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kfoldPredict
学習で使用しない観測値のラベルの予測
構文
説明
は、1 つ以上の Label
= kfoldPredict(CVMdl
,Name,Value
)Name,Value
のペア引数により指定された追加オプションを使用して、予測クラス ラベルを返します。たとえば、事後確率推定法、復号化スキームまたは詳細レベルを指定します。
入力引数
CVMdl
— 線形分類モデルから構成される交差検証済みの ECOC モデル
ClassificationPartitionedLinearECOC
モデル オブジェクト
線形分類モデルから構成される交差検証済みの ECOC モデル。ClassificationPartitionedLinearECOC
モデル オブジェクトとして指定します。ClassificationPartitionedLinearECOC
モデルを作成するには、fitcecoc
を使用し、以下を行います。
交差検証用の名前と値のペアの引数のいずれか 1 つ (
CrossVal
など) を指定名前と値のペアの引数
Learners
を、'linear'
に、またはtemplateLinear
によって返される線形分類モデル テンプレートに設定
推定値を取得するため、kfoldPredict は ECOC モデルの交差検証に使用したものと同じデータ (X
および Y
) を適用します。
名前と値の引数
オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN
として指定します。ここで Name
は引数名、Value
は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後ろにする必要がありますが、ペアの順序は関係ありません。
R2021a より前では、名前と値をそれぞれコンマを使って区切り、Name
を引用符で囲みます。
BinaryLoss
— バイナリ学習器損失関数
'hamming'
| 'linear'
| 'logit'
| 'exponential'
| 'binodeviance'
| 'hinge'
| 'quadratic'
| 関数ハンドル
バイナリ学習器の損失関数。'BinaryLoss'
と組み込みの損失関数名または関数ハンドルから構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。
次の表には、組み込み関数の名前と説明が含まれています。ここで、yj は特定のバイナリ学習器のクラス ラベル (集合 {-1,1,0} 内)、sj は観測値 j のスコア、g(yj,sj) はバイナリ損失の式です。
値 説明 スコア領域 g(yj,sj) "binodeviance"
二項分布からの逸脱度 (–∞,∞) log[1 + exp(–2yjsj)]/[2log(2)] "exponential"
指数 (–∞,∞) exp(–yjsj)/2 "hamming"
ハミング [0,1] または (–∞,∞) [1 – sign(yjsj)]/2 "hinge"
ヒンジ (–∞,∞) max(0,1 – yjsj)/2 "linear"
線形 (–∞,∞) (1 – yjsj)/2 "logit"
ロジスティック (–∞,∞) log[1 + exp(–yjsj)]/[2log(2)] "quadratic"
2 次 [0,1] [1 – yj(2sj – 1)]2/2 バイナリ損失は、yj = 0 の場合に損失が 0.5 になるように正規化されます。また、各クラスについて平均のバイナリ損失が計算されます。
カスタム バイナリ損失関数、たとえば
customFunction
は関数ハンドル'BinaryLoss',@customFunction
を指定します。customFunction
は以下のような形式になります。ここで、bLoss = customFunction(M,s)
M
はMdl.CodingMatrix
に格納された K 行 B 列の符号化行列です。s
は 1 行 B 列の分類スコアの行ベクトルです。bLoss
は分類損失です。このスカラーは、特定のクラスのすべての学習器についてバイナリ損失を集計します。たとえば、平均バイナリ損失を使用して、各クラスの学習器の損失を集計できます。K は、クラスの数です。
B はバイナリ学習器の数です。
カスタムなバイナリ損失関数を渡す例については、カスタム バイナリ損失関数の使用による ECOC モデルのテスト標本ラベルの予測を参照してください。
既定の設定では、すべてのバイナリ学習器が以下を使用する線形分類モデルである場合、次のようになります。
SVM の場合、
BinaryLoss
は'hinge'
になります。ロジスティック回帰の場合、
BinaryLoss
は'quadratic'
になります。
例: 'BinaryLoss','binodeviance'
データ型: char
| string
| function_handle
Decoding
— 復号化スキーム
'lossweighted'
(既定値) | 'lossbased'
バイナリ損失を集計する復号化方式。'Decoding'
