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シミュレーション データ インスペクターの構成

シミュレーション データ インスペクターは、データの解析および可視化の幅広い使用例をサポートします。可視化と解析要件に合わせてシミュレーション データ インスペクターで基本設定を変更できます。指定する基本設定は、MATLAB® セッション間で維持されます。

シミュレーション データ インスペクターで基本設定を指定して、次のようなオプションを構成できます。

  • 信号とメタデータの表示方法。

  • 並列シミュレーションから自動的にインポートするデータ。

  • 以前の実行データが保持される場所と保存する以前のデータ量。

  • 保存操作中に使用されるメモリの量。

  • 信号の表示に使用される単位系。

[基本設定] ボタンを選択してシミュレーション データ インスペクターの基本設定を開きます。

メモ

ダイアログで [既定の設定に戻す] をクリックするか、関数 Simulink.sdi.clearPreferences を使用してシミュレーション データ インスペクターのすべての基本設定を既定値に戻すことができます。

ログ データのサイズと場所

既定では、シミュレーション データはディスクに記録され、オンデマンドでメモリに読み込まれます。ログ データの最大サイズは、利用可能なディスク容量によってのみ制約を受けます。シミュレーション データ インスペクターの [ディスク管理] の設定を使用して、ログ データのサイズと場所を直接制御できます。

[記録モード] 設定は、ログ データをシミュレーション後に保持するかどうかを指定します。[記録モード] 設定を [シミュレーション中にのみ表示] に変更すると、シミュレーションの完了後にシミュレーション データ インスペクターやワークスペースでログ データを利用できなくなります。このモードを使用するのは、ログ データを保存する必要がない場合だけにしてください。[記録モード] 設定は、MATLAB を起動するたびに [データの表示と記録] に戻ります。[記録モード] 設定を変更すると、可視化ツールなどの他のアプリケーションに影響する可能性があります。詳細については、シミュレーション中にデータの表示のみを行うを参照してください。

ログ データのサイズを直接制限するために、空きディスク容量の最小量またはログ データの最大サイズを指定できます。既定では、ログ データは少なくとも 100 MB の空きディスク容量を残さなければならず、最大サイズの制限はありません。必要なディスク容量と最大サイズは GB 単位で指定します。ディスク容量の要件または最大サイズの制限を適用しない場合は 0 を指定します。

最小ディスク容量の要件またはログ データの最大サイズを指定するときは、制限に近づいたときに現在のシミュレーションのデータと以前のシミュレーションのデータのどちらを優先して保持するかも指定できます。既定では、シミュレーション データ インスペクターは以前の実行のデータを削除し、現在の実行のデータを優先して保持します。以前のデータを優先して保持するには、[ディスク容量の不足時] 設定を [以前の実行を保持したまま記録を停止します] に変更します。以前の実行が削除されたときや記録が無効になったときは、警告メッセージが表示されます。ログ データのサイズが原因で記録が無効になった場合、データの記録を継続するには、ディスク容量を解放した後に [記録モード][データの表示と記録] に再度設定する必要があります。詳細については、ログ データの最小ディスク容量要件または最大サイズの指定を参照してください。

[格納モード] 設定は、データをディスクとメモリのどちらに記録するかを指定します。既定では、データはディスクに記録されます。並列ワーカーを構成してデータをメモリに記録する場合、ホストへのデータ転送はサポートされません。

ログ データを格納する一時ファイルの場所も指定できます。既定では、データはコンピューターの一時ファイル ディレクトリに記録されます。ファイルの場所を変更するのは、大量のデータを記録する必要があり、セカンダリ ドライブから追加のストレージ容量を提供する場合などです。データをネットワーク上の場所に記録すると、パフォーマンスが低下することがあります。

プログラムでの使用

それぞれの基本設定の値をプログラムで構成および確認できます。

アーカイブの動作と実行制限

シミュレーション データ インスペクターのアーカイブは、折りたたみ可能なペインに実行を格納し、実行データを削除しなくても作業領域の内容を管理できます。シミュレーション データ インスペクターで以前のシミュレーション実行をアーカイブに自動的に移動するかどうかを設定できます。また、アーカイブに保存される実行数を制限することもできます。

アーカイブの実行の管理

既定の設定では、シミュレーション データ インスペクターは自動的にシミュレーション実行をアーカイブします。モデルのシミュレーションを実行すると、前のシミュレーション実行がアーカイブに移動し、シミュレーション データ インスペクターはビューを更新して現在の実行から整列後の信号を表示します。

