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スペクトル アナライザー
周波数スペクトルを表示

ライブラリ:
DSP System Toolbox /
Sinks
DSP System Toolbox HDL Support /
Sinks
説明
Spectrum Analyzer ブロック (以降、スコープと呼ぶ) は、信号の周波数スペクトルを表示します。
ノーマルまたはアクセラレータ シミュレーション モードで実行中のモデルで Spectrum Analyzer ブロックを使用することができます。ラピッド アクセラレータまたはエクスターナル シミュレーション モードで実行中のモデルでも、いくらか制限はありますが、Spectrum Analyzer ブロックを使用することができます。
すべてのサブシステムおよび条件付きサブシステム内で Spectrum Analyzer ブロックを使用できます。"条件付きサブシステム" は Enabled Subsystem、Triggered Subsystem、Enabled and Triggered Subsystem および Function-Call Subsystem を含みます。詳細は、条件付き実行サブシステムの概要 (Simulink)を参照してください。
測定
プログラム制御
SpectrumAnalyzerConfiguration
オブジェクトにより、コマンド ラインでスペクトル アナライザーの設定および設定の表示を行うことができます。
端子
入力
Port_1 — 可視化する信号
スカラー | ベクトル | 行列 | 配列
可視化する信号を接続します。最大で 96 個の入力端子を持つことができます。入力信号には次の特性があります。
信号領域 — 周波数または時間信号
タイプ — 離散 (サンプルベースおよびフレームベース)。
データ型 — Simulink でサポートされる任意のデータ型。Simulink でサポートされているデータ型 (Simulink)を参照してください。
次元 — 1 次元 (ベクトル)、2 次元 (行列)、または多次元 (配列)。入力には固定数のチャネルがなければなりません。信号の次元 (Simulink)および信号の次元の決定 (Simulink)を参照してください。
データ型: single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
| fixed point
複素数のサポート: あり
パラメーター
スペクトル設定
[スペクトル設定] ペインはスペクトル アナライザー ウィンドウの右側に表示されます。これらの設定でスペクトルの計算方法を制御します。スペクトル設定を表示するには、Spectrum Analyzer のメニューで [ビュー] 、 [スペクトル設定] を選択するか、ツール バーの ボタンを使用します。
入力領域 — 入力信号の領域
Time
(既定値) | Frequency
可視化する入力信号の領域。時間領域信号を可視化する場合、信号は Method
パラメーターで指定するアルゴリズムに基づいて周波数スペクトルに変換されます。
プログラムでの使用
InputDomain
を参照してください。
タイプ — 表示するスペクトルのタイプ
Power
(既定値) | Power density
| RMS
パワー
— スペクトル アナライザーはパワー スペクトルを表示します。
パワー密度
— スペクトル アナライザーはパワー スペクトル密度を表示します。パワー スペクトル密度は、1 Hz の帯域幅に正規化されたスペクトルの振幅です。
RMS
— スペクトル アナライザーは平方根平均二乗スペクトルを表示します。
調整可能: Yes
依存関係
このパラメーターを使用するには、[入力領域] を [時間]
に設定します。
プログラムでの使用
SpectrumType
を参照してください。
表示 — スペクトル ビュー
スペクトル
(既定値) | スペクトログラム
| スペクトルとスペクトログラム
スペクトル
— スペクトル アナライザーはスペクトルを表示します。
スペクトログラム
— スペクトル アナライザーは時間の経過と共に周波数成分を表示するスペクトログラムを表示します。最新のスペクトログラムの更新は表示領域の一番下に示され、時間は表示領域の下から上にスクロールします。
スペクトルとスペクトログラム
— スペクトル アナライザーはスペクトルとスペクトログラムの両方を表示します。
調整可能: Yes
プログラムでの使用
ViewType
を参照してください。
サンプルレート — 入力信号のサンプル レート (ヘルツ)
継承
(既定値) | 正のスカラー
入力信号のサンプル レート (ヘルツ単位)。次のいずれかとして指定します。
[継承]
。入力信号と同じサンプル レートを使用します。正のスカラー。指定するサンプル レートは、入力信号のサンプル レートの少なくとも 2 倍でなければなりません。そうでない場合、エイリアシングによって信号の可視化で予期しない動作が引き起こされる可能性があります。
プログラムでの使用
SampleRate
を参照してください。
メソッド — スペクトル推定法
フィルター バンク
(既定値) | ウェルチ
スペクトル推定法として [Welch]
または [フィルター バンク]
を選択します。この 2 つのスペクトル推定アルゴリズムの詳細については、アルゴリズムを参照してください。
調整可能: No
依存関係
このパラメーターを使用するには、[入力領域] を [時間]
に設定します。
プログラムでの使用
Method
を参照してください。
全周波数スパン — ナイキスト周波数範囲全体を使用
on (既定値) | off
ナイキスト周波数範囲全体でスペクトルを計算およびプロットするには、このチェック ボックスをオンにします。
調整可能: Yes
依存関係
このパラメーターを使用するには、[入力領域] を [時間]
に設定します。
プログラムでの使用
FrequencySpan
を参照してください。
スパン (Hz) — Hz 単位での周波数スパン
10e3
(既定値) | 実数の正のスカラー
Hz 単位で周波数スパンを指定します。中心周波数の周辺の周波数スパンを定義するには、このパラメーターと [CF (Hz)] パラメーターを一緒に使用します。このパラメーターでは、スペクトル アナライザー ウィンドウの周波数軸に表示される値の範囲を定義します。
調整可能: Yes
依存関係
このパラメーターを使用するには、以下が必要です。
[入力領域] を
[時間]
に設定する。[全周波数スパン] チェック ボックスをオフにする。
[スパン (Hz)/Fstart (Hz)] ドロップダウンを
[スパン (Hz)]
に設定する。
プログラムでの使用
FrequencySpan
および Span
を参照してください。
CF (Hz) — Hz 単位での中心周波数
0
(既定値) | スカラー