と 'lossweighted'
または 'lossbased'
から構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。詳細については、バイナリ損失を参照してください。
例: 'Decoding','lossbased'
NumKLInitializations
— ランダムな初期値の数
0
(既定値) | 非負の整数
カルバック・ライブラー ダイバージェンスの最小化により事後確率を当てはめるランダムな初期値の数。'NumKLInitializations'
と非負の整数から構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。
このオプションを使用するには、以下が必要です。
4 番目の出力引数 (
Posterior
) を返します。ECOC モデルを構成する線形分類モデルでロジスティック回帰学習器を使用しなければなりません (つまり、
CVMdl.Trained{1}.BinaryLearners{1}.Learner
が'logistic'
でなければなりません)。PosteriorMethod
は'kl'
でなければなりません。
詳細は、カルバック・ライブラー ダイバージェンスを使用する事後推定を参照してください。
例: 'NumKLInitializations',5
データ型: single
| double
Options
— 推定オプション
[]
(既定値) | statset
によって返される構造体配列
推定オプション。statset
により返される 'Options'
と構造体配列から構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。
並列計算を起動するには、以下を行います。
Parallel Computing Toolbox™ ライセンスが必要です。
'Options',statset('UseParallel',true)
を指定します。
PosteriorMethod
— 事後確率推定法
'kl'
(既定値) | 'qp'
事後確率推定法。'PosteriorMethod'
と 'kl'
または 'qp'
で構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。
このオプションを使用するには、4 番目の出力引数 (
Posterior
) を返さなければならず、ECOC モデルを構成する線形分類モデルでロジスティック回帰学習器を使用しなければなりません (つまり、CVMdl.Trained{1}.BinaryLearners{1}.Learner
が'logistic'
でなければなりません)。PosteriorMethod
が'kl'
の場合、バイナリ学習器によって返される予測された事後確率と期待された事後確率間のカルバック・ライブラー ダイバージェンスを最小化することにより、マルチクラス事後確率が推定されます。詳細については、カルバック・ライブラー ダイバージェンスを使用する事後推定を参照してください。PosteriorMethod
が'qp'
の場合、二次計画法を使用して最小二乗問題を解決することでマルチクラス事後確率が推定されます。このオプションを使用するには Optimization Toolbox™ ライセンスが必要です。詳細については、二次計画法を使用する事後推定を参照してください。
例: 'PosteriorMethod','qp'
Verbose
— 詳細レベル
0
(既定値) | 1
詳細レベル。'Verbose'
と 0
または 1
から構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。Verbose
は、コマンド ウィンドウに表示される診断メッセージの量を制御します。
Verbose
が 0
の場合、診断メッセージは表示されません。それ以外の場合は、診断メッセージが表示されます。
例: 'Verbose',1
データ型: single
| double
出力引数
Label
— 交差検証予測クラス ラベル
categorical 配列 | 文字配列 | logical 行列 | 数値行列 | 文字ベクトルの cell 配列
交差検証予測クラス ラベル。categorical 配列、文字配列、logical 行列、数値行列、または文字ベクトルの cell 配列として返されます。
ほとんどの場合 Label
は、CVMdl
の作成に使用した、観測されたクラス ラベル (Y
) と同じデータ型の n 行 L 列の配列になります。(string 配列は文字ベクトルの cell 配列として扱われます)。n は予測子データ (X
) 内の観測値の個数、L は交差検証済み ECOC モデルを構成する線形分類モデル内の正則化強度の個数です。つまり Label(
は、正則化強度が i
,j
)CVMdl.Trained{1}.BinaryLearners{1}.Lambda(
である線形分類モデルの ECOC モデルを使用した、観測値 j
)i
の予測クラス ラベルです。
Y
が文字配列で L > 1 の場合、Label
はクラス ラベルの cell 配列になります。
符号を反転した平均バイナリ損失 (NegLoss
