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spectrumAnalyzer
説明
spectrumAnalyzer
オブジェクトは、周波数領域信号と、時間領域信号の周波数スペクトルを表示します。スコープには、スペクトル ビューとスペクトログラム ビューが表示されます。このオブジェクトは、平均修正ピリオドグラムのフィルター バンク法とウェルチ法を使用して、スペクトル推定を行います。スペクトル アナライザーの表示は、必要なデータと測定情報を表示するようにカスタマイズできます。詳細については、アルゴリズムを参照してください。スペクトル アナライザーでは、[Watts]
、[dBm]
、[dBW]
の 3 つの単位で信号のパワー スペクトルを表示できます。これらの 3 つの単位の間でパワーを変換する方法の詳細については、単位間のパワーの変換を参照してください。
スペクトル アナライザーで信号のスペクトルを表示するには、次のようにします。
spectrumAnalyzer
オブジェクトを作成し、そのプロパティを設定します。関数と同様に、引数を指定してオブジェクトを呼び出します。
作成
説明
scope = spectrumAnalyzer
は、実信号または複素信号の周波数スペクトルを表示する spectrumAnalyzer
オブジェクトを作成します。
scope = spectrumAnalyzer(Name=Value)
は、1 つ以上の名前と値の引数を使用して、scope
の既定以外のプロパティを指定します。たとえば、スペクトルとスペクトログラムの両方を表示するには、ViewType
を "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
プロパティ
よく使用される項目
InputDomain
— 入力信号の領域
"time"
(既定値) | "frequency"
可視化する入力信号の領域。"time"
または "frequency"
として指定します。時間領域信号を可視化する場合、スペクトル アナライザーは Method
プロパティで指定するアルゴリズムに基づいて信号を周波数スペクトルに変換します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブで、[入力領域] を [時間]
か [周波数]
に設定します。
データ型: char
| string
SpectrumType
— 表示するスペクトルのタイプ
"power"
(既定値) | "power-density"
| "rms"
表示するスペクトルのタイプ。次のいずれかとして指定します。
"power"
— パワー スペクトル。"power-density"
— パワー スペクトル密度。パワー スペクトル密度は、1 Hz の帯域幅に正規化されたスペクトルの二乗振幅です。"rms"
— 平方根平均二乗。平方根平均二乗は平均二乗の平方根を示します。電圧や電流の信号の周波数を表示する場合に、このオプションを使用します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、InputDomain
を "time"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブで、[スペクトル] ドロップダウンの矢印をクリックし、[パワー]
、[パワー密度]
または [RMS]
を選択します。
これらのオプションを有効にするには、[推定] タブで [入力領域] を [時間]
に設定します。
データ型: char
| string
ViewType
— 表示するビュー
"spectrum"
(既定値) | "spectrogram"
| "spectrum-and-spectrogram"
表示するビュー。次のいずれかとして指定します。
Wind
"spectrum"
— 信号の周波数スペクトルを表示します。"spectrogram"
— 信号のスペクトログラムを表示します。スペクトログラムは時間の経過に沿って周波数成分を表示します。スペクトログラムの各ラインは 1 つのピリオドグラムです。時間は表示の上部から下部に向かってスクロールします。直近のスペクトログラムの更新は表示の上部にあります。"spectrum-and-spectrogram"
— スペクトルとスペクトログラムの両方を表示します。
スペクトル アナライザーがスペクトルとスペクトログラムをどのように計算するかの詳細については、アルゴリズムのセクションを参照してください。
調整可能: Yes
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブで、[スペクトル]、[スペクトログラム] またはその両方を選択します。
データ型: char
| string
SampleRate
— 入力のサンプル レート
10000
(既定値) | 正のスカラー
入力のサンプル レート (Hz 単位)。正のスカラーとして指定します。
調整可能: Yes
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブをクリックします。[帯域幅] セクションで [サンプル レート (Hz)] を有限のスカラーに指定します。
スペクトル アナライザーでは、サンプル レートが表示下部のステータス バーに表示されます。
データ型: double
Method
— スペクトル推定法
"filter-bank"
(既定値) | "welch"
スペクトル推定法。次のいずれかとして指定します。
"filter-bank"
–– 解析フィルター バンクを使用してパワー スペクトルを推定します。ウェルチ法と比較すると、この手法はノイズ フロアは低く、周波数分解能は高く、スペクトル漏れは低く、更新ごとに必要なサンプル数が少なくて済みます。"welch"
–– 平均修正ピリオドグラムのウェルチ法を使用します。
これらの方法の詳細については、アルゴリズムを参照してください。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、InputDomain
を "time"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブで、[推定法] を [フィルター バンク]
か [ウェルチ]
に設定します。
このパラメーターを有効にするには、[推定] タブで [入力領域] を [時間]
に設定します。
データ型: char
| string
PlotAsTwoSidedSpectrum
— 両側スペクトルをプロットするオプション
true
(既定値) | false
両側スペクトルをプロットするオプション。次のいずれかとして指定します。
true
— 両側スペクトル推定を計算およびプロットします。入力信号が複素数値の場合、このプロパティをtrue
に設定しなければなりません。false
— 片側スペクトル推定を計算およびプロットします。このプロパティをfalse
に設定する場合、入力信号は実数値でなければなりません。このプロパティを
false
に設定すると、スペクトル アナライザーはパワーの折り返しを行います。0
とナイキスト周波数を除き、y 軸の値はこのプロパティをtrue
に設定した場合の振幅の 2 倍になります。片側パワー スペクトル密度 (PSD) には、DC からナイキスト レートの半分までの周波数範囲内での信号の合計パワーが含まれます。詳細については、pwelch
を参照してください。
調整可能: Yes
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトル] タブまたは [スペクトログラム] タブ (有効になっている場合) をクリックします。[トレース オプション] セクションで [両側スペクトル] を選択して、両側スペクトル推定を計算およびプロットします。
データ型: logical
FrequencyScale
— 周波数表示のスケール
"linear"
(既定値) | "log"
周波数表示のスケール。次のいずれかとして指定します。
"linear"
— 線形スケールを使用して x 軸に周波数を表示します。"log"
— 対数スケールを使用して x 軸に周波数を表示します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを "log"
に設定するには、PlotAsTwoSidedSpectrum
プロパティを false
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトル] タブまたは [スペクトログラム] タブ (有効になっている場合) をクリックします。[スケール] セクションで [周波数スケール] を [線形]
または [対数]
に設定します。
[周波数スケール] を [対数]
に設定するには、[スペクトル] タブまたは [スペクトログラム] タブ (有効になっている場合) の [トレース オプション] セクションで [両側スペクトル] チェック ボックスをオフにします。[両側スペクトル] チェック ボックスをオンにした場合、[周波数スケール] を [線形]
に設定しなければなりません。
データ型: char
| string
PlotType
— 通常のトレースのプロット タイプ
"line"
(既定値) | "stem"
通常のトレースの表示に使用するプロット タイプ。"line"
または "stem"
として指定します。"通常の" トレースとは、フリーラン スペクトル推定を表示するトレースのことです。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
ViewType
を"spectrum"
または"spectrum-and-spectrogram"
に設定する。PlotNormalTrace
をtrue
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブをクリックし、[構成] セクションに移動し、[設定] をクリックします。開いた [スペクトル アナライザーの設定] ウィンドウの [表示とラベル] で [プロット タイプ] を [ライン]
または [ステム]
に設定します。
[プロット タイプ] を有効にするには、以下が必要です。
[スコープ] タブの [ビュー] セクションで [スペクトル] を選択する。
[スペクトル] タブの [トレース オプション] セクションで [通常のトレース] チェック ボックスを有効にする。
データ型: char
| string
AxesScaling
— 座標軸のスケーリング モード
"auto"
(既定値) | "manual"
| "onceatstop"
| "updates"
座標軸のスケーリング モード。次のいずれかとして指定します。
"auto"
— シミュレーションの実行中および実行後に、データを近似させるためにスコープが座標軸をスケーリングします。"manual"
— スコープは座標軸を自動スケーリングしません。"onceatstop"
— シミュレーションが停止したときと関数release
を呼び出したときに、スコープは座標軸をスケーリングします。"updates"
— 特定回数の表示更新後に、スコープは座標軸をスケーリングします。更新回数はAxesScalingNumUpdates
プロパティを使用して決定されます。
調整可能: Yes
データ型: char
| string
AxesScalingNumUpdates
— スケーリング前の更新回数
100 (既定値) | 正の整数
スケーリング前の更新回数。正の整数として指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、AxesScaling
を "updates"
に設定します。
データ型: double
詳細設定
FrequencyResolutionMethod
— 周波数分解能の方法
"rbw"
(既定値) | "num-frequency-bands"
| "window-length"
スペクトル アナライザーの周波数分解能の方法。次のオプションのいずれかとして指定します。
"rbw"
––RBWSource
プロパティとRBW
プロパティは、アナライザーの周波数分解能 (Hz 単位) を制御します。"num-frequency-bands"
––Method
を"filter-bank"
に設定した場合にのみ適用されます。FFTLengthSource
プロパティとFFTLength
プロパティは、周波数分解能を制御します。"window-length"
––Method
を"welch"
に設定した場合にのみ適用されます。WindowLength
プロパティは、周波数分解能を制御します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、InputDomain
を "time"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[周波数分解能] のセクションで、[分解能の方法] を有効なオプションの 1 つに設定します。
データ型: char
| string
RBWSource
— 分解能帯域幅の値のソース
"auto"
(既定値) | "property"
分解能帯域幅 (RBW) のソース。"auto"
または "property"
として指定します。
"auto"
— スペクトル アナライザーは定義された周波数スパン全体に 1024 の RBW 間隔が必ず存在するようにスペクトル推定分解能を調整します。"property"
—RBW
プロパティを使って分解能帯域幅を直接指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、FrequencyResolutionMethod
を "rbw"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[周波数分解能] セクションで [RBW (Hz)] を [自動]
または正のスカラーに設定します。
データ型: char
| string
RBW
— 分解能帯域幅
9.76
(既定値) | 正のスカラー
分解能帯域幅 (RBW) (Hz 単位)。正のスカラーとして指定します。指定した周波数スパンに少なくとも 2 つの RBW 間隔が存在するように値を指定します。スパン全体と RBW の比率は、次の条件を満たします。
FrequencySpan
プロパティの設定に基づいてスパン全体を指定します。
RBW は表示する信号のスペクトル分解能を制御します。RBW 値により、分解できる周波数の間隔が決定されます。値が小さいと、スペクトル分解能は高くなり、ノイズ フロアは低くなります。つまり、スペクトル アナライザーはより間隔の狭い周波数を分解できます。ただし、その代わりにスイープ時間は長くなります。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、RBWSource
を "property"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[周波数分解能] セクションで [RBW (Hz)] を正のスカラーに設定します。
スペクトル アナライザーでは、RBW の値が表示下部のステータス バーに表示されます。
データ型: double
WindowLength
— ウィンドウの長さ
1024
(既定値) | 2 より大きい整数
R2024a 以降
オブジェクトがスペクトル推定の計算に使用するサンプル内のウィンドウの長さ。2 より大きい整数として指定します。このプロパティは周波数分解能を制御します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
Method
を"welch"
に設定する。FrequencyResolutionMethod
を"window-length"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[周波数分解能] セクションで、[ウィンドウの長さ] を 2 より大きい正の整数に設定します。
