UIControl のプロパティ
ユーザー インターフェイス コントロールの外観と動作の制御
ユーザー インターフェイス コントロールは、ユーザーが操作できるボタンやスライダーなどのコンポーネントです。関数 uicontrol
はユーザー インターフェイス コントロールを作成し、表示される前に必要なプロパティを設定します。プロパティ値を変更することによって、ユーザー インターフェイス コントロールの外観と動作を変更できます。ドット表記を使用して、特定のオブジェクトとプロパティを参照します。
メモ
UIControl
オブジェクトの作成は、App Designer 内または関数 uifigure
を使用して作成されたアプリ内ではサポートされません。これらのコンテキストで代わりに使用できるコンポーネントの一覧については、アプリ作成コンポーネントを参照してください。
たとえば、このコードはボタンを作成し、UIControl
オブジェクトを b
として格納してから、ドット表記を使用して Position
プロパティを設定します。
f = figure; b = uicontrol(f,'Style','pushbutton'); b.Position = [100 100 50 20];
コントロールのタイプ
Style
— UIControl
のスタイル
'pushbutton'
(既定値) | 'togglebutton'
| 'checkbox'
| 'radiobutton'
| ...
UIControl
のスタイル。次の表の値として指定します。
Style の値 | 説明 |
---|---|
'pushbutton' | マウス ボタンが離されるまで、押し下げられたままになるボタン。 |
'togglebutton' | 上がっているまたは押された状態の 2 つの状態があるボタン。トグル ボタンの状態はクリックするたびに変更されます。 |
'checkbox' | オンまたはオフの 2 つの状態があるチェック ボックス。状態はユーザーがクリックしてその上でマウス ボタンを離すと変更されます。 |
'radiobutton' | 選択または選択解除の 2 つの状態があるボタン。ラジオ ボタンは関連するラジオ ボタンのグループ内で、互いに排他的になります。 |
'edit' | 編集可能なテキスト フィールド。 |
'text' | スタティック テキスト フィールド。 |
'slider' | ユーザーが横棒または縦棒に沿って押すボタン。ボタンの位置は指定された範囲内の値を示します。 |
'listbox' | ユーザーが 1 つ以上の項目を選択できる項目のリスト。ポップアップ メニューとは異なり、リスト ボックスはクリックされても展開しません。 |
'popupmenu' | クリックしたときに選択肢のリストが展開して表示される分離されたメニュー。折りたたまれると、現在の選択内容がメニューに表示されます。 |
Value
— 現在の値
数値
現在の値。数値として指定します。Value
プロパティは、次のような特定の uicontrol のステータスをクエリまたは変更するときに便利です。
uicontrol のスタイル | Value プロパティの説明 |
---|---|
'togglebutton' |
|
'checkbox' |
|
'radiobutton' |
|
'slider' | Value プロパティは対応するスライダーの値と等価です。 |
'listbox' | Value プロパティは、リスト ボックスで選択された項目に対応する配列インデックスと等価です。値 1 はリストの最初の項目に対応しています。 |
'popupmenu' | Value プロパティは、ポップアップ メニューで選択された項目に対応する配列インデックスと等価です。値 1 はポップアップ メニューの最初の項目に対応しています。 |
Max
— 最大値
1
(既定値) | 数値
最大値。数値として指定します。Max
プロパティは、次のような特定の uicontrol の表示に影響します。
uicontrol のスタイル | Value プロパティの説明 |
---|---|
'togglebutton' | トグル ボタンが押されていると、Value プロパティは Max プロパティの値に変更されます。 |
'checkbox' | チェック ボックスをオンにすると、Value プロパティは Max プロパティの値に変更されます。 |
'radiobutton' | ラジオ ボタンを選択すると、Value プロパティは Max プロパティの値に変更されます。 |
'edit' | エディット テキスト ボックスは、
|
'slider' | Max プロパティ値はスライダーの最大値であり、Min プロパティ値より大きくなければなりません。 |