) が最大であるクラス、つまり平均バイナリ損失が最小であるクラスに対応する予測ラベルが割り当てられます。
NegLoss
— 符号を反転した交差検証平均バイナリ損失
数値配列
符号を反転した交差検証平均バイナリ損失。n x K x L の数値行列または配列として返されます。K は学習データ内の異なるクラスの数で、列は CVMdl.ClassNames
内のクラスに対応します。n と L については、Label
を参照してください。NegLoss(
は、正則化強度が i
,k
,j
)CVMdl.Trained{1}.BinaryLoss{1}.Lambda(
である線形分類モデルを使用して観測値 j
)i
をクラス k
に分類する平均バイナリ損失の符号を反転した値です。
Decoding
が'lossbased'
の場合、NegLoss(i,k,j)
はバイナリ損失の合計をバイナリ学習器の総数で割った値になります。Decoding
が'lossweighted'
の場合、NegLoss(i,k,j)
はバイナリ損失の合計を k 番目のクラスに対するバイナリ学習器の数で割った値になります。
詳細については、バイナリ損失を参照してください。
PBScore
— 交差検証陽性クラスのスコア
数値配列
交差検証陽性クラスのスコア。n x B x L の数値配列として返されます。B は交差検証済みの ECOC モデル内のバイナリ学習器の数で、列は CVMdl.Trained{1}.BinaryLearners
内のバイナリ学習器に対応します。n と L については、Label
を参照してください。PBScore(
は、正則化強度が i
,b
,j
)CVMdl.Trained{1}.BinaryLearners{1}.Lambda(
である線形分類モデルを使用して観測値 j
)i
を陽性クラスに分類するためのバイナリ学習器 b の陽性クラスのスコアです。
符号化行列が分割全体で変化する (つまり、コーディング スキームが sparserandom
または denserandom
である) 場合、PBScore
は空 ([]
) になります。
Posterior
— 交差検証事後クラス確率
数値配列
交差検証事後クラス確率。n x K x L の数値配列として返されます。次元の定義については、NegLoss
を参照してください。Posterior(
は、正則化強度が i
,k
,j
)CVMdl.Trained{1}.BinaryLearners{1}.Lambda(
である線形分類モデルを使用して観測値 j
)i
をクラス k
に分類する事後確率です。
事後確率を返すには、CVMdl.Trained{1}.BinaryLearner{1}.Learner
が 'logistic'
でなければなりません。
例
k 分割交差検証ラベルの予測
NLP のデータ セットを読み込みます。
load nlpdata
X
は予測子データのスパース行列、Y
はクラス ラベルの categorical ベクトルです。
線形分類モデルから構成されている ECOC モデルを交差検証します。
rng(1); % For reproducibility CVMdl = fitcecoc(X,Y,'Learner','linear','CrossVal','on');
CVMdl
は ClassificationPartitionedLinearECOC
モデルです。既定では、10 分割交差検証が実行されます。
fitcecoc
で分割の学習に使用されなかった観測値のラベルを予測します。
label = kfoldPredict(CVMdl);
CVMdl
内の正則化強度は 1 つなので、label
は予測の列ベクトルになり、行数は X
内の観測値数と同じになります。
混同行列を作成します。
cm = confusionchart(Y,label);
カスタム バイナリ損失の指定
NLP のデータ セットを読み込みます。予測子データを転置します。
load nlpdata
X = X';
簡単にするため、'simulink'
、'dsp'
、'comm'
のいずれでもない Y
の観測値すべてに対して 'others' というラベルを使用します。
Y(~(ismember(Y,{'simulink','dsp','comm'}))) = 'others';
SpaRSA を使用して目的関数を最適化するように指定する線形分類モデル テンプレートを作成します。
t = templateLinear('Solver','sparsa');
5 分割の交差検証を使用して、線形分類モデルから構成されている ECOC モデルを交差検証します。予測子の観測値が列に対応することを指定します。
rng(1); % For reproducibility CVMdl = fitcecoc(X,Y,'Learners',t,'KFold',5,'ObservationsIn','columns'); CMdl1 = CVMdl.Trained{1}
CMdl1 = CompactClassificationECOC ResponseName: 'Y' ClassNames: [comm dsp simulink others] ScoreTransform: 'none' BinaryLearners: {6x1 cell} CodingMatrix: [4x6 double]