[ウィンドウの長さ] を有効にするには、次のように設定します。
[推定法] を
[ウェルチ]
に設定する。[分解能の方法] を
[ウィンドウの長さ]
に設定する。
FFTLengthSource
— FFT 長のソース
"auto"
(既定値) | "property"
FFT 長のソース。次のいずれかとして指定します。
"auto"
–– FFT 長の値は、周波数分解能の方法の設定によって異なります。設定に応じて以下のようになります。FrequencyResolutionMethod
を"rbw"
に設定すると、FFT 長は更新ごとのサンプル数 Nsamples と等しくなります。Nsamples の詳細については、「アルゴリズム」のセクションを参照してください。FrequencyResolutionMethod
を"window-length"
に設定すると、FFT 長はWindowLength
プロパティで指定した値または 1024 のいずれか大きい方になります。FrequencyResolutionMethod
を"num-frequency-bands"
に設定すると、FFT 長は入力フレーム サイズ (行数) と等しくなります。
"property"
–– FFT 点の数は、FFTLength
プロパティで指定した値と同じになります。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
Method
を"welch"
に設定する。Method
を"filter-bank"
に設定し、FrequencyResolutionMethod
を"num-frequency-bands"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[周波数分解能] のセクションで、[FFT 長] を [自動]
または正の整数に設定します。
データ型: char
| string
FFTLength
— FFT 長
1024
(既定値) | 正の整数
R2024a 以降
スペクトル アナライザーがスペクトル推定を計算するために使用する FFT 長。正の整数として指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、FFTLengthSource
を "property"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[周波数分解能] のセクションで、[FFT 長] を [自動]
または正の整数に設定します。
FilterSharpness
— ローパス フィルターの鮮鋭度
0.3
(既定値) | [0,1] の範囲の非負のスカラー
プロトタイプ ローパス フィルターの鮮鋭度。[0,1] の範囲の実数の非負のスカラーとして指定します。
フィルターの鮮鋭度を上げると、スペクトル漏れが減少し、より精度の高いパワーの読み取り値が得られます。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、Method
を "filter-bank"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[周波数分解能] セクションで [鮮鋭度] スライダーを動かします。
このパラメーターを有効にするには、[推定] タブで [入力領域] を [時間]
に設定します。
データ型: double
FrequencyVectorSource
— 周波数ベクトルのソース
"auto"
(既定値) | "property"
周波数ベクトルのソース。次のいずれかとして指定します。
"auto"
— スペクトル アナライザーは、入力信号のフレーム サイズと指定されたサンプル レートに基づいて周波数ベクトルを計算します。"property"
—FrequencyVector
プロパティにカスタム ベクトルを入力します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、InputDomain
を "frequency"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[領域] セクションで [周波数 (Hz)] を [自動]
または入力信号のフレーム サイズと等しい長さの単調増加ベクトルに設定します。
[周波数 (Hz)] を有効にするには、[入力領域] を [周波数]
に設定します。
データ型: char
| string
FrequencyVector
— カスタム周波数ベクトル
[-5000 5000]
(既定値) | 単調増加ベクトル
カスタム周波数ベクトル。単調増加ベクトルとして指定します。このベクトルによって、表示の x 軸が決定されます。ベクトルは単調増加し、入力信号のフレーム サイズと同じ長さでなければなりません。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
InputDomain
を"frequency"
に設定する。FrequencyVectorSource
を"property"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[領域] セクションで [周波数 (Hz)] を [自動]
または入力信号のフレーム サイズと等しい長さの単調増加ベクトルに設定します。
[周波数 (Hz)] を有効にするには、[入力領域] を [周波数]
に設定します。
データ型: double
FrequencySpan
— 周波数スパン モード
"full"
(既定値) | "span-and-center-frequency"
| "start-and-stop-frequencies"
周波数スパン モード。次のいずれかとして指定します。
"full"
–– スペクトル アナライザーは、ナイキスト周波数範囲全体のスペクトルを計算およびプロットします。"span-and-center-frequency"
–– スペクトル アナライザーは、Span
プロパティとCenterFrequency
プロパティで指定された区間のスペクトルを計算し、プロットします。"start-and-stop-frequencies"
–– スペクトル アナライザーは、StartFrequency
プロパティとStopFrequency
プロパティで指定された区間のスペクトルを計算し、プロットします。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、InputDomain
を "time"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[周波数オプション] セクションで、[周波数スパン] を [フル]
、[スパンと中心周波数]
または [開始周波数と終了周波数]
に設定します。
[周波数スパン] を有効にするには、[入力領域] を [時間]
に設定します。
データ型: char
| string
Span
— スペクトルを計算する周波数スパン
10e3
(既定値) | 実数の正のスカラー
スペクトル アナライザーがスペクトルを計算してプロットする周波数スパン。Hz 単位の正のスカラーとして指定します。このプロパティと CenterFrequency
プロパティで定義されるスパン全体が、ナイキスト周波数範囲の範囲内になければなりません。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
InputDomain
を"time"
に設定する。FrequencySpan
を"span-and-center-frequency"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[周波数オプション] セクションで、[周波数スパン] を [スパンと中心周波数]
に設定し、[スパン (Hz)] を正のスカラーに設定します。
[周波数スパン] を有効にするには、[入力領域] を [時間]
に設定します。
データ型: double
CenterFrequency
— 周波数スパンの中心
0
(既定値) | 実数スカラー
スペクトル アナライザーがスペクトルを計算してプロットする周波数スパンの中心。Hz 単位の実数スカラーとして指定します。Span
とこのプロパティで定義される周波数スパン全体が、ナイキスト周波数範囲の範囲内になければなりません。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
InputDomain
を"time"
に設定する。FrequencySpan
を"span-and-center-frequency"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[周波数オプション] セクションで、[周波数スパン] を [スパンと中心周波数]
に設定し、[Center Frequency (Hz)] を実数スカラーに設定します。
[周波数スパン] を有効にするには、[入力領域] を [時間]
に設定します。
データ型: double
StartFrequency
— 周波数範囲の開始周波数
-5e3
(既定値) | 実数スカラー
スペクトル アナライザーがスペクトルを計算してプロットする周波数範囲の開始周波数。Hz 単位の実数スカラーとして指定します。このプロパティと StopFrequency
で定義されるスパン全体が、ナイキスト周波数範囲の範囲内になければなりません。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
InputDomain
を"time"
に設定する。FrequencySpan
を"start-and-stop-frequencies"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[周波数オプション] セクションで、[周波数スパン] を [開始周波数と終了周波数]
に設定し、[開始周波数 (Hz)] を実数スカラーに設定します。
[周波数スパン] を有効にするには、[入力領域] を [時間]
に設定します。
データ型: double
StopFrequency
— 周波数範囲の終了周波数
5e3
(既定値) | 実数スカラー
スペクトル アナライザーがスペクトルを計算してプロットする周波数範囲の終了周波数。Hz 単位の実数スカラーとして指定します。このプロパティと StartFrequency
プロパティで定義されるスパン全体が、ナイキスト周波数範囲の範囲内になければなりません。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
InputDomain
を"time"
に設定する。FrequencySpan
を"start-and-stop-frequencies"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[周波数オプション] セクションで、[周波数スパン] を [開始周波数と終了周波数]
に設定し、[Stop Frequency (Hz)] を実数スカラーに設定します。
[周波数スパン] を有効にするには、[入力領域] を [時間]
に設定します。
データ型: double
OverlapPercent
— オーバーラップ率
0
(既定値) | 範囲 [0 100) のスカラー
バッファーされた現在と直前のデータ セグメント間のオーバーラップ率。範囲 [0 100) のスカラーとして指定します。オーバーラップにより、オブジェクトがスペクトル推定の計算に使用するウィンドウ セグメントが作成されます。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
InputDomain
を"time"
に設定する。Method
を"welch"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[ウィンドウ オプション] セクションで [オーバーラップ (%)] を設定します。
[オーバーラップ (%)] を有効にするには、スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブで、[入力領域] を [時間]
に設定し、[メソッド] を [ウェルチ]
に設定します。
データ型: double
Window
— ウィンドウ関数
"hann"
(既定値) | "blackman-harris"
| "chebyshev"
| "custom"
| "flat-top"
| "hamming"
| "kaiser"
| "rectangular"
ウィンドウ関数。次のいずれかのプリセット ウィンドウとして指定します。ウィンドウ オプションの詳細については、対応する関数へのリンクをクリックしてください。
ウィンドウ オプション | 対応する Signal Processing Toolbox™ 関数 |
---|---|
"hann" | hann |
"blackman-harris" | blackmanharris |
"chebyshev" | chebwin |
"flat-top" | flattopwin |
"hamming" | hamming |
"kaiser" | kaiser |
"rectangular" | rectwin |
独自のスペクトル推定ウィンドウを使用するには、このプロパティを "custom"
に設定し、CustomWindow
プロパティでカスタム ウィンドウ関数を指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
InputDomain
を"time"
に設定する。Method
を"welch"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[ウィンドウ オプション] セクションで [ウィンドウ] を設定します。
[ウィンドウ] を有効にするには、スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブで、[入力領域] を [時間]
に設定し、[メソッド] を [ウェルチ]
に設定します。
データ型: char
| string
CustomWindow
— カスタム ウィンドウ関数の名前
"hann"
(既定値) | 文字配列 | string スカラー
カスタム ウィンドウ関数の名前。文字配列または string スカラーとして指定します。カスタム ウィンドウ関数名は MATLAB® パス上になければなりません。このプロパティを使用して、Signal Processing Toolbox で使用可能な追加のプロパティを使用してウィンドウ関数をカスタマイズします。
調整可能: Yes
例:
カスタム ウィンドウ関数を定義して使用します。
function w = my_hann(L) w = hann(L,"periodic") end scope.Window = "custom"; scope.CustomWindow = "my_hann"
依存関係
このプロパティを使用するには、Window
を "custom"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[ウィンドウ オプション] セクションの [ウィンドウ] で、カスタム ウィンドウ関数名を入力します。
データ型: char
| string
SidelobeAttenuation
— ウィンドウのサイドローブ減衰
60
(既定値) | 45
以上のスカラー
ウィンドウのサイドローブ減衰 (dB)。45
以上の正のスカラーとして指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、Window
を "chebyshev"