'listbox' | Max プロパティ値は、ユーザーがリスト ボックス内の複数の項目を同時に選択できるかどうかを決定します。Max – Min > 1 の場合、ユーザーは複数の項目を同時に選択できます。それ以外の場合、ユーザーが複数の項目を同時に選択することはできません。Max および Min プロパティを設定して複数選択を許可する場合、Value プロパティ値はインデックスのベクトルにすることができます。 |
Min
— 最小値
0
(既定値) | 数値
最小値。数値として指定します。Min
プロパティは、次のような特定の uicontrol の表示に影響します。
uicontrol のスタイル | Value プロパティの説明 |
---|---|
'togglebutton' | トグル ボタンが上がった状態のとき、Value プロパティは Min プロパティの値に変更されます。 |
'checkbox' | チェック ボックスをオフにすると、Value プロパティは Min プロパティの値に変更されます。 |
'radiobutton' | ラジオ ボタンを選択解除すると、Value プロパティは Min プロパティの値に変更されます。 |
'edit' | エディット テキスト ボックスは、
|
'slider' | Min プロパティ値はスライダーの最小値であり、Max プロパティ値未満でなければなりません。 |
'listbox' | Max プロパティ値は、ユーザーがリスト ボックス内の複数の項目を同時に選択できるかどうかを決定します。Max – Min > 1 の場合、ユーザーは複数の項目を同時に選択できます。それ以外の場合、ユーザーが複数の項目を同時に選択することはできません。Max および Min プロパティを設定して複数選択を許可する場合、Value プロパティ値はインデックスのベクトルにすることができます。 |
SliderStep
— スライダーのステップ サイズ
[0.01 0.10]
(既定値) | [minorstep majorstep]
スライダーのステップ サイズ。配列 [minorstep majorstep]
として指定します。このプロパティは、ユーザーが矢印ボタンまたはスライダー トラフ (スライダーのレール) をクリックするときのスライダーの値の変化量を制御します。
minorstep
は、ユーザーがいずれかの矢印ボタンをクリックしたときのValue
プロパティの値の変化量を示すスライダー範囲の割合です。majorstep
は、ユーザーがスライダー トラフをクリックしたときのValue
プロパティの値の変化量を示すスライダー範囲の割合です。
majorstep
の値が 1 より大きい場合、スライダーの割合が 100% を超えることはありません。
minorstep
と majorstep
は両方とも 1e-6
より大きくなければならず、minorstep
は majorstep
以下でなければなりません。
majorstep
が増えるにつれて、スライダーのつまみのインジケーターが長くなります。majorstep
が 1
と等しい場合、つまみのインジケーターの長さはトラフの半分です。majorstep
の値が 1
を超えると、つまみのインジケーターはより長くなります。
例
スライダーの範囲は Max
– Min
= 1
です。ユーザーが矢印ボタンをクリックすると、スライダーの Value
プロパティが 1% 変化します。ユーザーがトラフをクリックすると、10% 変化します。
s = uicontrol('Style','Slider','Min',0,'Max',1,'SliderStep',[0.01 0.10]);
ListboxTop
— リスト ボックス内の一番上にある項目のインデックス
1
(既定値) | 整数値
リスト ボックス内の一番上にある項目のインデックス。整数値として指定します。このプロパティは、UIControl
のリスト ボックスのスタイルにのみ適用されます。このプロパティは、すべてのリスト項目を表示するのに十分な大きさがないリスト ボックスでどの項目を最上部の位置に表示するかを指定します。ListboxTop
値は、String
プロパティ値として指定する配列に対するインデックスです。ListboxTop
値は、1
から配列内の要素の数の間でなければなりません。非整数値は、次に大きい最小の整数に修正されます。
メモ
String
および Value
プロパティは、指定する ListboxTop
値に関係なく ListboxTop
プロパティの値をオーバーライドすることがあります。ListboxTop
値はその他の UIControl
プロパティの値に応じて変化することがあります。たとえば、Value
プロパティを明示的に設定すると、リストがその値にスクロールされます。
最も信頼できる結果を得るには、画面で MATLAB® のユーザー インターフェイス コントロールの描画が終了してから ListboxTop
プロパティのクエリまたは変更を行ってください。
テキストとスタイル
String
— 表示するテキスト
文字ベクトル | 文字ベクトルの cell 配列 | string 配列 | categorical 配列 | ...