CVMdl
は ClassificationPartitionedLinearECOC
モデルです。このモデルに含まれている Trained
プロパティは、各分割の学習セットを使用して学習を行った CompactClassificationECOC
モデルが格納されている 5 行 1 列の cell 配列です。
既定の設定では、ECOC モデルを構成する線形分類モデルは SVM を使用します。SVM スコアは観測から判定境界までの符号付き距離です。したがって、定義域は です。以下のようなカスタム バイナリ損失関数を作成します。
各学習器の符号化設計行列 (M) と陽性クラスの分類スコア (s) を各観測値のバイナリ損失にマッピングする
線形損失を使用する
中央値を使用してバイナリ学習器の損失を集計する
バイナリ損失関数用に独立した関数を作成し、MATLAB® パスに保存できます。あるいは、無名バイナリ損失関数を指定できます。
customBL = @(M,s)median(1 - (M.*s),2,'omitnan')/2;
交差検証ラベルを予測し、クラスごとのバイナリ損失の中央値を推定します。10 分割外の観測値が無作為なセットの場合、クラスごとに符号を反転したバイナリ損失の中央値を出力します。
[label,NegLoss] = kfoldPredict(CVMdl,'BinaryLoss',customBL); idx = randsample(numel(label),10); table(Y(idx),label(idx),NegLoss(idx,1),NegLoss(idx,2),NegLoss(idx,3),... NegLoss(idx,4),'VariableNames',[{'True'};{'Predicted'};... categories(CVMdl.ClassNames)])
ans=10×6 table
True Predicted comm dsp simulink others
________ _________ _________ ________ ________ _______
others others -1.2319 -1.0488 0.048758 1.6175
simulink simulink -16.407 -12.218 21.531 11.218
dsp dsp -0.7387 -0.11534 -0.88466 -0.2613
others others -0.1251 -0.8749 -0.99766 0.14517
dsp dsp 2.5867 6.4187 -3.5867 -4.4165
others others -0.025358 -1.2287 -0.97464 0.19747
others others -2.6725 -0.56708 -0.51092 2.7453
others others -1.1605 -0.88321 -0.11679 0.43504
others others -1.9511 -1.3175 0.24735 0.95111
simulink others -7.848 -5.8203 4.8203 6.8457
符号が反転した最大損失に基づき、ラベルが予測されます。
事後クラス確率の推定
線形分類モデルから構成される ECOC モデルは、ロジスティック回帰学習器の場合のみ事後確率を返します。この例では Parallel Computing Toolbox™ と Optimization Toolbox™ が必要です。
NLP のデータ セットを読み込み、カスタム バイナリ損失の指定 で説明されているようにデータを前処理します。
load nlpdata X = X'; Y(~(ismember(Y,{'simulink','dsp','comm'}))) = 'others';
~ の範囲で対数間隔で配置された 5 個の正則化強度を作成します。
Lambda = logspace(-6,-0.5,5);
線形分類モデル テンプレートを作成します。このテンプレートでは、SpaRSA を使用して目的関数を最適化し、ロジスティック回帰学習器を使用するように指定します。
t = templateLinear('Solver','sparsa','Learner','logistic','Lambda',Lambda);
5 分割の交差検証を使用して、線形分類モデルから構成されている ECOC モデルを交差検証します。予測子の観測値が列に対応することと並列計算の使用を指定します。
rng(1); % For reproducibility Options = statset('UseParallel',true); CVMdl = fitcecoc(X,Y,'Learners',t,'KFold',5,'ObservationsIn','columns',... 'Options',Options);
Starting parallel pool (parpool) using the 'local' profile ... Connected to the parallel pool (number of workers: 6).