Hz 単位で中心周波数を指定します。中心周波数の周辺の周波数スパンを定義するには、このパラメーターと [スパン (Hz)] パラメーターを一緒に使用します。このパラメーターでは、スペクトル アナライザー ウィンドウの周波数軸の中点に表示される値を定義します。
調整可能: Yes
依存関係
このパラメーターを使用するには、以下が必要です。
[入力領域] を
[時間]
に設定する。[全周波数スパン] チェック ボックスをオフにする。
[スパン (Hz)/Fstart (Hz)] ドロップダウンを [スパン (Hz)] に設定する。
プログラムでの使用
CenterFrequency
を参照してください。
FStart (Hz) — Hz 単位での周波数の開始点
-5e3
(既定値) | スカラー
Hz 単位で周波数の開始点を指定します。周波数の開始点と周波数の終了点を使用して周波数軸の値の範囲を定義するには、このパラメーターと [Fstop (Hz)] パラメーターを一緒に使用します。このパラメーターでは、スペクトル アナライザー ウィンドウの周波数軸の左端に表示される値を定義します。
調整可能: Yes
依存関係
このパラメーターを使用するには、以下が必要です。
[入力領域] を
[時間]
に設定する。[全周波数スパン] チェック ボックスをオフにする。
[スパン (Hz)/FStart (Hz)] ドロップダウンを
[FStart (Hz)]
に設定する。
プログラムでの使用
StartFrequency
を参照してください。
FStop (Hz) — Hz 単位での周波数の終了点
5e3
(既定値) | スカラー
Hz 単位で周波数の終了点を指定します。周波数軸の値の範囲を定義するには、このパラメーターと [Fstart (Hz)] パラメーターを一緒に使用します。このパラメーターでは、スペクトル アナライザー ウィンドウの周波数軸の右端に表示される値を定義します。
調整可能: Yes
依存関係
このパラメーターを使用するには、以下が必要です。
[入力領域] を
[時間]
に設定する。[全周波数スパン] チェック ボックスをオフにする。
[スパン (Hz)/FStart (Hz)] ドロップダウンを [Fstart (Hz)] に設定する。
プログラムでの使用
StopFrequency
を参照してください。
周波数 (Hz) — 周波数ベクトル
Auto
(既定値) | Input port
| 単調増加ベクトル
表示の x 軸を決定する周波数ベクトルを設定します。
自動
— 周波数ベクトルは入力の長さから計算されます。周波数ベクトルを参照してください。入力端子
— 選択すると、ブロック上に周波数ベクトル入力の入力端子が表示されます。カスタム ベクトル — 周波数ベクトルとしてカスタム ベクトルを入力します。カスタム ベクトルの長さは、入力信号のフレーム サイズと等しくなければなりません。
調整可能: No
依存関係
このパラメーターを使用するには、[入力領域] を [周波数]
に設定します。
プログラムでの使用
FrequencyVector
を参照してください。
RBW (Hz) — 分解能帯域幅
Auto
(既定値) | Input port
| 正のスカラー
Hz 単位の分解能帯域幅。このパラメーターでは、分解できる最小の正の周波数を定義します。既定の設定では、このパラメーターは [自動]
に設定されています。この場合、Spectrum Analyzer は適切な値を特定し、指定された周波数スパンに 1024 の RBW 間隔が必ず存在するようにします。
このパラメーターを数値に設定する場合は、指定した周波数スパンに少なくとも 2 つの RBW 間隔が存在できる値でなければなりません。つまり、周波数スパン全体と RBW の比率が 2 より大きくならなければなりません。
周波数入力の場合にのみ、入力端子を使用して RBW 値を設定できます。
調整可能: Yes
依存関係
このパラメーターを使用するには、次のいずれかを設定します。
[入力領域] を
[時間]
に設定し、[RBW (Hz)/ウィンドウの長さ/周波数帯域の数] ドロップダウンを[RBW (Hz)]
に設定する。[入力領域] を
[周波数]
に設定する。
プログラムでの使用
RBW
を参照してください。
入力単位 — 周波数入力の単位
Auto
(既定値) | dBm
| dBV
| dBW
| Vrms
| Watts
周波数領域入力の単位を選択します。このプロパティによって、[単位] プロパティで異なる表示単位を選択した場合にスペクトル アナライザーは周波数データをスケーリングできます。
調整可能: No
依存関係
このオプションは、[入力領域] が [周波数]
に設定されている場合にのみ使用できます。
プログラムでの使用
InputUnits
を参照してください。
ウィンドウの長さ — ウィンドウの長さ (サンプル数)
1024
(既定値) | 2 より大きい整数
ウィンドウの長さ (サンプル数)。周波数分解能の制御とスペクトル推定の計算に使用されるウィンドウの長さ。ウィンドウの長さは 2 より大きい整数でなければなりません。
依存関係
このパラメーターを使用するには、次を設定します。
[Method] を
[Welch]
に設定する。[RBW (Hz)/ウィンドウの長さ/周波数帯域の数] ドロップダウンを
[ウィンドウの長さ]
に設定する
依存関係
このパラメーターを使用するには、[入力領域] を [時間]
に設定します。
プログラムでの使用
WindowLength
を参照してください。
周波数帯域の数 — FFT length
自動
(既定値) | 正の整数
周波数帯域の数を制御するための高速フーリエ変換 (FFT) の長さを指定します。値が [自動]
の場合、Spectrum Analyzer はフレーム サイズ全体を使用してスペクトルを推定します。周波数帯域の数を指定した場合、入力バッファーのサイズを設定します。
依存関係
このパラメーターを使用するには、次を設定します。
[メソッド] を
[フィルター バンク]
に設定する[RBW (Hz)/ウィンドウの長さ/周波数帯域の数] ドロップダウンを
[周波数帯域の数]
に設定する
プログラムでの使用
FFTLength
を参照してください。
帯域ごとのタップ数 — フィルターのタップの数
12
(既定値) | 正の偶数の整数
各周波数帯域のフィルター タップまたはフィルター係数の数を指定します。この数値は正の偶数の整数でなければなりません。この値は、ポリフェーズ分岐あたりのフィルター係数の数に対応しています。フィルター係数の合計数は Taps Per Band + FFT Length に等しくなります。
依存関係
このパラメーターを使用するには、[RBW (Hz)/ウィンドウの長さ/周波数帯域の数] ドロップダウンを [周波数帯域の数] に設定しなければなりません。
プログラムでの使用
NumTapsPerBand
を参照してください。
NFFT — FFT 点の数
自動
