPU または GPU で、インポート済みのネットワークに学習させることができます。実行環境のオプションを含む学習オプションを指定するには、関数trainingOptions
を使用します。名前と値の引数ExecutionEnvironment
を使用して、ハードウェア要件を指定します。学習を高速化する方法の詳細については、Scale Up Deep Learning in Parallel, on GPUs, and in the Cloudを参照してください。
GPU を使用するには Parallel Computing Toolbox™ ライセンスとサポートされている GPU デバイスが必要です。サポートされているデバイスについては、GPU 計算の要件 (Parallel Computing Toolbox)を参照してください。
ヒント
事前学習済みのネットワークを新しいイメージの予測または転移学習に使用するには、インポートしたモデルの学習に使用したイメージと同じようにイメージを前処理しなければなりません。最も一般的な前処理ステップは、イメージのサイズ変更、イメージの平均値の減算、イメージの BGR 形式から RGB 形式への変換です。
学習および予測用のイメージの前処理の詳細については、イメージの深層学習向け前処理を参照してください。
MATLAB は 1 ベースのインデックスを使用しますが、Python® は 0 ベースのインデックスを使用します。つまり、配列の最初の要素のインデックスは、MATLAB と Python でそれぞれ 1 と 0 になります。MATLAB のインデックスの詳細については、配列インデックス付けを参照してください。MATLAB で、Python で作成されたインデックス (
ind
) の配列を使用するには、配列をind+1
に変換します。その他のヒントについては、Tips on Importing Models from TensorFlow, PyTorch, and ONNXを参照してください。
代替機能
Deep Learning Toolbox Converter for ONNX Model Format には、事前学習済みの ONNX ネットワークをインポートするための 3 つの関数 (importONNXNetwork
、importONNXLayers
、および importONNXFunction
) が用意されています。
インポートしたネットワークに、組み込みの MATLAB 層への変換がサポートされていない ONNX 演算子が含まれており (組み込みの MATLAB 層への変換がサポートされている ONNX 演算子を参照)、importONNXNetwork
がカスタム層を生成しない場合、importONNXNetwork
はエラーを返します。この場合でも、importONNXLayers
を使用してネットワーク アーキテクチャと重みをインポートするか、importONNXFunction
を使用して ONNXParameters
オブジェクトおよびモデル関数としてネットワークをインポートすることができます。
バージョン履歴
R2018a で導入R2023b: importONNXNetwork
は削除予定
R2023b 以降、関数 importONNXNetwork
は警告を出力します。代わりに importNetworkFromONNX
を使用してください。関数 importNetworkFromONNX
は、importONNXNetwork
と比べて次の利点があります。
ONNX モデルを 1 回の手順で
dlnetwork
オブジェクトにインポートできる入出力の情報が未知であるモデルをインポートするための簡素化されたワークフローが用意されている
名前と値の引数が改善され、より簡単にインポート オプションを指定できる
R2021b: ClassNames
オプションは削除済み
ClassNames
は削除されました。代わりに Classes
を使用してください。コードを更新するには、ClassNames
のすべてのインスタンスを Classes
に置き換えます。
R2021b: importONNXNetwork
は ONNX ファイルの情報から入出力層を作成することが不可能
ONNX モデルを DAGNetwork
オブジェクトとしてインポートする場合、インポートするネットワークには入力層と出力層が含まれていなければなりません。importONNXNetwork
は、ONNX 入出力テンソルを組み込みの MATLAB 層に変換しようと試みます。これまで importONNXNetwork
を使用して組み込みの MATLAB 入出力層と共にインポートできたネットワークであっても、現在はインポート時に importONNXNetwork
によってエラーが返される可能性があります。この場合、次のいずれかを行ってコードを更新します。
名前と値の引数
TargetNetwork
を"dlnetwork"
として指定し、ネットワークをdlnetwork
オブジェクトとしてインポート。名前と値の引数
InputDataFormats
、OutputDataFormats
、およびOutputLayerType
を使用して、インポートするネットワークの入力と出力を指定。importONNXLayers
を使用して、プレースホルダー層を含む層グラフとしてネットワークをインポート。importONNXFunction
を使用して、モデル関数およびONNXParameters
オブジェクトとしてネットワークをインポート。
R2021b: インポートされたネットワークの層名が異なる場合がある
インポートされたネットワークの層名が、以前のリリースとは異なる場合があります。コードを更新するには、層の既存の名前を新しい名前または net.Layers(n).Name
に置き換えます。
MATLAB コマンド
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