表示するテキスト。文字ベクトル、文字ベクトルの cell 配列、string 配列、categorical 配列、またはパイプ区切りの行ベクトルとして指定します。Style
プロパティは、使用できる配列形式を決定します。
Style プロパティ | サポートされる配列形式 | 例 |
---|---|---|
'pushbutton' | 文字ベクトル 文字ベクトルの cell 配列 string 配列 categorical 配列 |
|
'togglebutton' | ||
'checkbox' | ||
'radiobutton' | ||
'edit' | ||
'text' | ||
'listbox' | 文字ベクトル 文字ベクトルの cell 配列 string 配列 categorical 配列 パイプ区切りの行ベクトル |
|
'popupmenu' |
メモ
プッシュ ボタン、トグル ボタン、チェック ボックス、またはラジオ ボタンについて cell 配列または categorical 配列を指定した場合、MATLAB は配列内の最初の要素のみを表示します。
ForegroundColor
— テキストの色
[0 0 0]
(既定値) | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 'r'
| 'g'
| 'b'
| ...
テキストの色。RGB 3 成分、16 進数カラー コード、または表にリストされた色オプションのいずれかとして指定します。
RGB 3 成分および 16 進数カラー コードは、カスタム色を指定するのに役立ちます。
RGB 3 成分は、色の赤、緑、青成分の強度を指定する 3 成分の行ベクトルです。強度値は
[0,1]
の範囲でなければなりません。たとえば[0.4 0.6 0.7]
のようになります。16 進数カラー コードは、ハッシュ記号 (
#
) で始まり、3 桁または 6 桁の0
からF
までの範囲の 16 進数が続く文字ベクトルまたは string スカラーです。この値は大文字と小文字を区別しません。したがって、カラー コード"#FF8800"
、"#ff8800"
、"#F80"
、および"#f80"
は等価です。
あるいは、名前を使用して一部の一般的な色を指定できます。次の表に、名前の付いた色オプション、等価の RGB 3 成分、および 16 進数カラー コードを示します。
色名 | 省略名 | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|---|---|
"red" | "r" | [1 0 0] | "#FF0000" | |
"green" | "g" | [0 1 0] | "#00FF00" | |
"blue" | "b" | [0 0 1] | "#0000FF" | |
"cyan" | "c" | [0 1 1] | "#00FFFF" | |
"magenta" | "m" | [1 0 1] | "#FF00FF" | |
"yellow" | "y" | [1 1 0] | "#FFFF00" | |
"black" | "k" | [0 0 0] | "#000000" | |
"white" | "w" | [1 1 1] | "#FFFFFF" |
MATLAB の多くのタイプのプロットで使用されている既定の色の RGB 3 成分および 16 進数カラー コードを次に示します。
RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|
[0 0.4470 0.7410] | "#0072BD" | |
[0.8500 0.3250 0.0980] | "#D95319" | |
[0.9290 0.6940 0.1250] | "#EDB120" | |
[0.4940 0.1840 0.5560] | "#7E2F8E" | |
[0.4660 0.6740 0.1880] | "#77AC30" | |
[0.3010 0.7450 0.9330] | "#4DBEEE" | |
[0.6350 0.0780 0.1840] | "#A2142F" |
メモ
リストボックスの ForegroundColor
の値を変更する場合、MATLAB は現在選択されているリストボックスのアイテムを除くすべてのリストボックスのアイテムでその色を使用します。選択されているアイテムに対しては、そのアイテムのテキストと選択色とのコントラストが良好な色が MATLAB で使用されます。
例: [0 0 1]
例: 'b'
例: 'blue'
データ型: double
| char
BackgroundColor
— 背景色
[.94 .94 .94]
(既定値) | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 'r'
| 'g'
| 'b'
| ...