または "kaiser"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[ウィンドウ オプション] セクションで [減衰 (dB)] を設定します。
[減衰 (dB)] を有効にするには、次を設定します。
[入力領域] を
[時間]
に設定する。[メソッド] を
[ウェルチ]
に設定する。スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブで、[ウィンドウ] を
[チェビシェフ]
または[カイザー]
に設定する。
データ型: double
AveragingMethod
— 平均化方法
"vbw"
(既定値) | "exponential"
平均化方法。次のいずれかとして指定します。
"vbw"
— ビデオ帯域幅の手法。オブジェクトは、ローパス フィルターを使用して、トレースを平滑化し、ノイズを減少させます。VBWSource
プロパティとVBW
プロパティを使用して VBW 値を指定します。"exponential"
— サンプルの加重平均。オブジェクトは、指数的に減衰する忘却係数で重み付けされたサンプルの平均を計算します。ForgettingFactor
プロパティを使用して重み付け忘却係数を指定します。
平均化方法の詳細については、平均化方法を参照してください。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、InputDomain
を "time"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[平均化] セクションで、[平均化方法] を [VBW]
または [指数]
に設定します。
[平均化方法] を有効にするには、[入力領域] を [時間]
に設定します。
データ型: char
| string
ForgettingFactor
— 加重平均法の忘却係数
0.9
(既定値) | [0,1] の範囲のスカラー
指数的な加重平均法の忘却係数。[0,1] の範囲のスカラーとして指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
InputDomain
を"time"
に設定する。AveragingMethod
を"exponential"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[平均化] セクションで [忘却係数] のスライダーを調整します。
[忘却係数] を有効にするには、[入力領域] を [時間]
に設定し、[平均化方法] を [指数]
に設定します。
データ型: double
VBWSource
— ビデオ帯域幅のソース
"auto"
(既定値) | "property"
ビデオ帯域幅のソース (VBW)。"auto"
または "property"
として指定します。
"auto"
— スペクトル アナライザーは等価忘却係数が 0.9 になるように VBW を調整します。"property"
— スペクトル アナライザーはVBW
プロパティで指定された値を使用して VBW を調整します。
ビデオ帯域幅の手法の詳細については、平均化方法を参照してください。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、InputDomain
を "time"
、AveragingMethod
を vbw
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[平均化] セクションで [VBW (Hz)] を [自動]
または [サンプル レート (Hz)]/2 以下の正の実数スカラーに設定します。
[VBW (Hz)] を有効にするには、[入力領域] を [時間]
に設定し、[平均化方法] を [VBW]
に設定します。
データ型: char
| string
VBW
— ビデオ帯域幅
10
(既定値) | 正のスカラー
ビデオ帯域幅。SampleRate
/2 以下の正のスカラーとして指定します。ビデオ帯域幅の手法の詳細については、平均化方法を参照してください。
スペクトル アナライザーでは、VBW の値が表示下部のステータス バーに表示されます。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、VBWSource
を "property"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[平均化] セクションで、[VBW (Hz)] を [自動]
に設定するか、[サンプル レート (Hz)]/2 以下の正の実数スカラーを入力します。
[VBW (Hz)] を有効にするには、[入力領域] を [時間]
に設定し、[平均化方法] を [VBW]
に設定します。
データ型: double
InputUnits
— 周波数領域入力の単位
"dBm"
(既定値) | "dBuV"
(R2023b 以降) | "dBV"
| "dBW"
| "Vrms"
| "Watts"
| "none"
周波数領域入力の単位。"dBm"
、"dBuV"
(R2023b 以降)、"dBV"
、"dBW"
、"Vrms"
、"Watts"
または "none"
として指定します。スペクトル アナライザーは、表示単位に従って周波数データをスケーリングします。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、InputDomain
を "frequency"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックします。[領域] セクションで [入力単位] を設定します。
[入力単位] を有効にするには、[入力領域] を [周波数]
に設定します。
データ型: char
| string
SpectrumUnits
— スペクトルの単位
"dBm"
(既定値) | "dBFS"
| "dBuV"
(R2023b 以降) | "dBV"
| "dBW"
| "Vrms"
| "Watts"
| "dBm/Hz"
| "dBW/Hz"
| "dBFS/Hz"
| "Watts/Hz"
| "auto"
スペクトルの単位。次のいずれかとして指定します。
"dBm"
"dBFS"
"dBuV"
(R2023b 以降)"dBV"
"dBW"
"Vrms"
"Watts"
"dBm/Hz"
"dBW/Hz"
"dBFS/Hz"
"Watts/Hz"
"auto"
調整可能: Yes
依存関係
使用できるスペクトルの単位は SpectrumType
プロパティで指定した値によって異なります。
InputDomain | SpectrumType | 指定可能な SpectrumUnits |
---|---|---|
"time" | "power" | "dBm" , "dBW" , "dBFS" , "Watts" |
"power-density" | "dBm/Hz" , "dBW/Hz" ,"dBFS/Hz" , "Watts/Hz" | |
"rms" | "dBuV" (R2023b 以降), "dBV" , "Vrms" | |
"frequency" | ― | "auto" , "dBm" , "dBuV" (R2023b 以降), "dBV" , "dBW" , "Vrms" , "Watts" |
InputDomain
プロパティを "frequency"
に設定し、SpectrumUnits
プロパティを "auto"
に設定した場合、スペクトル アナライザーはスペクトル単位が InputUnits
プロパティで指定された入力単位と等しいものと仮定します。InputDomain
を "time"
に設定し、SpectrumUnits
を "auto"
以外のオプションに設定した場合、スペクトル アナライザーは InputUnits
で指定された単位を SpectrumUnits
で指定された単位に変換します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトル] タブをクリックします。[スケール] セクションで [スペクトルの単位] を設定します。
データ型: char
| string
FullScaleSource
— フル スケール値のソース
"auto"
(既定値) | "property"
dBFS スケーリング係数のソース。"auto"
または "property"
のいすれかとして指定します。
"auto"
–– スペクトル アナライザーは入力データに基づいてスケーリング係数を調整します。"property"
––FullScale
プロパティを使用してフル スケールのスケーリング係数を指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
InputDomain
を"time"
に設定する。SpectrumType
を"power"
または"power-density"
に設定する。SpectrumUnits
を"dBFS"
または"dBFS/Hz"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトル] タブをクリックします。[スケール] セクションで、[フル スケール] を [自動]
または正のスカラーに設定します。
[フル スケール] を有効にするには、次のようにします。
[スコープ] タブで、スペクトルのタイプを
[パワー]
または[パワー密度]
に設定する。[推定] タブで、[入力領域] を
[時間]
を設定する。[スペクトル] タブで、[スペクトルの単位] を
[dBFS]
または[dBFS/Hz]
(スペクトルのタイプを[パワー密度]
に設定している場合) に設定する。
データ型: char
| string
FullScale
— dBFS フル スケール
1
(既定値) | 正のスカラー
dBFS フル スケール。正のスカラーとして指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
InputDomain
を"time"
に設定する。SpectrumType
を"power"
または"power-density"
に設定する。SpectrumUnits
を"dBFS"
または"dBFS/Hz"
に設定する。FullScaleSource
を"property"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトル] タブをクリックします。[スケール] セクションで、[フル スケール] を [自動]
に設定するか、正のスカラーを入力します。
[フル スケール] を有効にするには、次のようにします。
[スコープ] タブで、スペクトルのタイプを
[パワー]
または[パワー密度]
に設定する。[推定] タブで、[入力領域] を
[時間]
を設定する。[スペクトル] タブで、[スペクトルの単位] を
[dBFS]
または[dBFS/Hz]
(スペクトルのタイプを[パワー密度]
に設定している場合) に設定する。
データ型: double
ReferenceLoad
— パワー レベルを計算するための参照負荷
1
(既定値) | 正のスカラー
スコープがパワー レベルを計算するために参照として使用する負荷。オーム単位の正のスカラーとして指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
SpectrumType
を"power"
または"power-density"
に設定する。SpectrumUnits
を"dBFS"
および"dBFS/Hz"
以外のいずれかのオプションに設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトル] タブをクリックします。[スケール] セクションで [参照負荷 (Ω)] を設定します。
データ型: double
FrequencyOffset
— 周波数軸に適用するオフセット
0
(既定値) | スカラー | ベクトル
周波数軸 (x 軸) に適用する Hz 単位のオフセット。次のいずれかとして指定します。
スカラー — 同じ周波数オフセットをすべてのチャネルに適用します。
ベクトル — 各チャネルに特定の周波数オフセットを適用します。ベクトルの長さは入力チャネル数と同じでなければなりません。
スパン全体がナイキスト周波数範囲の範囲内になければなりません。
FrequencySpan
プロパティの設定方法に基づいて、スパン全体をさまざまな方法で制御することができます。
調整可能: Yes
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブをクリックします。[帯域幅] セクションで [オフセット (Hz)] を設定します。
データ型: double
スペクトログラム
SpectrogramChannel
— スペクトログラムがプロットされるチャネル
1
(既定値) | 正の整数
スペクトログラムがプロットされるチャネル。[1 N] の範囲内にある正の整数として指定します。ここで、N は入力チャネルの数です。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
を "spectrogram"
または "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトログラム] タブをクリックします。[チャネル] セクションで [チャネル] を選択します。
データ型: double
TimeResolutionSource
— 時間分解能のソース
"auto"
(既定値) | "property"
各スペクトログラム ラインの時間分解能のソース。"auto"
または "property"
のいずれかとして指定します。
RBWSource
および TimeResolutionSource
を "auto"
に設定すると、1 つの周波数スパンに 1,024 の RBW 間隔が存在するように RBW が設定されます。時間分解能は 1/RBW
に設定されます。
RBWSource
を "auto"
に設定し、TimeResolutionSource
を "property"
に設定すると、時間分解能が制御の中心となり、RBW は 1/TimeResolution
Hz に設定されます。
RBWSource
を "property"
に設定し、TimeResolutionSource
を "auto"
に設定すると、RBW が制御の中心となり、時間分解能は 1/RBW s に設定されます。
RBWSource
と TimeResolutionSource
の両方を "property"
に設定する場合、指定する時間分解能の値は、1/RBW で定義される達成可能な最小時間分解能と等しいか、それより大きくなければなりません。いくつかのスペクトル推定が 1 つのスペクトログラム ラインにまとめられ、目的の時間分解能が得られます。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
InputDomain
を"time"
に設定する。ViewType
を"spectrogram"
または"spectrum-and-spectrogram"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトログラム] タブをクリックします。[時間オプション] セクションで、[時間分解能 (秒)] を Auto
に設定するか、正のスカラーを入力します。
[時間分解能 (秒)] を有効にするには、[スコープ] タブで [スペクトログラム] を選択し、[推定] タブで [入力領域] を [時間]
に設定します。
データ型: char
| string
TimeResolution
— 各スペクトログラム ラインの時間分解能
0.001
(既定値) | 正のスカラー
各スペクトログラム ラインの秒単位の時間分解能。正のスカラーとして指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
InputDomain
を"time"
