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診断特徴デザイナー用のシステム データの整理

診断特徴デザイナー アプリでは、データを対話的に解析して、健全なシステムのデータを劣化したシステムのものと区別できる特徴を作成することができます。アプリは、マシンなどの一連の類似システムから得た測定データと情報のコレクションを扱います。アプリを使用するには、まずデータをアプリがインポートできる形式に整理しなければなりません。データを整理する 1 つの方法は、測定データをすべてキャプチャできる数値行列を使うことです。ただし、table などのさらに柔軟な形式を使うこともでき、その場合は健康状態の条件と動作状態などの追加情報を組み込むことができます。この情報を使用して、アプリ内で特徴を調査し、特徴がさまざまな特定の状態を区別する能力を評価できます。

データ アンサンブル

データ解析はあらゆる状態監視と予知保全活動の中核です。

データは加速度計、圧力計、温度計、高度計、電圧計、タコメーターなどのセンサーを使用するシステムでの測定値から得ることができます。たとえば、以下からの測定データにアクセスできる可能性があります。

  • 標準のシステム動作

  • 故障状態で動作しているシステム

  • システム動作の生涯記録 ("故障に至るまで実行された" データ)

アルゴリズム設計では、システムの Simulink® モデルをさまざまな動作条件や故障状態下で実行することによって生成されたシミュレーション データを使用することもできます。

測定したデータ、生成したデータ、あるいはその両方を使用するかどうかに関わりなく、1 つ以上の時間範囲にわたる多くの信号が頻繁に扱われます。また、多くのマシンからの信号を扱うこともあります (たとえば、すべてが同じ仕様で製造された多数の別個のエンジンからの測定値など)。さらに、データが健全な動作と故障状態の両方を表す場合もあります。予知保全に効果的な特徴を評価するには、データが表すシステムと状態を追跡しつつ、このデータを整理して解析する必要があります。

データ アンサンブル

Predictive Maintenance Toolbox™ で多面的データセットを整理し管理するための主要単位は、データ アンサンブルです。"アンサンブル" は、さまざまな状態下でシステムを測定またはシミュレートすることによって作成されたデータセットのコレクションです。

たとえば、振動を測定する加速度計と、エンジンのシャフト回転を測定するタコメーターをもつトランスミッション ギア ボックス システムについて考えます。エンジンを 5 分間動かし、測定された信号を時間の関数として記録すると仮定します。また、走行マイル数で測定したエンジンの使用距離も記録します。これらの測定値から次のデータセットが得られます。

ここで、数多くの同一エンジンのフリートがあり、そのすべてからデータが記録されると仮定します。これによって、データセットのファミリが得られます。

このデータセットのファミリが "アンサンブル" であり、アンサンブルの各行がアンサンブルの "メンバー" です。

アンサンブルのメンバーは、同じデータ変数を含んでいるという点で関連しています。たとえば、図に示すアンサンブルではすべてのメンバーがエンジン識別子、振動信号、タコメーター信号、エンジン使用距離という 4 つの同じ変数を含んでいます。この例では、各メンバーが別々のマシンに対応します。アンサンブルには、違う時間に同じマシンから記録された、同じデータ変数のセットが含まれる場合もあります。たとえば、次の図は、エンジン使用距離の増加につれて記録した同じエンジンからの複数のデータセットを含むアンサンブルを示しています。

実際には、各アンサンブル メンバーのデータが個別のデータ ファイルに保存されるのが通常です。したがって、たとえばエンジン 01 の 9,500 マイルでのデータが 1 つのファイルに含まれ、エンジン 01 の 21,250 マイルでのデータが別のファイルに含まれるといった形になります。

アンサンブルの変数

アンサンブル内の変数はさまざまな目的に使用され、それに応じていくつかのタイプにグループ化することができます。

  • "データ変数" (DV) — アンサンブルの主な内容であり、予知保全アルゴリズムの解析と開発に使用する測定データと派生データを含みます。たとえば、図に示したギアボックス アンサンブルでは、VibrationTachometer がデータ変数です。データ変数は、信号の平均値や信号スペクトルのピーク振幅の周波数など、派生値を含むこともあります。