交差検証事後クラス確率を予測します。並列計算の使用と、二次計画法を使用して事後確率を推定することを指定します。
[label,~,~,Posterior] = kfoldPredict(CVMdl,'Options',Options,... 'PosteriorMethod','qp'); size(label) label(3,4) size(Posterior) Posterior(3,:,4)
ans = 31572 5 ans = categorical others ans = 31572 4 5 ans = 0.0285 0.0373 0.1714 0.7627
5 つの正則化強度があるので、次のようになります。
label
は 31572 行 5 列の categorical 配列になります。label(3,4)
は、観測値 3 について予測された交差検証済みラベルであり、正則化強度Lambda(4)
により学習をさせたモデルを使用しています。Posterior
は 31572 x 4 x 5 の行列になります。Posterior(3,:,4)
は、正則化強度Lambda(4)
により学習をさせたモデルを使用して推定された観測値 3 の事後クラス確率すべてのベクトルです。2 番目の次元の順序はCVMdl.ClassNames
に対応します。ランダムな 10 個の事後クラス確率の集合を表示します。
Lambda(4)
を使用して学習をさせたモデルについて、交差検証ラベルおよび事後確率の無作為標本を表示します。
idx = randsample(size(label,1),10); table(Y(idx),label(idx,4),Posterior(idx,1,4),Posterior(idx,2,4),... Posterior(idx,3,4),Posterior(idx,4,4),... 'VariableNames',[{'True'};{'Predicted'};categories(CVMdl.ClassNames)])
ans = 10×6 table True Predicted comm dsp simulink others ________ _________ __________ __________ ________ _________ others others 0.030275 0.022142 0.10416 0.84342 simulink simulink 3.4954e-05 4.2982e-05 0.99832 0.0016016 dsp others 0.15787 0.25718 0.18848 0.39647 others others 0.094177 0.062712 0.12921 0.71391 dsp dsp 0.0057979 0.89703 0.015098 0.082072 others others 0.086084 0.054836 0.086165 0.77292 others others 0.0062338 0.0060492 0.023816 0.9639 others others 0.06543 0.075097 0.17136 0.68812 others others 0.051843 0.025566 0.13299 0.7896 simulink simulink 0.00044059 0.00049753 0.70958 0.28948
詳細
バイナリ損失
"バイナリ損失" は、バイナリ学習器がどの程度の精度で観測値をクラスに分類するかを決定する、クラスと分類スコアの関数です。ソフトウェアでバイナリ損失をどのように集計して各観測値の予測クラスを判定するかは、ECOC モデルの "復号化方式" で指定します。
以下のように仮定します。
mkj は符号化設計行列 M の要素 (k,j)、つまりバイナリ学習器 j のクラス k に対応する符号。M は K 行 B 列の行列であり、K はクラスの数、B はバイナリ学習器の数です。
sj は観測値に対するバイナリ学習器 j のスコア。
g はバイナリ損失関数。
は観測値の予測クラス。
ソフトウェアでは 2 つの復号化方式をサポートしています。
関数 predict
、resubPredict
、および kfoldPredict
は、それぞれの観測値とクラスについて、argmin
の目的関数の符号反転値を 2 番目の出力引数 (NegLoss
) として返します。
次の表は、サポートされる損失関数をまとめたものです。ここで、yj は特定のバイナリ学習器のクラス ラベル (集合 {–1,1,0} 内)、sj は観測値 j のスコア、g(yj,sj) はバイナリ損失関数です。
値 | 説明 | スコア領域 | g(yj,sj) |
---|---|---|---|
"binodeviance" | 二項分布からの逸脱度 | (–∞,∞) | log[1 + exp(–2yjsj)]/[2log(2)] |
"exponential" | 指数 | (–∞,∞) | exp(–yjsj)/2 |
"hamming" | ハミング | [0,1] または (–∞,∞) | [1 – sign(yjsj)]/2 |
"hinge" | ヒンジ | (–∞,∞) | max(0,1 – yjsj)/2 |
"linear" | 線形 | (–∞,∞) | (1 – yjsj)/2 |
"logit" | ロジスティック | (–∞,∞) | log[1 + exp(–yjsj)]/[2log(2)] |
"quadratic" | 2 次 | [0,1] | [1 – yj(2sj – 1)]2/2 |
yj = 0 のときに損失が 0.5 になるようにバイナリ損失が正規化され、バイナリ学習器の平均が集計に使用されます[1]。
ECOC 分類器の全体的な性能の尺度である全体の分類損失 (オブジェクト関数 kfoldLoss
および kfoldPredict
の名前と値の引数 LossFun
により指定) とバイナリ損失を混同しないでください。
アルゴリズム
カルバック・ライブラー ダイバージェンスを最小化するか、二次計画法を使用することにより、クラス事後確率を推定できます。以下の事後推定アルゴリズムに関する説明では、次のように仮定します。
mkj は符号化設計行列 M の要素 (k,j) です。
I はインジケーター関数です。
は、ある観測値のクラス k (k = 1、...、K) に対するクラス事後確率の推定値です。