に設定する。ViewType
を"spectrogram"
または"spectrum-and-spectrogram"
に設定する。TimeResolutionSource
を"property"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトログラム] タブをクリックします。[時間オプション] セクションで、[時間分解能 (秒)] を Auto
に設定するか、正のスカラーを入力します。
[時間分解能 (秒)] を有効にするには、[スコープ] タブで [スペクトログラム] を選択し、[推定] タブで [入力領域] を [時間]
に設定します。
データ型: double
TimeSpanSource
— 時間範囲の値のソース
"auto"
(既定値) | "property"
スペクトログラムの時間範囲のソース。次のいずれかとして指定します。
"auto"
–– スペクトログラムは常に 100 のスペクトログラム ラインを表示します。"property"
–– スペクトログラムはTimeSpan
プロパティで秒単位で指定する持続時間を使用します。指定する時間範囲は、スペクトルの更新に必要なサンプル数の持続時間の少なくとも 2 倍なくてはなりません。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
を "spectrogram"
または "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトログラム] タブをクリックします。[時間オプション] セクションで、[時間範囲 (秒)] を Auto
に設定するか、正のスカラーを入力します。
データ型: char
| string
TimeSpan
— スペクトログラムの時間範囲
0.1
(既定値) | 正のスカラー
スペクトログラム表示の時間範囲 (秒単位)。正のスカラーとして指定します。時間範囲は、スペクトルの更新に必要なサンプル数の持続時間の少なくとも 2 倍に設定しなければなりません。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
ViewType
を"spectrogram"
または"spectrum-and-spectrogram"
に設定する。TimeSpanSource
を"property"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトログラム] タブをクリックします。[時間オプション] セクションで、[時間範囲 (秒)] を Auto
に設定するか、正のスカラーを入力します。
データ型: double
測定
MeasurementChannel
— 測定値を取得するチャネル
1
(既定値) | 正の整数
測定値を取得する必要のあるチャネル。[1 N] の範囲内にある正の整数として指定します。ここで、N は入力チャネルの数です。
調整可能: Yes
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [測定値] タブをクリックします。[チャネル] セクションで [チャネル] を選択します。
データ型: double
ChannelMeasurements
— チャネル測定
ChannelMeasurementsConfiguration
オブジェクト
チャネル測定。ChannelMeasurementsConfiguration
オブジェクトとして指定します。チャネル測定を有効にして、占有帯域幅または隣接チャネル電力比を計算して表示します。ChannelMeasurementsConfiguration
プロパティはすべて調整可能です。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
を "spectrum"
または "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [チャネル測定] タブをクリックし、測定の設定を変更します。
[チャネル測定] タブは、[スコープ] タブで [スペクトル] を選択していると表示されます。
CursorMeasurements
— カーソルの測定
CursorMeasurementsConfiguration
オブジェクト
カーソルの測定。CursorMeasurementsConfiguration
オブジェクトとして指定します。波形カーソルを表示するには、カーソルの測定を有効にします。CursorMeasurementsConfiguration
プロパティはすべて調整可能です。
調整可能: Yes
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [測定値] タブをクリックし、[カーソル] セクションでカーソルの測定を変更します。
DistortionMeasurements
— 歪みの測定
DistortionMeasurementsConfiguration
オブジェクト
歪みの測定。DistortionMeasurementsConfiguration
オブジェクトとして指定します。高調波歪みと相互変調歪みを計算して表示するには、歪みの測定を有効にします。DistortionMeasurementsConfiguration
プロパティはすべて調整可能です。詳細については、歪みの測定および高調波測定を参照してください。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
を "spectrum"
または "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [測定値] タブをクリックし、[歪み] セクションで歪みの測定を変更します。
[測定値] タブは、[スコープ] タブで [スペクトル] が選択されているときに表示されます。
PeakFinder
— ピークの検出測定
PeakFinderConfiguration
オブジェクト
ピークの検出測定。PeakFinderConfiguration
オブジェクトとして指定します。ピークの検出を有効にして、最大ピーク値を計算し、計算された最大ピーク値を表示します。PeakFinderConfiguration
プロパティはすべて調整可能です。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
を "spectrum"
または "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [測定値] タブをクリックし、[ピーク] セクションでピークの検出の測定を変更します。
[測定値] タブは、[スコープ] タブで [スペクトル] が選択されているときに表示されます。
SpectralMask
— スペクトル マスク構成
SpectralMaskConfiguration
オブジェクト
スペクトル マスク構成。SpectralMaskConfiguration
オブジェクトとして指定します。スペクトル マスク構成を使用して、パワーおよびパワー密度のプロットに、上下または上か下のマスク ラインを描画します。SpectralMaskConfiguration
プロパティはすべて調整可能です。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、次を設定します。
ViewType
を"spectrum"
または"spectrum-and-spectrogram"
に設定する。SpectrumType
を"power"
または"power-density"
に設定する。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトル マスク] タブをクリックし、設定を変更します。
[スペクトル マスク] タブは以下の場合に表示されます。
[スコープ] タブで [スペクトル] を選択します。
[スペクトル] のドロップダウン リストで
[パワー]
または[パワー密度]
を選択します。
可視化
Name
— スペクトル アナライザー ウィンドウに表示する表題
"Spectrum Analyzer"
(既定値) | 文字ベクトル | string スカラー
スコープ ウィンドウに表示する表題。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。
調整可能: Yes
データ型: char
| string
Position
— スペクトル アナライザー ウィンドウの位置 (ピクセル単位)
[left bottom 800 500]
(既定値) | [left bottom width height
]
ピクセル単位でのスペクトル アナライザー ウィンドウの位置。[left bottom width height
] という形式の 4 要素の double ベクトルとして指定します。このプロパティの値を変更することで、スコープ ウィンドウを画面上の特定の位置に配置できます。
既定の設定では、ウィンドウは幅 800
ピクセル、高さ 500
ピクセルで画面中央に表示されます。厳密な中心座標は画面の解像度により異なります。
調整可能: Yes
MaximizeAxes
— 座標軸の最大化
"auto"
(既定値) | "on"
| "off"
座標軸の最大化。次のいずれかとして指定します。
"auto"
–– スペクトル アナライザーは、表示にラベルやタイトルの注釈が含まれていない場合に限り、座標軸を最大化します。"on"
–– スペクトル アナライザーは、あらゆる表示において座標軸を最大化します。"off"
–– スペクトル アナライザーは、いかなる表示においても座標軸を最大化しません。
調整可能: Yes
データ型: char
| string
PlotNormalTrace
— 通常のトレースをプロットするオプション
true
(既定値) | false
通常のトレースの表示を削除するには、このプロパティを false
に設定します。これらのトレースはフリーラン スペクトル推定を表示します。スペクトル アナライザーは、このプロパティを false
に設定している場合でも、スペクトル計算を継続します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
を "spectrum"
または "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトル] タブをクリックし、[トレース オプション] セクションで [通常のトレース] チェック ボックスをオンにします。
[通常のトレース] チェック ボックスを有効にするには、[スコープ] タブで [スペクトル] を選択します。
データ型: logical
PlotMaxHoldTrace
— 最大ホールド トレースをプロットするオプション
false
(既定値) | true
最大ホールド トレースをプロットするオプション。true
または false
として指定します。各入力チャネルの最大ホールド スペクトルを計算し、プロットするには、このプロパティを true
に設定します。スペクトル アナライザーは、各周波数ビンでの最大ホールド スペクトルを、すべてのパワー スペクトル推定の最大値を維持することによって計算します。このプロパティの値を変更すると、スペクトル アナライザーで最大ホールドの計算がリセットされます。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
を "spectrum"
または "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトル] タブをクリックし、[トレース オプション] セクションで [最大ホールド トレース] チェック ボックスをオンにします。
[最大ホールド トレース] チェック ボックスを有効にするには、[スコープ] タブで [スペクトル] を選択します。
データ型: logical
PlotMinHoldTrace
— 最小ホールド トレースをプロットするオプション
false
(既定値) | true
最小ホールド トレースをプロットするオプション。true
または false
として指定します。各入力チャネルの最小ホールド スペクトルを計算し、プロットするには、このプロパティを true
に設定します。スペクトル アナライザーは、各周波数ビンでの最小ホールド スペクトルを、すべてのパワー スペクトル推定の最小値を維持することによって計算します。このプロパティの値を変更すると、スペクトル アナライザーで最小ホールドの計算がリセットされます。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
を "spectrum"
または "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スペクトル] タブをクリックし、[トレース オプション] セクションで [最小ホールド トレース] チェック ボックスをオンにします。
[最小ホールド トレース] チェック ボックスを有効にするには、[スコープ] タブで [スペクトル] を選択します。
データ型: logical
Title
— 表示タイトル
''
(既定値) | 文字ベクトル | string スカラー
表示タイトル。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。
調整可能: Yes
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブをクリックします。[構成] セクションで [設定] をクリックします。開いたスペクトル アナライザーの [設定] ウィンドウの [表示とラベル] で [タイトル] を入力します。
データ型: char
| string
YLabel
— y 軸ラベル
''
(既定値) | 文字ベクトル | string スカラー
y 軸ラベル。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。スペクトル アナライザーは、このラベルを y 軸の左に表示します。
このプロパティに関係なく、スペクトル アナライザーは常にパワー単位を SpectrumUnits
の値のいずれかとして表示します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
を "spectrum"
または "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブをクリックします。[構成] セクションで [設定] をクリックします。開いた [スペクトル アナライザーの設定] ウィンドウの [表示とラベル] で [Y ラベル] を入力します。
[Y ラベル] を有効にするには、[スコープ] タブで [スペクトル] を選択します。
データ型: char
| string
YLimits
— y 軸の範囲
[-80, 20]
(既定値) | [ymin ymax
]
y 軸の範囲。[ymin ymax
] という形式の 2 要素の数値ベクトルとして指定します。y 軸の範囲の単位は SpectrumUnits
プロパティによって異なります。
例: scope.YLimits = [-10,20]
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
プロパティを "spectrum"
または "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブをクリックします。[構成] セクションで [設定] をクリックします。開いた [スペクトル アナライザーの設定] ウィンドウの [表示とラベル] で [Y 軸の範囲] を入力します。
[Y 軸範囲] を有効にするには、[スコープ] タブで [スペクトル] を選択します。
ColorLimits
— スペクトログラムの色の範囲
[-80, 20]