(既定値) | 正の整数
Spectrum Analyzer がスペクトル推定を計算するために使用する FFT 長を指定します。使用可能なオプションは [自動]
または正の整数です。
[NFFT] の値は [ウィンドウの長さ] パラメーターの値以上でなければなりません。既定の設定では、[NFFT] が [自動]
に設定されている場合、Spectrum Analyzer は [NFFT] を [ウィンドウの長さ] の値に等しくなるように設定します。RBW モードの場合は、指定された RBW 値を使用して、ウィンドウの長さと等しい FFT 長が計算されます。
このパラメーターが正の整数に設定されている場合、このパラメーターは関数 fft
の n
パラメーターと同じになります。
依存関係
このパラメーターを使用するには、[RBW (Hz)/ウィンドウの長さ/周波数帯域の数] ドロップダウンを [ウィンドウの長さ] に設定しなければなりません。
プログラムでの使用
FFTLength
を参照してください。
サンプル/更新 — 必要な入力サンプル数
正のスカラー
この パラメーター は読み取り専用です。
1 つのスペクトルの更新を計算するために必要な入力サンプルの数。このパラメーターは変更できません。情報提供の目的でのみ Spectrum Analyzer に表示されます。このパラメーターは [RBW (Hz)/ウィンドウの長さ/周波数帯域の数] に直接関連付けられます。
指定した分解能帯域幅を得るのに十分なサンプルが入力に含まれていない場合、Spectrum Analyzer はディスプレイにメッセージを表示します。
チャネル — スペクトログラム チャネル
チャネルの名前
スペクトログラムの設定が適用される信号チャネルを選択します。
依存関係
このオプションを使用するには、[ビュー] を [スペクトログラム]
または [スペクトルとスペクトログラム]
に設定します。
プログラムでの使用
SpectrogramChannel
を参照してください。
時間分解能 (s) — 時間分解能 (秒単位)
自動
(既定値) | 正の数値
時間分解能は、スペクトログラム ラインの計算に使用されるデータ量 (秒単位) です。達成可能な最小分解能は、単一のスペクトル推定の計算に必要な時間です。ツールヒントには、現在の設定に基づく達成可能な最小分解能が表示されます。
時間分解能の値は、周波数分解能法、RBW の設定および時間分解能の設定に基づいて決定されます。
メソッド | 周波数分解能の方法 | 周波数分解能の設定 | 時間分解能の設定 | 結果として得られる時間分解能 (秒単位) |
---|---|---|---|---|
ウェルチ またはフィルター バンク | RBW (Hz) | 自動 | 自動 | 1/RBW |
ウェルチ またはフィルター バンク | RBW (Hz) | 自動 | 手動入力 | 時間分解能 |
ウェルチ またはフィルター バンク | RBW (Hz) | 手動入力 | 自動 | 1/RBW |
ウェルチ またはフィルター バンク | RBW (Hz) | 手動入力 | 手動入力 | 達成可能な最小時間分解能である 1/RBW 以上でなければなりません。いくつかのスペクトル推定が 1 つのスペクトログラム ラインにまとめられ、目的の時間分解能が得られます。1/RBW の整数倍でない時間分解能の値を得るには内挿が使用されます。 |
ウェルチ | ウィンドウの長さ | — | 自動 | 1/RBW |
ウェルチ | ウィンドウの長さ | — | 手動入力 | 達成可能な最小時間分解能以上でなければなりません。いくつかのスペクトル推定が 1 つのスペクトログラム ラインにまとめられ、目的の時間分解能が得られます。1/RBW の整数倍でない時間分解能の値を得るには内挿が使用されます。 |
フィルター バンク | 周波数帯域の数 | — | 自動 | 1/RBW |
フィルター バンク | 周波数帯域の数 | — | 手動入力 | 達成可能な最小時間分解能である 1/RBW 以上でなければなりません。 |
調整可能: Yes
依存関係
このオプションを使用するには、[ビュー] を [スペクトログラム]
または [スペクトルとスペクトログラム]
に設定します。
プログラムでの使用
TimeResolution
を参照してください。
時間範囲 — 時間範囲 (秒単位)
自動
(既定値) | 正のスカラー
Spectrum Analyzer がスペクトログラムを表示する時間範囲 (秒単位で指定)。時間範囲は目的のスペクトル線数と時間分解能の積です。ツールヒントには、現在の設定に基づく最小許容時間範囲が表示されます。時間範囲が [自動]
に設定されている場合、100 のスペクトル線が使用されます。
調整可能: Yes
依存関係
このオプションを使用するには、[ビュー] を [スペクトログラム]
または [スペクトルとスペクトログラム]
に設定します。
プログラムでの使用
TimeSpan
を参照してください。
オーバーラップ (%) — セグメントのオーバーラップ率
0 (既定値) | 0 ~ 100 のスカラー
このパラメーターでは、バッファーされた現在と直前のデータ セグメント間のオーバーラップ量を定義します。オーバーラップにより、スペクトル推定の計算に使用されるウィンドウ セグメントが作成されます。この値は 0 以上 100 未満でなければなりません。
調整可能: Yes
プログラムでの使用
OverlapPercent
を参照してください。
ウィンドウ — ウィンドウ処理法
ハン
(既定値) | 矩形
| ブラックマン・ハリス
| チェビシェフ
| フラット トップ
| ハミング
| カイザー
| カスタム ウィンドウ関数名
スペクトルに適用されるウィンドウ処理法。ウィンドウ処理は、スペクトル推定におけるサイドローブの影響を制御するために使用されます。指定したウィンドウは、分解能帯域幅を得るために必要なウィンドウの長さと更新ごとに必要なサンプル数に影響します。ウィンドウ処理の詳細については、ウィンドウを参照してください。
調整可能: Yes
プログラムでの使用
Window
を参照してください。
減衰 — サイドローブの減衰
60
(既定値) | 45
以上のスカラー
サイドローブの減衰 (dB 単位)。値は 45
以上でなければなりません。
依存関係
このパラメーターは、[ウィンドウ] パラメーターを [チェビシェフ]
または [カイザー]
に設定した場合にのみ適用されます。
プログラムでの使用
SidelobeAttenuation
を参照してください。
NENBW — 正規化された有効ノイズ帯域幅
スカラー
この パラメーター は読み取り専用です。
ウィンドウの正規化された有効ノイズ帯域幅。このパラメーターは変更できません。情報提供の目的でのみ表示されます。このパラメーターは、ウィンドウのノイズ パフォーマンスの測定値です。この値は、同じピーク電力ゲインをもつ同じノイズ パワーを累積する箱型フィルターの幅です。