アーカイブでは、そこに含まれる実行および信号に機能制限は適用されません。アーカイブから信号をプロットして、アーカイブ内の実行と信号を比較で使用できます。[自動アーカイブ] 設定が有効でも無効でも、対象の実行をアーカイブと作業領域との間で相互にドラッグできます。シミュレーション データ インスペクターで前のシミュレーションの実行がアーカイブに自動的に移動しないようにするには、[自動アーカイブ] 設定をクリアします。

シミュレーション データ インスペクターに実行をインポートすると、インポートした実行が作業領域に表示され、[現在] タグが最新のシミュレーション実行上に残ります。信号は作業領域とアーカイブで既存の実行にインポートできます。

ヒント

ごみ箱 アイコンを使用してアーカイブの内容を手動で削除することができます。

データ保持の制限

シミュレーション データ インスペクターで保持されるデータ量を削減するために、アーカイブに格納される実行の数に制限を設定できます。アーカイブの実行数がサイズ制限に達すると、シミュレーション データ インスペクターは、先入れ先出しベースで実行の削除を開始します。

サイズ制限は、アーカイブ内の実行にのみ適用されます。シミュレーション データ インスペクターで古い実行を削除して保持されているデータを自動的に制限する場合は、[自動アーカイブ] を選択し、サイズ制限を指定します。

既定で、シミュレーション データ インスペクターは、アーカイブに移動された最後の 20 の実行を保持します。制限を削除するには、[制限なし] を選択します。アーカイブに格納される最大実行数を指定するには、[最後 N 実行] を選択し、目的の制限を入力します。アーカイブに既にある実行が削除される可能性のある制限を指定すると、シミュレーション データ インスペクターで警告が示されます。

プログラムでの使用

[自動アーカイブ] 設定をプログラムで設定するには、関数 Simulink.sdi.setAutoArchiveMode を使用します。

関数 Simulink.sdi.setArchiveRunLimit を使用してアーカイブで保持される実行数を指定します。

受信した実行の名前と場所

インポートまたはシミュレーションから受信した実行を、シミュレーション データ インスペクターで処理する方法を構成できます。新しい実行を作業領域の上または下のどちらに追加するかを選択し、シミュレーションから作成された実行に使用する命名規則を指定できます。

既定では、新しい実行は作業領域内の以前の実行の下に追加されます。[アーカイブ] 設定は、実行の場所にも影響します。既定では、新しいシミュレーションの実行が作成されると、以前の実行がアーカイブに移動します。

シミュレーションから作成された実行に名前を付けるために実行の命名規則が使用されます。実行名でそのまま使用されるリテラル テキストと、実行に関するメタデータを表す 1 つ以上のトークンを組み合わせて使用して実行の命名規則を作成できます。既定では、シミュレーション データ インスペクターは、実行インデックスとモデル名を使用して実行に Run <run_index>: <model_name> という名前を付けます。

ヒント

既存の実行の名前を変更するには、作業領域で名前をダブルクリックして新しい名前を入力するか、[プロパティ] ペインで実行名を変更します。

プログラムでの使用

関数 Simulink.sdi.getRunNamingRule および Simulink.sdi.setRunNamingRule を使用して命名規則をプログラムによりチェックし、変更することができます。関数 Simulink.sdi.resetRunNamingRule を使用してプログラムにより命名規則を既定値に戻します。

表示する信号メタデータ

[検査] ペインの作業領域およびシミュレーション データ インスペクターの [比較] ペインの結果セクションに表示される信号メタデータを制御できます。[基本設定] ダイアログの [検査] セクションと [比較] セクションの [テーブルの列] 設定を使用して、表示するメタデータをペインごとに個別に指定します。

[検査] ペイン

既定では、信号名と信号のプロットに使用されるラインのスタイルと色が [検査] ペインに表示されます。[検査] ペインの作業領域に異なるメタデータまたは追加のメタデータを表示するには、[検査] セクションの [テーブルの列] 基本設定に表示する各メタデータの横にあるチェック ボックスをオンにします。[プロパティ] ペインを使用して [検査] ペインに選択した信号の完全なメタデータを常に表示できます。

メモ

[検査] ペインの作業領域に表示されるメタデータは、プロットされた信号のレポートを生成するときに含まれます。関数 Simulink.sdi.report を使用してプログラムによりレポートを作成する場合は、作業領域に表示される内容に関係なく、レポートに含めるメタデータを指定することもできます。