(既定値) | [colorMin colorMax]
スペクトログラムの色の範囲。[colorMin colorMax
] という形式の 2 要素の数値ベクトルとして指定します。色の範囲の単位は SpectrumUnits
プロパティに直接依存します。
例: scope.ColorLimits = [-10,20]
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
プロパティを "spectrogram"
または "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブをクリックします。[構成] セクションで [設定] をクリックします。開いた [スペクトル アナライザーの設定] ウィンドウの [表示とラベル] で [色の範囲] を入力します。
[色の範囲] を有効にするには、[スコープ] タブで [スペクトログラム] を選択します。
Colormap
— カラー ルックアップ テーブル
"jet"
(既定値) | "bone"
| "cool"
| "copper"
| "gray"
| "hot"
| "parula"
| 3 列の行列
カラー ルックアップ テーブル。有効なカラーマップ名か、RGB 3 成分を定義する範囲 [0,1] の値をもつ 3 列の行列として指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
プロパティを "spectrogram"
または "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブをクリックします。[構成] セクションで [設定] をクリックします。開いた [スペクトル アナライザーの設定] ウィンドウの [表示とラベル] で [カラーマップ] を入力します。
[カラーマップ] を有効にするには、[スコープ] タブで [スペクトログラム] を選択します。
データ型: double
| char
| string
ShowGrid
— グリッドを表示するフラグ
true
(既定値) | false
グリッドを表示するフラグ。true
または false
として指定します。このプロパティを true
に設定すると、プロットでグリッド ラインが表示されます。
調整可能: Yes
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブをクリックします。[構成] セクションで [設定] をクリックします。表示された [スペクトル アナライザーの設定] ウィンドウの [表示とラベル] で [グリッドの表示] を選択します。
データ型: logical
ShowLegend
— 凡例の表示/非表示
false
(既定値) | true
凡例の表示/非表示。true
または false
として指定します。入力名を付けた凡例を表示するには、このプロパティを true
に設定します。
凡例を使用して、表示する信号を制御します。スコープの凡例で、信号名をクリックするとそのスコープ内の信号が非表示になります。信号を表示する場合は、信号名を再度クリックします。信号を 1 つだけ表示する場合は、信号名を右クリックします。すべての信号を表示するには Esc キーを押します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
プロパティを "spectrum"
または "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブをクリックします。凡例を表示するには、[構成] セクションで [凡例] をクリックします。
[凡例] を有効にするには、[スコープ] タブで [スペクトル] を選択します。
データ型: logical
ShowColorbar
— カラー バーの表示/非表示
true
(既定値) | false
カラー バーの表示/非表示。true
または false
として指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
プロパティを "spectrogram"
または "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブをクリックします。カラー バーを表示するには、[構成] セクションで [カラー バー] をクリックします。
[カラー バー] を有効にするには、[スコープ] タブで [スペクトログラム] を選択します。
データ型: logical
ChannelNames
— チャネルの名前
空の cell (既定値) | 文字ベクトルの cell 配列 | string の配列
入力データ内のチャネルの名前。文字ベクトルの cell 配列または string の配列として指定します。このプロパティで指定した名前は、次の場所に表示されます。
凡例
[スペクトル アナライザーの設定]、[色とスタイル] セクション
[測定値] タブと [チャネル測定] タブ
チャネル名を指定しない場合、スペクトル アナライザーはチャネルに Channel 1
、Channel 2
などの名前を付けます。
調整可能: Yes
依存関係
チャネル名を表示するには、ShowLegend
を true
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブをクリックします。凡例を表示するには、[構成] セクションで [凡例] をクリックします。
データ型: char
AxesLayout
— 座標軸のレイアウト
"vertical"
(既定値) | "horizontal"
座標軸のレイアウト。"vertical"
または "horizontal"
のいずれかで指定します。垂直方向のレイアウトでは、スペクトルがスペクトログラムの上に表示されます。水平方向のレイアウトでは、2 つのビューが並べて表示されます。
調整可能: Yes
依存関係
このプロパティを有効にするには、ViewType
を "spectrum-and-spectrogram"
に設定します。
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブをクリックします。[スペクトル] と [スペクトログラム] を選択します。[構成] セクションで [レイアウト] を選択し、更新します。
データ型: char
| string
使用法
説明
入力引数
signal
— 可視化する入力信号
スカラー | ベクトル | 行列
可視化する入力信号。スカラー、ベクトルまたは行列として指定します。各信号のチャネル数は異なっても構いませんが、各信号のフレーム サイズは等しくなければなりません。
このスコープは可変サイズの入力をサポートします。そのため、入力信号のフレーム サイズ (行数) はシミュレーション中に変化しても構いませんが、チャネル数 (列数) の変化は不可です。
InputDomain
プロパティを "time"
に設定した場合、入力信号は実数または複素数にできます。InputDomain
プロパティを "frequency"
に設定した場合、入力信号は実数でなければなりません。
例: scope(signal1,signal2)
スコープ ウィンドウの使用
スペクトル アナライザーでの信号の外観を変更するには、[スコープ] タブをクリックし、[設定] をクリックします。[スペクトル アナライザーの設定] ウィンドウの [色とスタイル] で、信号を選択し、そのスタイル、幅、色およびマーカー タイプを変更します。
データ型: single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
| fi
複素数のサポート: あり
オブジェクト関数
spectrumAnalyzer に固有
generateScript | Generate MATLAB script to create scope with current settings |
getMeasurementsData | Get the current measurement data displayed on the spectrum analyzer |
getSpectralMaskStatus | Get test results of current spectral mask |
getSpectrumData | Save spectrum data shown in spectrum analyzer |
isNewDataReady | Check spectrum analyzer for new data |
printToFigure | Print scope window to MATLAB figure |
メモ
シミュレーションを最初から再開するには、reset
を呼び出してスコープ ウィンドウの表示をクリアします。release
の呼び出し後に reset
を呼び出さないでください。
例
片側パワー スペクトルのスペクトル アナライザー
異なる振幅と周波数をもつ固定された実数の正弦波の和から作成された片側パワー スペクトルを表示します。
Fs = 100e6; % Sample rate fSz = 5000; % Frame size sin1 = dsp.SineWave(1e0,5e6,0,SamplesPerFrame=fSz,SampleRate=Fs); sin2 = dsp.SineWave(1e-1,15e6,0,SamplesPerFrame=fSz,SampleRate=Fs); sin3 = dsp.SineWave(1e-2,25e6,0,SamplesPerFrame=fSz,SampleRate=Fs); sin4 = dsp.SineWave(1e-3,35e6,0,SamplesPerFrame=fSz,SampleRate=Fs); sin5 = dsp.SineWave(1e-4,45e6,0,SamplesPerFrame=fSz,SampleRate=Fs); scope = spectrumAnalyzer(SampleRate=Fs,AveragingMethod="exponential",... PlotAsTwoSidedSpectrum=false,... RBWSource="auto",SpectrumUnits="dBW"); for idx = 1:250 y1 = sin1(); y2 = sin2(); y3 = sin3(); y4 = sin4(); y5 = sin5(); scope(y1+y2+y3+y4+y5+0.0001*randn(fSz,1)); end
関数 release
を呼び出してプロパティ値と入力の特性を変更します。スコープは座標軸を自動スケーリングします。
release(scope)
関数 clear
を実行してスペクトル アナライザー ウィンドウを閉じます。
clear('scope');
両側パワー スペクトルのスペクトル アナライザー
スペクトル アナライザー上でノイズのある正弦波の両側パワー スペクトルを表示します。
sin = dsp.SineWave(Frequency=100,SampleRate=1000,... SamplesPerFrame=1000); scope = spectrumAnalyzer(SampleRate=sin.SampleRate); for ii = 1:250 x = sin() + 0.05*randn(1000,1); scope(x); end
関数 release
を呼び出してプロパティ値と入力の特性を変更します。スコープは座標軸を自動的にスケーリングし、データが内部バッファーにある場合は表示をもう一度更新します。
release(scope);
MATLAB 関数 clear
を実行してスペクトル アナライザー ウィンドウを閉じます。
clear('scope');
チャープ信号のスペクトログラム
追加のランダム ノイズをもつチャープ信号のスペクトログラムをプロットします。
Fs = 233e3; frameSize = 20e3; chirp = dsp.Chirp(SampleRate=Fs,SamplesPerFrame=frameSize,... InitialFrequency=11e3,TargetFrequency=11e3+55e3); scope = spectrumAnalyzer(SampleRate=Fs,... AveragingMethod="exponential",... ForgettingFactor=0.3,ViewType="spectrogram",... RBWSource="property",RBW=500,... TimeSpanSource="property",TimeSpan=2); scope.PlotAsTwoSidedSpectrum = false; for idx = 1:50 y = chirp()+0.05*randn(frameSize,1); scope(y); end release(scope)
スペクトル推定からの周波数入力の表示
スペクトル アナライザーを使用して、ホワイト ガウス ノイズに組み込まれている正弦波のスペクトル推定から周波数入力を表示します。
初期化
dsp.SpectrumEstimator
オブジェクトを 2 つ作成します。ウェルチ手法に基づくスペクトル推定法をハン ウィンドウで使用するように 1 つのオブジェクトを設定します。フィルター バンク推定を使用するようにもう 1 つのオブジェクトを設定します。サンプルあたりのサイクルが 0.16、0.2、0.205、0.25 の 4 つの正弦波を持つ、ノイズを含む正弦波入力信号を指定します。spectrumAnalyzer
オブジェクトを使用してスペクトル推定を表示します。
FrameSize = 420; Fs = 1; Frequency = [0.16 0.2 0.205 0.25]; sinegen = dsp.SineWave(SampleRate=Fs,SamplesPerFrame=FrameSize,... Frequency=Frequency,Amplitude=[2e-5 1 0.05 0.5]); NoiseVar = 1e-10; numAvgs = 8; hannEstimator = dsp.SpectrumEstimator(PowerUnits="dBm",... Window="Hann",FrequencyRange="onesided",... SpectralAverages=numAvgs,SampleRate=Fs); filterBankEstimator = dsp.SpectrumEstimator(PowerUnits="dBm",... Method="Filter bank",FrequencyRange="onesided",... SpectralAverages=numAvgs,SampleRate=Fs); spectrumPlotter = spectrumAnalyzer(InputDomain="frequency",... SampleRate=Fs,SpectrumUnits="dBm",... YLimits=[-120,40],PlotAsTwoSidedSpectrum=false,... ChannelNames={'Hann window','Filter bank'},ShowLegend=true);
ストリーミング
入力をストリーミングします。スペクトル推定をスペクトル アナライザーで比較します。
for i = 1:1000 x = sum(sinegen(),2) + sqrt(NoiseVar)*randn(FrameSize,1); Pse_hann = hannEstimator(x); Pfb = filterBankEstimator(x); spectrumPlotter([Pse_hann,Pfb]) end
spectrumAnalyzer
オブジェクトの測定データをプログラムによって取得
spectrumAnalyzer