箱型ウィンドウの NENBW 値は最小の 1 です。その他すべてのウィンドウの NENBW 値はそれより大きくなります。たとえば、ハン ウィンドウの NENBW 値は約 1.5 です。
単位 — スペクトルの単位
dBm
(既定値) | dBW
| Watts
| Vrms
| dBV
| dBFS
フル スケール — dBFS の単位のフル スケール
自動
(既定値) | 正の実数のスカラー
デシベル フル スケール (dBFS) の単位に使用されるフル スケール。既定の設定では、Spectrum Analyzer はスペクトルのスケール全体を使用します。dBFS のフル スケールに対して正の実数スカラーを指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このパラメーターを有効にするには、次のように設定します。
[入力領域] を
[時間]
に設定する。[単位] を
[dBFS]
に設定する。
プログラムでの使用
FullScale
を参照してください。
平均化方法 — 平滑化法
指数
(既定値) | Running
平滑化法を指定します。
指数
— サンプルの加重平均。Forgetting factor
プロパティを使用して重み付け忘却係数を指定します。ランニング
— 最後の n 個のサンプルのランニング平均。Averages
プロパティを使用して n を指定します。
プログラムでの使用
AveragingMethod
を参照してください。
平均 — スペクトル平均の数
1
(既定値) | 正の整数
スペクトル平均の数を正の整数として指定します。Spectrum Analyzer は、最後の N 個のパワー スペクトル推定のランニング平均を計算することで現在のパワー スペクトル推定を計算します。このパラメーターでは、スペクトル平均の数 N を定義します。
依存関係
このパラメーターは次の場合にのみ適用されます。
[ビュー] が
[スペクトル]
または[スペクトルとスペクトログラム]
。[平均化方法] が
[ランニング]
。
プログラムでの使用
SpectralAverages
を参照してください。
忘却係数 — 重み付け忘却係数
0.9
(既定値) | (0,1] の範囲のスカラー
指数の重み付けの値を 0 より大きい 1 以下のスカラー値として指定します。
依存関係
このパラメーターは [平均化方法] が [指数]
の場合にのみ適用されます。
プログラムでの使用
ForgettingFactor
を参照してください。
参照負荷 — 参照負荷
1
(既定値) | 正の実数のスカラー
Spectrum Analyzer が電力値の計算で基準として使用する参照負荷 (Ω 単位)。
プログラムでの使用
ReferenceLoad
を参照してください。
スケール — 周波数軸のスケール
Linear
(既定値) | Logarithmic
周波数軸に対して線形または対数スケールを選択します。周波数スパンに負の周波数値が含まれている場合、対数オプションを選択できません。
プログラムでの使用
FrequencyScale
を参照してください。
オフセット — 定数周波数オフセット
0
(既定値) | スカラー
スペクトル全体に適用される定数周波数オフセットまたは複数の入力に対して各スペクトルに適用される周波数のベクトル。オフセット パラメーターはスペクトル アナライザー ウィンドウの周波数軸の値に追加されます。このパラメーターはスペクトルの計算には使用されません。[スパン (Hz)] パラメーターと [CF (Hz)] パラメーターを設定する際はこのパラメーターを考慮して、周波数スパンが必ずナイキスト周波数範囲に収まるようにしなければなりません。
依存関係
このパラメーターを使用するには、[入力領域] を [時間]
に設定します。
プログラムでの使用
MaskFrequencyOffset
を参照してください。
通常のトレース — 通常のトレース ビュー
on (既定値) | off
このチェック ボックスがオンになっている場合、Spectrum Analyzer はパワー スペクトルまたはパワー スペクトル密度を計算し、プロットします。Spectrum Analyzer は、複数のスペクトル推定を平均化することで平滑化処理を実行します。
依存関係
このチェック ボックスをオフにするには、まず [Max hold trace] パラメーターまたは [Min hold trace] パラメーターのいずれかを選択しなければなりません。このパラメーターは、[ビュー] が [スペクトル]
または [スペクトルとスペクトログラム]
の場合にのみ適用されます。
プログラムでの使用
PlotNormalTrace
を参照してください。
最大ホールド トレース — 最大ホールド トレース ビュー
off (既定値) | on
このチェック ボックスをオンにすると、Spectrum Analyzer が取得したすべての推定の最大スペクトル値をプロットできるようになります。
依存関係
このパラメーターは、[ビュー] が [スペクトル]
または [スペクトルとスペクトログラム]
の場合にのみ適用されます。
プログラムでの使用
PlotMaxHoldTrace
を参照してください。
最小ホールド トレース — 最小ホールド トレース ビュー
off (既定値) | on
このチェック ボックスをオンにすると、Spectrum Analyzer が取得したすべての推定の最小スペクトル値をプロットできるようになります。
依存関係
このパラメーターは、[ビュー] が [スペクトル]
または [スペクトルとスペクトログラム]
の場合にのみ適用されます。
プログラムでの使用
PlotMinHoldTrace
を参照してください。
両側スペクトル — 両側スペクトル ビューを有効化
off (既定値) | on
このチェック ボックスをオンにすると、両側スペクトル ビューが有効になります。このビューでは、正と負の両方の周波数が表示されます。このチェック ボックスをオフにすると、Spectrum Analyzer は正の周波数のみの片側スペクトルを表示します。スペクトル アナライザーでは、入力信号が複素数値の場合はこのパラメーターが選択されていなければなりません。
プログラムでの使用
PlotAsTwoSidedSpectrum
を参照してください。
コンフィギュレーション プロパティ
[コンフィギュレーション プロパティ] ダイアログ ボックスでは、スペクトル アナライザーの視覚的な側面を制御します。[コンフィギュレーション プロパティ] を開くには、Spectrum Analyzer のメニューで [ビュー] 、 [コンフィギュレーション プロパティ] を選択するか、ツール バーのドロップダウンで ボタンを選択します。
Title — 表示タイトル
文字ベクトル | string
表示タイトルを指定します。「%<SignalLabel>
」と入力し、Simulink モデルで信号ラベルを座標軸のタイトルとして使用します。