[比較] ペイン

既定では、[比較] ペインに、信号名、信号の比較に使用される絶対許容誤差と相対許容誤差、および比較結果との最大差異が示されます。[比較] ペインの結果に異なるメタデータまたは追加のメタデータを表示するには、[比較] セクションの [テーブルの列] 基本設定に表示する各メタデータの横にあるチェック ボックスをオンにします。[プロパティ] ペインを使用して選択した信号結果に対して比較された信号の完全なメタデータを常に表示できます。このペインでは、比較対象の信号間で異なるメタデータが強調表示されます。[比較] ペインに表示される信号メタデータは、比較レポートの内容に影響しません。

[検査] ペインの信号セクション

シミュレーション データ インスペクターで選択したサブプロットにプロットする信号を選択する方法を構成できます。既定では、プロットする各信号の横にあるチェック ボックスを使用します。作業領域の選択に基づいて信号をプロットすることもできます。データセットの所見と解析を表すビューと可視化を作成する場合は [チェック モード] を使用します。多数の信号を含むデータセットをすばやく表示および解析するには、[参照モード] を使用します。

[チェック モード] を使用した可視化の作成の詳細については、シミュレーション データ インスペクターを使用したプロットの作成を参照してください。

[参照モード] の使用の詳細については、多数のログ信号の可視化を参照してください。

メモ

[参照モード] を使用するには、レイアウトに [時間プロット] 可視化のみを含めなければなりません。

比較のための信号の整列方法

シミュレーション データ インスペクターを使用して実行を比較すると、比較アルゴリズムでは整列と呼ばれるプロセスを通じて信号比較用に信号が組み合わされます。表に示されている 1 つ以上の信号プロパティを使用して比較対象の実行間で信号を整列できます。

プロパティ説明
データ ソースワークスペースからインポートしたデータ用の MATLAB ワークスペース内の変数のパス
パスモデル内のデータのソース用ブロック パス
SID

Simulink® 識別子

SID の詳細については、Simulink 識別子を参照してください。

信号名信号の名前

整列に使用される各メタデータの優先順位を指定できます。[整列の基準] フィールドは、信号の整列に使用する優先順位の最も高いプロパティを指定します。優先順位は後続の [次の基準] フィールドごとに下がります。[整列の基準] フィールドには基本の整列プロパティを指定しなければなりませんが、任意の数の [次の基準] フィールドを空白のままにすることができます。

既定では、シミュレーション データ インスペクターはこのフロー チャートに従って信号を実行間で整列します。

シミュレーション データ インスペクターにおける比較の構成の詳細については、シミュレーション データ インスペクターでデータを比較する方法を参照してください。

比較結果を表示するために使用される色

シミュレーション データ インスペクターの基本設定を使用して比較結果を表示するために使用される色を構成できます。[検査] ペインの信号色またはベースライン信号と比較対象信号の固定色のどちらを使用するか指定できます。許容誤差と差分信号の色を選択することもできます。

既定では、シミュレーション データ インスペクターに、ベースライン信号と比較対象信号の固定色を使用した比較結果が表示されます。固定色を使用すると、ベースライン信号と比較対象信号が同じ色になったり、色が非常に似ていて区別できなくなるのを防ぐことができます。

信号のグループ化

シミュレーション データ インスペクターで実行内の信号をグループ化する方法を指定できます。基本設定は [検査] ペインと [比較] ペインの両方に適用されます。信号は次のようにグループ化できます。

  • 領域 — 信号のタイプ。たとえば、信号のログによって作成された信号の領域は Signal、モデルの出力のログから作成された信号の領域は Outports になります。

  • 物理的なシステム階層 — 信号の Simscape™ の物理システム階層。物理システム階層でグループ化するオプションは、Simscape のライセンスがある場合に使用できます。

  • データ階層 — 構造化データ内の信号の場所。たとえば、データ階層によるグループ化にはバスの階層が反映されます。

  • モデル階層 — モデル階層内の信号の場所。モデル階層によるグループ化は、モデル参照やサブシステム参照を含むモデルのデータを記録する場合に便利です。

信号がグループ化されると階層ノードの行が追加されます。これらの行を展開すると、そのノード内の信号を表示できます。既定では、シミュレーション データ インスペクターは、領域、物理システム階層 (Simscape のライセンスがある場合)、データ階層の順に信号をグループ化します。