背景色。RGB 3 成分、16 進数カラー コード、または表にリストされた色オプションのいずれかとして指定します。
RGB 3 成分および 16 進数カラー コードは、カスタム色を指定するのに役立ちます。
RGB 3 成分は、色の赤、緑、青成分の強度を指定する 3 成分の行ベクトルです。強度値は
[0,1]
の範囲でなければなりません。たとえば[0.4 0.6 0.7]
のようになります。16 進数カラー コードは、ハッシュ記号 (
#
) で始まり、3 桁または 6 桁の0
からF
までの範囲の 16 進数が続く文字ベクトルまたは string スカラーです。この値は大文字と小文字を区別しません。したがって、カラー コード"#FF8800"
、"#ff8800"
、"#F80"
、および"#f80"
は等価です。
あるいは、名前を使用して一部の一般的な色を指定できます。次の表に、名前の付いた色オプション、等価の RGB 3 成分、および 16 進数カラー コードを示します。
色名 | 省略名 | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|---|---|
"red" | "r" | [1 0 0] | "#FF0000" | |
"green" | "g" | [0 1 0] | "#00FF00" | |
"blue" | "b" | [0 0 1] | "#0000FF" | |
"cyan" | "c" | [0 1 1] | "#00FFFF" | |
"magenta" | "m" | [1 0 1] | "#FF00FF" | |
"yellow" | "y" | [1 1 0] | "#FFFF00" | |
"black" | "k" | [0 0 0] | "#000000" | |
"white" | "w" | [1 1 1] | "#FFFFFF" |
MATLAB の多くのタイプのプロットで使用されている既定の色の RGB 3 成分および 16 進数カラー コードを次に示します。
RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|
[0 0.4470 0.7410] | "#0072BD" | |
[0.8500 0.3250 0.0980] | "#D95319" | |
[0.9290 0.6940 0.1250] | "#EDB120" | |
[0.4940 0.1840 0.5560] | "#7E2F8E" | |
[0.4660 0.6740 0.1880] | "#77AC30" | |
[0.3010 0.7450 0.9330] | "#4DBEEE" | |
[0.6350 0.0780 0.1840] | "#A2142F" |
CData
— オプションのアイコン
トゥルーカラー RGB 値の 3 次元配列
オプションのアイコン。トゥルーカラー RGB 値の 3 次元配列として指定します。配列の値は以下のいずれかになります。
0.0
~1.0
の倍精度値0
~255
のuint8
値
CData
を完全にサポートする UIControl
オブジェクトはプッシュ ボタンとトグル ボタンのみです。ラジオ ボタンまたはチェック ボックスで CData
プロパティを指定する場合、イメージはテキストとオーバーラップする可能性があります。また、ラジオ ボタンまたはチェック ボックスにイメージを指定すると、選択/選択解除の状態を表示する機能が無効になります。
データ型: double
| uint8
フォント
FontName
— フォント名
システムでサポートされているフォントの名前 | 'FixedWidth'
フォント名。システムでサポートされているフォント名または 'FixedWidth'
として指定します。既定のフォントは、特定のオペレーティング システムとロケールによって異なります。
どのロケールでもテキストが整って見える固定幅のフォントを使用するには、'FixedWidth'
を指定します。実際に使用される固定幅フォントは、root オブジェクトの FixedWidthFontName
プロパティによって決まります。FixedWidthFontName
プロパティを変更すると、表示内容が新しいフォントを使用して直ちに更新されます。
例: 'Arial'
FontSize
— フォント サイズ
正の数値
フォント サイズ。正の数値として指定します。FontUnits
プロパティで単位を指定します。既定のサイズはシステムによって異なります。
例: 12
例: 12.5
FontWeight
— フォントの太さ
'normal'
(既定値) | 'bold'
フォントの太さ。次の表の値として指定します。
'normal'