調整可能: Yes
プログラムでの使用
Title
を参照してください。
凡例の表示 — 信号の凡例を表示
off (既定値) | on
信号の凡例を表示します。凡例にリストされている名前はモデルから取得した信号名です。複数のチャネルをもつ信号の場合、信号名の後ろにチャネル インデックスが追加されます。連続信号には名前の前に直線があり、離散信号には階段状の線があります。
表示する信号を凡例から制御できます。この制御は、[スタイル] パラメーターでの可視性の変更と等価です。スコープの凡例で、信号名をクリックするとそのスコープ内の信号が非表示になります。信号を表示する場合は、信号名を再度クリックします。信号を 1 つのみ表示する場合は信号名を右クリックします。これにより、他のすべての信号が非表示になります。すべての信号を表示するには ESC キーを押します。
メモ
凡例には信号が最初の 20 個のみ表示されます。追加の信号を凡例から表示または制御することはできません。
依存関係
このパラメーターを有効にするには、[ビュー] を [スペクトル]
または [スペクトルとスペクトログラム]
に設定します。
プログラムでの使用
ShowLegend
を参照してください。
Show grid — 内部グリッド線を表示
on (既定値) | off
Spectrum Analyzer で内部グリッド線を表示します。
プログラムでの使用
ShowGrid
を参照してください。
Y 軸範囲 (最小) — Y 軸の最小値
-80
(既定値) | スカラー
y 軸の最小値を指定します。
プログラムでの使用
YLimits
を参照してください。
Y 軸範囲 (最大) — Y 軸の最大値
20
(既定値) | スカラー
y 軸の最大値を指定します。
プログラムでの使用
YLimits
を参照してください。
Y ラベル — Y 軸ラベル
文字ベクトル | string
信号の単位を表示するには、(%<SignalUnits>)
をラベルに追加します。シミュレーションの開始時に、Simulink は (%SignalUnits)
を信号に関連付けられた単位で置き換えます。たとえば、単位が m/s の速度信号の場合、次のように入力します。
Velocity (%<SignalUnits>)
プログラムでの使用
YLabel
を参照してください。
カラーマップ — スペクトログラムのカラーマップ
jet(256)
(既定値) | hot(256)
| bone(256)
| cool(256)
| copper(256)
| gray(256)
| parula(256)
| 3 列の行列
スペクトログラムのカラーマップを選択するか、カラーマップの 3 列の行列式を入力します。カラーマップの詳細については、colormap
を参照してください。
調整可能: Yes
依存関係
このパラメーターを使用するには、[ビュー] を [スペクトログラム]
または [スペクトルとスペクトログラム]
に設定します。
色の範囲 (最小) — スペクトログラムの最小値
-80
(既定値) | スカラー
スペクトログラムの色の最小値の信号強度を指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このパラメーターを使用するには、[ビュー] を [スペクトログラム]
または [スペクトルとスペクトログラム]
に設定します。
プログラムでの使用
ColorLimits
を参照してください。
色の範囲 (最大) — スペクトログラムの最大値
20 (既定値) | スカラー
スペクトログラムの色の最大値の信号強度を指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このパラメーターを使用するには、[ビュー] を [スペクトログラム]
または [スペクトルとスペクトログラム]
に設定します。
プログラムでの使用
ColorLimits
を参照してください。
スタイル
[スタイル] ダイアログ ボックスではスペクトル アナライザーの表示方法を制御します。スタイル プロパティを開くには、Spectrum Analyzer のメニューで [ビュー] 、 [スタイル] を選択するか、ツール バーのドロップダウンで ボタンを選択します。
Figure の色 — ウィンドウの背景
灰色 (既定値) | カラー ピッカー
スコープの Figure の背景に適用する色を指定します。
プロット タイプ — プロット タイプ
ライン
(既定値) | ステム
Axes の色 — Axes の背景色
黒 (既定値) | カラー ピッカー
座標軸の背景に適用する色を指定します。
ラインのプロパティ — 視覚プロパティ設定のチャネル
チャネルの名前
表示/非表示、ラインのプロパティおよびマーカーのプロパティを変更するチャネルを指定します。
表示 — チャネルの可視性
on (既定値) | off
選択したチャネルを表示するかどうかを指定します。このチェック ボックスをオフすると、ラインが非表示になります。スコープの凡例を使用して信号の可視性を変更することもできます。
ライン — ライン スタイル
ライン、0.5、黄 (既定値)
選択したチャネルのラインのスタイル、幅および色を指定します。
マーカー — データ点マーカー
なし
(既定値)
選択したチャネルのデータ点の表示に使用するマークを指定します。このパラメーターは、プロットの 'Marker'
プロパティとほぼ同等です。ドロップダウンから任意のマーカー記号を選択できます。
座標軸のスケーリング
[座標軸のスケーリング] ダイアログ ボックスでは、スペクトル アナライザーの座標軸の範囲を制御します。座標軸スケーリングのプロパティを開くには、Spectrum Analyzer のメニューで [ツール] 、 [座標軸のスケーリング] 、 [座標軸スケーリングのプロパティ] を選択します。
座標軸のスケーリング/色のスケーリング — 座標軸の自動スケーリング
自動
(既定値) | 手動
| N 回の更新後
スコープによる Y 軸の自動スケーリングのタイミングを指定します。スペクトログラムが表示される場合は、スコープによる色軸の自動スケーリングのタイミングを指定します。既定の設定では、このパラメーターは [自動]
に設定され、スコープは座標軸または色のスケーリング時に Y 軸の範囲を縮小しません。以下のオプションのいずれかを選択します。
自動
— シミュレーションの実行中および実行後に、スコープが必要に応じて座標軸または色をスケーリングします。このオプションを選択すると、[Y 軸範囲を縮小させない] または [色の範囲を縮小させない] が表示されます。手動
— このオプションを選択すると、スコープは座標軸または色を自動的にスケーリングしません。以下のいずれかの方法で、座標軸または色を手動でスケーリングできます。[ツール] 、 [スケーリングのプロパティ] を選択します。
ツール バーの座標軸の範囲指定ボタンのいずれかを押します。