MATLAB® オブジェクトを使用して、ノイズを含む正弦波入力信号のパワー スペクトルを計算して表示します。次のプロパティを有効にすることで、スペクトル内のピーク、カーソルの配置、隣接チャネル電力比、および歪みの値を測定します。
PeakFinder
CursorMeasurements
ChannelMeasurements
DistortionMeasurements
初期化
入力正弦波は次の 2 つの周波数をもちます。1000 Hz、5000 Hz。これら 2 つの周波数を生成する 2 つの dsp.SineWave
System object を作成します。パワー スペクトルを計算して表示する spectrumAnalyzer
オブジェクトを作成します。
Fs = 44100; Sineobject1 = dsp.SineWave(SamplesPerFrame=1024,PhaseOffset=10,... SampleRate=Fs,Frequency=1000); Sineobject2 = dsp.SineWave(SamplesPerFrame=1024,... SampleRate=Fs,Frequency=5000); SA = spectrumAnalyzer(SampleRate=Fs,SpectrumType="power",... PlotAsTwoSidedSpectrum=false,ChannelNames={'Power spectrum of the input'},... YLimits=[-120 40],ShowLegend=true);
測定データの有効化
測定値を取得するには、Enabled
プロパティを true
に設定します。
SA.CursorMeasurements.Enabled = true; SA.ChannelMeasurements.Enabled = true; SA.PeakFinder.Enabled = true; SA.DistortionMeasurements.Enabled = true;
getMeasurementsData
の使用
ノイズを含む正弦波入力信号でストリーミングを行い、spectrumAnalyzer
オブジェクトを使用して信号のパワー スペクトルを推定します。スペクトルの特性を測定します。関数 getMeasurementsData
を使用して、これらの測定値をプログラムによって取得します。関数 isNewDataReady
は、新しいスペクトル データが存在すると true
を返します。測定データを変数 data
に格納します。
data = []; for Iter = 1:1000 Sinewave1 = Sineobject1(); Sinewave2 = Sineobject2(); Input = Sinewave1 + Sinewave2; NoisyInput = Input + 0.001*randn(1024,1); SA(NoisyInput); if SA.isNewDataReady data = [data;getMeasurementsData(SA)]; end end
スコープ ウィンドウの下部にあるペインに、有効にした測定値が表示されます。これらのペインの値は、変数 data
の最後のタイム ステップの値と一致します。data
の個々のフィールドにアクセスして、さまざまな測定値をプログラムによって取得できます。
ピーク値の比較
PeakFinder
プロパティを使用してピーク値を指定します。data
の最後のタイム ステップのピーク値がスペクトル アナライザー プロットの値と一致することを確認します。
peakvalues = data.PeakFinder(end).Value
peakvalues = 3×1
26.3957
22.7830
-57.9977
frequencieskHz = data.PeakFinder(end).Frequency/1000
frequencieskHz = 3×1
4.9957
0.9905
20.6719
スペクトル アナライザーのスコープ表示の MATLAB Figure への出力
R2023b 以降
関数 printToFigure
を使用し、spectrumAnalyzer
オブジェクトの表示ウィンドウを新しい MATLAB® Figure に出力します。
チャープ信号を生成し、spectrumAnalyzer
オブジェクトを使用してチャープのスペクトルを表示します。
chirp = dsp.Chirp(SweepDirection="Bidirectional", ... TargetFrequency=2000, ... InitialFrequency=0,... TargetTime=400, ... SweepTime=400, ... SamplesPerFrame=1024, ... SampleRate=4000); scope = spectrumAnalyzer(AveragingMethod="exponential",... ForgettingFactor=0,SampleRate=4000); scope(chirp());
チャープのスペクトルを新しい MATLAB Figure に出力します。関数は Figure のハンドルを返します。
scopeFig = printToFigure(scope);
Figure scopeFig
のハンドルを使用すると、Figure ウィンドウの外観と動作を変更できます。
Figure 名を指定し、Figure のサイズを 400×250 ピクセルに変更します。
scopeFig.Name="Spectrum of Chirp Signal"; scopeFig.NumberTitle="off"; scopeFig.Position=[1 1 400 250];
Figure に出力する際に引数 Visible
を false
に設定すると、Figure を非表示にすることができます。
scopeFig = printToFigure(scope,Visible=false);
制限
MATLAB Coder™ を使用した C/C++ コード生成をサポートしていません。スタンドアロン アプリケーションを生成するには、MATLAB Compiler™ を使用します。
オブジェクトの呼び出しを外部として扱うことで MEX コード生成をサポートします。
詳細
単位間のパワーの変換
スペクトル アナライザー ウィンドウでの単位間のパワー変換。
スペクトル アナライザーでは、パワー スペクトル密度を指定するための次の 3 つの単位が提供されています。[Watts/Hz]
、[dBm/Hz]
、および [dBW/Hz]
。対応するパワーの単位は [Watts]
、[dBm]
、および [dBW]
です。電気工学アプリケーションでは、信号の RMS を [Vrms]
、[dBuV]
(R2023b 以降) または [dBV]
で表示することもできます。既定のスペクトル タイプは [dBm]
の [パワー] です。
[dBW]
単位のパワーは次で求められます。
[dBm]
単位のパワーは次で求められます。
振幅が 1 V の正弦波信号の場合、[Watts]
単位での片側スペクトルのパワーは次で求められます。
対応する [dBm] 単位のパワーは次の方程式で求められます。
ホワイト ノイズ信号の場合、スペクトルはすべての周波数でフラットになります。分散 1e-4 のホワイト ノイズ信号について考えます。この場合、単位帯域幅あたりのパワー (Punitbandwidth) は 1e-4 です。[0 Fs/2] の範囲の片側スペクトルの場合、[Watts]
単位でのホワイト ノイズの合計パワーは次の方程式で求められます。
Fs は入力サンプル レートです。周波数ビンの数は、全帯域幅の RBW に対する比率です。片側スペクトルの場合、全帯域幅はサンプル レートの半分です。サンプル レートが 44100 Hz で RBW が 21.53 Hz の場合を考えます。これらの値を使用すると、[Watts]
単位でのホワイト ノイズの合計パワーは 0.1024 W です。
dBm 単位のホワイト ノイズのパワーは 10*log10(0.1024/10^-3) を使用して計算でき、20.103 dBm と等しくなります。
スペクトル単位を [dBFS]
に設定し、フル スケール (FullScaleSource
) を "auto"
に設定すると、[dBFS]
単位のパワーは次のように計算されます。
ここでは以下のとおりです。
Pwatts
はワット単位のパワー。double および float の信号では、Full_Scale は入力信号の最大値。
固定小数点または整数の信号では、Full_Scale は表現できる最大の値。
手動のフル スケールを指定した場合 (FullScaleSource
を "property"
に設定)、[dBFS]
単位のパワーは次で求められます。
ここで、FS
は FullScale
プロパティで指定されたフル スケーリング係数です。
振幅が 1 V の正弦波信号の場合、[Watts]
単位での片側スペクトルのパワーは次で求められます。
対応する [dBFS] 単位のパワーは次で求められます。
パワー値をスペクトル アナライザーで確認するには、次のコマンドを実行します。
Fs = 1000; % Sampling frequency sinef = dsp.SineWave(SampleRate=Fs,SamplesPerFrame=100); scope = spectrumAnalyzer(SampleRate=Fs,... SpectrumUnits="dBFS",PlotAsTwoSidedSpectrum=false) for ii = 1:100000 xsine = sinef(); scope(xsine) end
[dBm]
単位のパワーは次で求められます。
RMS の電圧は次で求められます。
前の例では、PdBm は 26.9897 dBm と同等です。Vrms は次のように計算されます。
0.7071 と等しくなります。
ピークの検出を使用してこの値を確認するには、次を行います。
スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブで、[スペクトル]、[RMS] を選択します。
[測定値] タブで [ピークの検出] を有効にします。
カーソルの測定
信号に沿って移動する垂直方向の波形カーソルを使用し、信号の値を測定します。
スペクトル アナライザーの [測定値] タブの [データ カーソル] ボタンをクリックすると、スペクトル表示の各信号に垂直方向のカーソルが表示されます。各カーソルは、信号に沿って垂直方向に移動します。スコープでは、信号の 2 つのカーソル位置における x の値と y の値の差がカーソル間のボックスに表示されます。
カーソルによる測定を有効にするには、[測定値] タブの [データ カーソル] ボタンをクリックします。カーソルは、スペクトル アナライザーに信号が少なくとも 1 つ表示されている場合にのみ表示されます。
マウスを使用して、垂直方向のカーソルを左右に動かすことができます。
[測定値] タブの [データ カーソル] ドロップダウン矢印をクリックし、次のオプションのいずれかを選択します。
データにスナップ — 信号のデータ点にカーソルを置きます。
カーソル間隔のロック — 2 つのカーソル間の周波数の差を固定します。
プログラムを使用してカーソルの測定を変更する方法については、CursorMeasurementsConfiguration
オブジェクトを参照してください。
ピークの検出測定
スコープ表示内のピーク値を計算して表示します。
スペクトル アナライザーの [測定値] タブの [ピークの検出] ボタンをクリックすると、プロット内の各最大値の位置に矢印が表示され、スコープ ウィンドウの下部に [ピーク] パネルが表示されます。入力信号のうち現在スコープに表示されている部分のピークがスペクトル アナライザーによって計算され、ピーク値およびピーク位置における周波数が [ピーク] パネルに表示されます。
[測定値] タブの [ピーク] セクションでは、スコープに表示するピークの数、スコープでピークを検出する最小高さ、ピークの最小間隔を指定し、ピークにラベルを付けることができます。
スペクトル アナライザーのアルゴリズムでは、両側の値がそれよりも低い局所的最大値としてピークが定義されています。末端はピークとは見なされません。このアルゴリズムの詳細については、関数 findpeaks
を参照してください。
ピークは入力信号のどの単位についても有効です。各測定の対応値の後に続く文字は、m が milli を表すなど、SI (国際単位系) の適切な接頭辞の省略形を表します。たとえば、入力信号がボルト単位で測定された場合、測定値の横にある m は値がミリボルト単位であることを示します。
プログラムを使用してピークの検出の測定を変更する方法については、PeakFinderConfiguration
オブジェクトを参照してください。これらを UI で設定する方法の詳細については、ピークを参照してください。
歪みの測定
高調波歪みと相互変調歪みを測定します。
[測定値] タブの [歪み] セクションで [歪み] ボタンをクリックすると、スペクトル アナライザー ウィンドウの下部で歪みパネルが開きます。このパネルには、入力信号のうち現在スコープに表示されている部分の高調波と歪みの測定値が表示されます。[測定値] タブの [歪み] セクションでは、歪みのタイプや高調波の数を指定したり、高調波にラベルを付けたりすることができます。
メモ
正確な測定のためには、基本信号 (高調波の場合) または主要トーン (相互変調の場合) がスプリアス成分や高調波成分よりも大きいことを確認してください。これを行うには、必要に応じてスペクトル アナライザーの分解能帯域幅 (RBW
) を調整します。信号と高調波をスプリアス ノイズ成分から分離するのに十分なほど帯域幅が狭いことを確認してください。一般に、正弦波のピークとノイズ フロアとの差が 10 dB 以上となるように RBW の値を設定する必要があります。また、有効な測定値を取得するため別のスペクトル ウィンドウを選択することも必要な場合があります。
[歪みのタイプ] パラメーターは、以下のいずれかの値に設定できます。
高調波
–– 入力が単一正弦波である場合は[高調波]
を選択します。相互変調
–– 入力が振幅の等しい 2 つの正弦波である場合は[相互変調]
を選択します。相互変調を使用すると、利用可能な帯域幅のごく一部のみがスコープで使用されている場合に歪みを判断できます。
歪み測定の計算方法の詳細については、歪みの測定を参照してください。
[歪みのタイプ] を [高調波]
に設定すると、スペクトル アナライザー ウィンドウの下部にある [高調波歪み] パネルに次のフィールドが表示されます。
H1 — 基本周波数 (Hz 単位) および 1 mW を基準とした測定電力のデシベル (dBm)。
H2, H3, ... — 高調波周波数 (Hz 単位) および搬送波に対する電力のデシベル (dBc)。高調波が基本周波数と同じレベルかそれを超える場合、入力強度を下げます。
THD — 全高調波歪み。この値は、高調波の電力 D と基本周波数 S の比を表します。ノイズ パワーが高調波に対して高すぎる場合、THD 値は不正確です。この場合、分解能帯域幅を狭くするか、別のスペクトル ウィンドウを選択します。
SNR — S/N 比 (SNR)。この値は、基本周波数 S とスプリアス信号を含むすべての非高調波成分 N の電力の比を dBc (搬送波に対するデシベル) 単位で表します。
報告される SNR に
––
が表示される場合、信号の非高調波成分の合計が信号の合計の 30% 未満です。SINAD — 信号対ノイズおよび歪み比。この値は、基本周波数 S とその他のすべての成分 (ノイズ N や高調波歪み D を含む) の電力の比を dBc (搬送波に対するデシベル) 単位で表します。
SFDR — スプリアスフリー ダイナミック レンジ (SFDR)。この値は、周波数スペクトルの位置にかかわらずに、基本周波数 S と最大スプリアス信号 R の電力比を表します。最悪のスプリアス信号は元の信号の高調波である場合も、そうではない場合もあります。SFDR は、大きな干渉信号から区別できる信号の最小値を表します。SFDR には高調波が含まれます。
