MATLAB の基本クラス
MATLAB® では、さまざまなデータ型または "クラス" を扱うことができます。浮動小数点データと整数データ、文字と string、logical true
値と false
値などからなる行列および配列を作成できます。関数ハンドルでは、現在のスコープにかかわらず、コードが MATLAB 関数と関連付けられます。table、timetable、構造体および cell 配列を使用すると、同じコンテナーに異なる型のデータを格納できます。
MATLAB には、17 の基本クラスがあります。各クラスは、行列または配列で構成されます。関数ハンドルと table を例外として、こうした行列または配列は最小で 0 行 0 列であり、任意のサイズの "n" 次元配列にまで拡張できます。関数ハンドルは常にスカラー (1 行 1 列) です。table は常に "m" 個の行と "n" 個の変数をもち、m >= 0、n >= 0 です。
基本的な MATLAB クラスを図に示します。
MATLAB ソフトウェアの数値クラスには、符号付き整数と符号なし整数および単精度浮動小数点数と倍精度浮動小数点数が含まれています。既定の設定により、MATLAB ではすべての数値が倍精度浮動小数点として格納されます (既定の型と精度を変更することはできません)。任意の数値または数値配列を、整数あるいは単精度浮動小数点として格納するように選択することができます。整数および単精度配列は、倍精度配列よりも効率的にメモリを使用します。
すべての数値型で、添字、変形、数学などの基本的な配列演算がサポートされています。
full
または sparse
の記憶形式のいずれかを使用して、2 次元の double
および logical
行列を作成することができます。ほとんどがゼロ値の行列の場合、スパース行列で必要な格納領域は、等価な非スパース行列よりもずっと少なくて済みます。スパース行列は、専用のメソッドを呼び出してスパースな問題を解きます。
これらのクラスでは、必要な格納領域の量が異なります。必要な格納領域が最小のものは logical
値または 8 ビットの整数で、わずか 1 バイトで済みます。8 ビットよりも小さな精度を使用して記述されたファイル内のデータを扱う場合は、最小のサイズを覚えておくことが重要です。
すべての変数が数値データ型であれば、table と timetable でも数学演算がサポートされます。詳細については、table および timetable での直接計算を参照してください。 (R2023a 以降)
次の表では、基本クラスについて詳細に説明します。
クラス名 | ドキュメンテーション | 用途 |
---|---|---|
double , single | 浮動小数点数 | |
int8 , uint8 , int16 , uint16 , int32 , uint32 , int64 , uint64 | 整数 |
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string , char | 文字と文字列 | |
logical | 論理 (boolean) 演算 | |
function_handle | 関数ハンドル |
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table , timetable | table, timetable |
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struct | 構造体 |
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cell | cell 配列 |
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