スコープ Figure がアクティブ ウィンドウのときは Ctrl+A を押します。
N 回の更新後
— このオプションを選択すると、指定した回数更新された後にスコープが座標軸または色をスケーリングします。このオプションは、周波数信号の値が短時間ですぐに定常状態に到達する場合に、便利でより効率的です。このオプションを選択すると [更新回数] エディット ボックスが表示され、スケーリング前に待機する更新回数を変更できます。
調整可能: Yes
プログラムでの使用
AxesScaling
を参照してください。
Y 軸範囲を縮小させない/色の範囲を縮小させない — 座標軸のスケーリングの範囲
on (既定値) | off
このパラメーターを選択すると、座標軸のスケーリング処理中に Y 軸の拡大が可能になります。スペクトログラムが表示される場合は、このパラメーターを選択すると、座標軸のスケーリング処理中に色の範囲の拡大が可能になります。このチェック ボックスをオフにすると、座標軸のスケーリング処理中に y 軸または色の範囲の縮小が可能になります。
依存関係
このパラメーターは、[軸のスケーリング] パラメーターまたは [色のスケーリング] パラメーターに対して [自動]
を選択した場合のみ表示されます。[座標軸のスケーリング] または [色のスケーリング] パラメーターが [手動]
または [N 回の更新後]
に設定されている場合は、y 軸または色の範囲を縮小できます。
更新回数 — スケーリング前の更新回数
10
(既定値) | 正の数値
座標軸のスケーリングをトリガーする更新回数を正の整数で指定します。スペクトログラムが表示される場合は、このパラメーターは色軸のスケーリングをトリガーする更新回数を指定します。
調整可能: Yes
依存関係
このパラメーターは、[座標軸のスケーリング/色のスケーリング] を [N 回の更新後]
に設定した場合にのみ表示されます。
プログラムでの使用
AxesScalingNumUpdates
を参照してください。
範囲を停止時にスケーリング — 座標軸を停止時にスケーリング
off (既定値) | on
このチェック ボックスをオンにすると、シミュレーションが停止したときに座標軸がスケーリングされます。スペクトログラムが表示される場合は、このチェック ボックスを選択すると、シミュレーションが停止したときに色の範囲がスケーリングされます。y 軸は常にスケーリングされます。x 軸の範囲は、[X 軸の範囲をスケール] チェック ボックスがオンのときのみスケーリングされます。
データ範囲 (%) — 座標軸の割合
100 (既定値) | [1,100] の範囲の数値
座標軸のスケーリング時にスコープがデータの表示に使用する座標軸の割合をパーセントで設定します。スペクトログラムが表示される場合は、カラーマップの電力値範囲の割合を設定します。有効な値は 1 ~ 100 です。たとえば、このパラメーターを 100
に設定すると、スコープにより座標軸の範囲がスケーリングされ、座標軸の範囲全体をデータが使用するようになります。このパラメーターを 30
に設定すると、スコープにより y 軸または色の範囲が拡大され、座標軸の範囲の 30% のみをデータが使用するようになります。
調整可能: Yes
整列 — 座標軸に沿った配置
中央
(既定値) | 下
| 上
| 左
| 右
スコープで座標軸をスケーリングするときに座標軸に対してデータを整列させる位置を指定します。スペクトログラムが表示される場合は、スコープで色の範囲をスケーリングするときに軸に対してデータを整列させる位置を指定します。CCDF 測定を使用している場合、X 軸も構成可能です。
調整可能: Yes
ブロックの特性
データ型 |
|
直達 |
|
多次元信号 |
|
可変サイズの信号 |
|
ゼロクロッシング検出 |
|
アルゴリズム
スペクトル推定 — ウェルチ法
[ウェルチ]
法を選択すると、パワー スペクトル推定には平均修正ピリオドグラムが使用されます。
信号入力 x
が与えられると、Spectrum Analyzer は以下を行います。
指定されたウィンドウを
x
に乗算し、その結果をウィンドウのべき乗でスケーリングします。Spectrum Analyzer は、[スペクトル設定] ペインの[RBW]
または[ウィンドウの長さ]
の設定を使用してデータ ウィンドウの長さを特定します。信号の FFT
Y
を計算し、Z = Y.*conj(Y)
を利用して振幅を 2 乗します。Z の最後の N 個の移動平均を計算することで現在のパワー スペクトル推定を計算し、その答えをサンプル レートでスケーリングします。
スペクトル アナライザーでは、スペクトル推定を計算するために最小数のサンプルが必要です。1 つのスペクトルの更新を計算するために必要なこの入力サンプルの数は、[メイン オプション] ペインの [サンプル/更新] として表示されます。この値は、次の式で分解能帯域幅 RBW に直接関連付けられるか、手順 2 に示す式でウィンドウの長さに直接関連付けられます。
正規化された有効ノイズ帯域幅 NENBW は、ウィンドウ法によって決まる係数です。Spectrum Analyzer は、[スペクトル設定] ペインの [ウィンドウ オプション] ペインに NENBW の値を表示します。オーバーラップ率 Op は、[スペクトル設定] ペインの [ウィンドウ オプション] ペインの [オーバーラップ (%)] パラメーターの値です。Fs は入力信号のサンプル レートです。Spectrum Analyzer は、サンプル レートを [スペクトル設定] ペインの [メイン オプション] ペインに表示します。
[RBW (Hz)] モードの場合、1 つのスペクトルの更新を計算するために必要なウィンドウの長さ Nwindow は、分解能帯域幅と正規化された有効ノイズ帯域幅に直接関連付けられます。
[ウィンドウの長さ] モードの場合、指定どおりのウィンドウの長さが使用されます。
1 つのスペクトルの更新を計算するために必要な入力サンプルの数 Nsamples は、次の式でウィンドウの長さとオーバーラップ量に直接関連付けられます。
オーバーラップ率を増やすと、新しいスペクトルの更新を計算するために必要な新しい入力サンプルが少なくなります。たとえば、ウィンドウの長さが 100 の場合、1 つのスペクトルの更新を計算するために必要な入力サンプルの数は次の表に示すようになります。
Op Nsamples 0% 100 50% 50 80% 20 正規化された有効ノイズ帯域幅 NENBW は、ウィンドウの長さ Nwindow と使用するウィンドウのタイプで決まるウィンドウ パラメーターです。w(n) が Nwindow ウィンドウ係数のベクトルを表す場合、NENBW は次の式で求められます。