高調波歪み測定では、より大きな正弦波成分 (基本信号周波数) が自動検出されます。その後、高調波周波数と信号内の各高調波の電力が計算され、DC 成分が無視されます。この測定には、スペクトル アナライザーの周波数範囲外の高調波は含まれません。目的の高調波がすべて含まれるように周波数範囲を調整してください。
メモ
高調波の表示を最適にするには、高調波を解決できる十分に高い基本周波数を設定したことを確認してください。ただし、この周波数はエイリアシングが発生するほど高くしないでください。高調波歪みの表示を最適にするには、プロットでスカートが表示されないようにしてください。これは周波数漏れを示します。ノイズ フロアが表示されるようにしてください。
適切な表示のためには、サイドローブの減衰が大きい (たとえば 100 ~ 300 db) カイザー ウィンドウを試してください。
[歪みのタイプ] を [相互変調]
に設定すると、スペクトル アナライザー ウィンドウの下部にある [相互変調歪み] パネルに次のフィールドが表示されます。
F1 — 下側基本波 1 次周波数。
F2 — 上側基本波 1 次周波数。
2F1-F2 — 3 次高調波からの下側相互変調積。
2F2-F1 — 3 次高調波からの上側相互変調積。
TOI — 3 次インターセプト ポイント。ノイズ パワーが高調波に対して高すぎる場合、TOI 値は不正確になります。この場合、分解能帯域幅を低くするか、別のスペクトル ウィンドウを選択してください。TOI が入力 2 トーン信号と同じ振幅である場合は、その入力信号の電力を削減します。
相互変調歪みの測定では、基本波の 1 次周波数 (F1 および F2) が自動検出されます。その後、3 次相互変調の周波数の積 (2F1−F2 および 2F2−F1) が計算されます。
プログラムを使用して歪みの測定を変更する方法については、DistortionMeasurementsConfiguration
オブジェクトを参照してください。これらを UI で設定する方法の詳細については、歪みを参照してください。
チャネル測定
専有帯域幅または隣接チャネル電力比 (ACPR) を測定します。
[チャネル測定] タブの [チャネル測定] ボタンをクリックすると、スペクトル アナライザー ウィンドウの下部でチャネル測定パネルが開きます。このパネルには、占有帯域幅または隣接チャネル電力比の測定値が表示されます。[チャネル測定] タブでは、占有帯域幅と ACPR のどちらを測定するかの設定、周波数範囲、中心周波数、開始周波数、および終了周波数を指定できます。
チャネル測定の [タイプ] で次のいずれかを選択します。
占有帯域幅
–– 占有帯域幅ACPR
–– メイン チャネルの電力と隣接チャネルの電力の比
スペクトル アナライザーが占有帯域幅をどのように計算するかの詳細については、占有帯域幅を参照してください。
占有帯域幅
計算と表示を行うチャネル測定の [タイプ] を [占有帯域幅]
に設定すると、スコープ ウィンドウの下部にある測定パネルに次のフィールドが表示されます。
チャネル電力 — チャネルの合計電力
占有帯域幅 — スペクトルの合計電力のうち、[占有帯域幅 (%)] で指定された占有帯域幅を含む帯域幅。
周波数エラー — 占有帯域の中心とチャネルの中心周波数 ([中心周波数 (Hz)]) の差
ACPR
計算と表示を行うチャネル測定の [タイプ] を [ACPR]
に設定すると、スコープ ウィンドウの下部にある測定パネルに次のフィールドが表示されます。
Lower (Rel Power (dBc)) — 下側波帯の電力とメイン チャネルの電力の比
Upper (Rel Power (dBc)) — 上側波帯の電力とメイン チャネルの電力の比
プログラムを使用してチャネル測定を変更する方法については、ChannelMeasurementsConfiguration
オブジェクトを参照してください。これらを UI で設定する方法の詳細については、チャネル測定を参照してください。
スペクトル マスク
スペクトルの範囲を可視化し、スペクトルの値を仕様値と比較します。
上限と下限のマスクをスペクトル アナライザーに追加し、スペクトルの範囲を可視化し、スペクトルの値を仕様値と比較します。[スペクトル マスク] タブを有効にするには、[スコープ] タブで [スペクトル] を選択します。[スペクトル マスク] タブの [マスクの上限] ボタンと [マスクの下限] ボタンをクリックすると、スペクトル アナライザー ウィンドウの下部で [スペクトル マスク] パネルが開きます。このパネルには、マスクの成功と失敗に関する統計、現在失敗または成功しているマスクの名前、および失敗が発生しているチャネルの名前に関する情報が表示されます。
[スペクトル マスク] タブでマスクの設定を変更できます。これらを UI で設定する方法の詳細については、スペクトル マスクを参照してください。プログラムを使用してチャネル測定を変更する方法については、SpectralMaskConfiguration
オブジェクトを参照してください。
関数 getSpectralMaskStatus
を使用して、スペクトル マスクのステータスを確認できます。この関数を使用すると、マスクが成功/失敗した回数や、マスクに失敗しているチャネルの名前などの詳細を確認できます。
また、MaskTestFailed
イベントを使用すると、マスクに失敗するたびにアクションを実行することができます。マスクに失敗したときに関数をトリガーするには、MaskTestFailed
イベントのリスナーを作成し、関数をトリガーするコールバック関数を定義します。イベントの使用の詳細については、イベントを参照してください。
可視化のカスタマイズ
スペクトル アナライザーで、構成とスタイルを設定します。
表示やラベル、色やスタイルの設定を制御するには、スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブで [設定] () をクリックします。
表示されるダイアログ ボックスで、フォント サイズ、プロット タイプ、スペクトル プロットの y 軸のプロパティ、およびスペクトログラム プロットのカラーマップ プロパティをカスタマイズできます。スペクトル プロットの色、背景、座標軸、ラベルを変更でき、ラインのプロパティも変更できます。
スペクトルまたはスペクトログラムを表示している時は、関連するオプションのみが表示されます。これらのオプションの詳細については、[構成]、[スペクトル設定] を参照してください。
表示コントロール
表示コントロールを使用して、座標軸のズームとパンを行います。
プロットの座標軸をスケーリングするには、マウスを使用して座標軸周りにパンを実行し、マウスのスクロール ボタンを使用してプロットをズームイン/ズームアウトします。さらに、プロット ウィンドウ上にカーソルを置いたときに表示されるボタンを使用できます。
— 座標軸を最大化し、すべてのラベルを非表示にし、座標軸の値を挿入します。
— プロットをズームインします。
— プロットをパンします。
— 表示されているデータに合わせて座標軸をオートスケールします。
ヒント
アルゴリズム
スペクトル推定 — フィルター バンク
[フィルター バンク]
法を選択すると、スペクトル アナライザーはパワー スペクトル推定に解析フィルター バンクを利用します。
フィルター バンクはサンプル レート fs の広帯域の入力信号 x(n) をサンプル レート fs/M の複数の狭帯域信号 y0(m)、y1(m)、…、yM-1(m) に分割します。
変数 M はフィルター バンク内の周波数帯域の数を表します。スペクトル アナライザーでは、M は、指定された RBW 値と 1024 のどちらか大きい方の値の達成に必要なデータ点の数と等しくなります。解析フィルター バンクおよびその実装の詳細については、dsp.Channelizer
オブジェクトのMore AboutおよびAlgorithmのセクションを参照してください。
スペクトル アナライザーは、帯域入力信号を複数の狭帯域に分割した後、次の式を利用して各狭周波数帯域の電力を計算します。各 Zi 値はその狭周波数帯域の推定電力です。
L は狭帯域信号の長さ yi(m) で、i = 1, 2, …, M-1 です。
すべての狭周波数帯域の電力値 (Zi で表される) は Z ベクトルを形成します。
スペクトル アナライザーは、2 つの移動平均法 (ビデオ帯域幅または指数の重み付け) のいずれかを利用して、現在の Z ベクトルを以前の Z ベクトルと平均化します。平均化演算の出力はスペクトル推定ベクトルを形成します。2 つの平均化方法の詳細については、平均化方法を参照してください。
スペクトル アナライザーは [RBW (Hz)] パラメーターまたは [周波数帯域の数] パラメーターで指定された値を使用して、入力フレーム長を特定します。
スペクトル アナライザーでは、スペクトル推定を計算するためにサンプルの最小数が必要です。この値は、分解能帯域幅 RBW に直接関連付けられます。
[分解能の方法] を [RBW]
に指定した場合、[RBW (Hz)] の設定に応じて以下のようになります。
自動
–– スペクトル アナライザーでは、表示を更新するために 1,024 個のサンプルが必要です。スペクトル アナライザーは適切な分解能帯域幅を特定し、指定された周波数スパンに 1,024 の RBW 間隔が必ず存在するようにします。[RBW (Hz)] を[自動]
に設定した場合、スペクトル アナライザーは次の方程式を使用して RBW を計算します。スカラー値 –– スペクトル アナライザーは次の方程式を使用してサンプル数 Nsamples を計算します。
Fs は入力信号のサンプル レートです。[サンプル レート (Hz)] プロパティで指定します。
指定する RBW 値は、指定した周波数スパンに少なくとも 2 つの RBW 間隔が必ず存在するようになる値でなければなりません。スパン全体と RBW の比率は 2 より大きくなければなりません。
span は、スペクトル アナライザーがスペクトルを計算してプロットする周波数スパンです。スコープに [スパン (Hz)] を表示するには、スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックし、[周波数オプション] セクションに移動します。このプロパティを有効にするには、[周波数スパン] を
[スパンと中心周波数]
に設定します。
[分解能の方法] を [周波数帯域の数]
に指定した場合、結果の RBW は次のようになります。
指定した分解能帯域幅を得るのに入力サンプル数が不十分である場合、スペクトル アナライザーは次のようなメッセージを表示します。
十分な入力サンプルを提供するとこのメッセージは削除され、スペクトル推定が表示されます。
スペクトル推定 — ウェルチ法
[ウェルチ]
法を選択すると、パワー スペクトル推定には平均修正ピリオドグラムが使用されます。
スペクトル アナライザーのアルゴリズムは次の手順で構成されます。
ブロックが入力を N 点のデータ セグメントにバッファリングします。各データ セグメントは、オーバーラップする P 個のデータ セグメントに分割されます。それぞれの長さは M で、D 個の点がオーバーラップします。データ セグメントは次のように表すことができます。
D = M/2 の場合、オーバーラップは 50%。
D = 0 の場合、オーバーラップは 0%。
時間領域でオーバーラップする P 個のデータ セグメントのそれぞれにウィンドウを適用します。
[分解能の方法] を
[ウィンドウの長さ]
に設定した場合、[推定] タブの [ウィンドウの長さ] パラメーターを使用してデータ ウィンドウ長 Nwindow を指定できます。[分解能の方法] を
[RBW]
に設定した場合、アルゴリズムは式 を使用してデータ ウィンドウ長を決定します。次に、ウィンドウを適用したいくつかのデータ セグメントに入力信号を分割します。
ほとんどのウィンドウ関数は、セットの端のデータよりも中央のデータに大きな影響を与えますが、これは情報の損失を意味します。この損失を軽減するために、通常は個々のデータ セットを時間的にオーバーラップさせます。ウィンドウを適用したセグメントごとに、離散フーリエ変換を計算してピリオドグラムを計算します。次に、結果について振幅の 2 乗を計算し、その結果を M で除算します。
ここで、U はウィンドウ関数のパワーの正規化係数で、次で与えられます。
ウィンドウは、スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブにある [ウィンドウ] パラメーターを使用して指定できます。
スペクトル アナライザーは、修正 "ピリオドグラム" 推定器を使用してパワー スペクトル、パワー スペクトル密度、RMS を計算し、プロットします。ピリオドグラム法の詳細については、
periodogram
を参照してください。ウェルチ法のパワー スペクトル推定値を決定するために、スペクトル アナライザーは最後の P 個のデータ セグメントについて、ピリオドグラムの結果を平均化します。平均化により、元の N 点のデータ セグメントと比較して分散が減少します。平均化の詳細については、平均化方法を参照してください。
スペクトル アナライザーは、次を使用してパワー スペクトル密度を計算します。
パワー スペクトルは、パワー スペクトル密度と分解能帯域幅の積で、次の方程式で求められます。
スペクトル アナライザーは、[スペクトログラム] モードでパワーをスペクトログラムとしてプロットします。スペクトログラムの各ラインは 1 つのピリオドグラムです。各ラインの時間分解能は、達成可能な最小分解能である 1/RBW です。必要な分解能を得るには、いくつかのピリオドグラムを結合しなければならない場合があります。その後、内挿を使用して 1/RBW の非整数値を計算します。スペクトログラム表示で、時間は上から下にスクロールするため、最新のデータは表示領域の一番上に表れます。オフセットは、最新のスペクトログラム ラインの中心が発生した時間値を示します。
スペクトル アナライザーでは、スペクトル推定を計算するためにサンプルの最小数が必要です。この値は、式 を使用して、分解能帯域幅 (RBW) に直接関連付けられます。
または、次の式を使用して、ウィンドウの長さ (Nwindow) に関連付けられます。
ここで、Op はオーバーラップ率、NENBW は正規化された有効ノイズ帯域幅、Fs は入力サンプル レート、RBW は分解能帯域幅です。
スペクトル アナライザーは、更新ごとのサンプル数をスペクトル アナライザーのステータス バーに表示します。
[分解能の方法] を [RBW]
に指定した場合、ウィンドウの長さは次のようになります。
[分解能の方法] を [ウィンドウの長さ]
に指定した場合、アルゴリズムはスペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブにある [ウィンドウの長さ] パラメーターで指定されたウィンドウの長さの値を使用します。
オーバーラップ率 (Op)
オーバーラップ率 Op は [オーバーラップ (%)] プロパティで指定する値です。スコープに [オーバーラップ (%)] を表示するには、スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックし、[ウィンドウ オプション] セクションに移動します。
オーバーラップ率を増やすと、スペクトル アナライザーが新しいスペクトルの更新を計算するために必要とする新しい入力サンプルが少なくなります。
Op | Nsamples |
---|---|
0% | 100 |
50% | 50 |
80% | 20 |
正規化された有効ノイズ帯域幅 (NENBW)
正規化された有効ノイズ帯域幅 NENBW は、ウィンドウのノイズ パフォーマンスを測定するウィンドウ パラメーターです。NENBW はウィンドウの長さとウィンドウの係数を使用して決定され、次の方程式で求められます。