  • "独立変数" (IV) — アンサンブル内のメンバーの特定や順序付けをする変数で、タイムスタンプ、操作時間数、マシン ID などを含みます。測定されたギアボックス データのアンサンブルでは、Age が独立変数です。

  • "状態変数" (CV) — アンサンブル メンバーの故障状態または動作状態を記述する変数。状態変数は故障状態の有無や、周囲温度のような他の動作状態を記録できます。アンサンブルのギアボックス データでは、sensor health が、各エンジンについてその状態が既知となっている状態変数である可能性があります。状態変数は、複数の故障状態および動作状態をエンコードする 1 つのスカラー値など、派生値をとる場合もあります。

データ変数と独立変数には通常、多くの要素があります。状態変数は多くの場合スカラーです。アプリでは状態変数がスカラーでなければなりません。

アプリ用のアンサンブル データの表現

3 つの一般的な方法のいずれかを使ってアンサンブル データを組み合わせ、アプリにインポートできます。いずれの方法でも、すべてのアンサンブル メンバーが同じ変数を含んでいる必要があります。

個々のメンバー データセットの作成

個々のデータセット (メンバーごとに 1 つ) という形式でデータをインポートして、アプリでこれらのデータセットを 1 つのアンサンブルに組み合わせられるようにします。

これは、データをインポートする前に必要なセットアップが最も少ない方法です。この方法が実用的なのは、データセットの数が少ない場合だけです。アンサンブルを新しいメンバーで更新する場合は、すべてのメンバーをもう一度インポートしなければなりません。

アンサンブル データセットの作成

メンバー データセットから作成した単一のアンサンブル データセットをインポートします。アンサンブル データセットの各行はメンバーのいずれかを表します。

この方法では、データをインポートする前に必要なセットアップが多くなります。これはメンバーのセットが大きい場合、個々に処理する方法よりも実用的です。アンサンブルを新しいメンバーで更新するには、アプリ外で既存の table に追加して実行できます。その後、更新された table をインポートします。

個々のメンバー行列からアンサンブル データセットを作成する例は、診断特徴デザイナー用の行列データの準備を参照してください。

アンサンブル データストア オブジェクトの作成

データそのものではなく、メンバー ファイルの名前とパスのみを含む "アンサンブル データストア オブジェクト" をインポートします。このオブジェクトには、アプリが外部ファイルを操作するために必要な情報も含まれています。

この方法は大量のデータと変数がある場合に最適です。アンサンブル データストアは、こうしたデータの処理に役立ちます。これは、データがローカルに保存されている場合でも、Amazon S3™ (Simple Storage Service)、Windows Azure® Blob Storage、または Hadoop® 分散ファイル システム (HDFS™) を使用するクラウド ストレージなどのリモート ロケーションに保存されている場合でも同様です。

通常、アプリでデータの調査を開始するときは、比較的少ない数のメンバーと変数をインポートします。しかし、後ほど特徴の有効度についての結論をテストするには、より大きなサンプル サイズを取り込む可能性があります。アンサンブル データストアは、特にデータ サイズが MATLAB® のメモリの制限を超える場合に、大量のデータを取り扱う 1 つの方法です。

アンサンブル データストア オブジェクトの詳細については、状態監視と予知保全のためのデータ アンサンブルを参照してください。

データセット インポートのデータ型と制約

アプリは、状態変数スカラーと組み込みの測定 timetable を含む数値行列や table など、さまざまなデータ型を受け入れます。

データをインポートする前に、外れ値や欠損値の削除などの前処理によるクリー二ングが済んでいなければなりません。詳細については、状態監視と予知保全のためのデータの前処理を参照してください。

データ型と制約、および実際のデータ インポートの詳細については、診断特徴デザイナーへのデータのインポートを参照してください。

参考

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