[RBW (Hz)] モードの場合は、[スペクトル設定] ペインの [メイン オプション] ペインの [RBW (Hz)] パラメーターの値を使用して分解能帯域幅を設定できます。指定した周波数スパンに少なくとも 2 つの RBW 間隔が必ず存在するようになる値を指定しなければなりません。スパン全体と RBW の比率は 2 より大きくなければなりません。
既定の設定では、[メイン オプション] ペインの [RBW (Hz)] パラメーターは
[自動]
に設定されています。この場合、Spectrum Analyzer は適切な値を特定し、指定された周波数スパンに 1024 の RBW 間隔が必ず存在するようにします。[RBW (Hz)] を[自動]
に設定した場合、RBW は次のように計算されます。[ウィンドウの長さ] モードの場合は、Nwindow を指定し、結果として得られる RBW は次のようになります。
指定された入力サンプル数では、指定した分解能帯域幅を得るには不十分である場合があります。この状況が発生した場合、Spectrum Analyzer は次のメッセージを表示します。
十分なデータが入力されるとこのメッセージは削除され、スペクトル推定が表示されます。
メモ
FFT 点の数 (Nfft) はウィンドウの長さ (Nwindow) とは無関係です。Nfft が Nwindow 以上であれば、これらの値を別の値に設定できます。
スペクトル推定 — フィルター バンク
[フィルター バンク]
法を選択すると、Spectrum Analyzer はパワー スペクトル推定に解析フィルター バンクを利用します。
フィルター バンクはサンプル レート fs の広帯域の入力信号 x(n) をサンプル レート fs/M の複数の狭帯域信号 y0(m)、y1(m)、…、yM-1(m) に分割します。
変数 M はフィルター バンク内の周波数帯域の数を表します。周波数分解能の方法を [NumFrequencyBands]
に設定すると、変数 M は、指定した周波数帯域の数と等しくなります。周波数分解能の方法を [RBW]
に設定すると、変数 M は、指定された RBW 値と 1024 のどちらか大きいほうの値の達成に必要なデータ点の数と等しくなります。周波数帯域ごとのタップ数により、フィルター バンクの各周波数帯域のフィルター係数の数が指定されます。フィルター係数の合計数は、帯域ごとのタップ数と周波数帯域の数の積 M に等しくなります。解析フィルター バンクおよびその実装方法の詳細については、More AboutおよびAlgorithmのセクションの dsp.Channelizer
を参照してください。
帯域入力信号を複数の狭帯域に分割した後、Spectrum Analyzer は次の式を利用して各狭帯域の電力を計算します。各 Zi 値はその狭周波数帯域の推定電力になります。
L は狭帯域信号の長さ yi(m) で、i = 1, 2, …, M−1 です。
すべての狭帯域の電力値 (Zi で表される) は Z ベクトルを形成します。
現在の Z ベクトルは、次の 2 つの移動平均法の 1 つを利用して以前の Z ベクトルと平均化されます。ランニングまたは指数の重み付け。平均化演算の出力はスペクトル推定ベクトルを形成します。
Spectrum Analyzer は [スペクトル設定] ペインの [RBW (Hz)] または [周波数帯域の数] プロパティを使用して、入力フレーム長を特定します。
スペクトル アナライザーでは、スペクトル推定を計算するために最小数のサンプルが必要です。1 つのスペクトルの更新を計算するために必要なこの入力サンプルの数は、[メイン オプション] ペインの [サンプル/更新] として表示されます。この値は、次の式によって分解能帯域幅 RBW に直接関連付けられます。
Fs は入力信号のサンプル レートです。Spectrum Analyzer は、サンプル レートを [スペクトル設定] ペインの [メイン オプション] ペインに表示します。
[RBW (Hz)] モードの場合は、[スペクトル設定] ペインの [メイン オプション] ペインの [RBW (Hz)] パラメーターの値を使用して分解能帯域幅を設定できます。指定した周波数スパンに少なくとも 2 つの RBW 間隔が必ず存在するようになる値を指定しなければなりません。スパン全体と RBW の比率は 2 より大きくなければなりません。
既定の設定では、[メイン オプション] ペインの [RBW] パラメーターは
[自動]
に設定されています。この場合、Spectrum Analyzer は適切な値を特定し、指定された周波数スパンに 1024 の RBW 間隔が必ず存在するようにします。したがって、[RBW] を[自動]
に設定した場合、その値は次の式で計算されます。[周波数帯域の数] モードの場合、入力フレーム サイズを指定します。周波数帯域の数が
[自動]
の場合、結果として得られる RBW は次のようになります。周波数帯域の数が手動で指定された場合、結果として得られる RBW は次のようになります。
指定された入力サンプル数では、指定した分解能帯域幅を得るには不十分である場合があります。この状況が発生した場合、Spectrum Analyzer は次のメッセージを表示します。
十分なデータが入力されるとこのメッセージは削除され、スペクトル推定が表示されます。
ナイキスト周波数範囲
PlotAsTwoSidedSpectrum
プロパティを true
に設定すると、範囲は ヘルツになります。
PlotAsTwoSidedSpectrum
プロパティを false
に設定すると、範囲は ヘルツになります。
ピリオドグラムとスペクトログラム
Spectrum Analyzer は、修正 "ピリオドグラム" 推定器によって計算されるパワー スペクトル、パワー スペクトル密度、RMS を計算し、プロットします。ピリオドグラム法の詳細については、periodogram
を参照してください。
パワー スペクトル密度 — パワー スペクトル密度 (PSD) は次の式で求められます。
この式で、x[n] は離散入力信号です。入力信号フレームごとに、Spectrum Analyzer はできるだけ多くのオーバーラップ ウィンドウ (各ウィンドウは x(p)[n] として表される) を生成し、それらのピリオドグラムを計算します。Spectrum Analyzer は、最新のピリオドグラム P のランニング平均を表示します。
パワー スペクトル — パワー スペクトルは、パワー スペクトル密度と分解能帯域幅の積で、次の式で求められます。
スペクトログラム — いずれのパワーもスペクトログラムとしてプロットできます。スペクトログラムの各ラインは 1 つのピリオドグラムです。各ラインの時間分解能は、達成可能な最小分解能である 1/RBW です。必要な分解能を得るには、いくつかのピリオドグラムを結合しなければならない場合があります。その後、内挿を使用して 1/RBW の非整数値を計算します。スペクトログラム表示で、時間は上から下にスクロールするため、最新のデータは表示領域の一番上に示されます。オフセットは、最新のスペクトログラム ラインの中心が発生した時間値を示します。