rj はバイナリ学習器 j の陽性クラス事後確率です。つまり、rj は、学習データが与えられる場合、バイナリ学習器 j が観測値を陽性クラスに分類する確率です。
カルバック・ライブラー ダイバージェンスを使用する事後推定
既定では、カルバック・ライブラー ダイバージェンスは最小化され、クラス事後確率が推定されます。予測された陽性クラス事後確率と観測された陽性クラス事後確率の間のカルバック・ライブラー ダイバージェンスは次のようになります。
ここで、 はバイナリ学習器 j の重みです。
Sj は、バイナリ学習器 j が学習する一連の観測値のインデックスです。
は、観測値 i の重みです。
ダイバージェンスは反復して最小化されます。最初のステップとして、クラス事後確率の初期値 を選択します。
'NumKLIterations'
を指定しない場合、次の確定的な初期値の集合が両方試され、Δ を最小化する集合が選択されます。は、次の連立方程式の解です。
ここで、M01 はすべての mkj = -1 を 0 に置き換えた M、r は L 個のバイナリ学習器によって返された陽性クラス事後確率のベクトルです [Dietterich 他]。
lsqnonneg
を使いシステムを解きます。
'NumKLIterations',c
を指定した場合 (c
は自然数)、集合 は次のように選択され、Δ を最小化する集合が使用されます。前述した確定的な初期値の集合の両方が試されます。
rand
を使用して長さ K のベクトルc
を無作為に生成し、各ベクトルの合計が 1 になるように正規化します。
反復 t では、以下の手順が実行されます。
を計算します。
次の式を使用して、次のクラスの事後確率を推定します。
合計が 1 になるように を正規化します。
収束を確認します。
詳細については、[Hastie 他] および [Zadrozny] を参照してください。
参照
[1] Allwein, E., R. Schapire, and Y. Singer. “Reducing multiclass to binary: A unifying approach for margin classifiers.” Journal of Machine Learning Research. Vol. 1, 2000, pp. 113–141.
[2] Dietterich, T., and G. Bakiri. “Solving Multiclass Learning Problems Via Error-Correcting Output Codes.” Journal of Artificial Intelligence Research. Vol. 2, 1995, pp. 263–286.
[3] Escalera, S., O. Pujol, and P. Radeva. “Separability of ternary codes for sparse designs of error-correcting output codes.” Pattern Recog. Lett. Vol. 30, Issue 3, 2009, pp. 285–297.
[4] Escalera, S., O. Pujol, and P. Radeva. “On the decoding process in ternary error-correcting output codes.” IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence. Vol. 32, Issue 7, 2010, pp. 120–134.
[5] Hastie, T., and R. Tibshirani. “Classification by Pairwise Coupling.” Annals of Statistics. Vol. 26, Issue 2, 1998, pp. 451–471.
[6] Wu, T. F., C. J. Lin, and R. Weng. “Probability Estimates for Multi-Class Classification by Pairwise Coupling.” Journal of Machine Learning Research. Vol. 5, 2004, pp. 975–1005.
[7] Zadrozny, B. “Reducing Multiclass to Binary by Coupling Probability Estimates.” NIPS 2001: Proceedings of Advances in Neural Information Processing Systems 14, 2001, pp. 1041–1048.
拡張機能
自動並列サポート
Parallel Computing Toolbox™ を使用して自動的に並列計算を実行することで、コードを高速化します。
並列実行するには、この関数を呼び出すときに名前と値の引数 Options
を指定し、statset
を使用してオプション構造体の UseParallel
フィールドを true
に設定します。
Options=statset(UseParallel=true)
並列計算の詳細については、自動並列サポートを使用した MATLAB 関数の実行 (Parallel Computing Toolbox)を参照してください。
バージョン履歴
R2016a で導入R2023b: 予測子に欠損値がある観測値を再代入と交差検証の計算に使用
R2023b 以降では、次の分類モデルのオブジェクト関数において、予測子に欠損値がある観測値が再代入 ("resub") と交差検証 ("kfold") による分類エッジ、損失、マージン、および予測の計算でその一部として使用されます。
以前のリリースでは、予測子に欠損値がある観測値は再代入と交差検証の計算で省略されていました。
MATLAB コマンド
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コマンドを MATLAB コマンド ウィンドウに入力して実行してください。Web ブラウザーは MATLAB コマンドをサポートしていません。
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