システム データの管理
測定データのインポート、シミュレーション データの生成、コマンド ラインおよびアプリで使用するためのデータの整理
データ解析は状態監視と予知保全の中核です。予知保全のためにアルゴリズムを設計するには、データが表すシステムと状態を追跡しながら、大量のデータを整理し解析する必要があります。
Predictive Maintenance Toolbox™ は、ローカルやリモートで保管されているセンサー データを管理するためのツールや、Simulink® モデルを実行してシミュレーション データを生成するためのツールを提供します。Predictive Maintenance Toolbox で多面的なデータセットを整理し管理するための主要単位はアンサンブルです。"アンサンブル" は、さまざまな状態下でシステムを測定またはシミュレートすることによって作成されたデータセットのコレクションです。小規模なアンサンブルは、table、timetable、cell 配列などの形式で保存することができます。大規模なアンサンブルを管理するには、アンサンブル データストア オブジェクトを使用します。アンサンブルの仕組みと使用方法の詳細については、状態監視と予知保全のためのデータ アンサンブルを参照してください。
診断特徴デザイナー アプリには、データの処理と特徴の抽出を行う対話型のツールが含まれています。アプリはさまざまな形式のデータセットを受け入れ、アプリ内でデータを統合して、セッション中にデータを内的に管理します。アプリの詳細については、診断特徴デザイナーを使用したアンサンブル データの調査と特徴の比較を参照してください。
オブジェクト
fileEnsembleDatastore | カスタム ファイル形式でのアンサンブル データの管理 |
simulationEnsembleDatastore | generateSimulationEnsemble または Simulink でのシミュレーション データのログ記録によって生成されるアンサンブル データの管理 |
workspaceEnsemble | 診断特徴デザイナーで生成されたコードを使用して、MATLAB ワークスペースに保存されたアンサンブル データを管理します。 (R2020a 以降) |
関数
generateSimulationEnsemble | Simulink モデルを実行してアンサンブル データを生成 |
read | アンサンブル データストアからメンバー データを読み取り |
writeToLastMemberRead | アンサンブル データストアのメンバーにデータを書き込み |
hasdata | データが読み取り可能かどうかを判別 |
reset | データストアの初期状態へのリセット |
subset | 既存のアンサンブル データストアのサブセットから新しいアンサンブル データストアを作成 (R2021a 以降) |
summary | アンサンブル データストア内の状態変数の分布を返すかプロットする (R2024a 以降) |
numpartitions | データストアの区画数 |
partition | データストアを分割する |
progress | 読み取ったデータ量の判定 |
tall | tall 配列の作成 |
トピック
アンサンブル データストアの基礎
- 状態監視と予知保全のためのデータ アンサンブル
Predictive Maintenance Toolbox を使ったアルゴリズム設計では、アンサンブルに整理されたデータを使用します。Simulink モデルからアンサンブル データを生成するか、ディスク上の既存のデータからアンサンブルを作成できます。 - シミュレーション データ アンサンブルの生成と使用
故障状態下にあるシステムの Simulink モデルがある場合、予知保全アルゴリズムの開発用にシミュレーション データのアンサンブルを生成できます。 - 測定データを含むファイル アンサンブル データストア
ファイル アンサンブル データストアを使用して、さまざまな状態下でのシステムの動作から収集された大規模なデータセットを管理し、操作する。 - テキスト ファイル内のデータを使用するファイル アンサンブル データストア
プレーン テキスト形式で格納されているデータのアンサンブルを管理するためfileEnsembleDatastore
オブジェクトを作成し使用する。
診断特徴デザイナーでのデータ管理
- 診断特徴デザイナーを使用したアンサンブル データの調査と特徴の比較
次のワークフローに従って、アンサンブル データを対話的に調査して処理し、そのデータからの特徴を設計してランク付けし、データおよび選択した特徴をエクスポートし、MATLAB® コードを生成する。 - 診断特徴デザイナー用のシステム データの整理
複数のシステムの測定値と情報を、アプリにインポートできるデータセットに整理する。 - 診断特徴デザイナーでのアンサンブル データのインポートと可視化
アンサンブル メンバーの table を MATLAB ワークスペースからインポートし、変数の型を定義し、対話的なプロット オプションを使用してデータを表示する。 - 診断特徴デザイナー用の行列データの準備
単一メンバーの行列をアプリにインポートするためアンサンブル table に変換する。