周波数ベクトル
[自動]
に設定すると、周波数領域入力の周波数ベクトルはソフトウェアによって計算されます。
PlotAsTwoSidedSpectrum
プロパティが [true] に設定されている場合、周波数ベクトルは次のようになります。
PlotAsTwoSidedSpectrum
プロパティが [false] に設定されている場合、周波数ベクトルは次のようになります。
占有帯域幅
"占有帯域幅" は次のように計算されます。
測定された周波数範囲内の電力合計を計算します。
低周波数値を特定します。範囲内で最も低い周波数から始めて上に移動し、各周波数内で分散している電力が合計されます。これは、この結果が電力合計の
になるまで行われます。
高周波数値を特定します。範囲内で最も高い周波数から始めて下に移動し、各周波数内で分散している電力が合計されます。これは、この結果が電力合計の
になるまで行われます。
低電力周波数値と高電力周波数値の間の帯域幅が占有帯域幅です。
低周波数値と高周波数値の中間の周波数が中心周波数です。
歪みの測定
"歪みの測定" は次のように計算されます。
スペクトル成分はスペクトル内のピークを検出することで推定されます。アルゴリズムによってピークが検出されるとき、ピークの幅が記録され、すべての単調減少値がクリアされます。つまり、このアルゴリズムでは、これらの値はすべてピークに属するものとして扱われます。この方法を使用して、DC (0 Hz) を中心とするすべてのスペクトル成分をスペクトルから削除し、クリアされた帯域幅の量 (W0) を記録します。
表示されているスペクトルの残りの最大値から基本電力 (P1) を特定します。ピーク近くの電力に対する中心モーメントを計算して、基本周波数の局所的な推定 (Fe1) を行います。基本電力成分の帯域幅 (W1) を記録します。その後、手順 1 と同様に基本の電力を削除します。
局所的な推定 (Fe1) の該当する倍数に最も近い周波数を調べて、高次の高調波の電力と幅 (P2、W2、P3、W3 など) を連続して特定します。次の高調波に進む前にまず、高調波周波数に関して単調に減少するスペクトル成分をスペクトルから削除します。
DC 成分、基本成分および高調波成分をスペクトルから削除したら、残りのスペクトルの電力の合計 (Premaining)、ピーク値 (Pmaxspur) および中央値 (Pestnoise) を調べます。
削除したすべての帯域幅の合計を次のように計算します。Wsum = W0 + W1 + W2 +...+ Wn
2 次以上の高調波の電力合計を次のように計算します。 Pharmonic = P2 + P3 + P4 +...+ Pn
ノイズ パワーの合計を次のように推定します。
dF は周波数ビン間の差の絶対値であり、RBW はウィンドウの分解能帯域幅です。
推定値から SNR、THD、SINAD および SFDR の指標を計算します。
高調波測定
高調波歪み測定では、測定値への入力として表示領域に示されるスペクトル トレースを使用します。Spectrum Analyzer の既定の
[ハン]
ウィンドウ設定では、測定信号のノイズ フロアを完全にマスクするような漏れが現れる場合があります。高調波測定では、高調波ピークの最大値から単調に減少する周波数成分をすべて無視することで、漏れの補正が試行されます。ウィンドウの漏れがスペクトル内の周波数帯域幅の 70% を超える部分を覆う場合は、[SNR] および [SINAD] に対して空白 (–) の読み取りが発生する可能性があります。アプリケーションで等価ノイズ帯域幅 (ENBW) の増加を許容できる場合は、スペクトル漏れを最小限に抑えるために減衰量の大きい (最大 330 dB) カイザー ウィンドウを使用することを検討してください。
DC 成分は無視されます。
ウィンドウ処理後に、各高調波成分の幅によって、基本周波数および高調波の近傍にあるノイズ パワーがマスクされます。各領域のノイズ パワーを推定するために、Spectrum Analyzer はスペクトルの高調波以外の領域のノイズ レベルの中央値を計算します。その後、その値を各領域に外挿します。
N 次相互変調積は、A*F1 + B*F2 で発生します。
ここで、F1 および F2 は正弦波入力周波数で、|A| + |B| = N です。A および B は整数値です。
相互変調測定では、3 次インターセプト (TOI) ポイントは次のように計算されます。ここで、P は dBm (1 mW を基準とした測定電力のデシベル) 単位の電力です。
TOIlower = PF1 + (PF2 - P(2F1-F2))/2
TOIupper = PF2 + (PF1 - P(2F2-F1))/2
TOI = + (TOIlower + TOIupper)/2
平均化方法
移動平均の計算には 2 つの方法のいずれかが使用されます。
Running
— 入力の各フレームについて、アルゴリズムで計算される最後の N 個のスケーリングされた Z ベクトルの平均を求めます。変数 N は、スペクトル平均の数に指定した値です。十分な数の Z ベクトルがない場合、アルゴリズムは空の要素を 0 で埋めます。Exponential
— 指数加重法を利用した移動平均アルゴリズムでは、受け取った各 Z ベクトルについて、次の再帰方程式を使用して重みの更新と移動平均の計算が再帰的に行われます。λ — 忘却係数
— 現在の Z ベクトルに適用される重み係数
— 現在の Z ベクトル
— 前の Z ベクトルまでの移動平均
— 平均に対する前の Z ベクトルの影響
— 現在の Z ベクトルを含む移動平均
拡張機能
C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。
このブロックは、コードを生成するシステムにおけるシミュレーションの可視化に使用できますが、生成されたコードには含まれません。
HDL コード生成
HDL Coder™ を使用して FPGA 設計および ASIC 設計のための Verilog および VHDL のコードを生成します。
このブロックは、HDL コードを生成するサブシステムでのシミュレーションの可視化に使用できますが、ハードウェア実装には含まれません。
PLC コード生成
Simulink® PLC Coder™ を使用して構造化テキスト コードを生成します。
このブロックは、PLC コードを生成するシステムにおけるシミュレーションの可視化に使用できますが、生成されたコードには含まれません。
固定小数点の変換
Fixed-Point Designer™ を使用して固定小数点システムの設計とシミュレーションを行います。
このブロックは固定小数点入力を受け入れますが、表示用に double
に変換します。
バージョン履歴
R2014b で導入
参考
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