各実行のグループ化を解除し、信号のフラット リストを表示するには、すべてのグループ化オプションで [なし] を選択します。

プログラムでの使用

信号をプログラムによりグループ化する方法を指定するには、関数 Simulink.sdi.setTableGrouping を使用します。

並列シミュレーションからストリーミングするデータ

関数 parsim を使用して並列シミュレーションを実行する場合、ログ記録されたシミュレーション データをシミュレーション データ インスペクターにストリーミングできます。[検査] ペインの実行名の横にあるドットは実行に対応するシミュレーションのステータスを示すため、ストリーム データを可視化している間にシミュレーションの進捗状況を監視できます。データの取得元であるワーカーのタイプに基づいて並列シミュレーションからデータをストリーミングするかどうかを制御できます。

既定では、並列ワーカーからデータを手動インポートするようにシミュレーション データ インスペクターが構成されています。シミュレーション データ インスペクターのプログラムによるインターフェイスを使用してワーカー上のデータを検査し、そのデータをクライアントのシミュレーション データ インスペクターに送信してさらに解析するかどうかを決定できます。データを並列ワーカーからシミュレーション データ インスペクターに手動で移動するには、関数 Simulink.sdi.sendWorkerRunToClient を使用します。

ローカル ワーカーまたはローカル ワーカーとリモート ワーカーで実行される並列シミュレーションからデータを自動的にストリーミングする場合があります。データをローカルとリモート両方のワーカーからストリーミングすると、実行するシミュレーションの回数とログに記録するデータの量によっては、シミュレーションのパフォーマンスに影響する場合があります。ローカル ワーカーまたはすべての並列ワーカーからデータをストリーミングすることを選択すると、ログに記録されたすべてのシミュレーション データが自動的にシミュレーション データ インスペクターに表示されます。

プログラムでの使用

関数 Simulink.sdi.enablePCTSupport を使用してプログラムにより並列ワーカー データに対するシミュレーション データ インスペクターのサポートを構成できます。

セッション ファイルの保存および読み込みオプション

セッション ファイルの読み込みまたは保存中に使用するメモリの最大量を指定できます。既定では、シミュレーション データ インスペクターは、セッション ファイルの読み込みまたは保存時に 100 MB のメモリを使用します。50 MB 程度のメモリの使用制限を指定できます。

保存されるセッション ファイルのサイズを小さくするには、圧縮オプションを指定できます。

  • None — 保存するデータを圧縮しない。

  • Normal — 保存するファイルをできる限り圧縮する。

  • Fastest — 保存するファイルを Normal 圧縮よりも小さく圧縮して保存時間を短縮する。

信号の表示単位

シミュレーション データ インスペクターの信号には、保存された単位と表示単位の 2 つの単位プロパティがあります。保存された単位は、ディスクに保存されるデータの単位を表します。表示単位は、シミュレーション データ インスペクターでのデータの表示方法を指定します。単位系を使用してすべての信号の表示単位を定義するようにシミュレーション データ インスペクターを構成できます。[SI] または [米国慣用] のいずれかの単位系を選択することも、保存された単位を使用してデータを表示することもできます。

単位系を使用してシミュレーション データ インスペクターで信号の表示単位を定義すると、その単位系で無効な表示単位を使用する信号の表示単位が更新されます。たとえば、[SI] 単位を選択すると、信号の表示単位が ft から m に更新されます。

メモ

シミュレーション データ インスペクターで使用することを選択した単位系は、信号の保存された単位に影響しません。信号の保存された単位を変換するには、関数 convertUnits を使用します。変換の結果、精度が失われる場合があります。

単位系を選択するのに加え、特定の測定タイプの信号が同一の単位を使用して表示されるようにオーバーライド単位を指定できます。たとえば、重量を表すすべての信号を kg の単位を使用して可視化する場合は、オーバーライド単位として kg を指定します。

ヒント

Simulink でサポートされている単位のリストについては、MATLAB コマンド ウィンドウで showunitslist と入力してください。

[プロパティ] ペインを使用して特定の信号の表示単位を変更することもできます。詳細については、シミュレーション データ インスペクターにおける信号プロパティの変更を参照してください。

プログラムでの使用

関数 Simulink.sdi.setUnitSystem を使用して単位系とオーバーライド単位を構成します。関数 Simulink.sdi.getUnitSystem を使用して現在の単位基本設定を確認できます。

参考

関数

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