w(n) はウィンドウ係数のベクトルを表します。Nwindow はウィンドウの長さです。アルゴリズムがウィンドウの長さを判定する方法の詳細については、「アルゴリズム」の「スペクトル推定 –– ウェルチ法」のセクションを参照してください。
箱型ウィンドウの NENBW 値は最小の 1 です。その他すべてのウィンドウの NENBW 値はそれより大きくなります。たとえば、ハン ウィンドウの NENBW 値は約 1.5 です。
NENBW の値はスペクトル アナライザーのステータス バーに表示されます。
NENBW を有効にできるのは、スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブで、[入力領域] を [時間]
に設定し、[メソッド] を [ウェルチ]
に設定している場合のみです。
入力サンプル レート (Fs)
Fs は入力信号のサンプル レートです。スコープに [サンプル レート (Hz)] を表示するには、スペクトル アナライザーのツールストリップの [スコープ] タブをクリックし、[帯域幅] セクションに移動します。このプロパティは、スペクトル アナライザー ウィンドウの下部にあるステータス バーで有効にできます。ステータス バーの アイコンをクリックし、[Sample Rate]
を選択します。
分解能帯域幅 (RBW)
分解能帯域幅は表示する信号のスペクトル分解能を制御します。RBW 値により、スコープが分解できる周波数の間隔が決まります。値が小さいほど、スペクトル分解能が高くなり、ノイズ フロアが低くなります。つまり、スペクトル アナライザーが、互いに近い周波数を分解できることになります。ただし、その代わりにスイープ時間は長くなります。
分解能帯域幅は [RBW (Hz)] パラメーターを使用して指定できます。
ウィンドウの長さが指定された場合、スコープは、式 を使用して、ウィンドウの長さから RBW 値を決定します。
[分解能の方法] を [RBW]
に指定した場合、[RBW (Hz)] の設定に応じて以下のようになります。
自動
–– スペクトル アナライザーでは、表示を更新するために Nsamples 個のサンプルが必要です。スペクトル アナライザーは適切な分解能帯域幅を特定し、指定された周波数スパンに 1,024 の RBW 間隔が必ず存在するようにします。[RBW (Hz)] を[自動]
に設定した場合、スペクトル アナライザーは次の方程式を使用して計算します。スカラー値 –– 指定した周波数スパンに少なくとも 2 つの RBW 間隔が必ず存在するようになる値を指定します。スパン全体と RBW の比率は 2 より大きくなければなりません。
span は、スペクトル アナライザーがスペクトルを計算してプロットする周波数スパンです。スペクトル アナライザーではスパンを [スパン (Hz)] プロパティに表示します。スコープに [スパン (Hz)] を表示するには、スペクトル アナライザーのツールストリップの [推定] タブをクリックし、[周波数オプション] セクションに移動し、[周波数スパン] を [スパンと中心周波数]
に設定します。
[分解能の方法] を [周波数帯域の数]
に指定した場合、結果の RBW は次のようになります。
指定した分解能帯域幅を得るのに入力サンプル数が不十分である場合、スペクトル アナライザーは次のようなメッセージを表示します。
十分な入力サンプルを提供するとこのメッセージは削除され、スペクトル推定が表示されます。
このプロパティは、スペクトル アナライザー ウィンドウの下部にあるステータス バーで有効にできます。ステータス バーの アイコンをクリックし、[RBW]
を選択します。
ナイキスト周波数範囲
[スペクトル] または [スペクトログラム] タブで [両側スペクトル] を選択して両側スペクトルをプロットした場合、ナイキスト周波数範囲は Hz になります。
[両側スペクトル] の選択を解除した場合、ナイキスト周波数範囲は Hz になります。
周波数ベクトル
[周波数 (Hz)] を [自動]
に設定した場合、周波数領域入力の周波数ベクトルが計算されます。
[スペクトル] または [スペクトログラム] タブで [両側スペクトル] を選択して両側スペクトルをプロットした場合、周波数ベクトルは次のようになります。
[両側スペクトル] の選択を解除した場合、周波数ベクトルは次のようになります。
占有帯域幅
スペクトル アナライザーは次のようにして "占有帯域幅" を計算します。
測定された周波数範囲内の電力合計を計算します。
低周波数値を特定します。範囲内で最も低い周波数から始めて上に移動し、各周波数内で分散している電力を合計します。これを、電力合計の結果が次の値に達するまで行います。
高周波数値を特定します。範囲内で最も高い周波数から始めて下に移動し、各周波数内で分散している電力を合計します。これを、電力合計の結果が次の値に達するまで行います。
低電力周波数値と高電力周波数値の間の帯域幅が占有帯域幅です。
低周波数値と高周波数値の中間の周波数が中心周波数です。
歪みの測定
スペクトル アナライザーは次の手順を使用して歪みの測定を計算します。
スペクトル内のピークを検出することでスペクトル成分を推定します。アルゴリズムがピークを検出すると、アルゴリズムはピークの幅を記録して、それらの値がすべてピークに属するものとして扱い、すべての単調減少値をクリアします。この方法を使用して、アルゴリズムにより DC (0 Hz) を中心とするすべてのスペクトル成分をスペクトルから削除し、クリアされた帯域幅の量 (W0) を記録します。
表示されているスペクトルの残りの最大値から基本電力 (P1) を特定します。ピーク近くの電力に対する中心モーメントを計算して、基本周波数の局所的な推定 (Fe1) を作成します。基本電力成分の帯域幅 (W1) を記録します。その後、手順 1 と同様に基本の電力を削除します。
局所的な推定 (Fe1) の該当する倍数に最も近い周波数を調べて、高次の高調波の電力と幅 (P2、W2、P3、W3 など) を連続して特定します。次の高調波に進む前に、高調波周波数に関して単調に減少するスペクトル成分をスペクトルから削除します。
DC 成分、基本成分および高調波成分をスペクトルから削除したら、残りのスペクトルの電力の合計 (Premaining)、ピーク値 (Pmaxspur) および中央値 (Pestnoise) を調べます。
削除したすべての帯域幅の合計を次のように計算します。Wsum = W0 + W1 + W2 +...+ Wn
2 次以上の高調波の電力合計を次のように計算します。Pharmonic = P2 + P3 + P4 +...+ Pn
ノイズ パワーの合計を次のように推定します。
dF は周波数ビン間の差の絶対値であり、RBW はウィンドウの分解能帯域幅です。
推定値から THD、THD%、SINAD、SNR および SFDR の指標を計算します。
高調波測定
高調波歪み測定では、測定値への入力として表示領域に示されるスペクトル トレースを使用します。スペクトル アナライザーの既定の
[ハン]
ウィンドウ設定では、測定信号のノイズ フロアを完全にマスクするような漏れが現れる場合があります。高調波測定では、高調波ピークの最大値から単調に減少する周波数成分をすべて無視することで、漏れの補正が試行されます。ウィンドウの漏れがスペクトル内の周波数帯域幅の 70% を超える部分を覆う場合は、[SNR] および [SINAD] に対して空白 (–) の読み取りが発生する可能性があります。アプリケーションで等価ノイズ帯域幅 (ENBW) の増加を許容できる場合は、スペクトル漏れを最小限に抑えるために減衰量の大きい (最大 330 dB) カイザー ウィンドウを使用することを検討してください。
DC 成分を無視します。
ウィンドウ処理後に、各高調波成分の幅によって、基本周波数および高調波の近傍にあるノイズ パワーがマスクされます。各領域のノイズ パワーを推定するために、スペクトル アナライザーはスペクトルの高調波以外の領域のノイズ レベルの中央値を計算します。その後、その値を各領域に外挿します。
N 次相互変調積は、A*F1 + B*F2 で発生します。
ここで、F1 および F2 は正弦波入力周波数で、|A| + |B| = N です。A および B は整数値です。
相互変調測定では、3 次インターセプト (TOI) ポイントを次のように計算します。
TOIlower = PF1 + (PF2 - P(2F1-F2))/2
TOIupper = PF2 + (PF1 - P(2F2-F1))/2
TOI = + (TOIlower + TOIupper)/2
ここで、P は 1 mW を基準とした測定電力のデシベル (dBm) 単位の電力です。
平均化方法
スペクトル アナライザーでは次の 2 つの方法を使用して移動平均を計算できます。
ビデオ帯域幅 — スペクトル アナライザーは時間領域ローパス フィルターを使用して、信号のノイズを平滑化します。ビデオ帯域幅 (VBW) フィルターはトレースを平滑化し、ノイズを減少させます。スペクトル アナライザーは、データにこのフィルターを適用してから表示します。
ビデオ帯域幅は、スペクトル アナライザーがスコープに表示する前に信号内のノイズを平均化または平滑化するために使用するローパス フィルターの帯域幅です。スペクトル アナライザーは、次の方程式を使用してビデオ帯域幅を計算します。
ここで、
ビデオ帯域幅はノイズのレベル (ノイズ フロア) には影響せず、ただ S/N 比が上昇し、ノイズのトレースが平滑化されます。VBW の値を小さくすると、S/N 比は向上します。
ビデオ帯域幅フィルターのカットオフ周波数は次の式で求められます。
Fs は入力サンプル レート、NFFT は FFT 点の数です。
スペクトル アナライザーでは、サンプル レート、VBW、NFFT の値が表示下部のステータス バーに表示されます。有効にするには、ステータス バーを右クリックし、
Sample Rate
、VBW
およびNFFT
を選択します。指数 — 移動平均アルゴリズムでは指数加重法を使用して、受け取った各 Z ベクトルについて、次の再帰方程式を使用して重みの更新と移動平均の計算を再帰的に行います。
λ — 忘却係数
— 現在の Z ベクトルに適用される重み係数
— 現在の Z ベクトル
— 前の Z ベクトルまでの移動平均
— 平均に対する前の Z ベクトルの影響
— 現在の Z ベクトルを含む移動平均
バージョン履歴
R2022a で導入R2024a: [アナライザー] タブの名前は [スコープ] タブに変更済み
スペクトル アナライザーの [アナライザー] タブの名前は [スコープ] タブに変更されました。
R2024a: ウィンドウの長さと FFT 長の指定
特定の条件下において、スペクトル アナライザーでウィンドウの長さと FFT 長を指定できるようになりました。R2024a 以降では、次のプロパティが利用できます。
FrequencyResolutionMethod
WindowLength
FFTLengthSource
FFTLength
R2023b: スペクトル アナライザーによる dBuV
単位のサポート
次を設定した場合、SpectrumUnits
を "dBuV"
に設定できます。
InputDomain
を"time"
、SpectrumType
を"rms"
に設定する。InputDomain
を"frequency"
に設定する。
InputDomain
を "frequency"
に設定した場合、InputUnits
を "dBuV"
に設定できます。
R2023b: 関数 printToFigure
のサポート
新しい関数 printToFigure
を使用して、spectrumAnalyzer
オブジェクトの表示ウィンドウを MATLAB Figure に出力できます。
R2023a: SampleRate
プロパティと PlotAsTwoSidedSpectrum
プロパティは調整可能
R2023a 以降、SampleRate
プロパティと PlotAsTwoSidedSpectrum
プロパティは調整可能となったため、オブジェクトが locked
となっていてもこれらのプロパティの値を変更できます。
R2022b: チャネル名が string の配列をサポート
R2022b 以降、spectrumAnalyzer
オブジェクトの ChannelNames
プロパティを string の配列として指定できるようになりました。
sa = spectrumAnalyzer(ChannelNames=["Input", "Output"]);
R2022b: 新しい FilterSharpness
プロパティ
オブジェクトでフィルター バンク スペクトル推定法を使用する場合は、spectrumAnalyzer
オブジェクトのフィルター バンクの鮮鋭度を上げることができるようになりました。フィルターの鮮鋭度を上げると、スペクトル漏れが減少し、より精度の高いパワーの読み取り値が得られます。
R2022b: スペクトル アナライザーのステータス バーの新規フィールド
R2022b 以降、スペクトル アナライザーではステータス バーに次のフィールドが表示されるようになりました。
更新 –– このフィールドは、ステータス バーのカスタマイズ ウィンドウで [処理されたスペクトル更新数] を選択した場合に表示されます。
チャネル数 –– このフィールドは、ステータス バーのカスタマイズ ウィンドウで [スペクトログラム チャネル] を選択した場合に表示されます。
[スペクトログラム チャネル] フィールドは、スペクトログラムの表示がある場合にのみ有効になります。
これらのフィールドを有効にするには、ステータス バーのカスタマイズ ウィンドウでステータス バーを右クリックし、プロパティを選択します。
詳細については、スペクトル アナライザーの構成を参照してください。
R2022b: スペクトログラム モードでの波形カーソルのサポート
R2022b 以降、スペクトル アナライザーではスコープにスペクトログラムの表示しかない場合でも、データ カーソルがサポートされるようになりました。
ViewType
を "spectrogram"
に設定している場合、コマンド ラインで CursorMeasurementsConfiguration
オブジェクトを編集することができます。
R2022b: データ カーソルの測定機能の拡張
R2022b 以降、CursorMeasurementsConfiguration
オブジェクトに新たに LockSpacing
プロパティが追加されています。このプロパティを使用して、スコープ ウィンドウの波形カーソル間の間隔をロックすることができます。
スコープ UI ウィンドウの [測定値] タブに、新たに次のデータ カーソル設定が追加されました。
カーソル間隔のロック –– この設定は、
CursorMesaurementsConfiguration
オブジェクトのLockSpacing
プロパティに対応しています。X location –– これらのフィールドが有効になり、
CursorMesaurementsConfiguration
オブジェクトのXLocation
プロパティに対応しています。
MATLAB コマンド
次の MATLAB コマンドに対応するリンクがクリックされました。
コマンドを MATLAB コマンド ウィンドウに入力して実行してください。Web ブラウザーは MATLAB コマンドをサポートしていません。
Select a Web Site
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- France (Français)
- Ireland (English)
- Italia (Italiano)
- Luxembourg (English)
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- Österreich (Deutsch)
- Portugal (English)
- Sweden (English)
- Switzerland
- United Kingdom (English)