— 各フォントで定義されている既定の太さ'bold'
— 標準よりも太い文字
MATLAB ではフォントは、FontWeight
プロパティを使用して、ユーザーのシステムで使用可能なフォントから選択します。すべてのフォントに太字フォントがあるとは限りません。そのため、太字フォントを指定しても標準フォントの太さと変わらない場合があります。
メモ
フォントの太さの値 'light'
および 'demi'
は R2014b で削除されました。これらの値のいずれかを指定した場合、結果は標準フォントの太さとなります。
FontAngle
— フォントの角度
'normal'
(既定値) | 'italic'
フォントの角度。'normal'
または 'italic'
として指定します。MATLAB は、このプロパティを使用して、ユーザーのシステムで使用可能なフォントから選択します。このプロパティを 'italic'
に設定すると、ユーザーのシステムで利用できる場合、イタリック フォントを選択します。
メモ
値 'oblique'
は削除されました。代わりに 'italic'
を使用してください。
FontUnits
— フォントの単位
'points'
(既定値) | 'normalized'
| 'inches'
| 'centimeters'
| 'pixels'
フォントの単位。次の表のいずれかの値を指定します。
単位の値 | 説明 |
---|---|
'points' | ポイント。1 ポイントは 1/72 インチです。 |
'normalized' | フォント サイズを高さの割合として指定する、正規化された値。UI コンポーネントのサイズを変更するときに、MATLAB はその割合を維持して、表示されるフォントをスケーリングします。 |
'inches' | インチ。 |
'centimeters' | センチメートル。 |
'pixels' | ピクセル。 R2015b 以降、Windows® および Macintosh システムにおいて、ピクセル単位の距離はシステム解像度に依存しません。
Linux® システムでは、ピクセルのサイズは使用しているシステムの解像度によって決まります。 |
対話機能
Visible
— 可視性の状態
'on'
(既定値) | on/off logical 値
可視性の状態。'on'
または 'off'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
'on'
— オブジェクトを表示します。'off'
— オブジェクトを削除せずに非表示にします。非表示の UI コンポーネントのプロパティには引き続きアクセスできます。
アプリの起動を高速化するには、起動時に表示する必要のないすべての UI コンポーネントの Visible
プロパティを 'off'
に設定します。
Enable
— ユーザー インターフェイス コントロールの操作可能状態
'on'
(既定値) | 'off'
| 'inactive'
ユーザー インターフェイス コントロールの操作可能状態。'on'
、'off'
または 'inactive'
として指定します。Enable
プロパティは、ユーザー インターフェイス コントロールがユーザーの操作に応答するかどうかを制御します。以下のいずれかの値をとります。
'on'
– ユーザー インターフェイス コントロールは操作可能です。'off'
– ユーザー インターフェイス コントロールは操作不可で、グレー表示されます。'inactive'
– ユーザー インターフェイス コントロールは操作不可ですが、Enable
が'on'
に設定されている場合と同じ外観をもちます。
Tooltip
— ツールヒント
文字ベクトル | string スカラー | categorical 配列
ツールヒント。文字ベクトル、string スカラー、または categorical 配列として指定します。このプロパティを使用して、実行時にユーザーがポインターをコンポーネントに合わせるとメッセージが表示されるようにします。ツールヒントは、コンポーネントが無効になっていると表示されません。このプロパティを categorical 配列として指定した場合、MATLAB はカテゴリの完全なセットではなく、配列内の値を使用します。
複数行のテキストを作成するには、関数 sprintf
を使用して改行文字 ('\n'
) をテキストに挿入します。以下に例を示します。
txt = sprintf('Line 1\nLine 2');
その後、Tooltip
プロパティを sprintf
によって返された値に設定します。
ContextMenu
— コンテキスト メニュー
空の GraphicsPlaceholder
配列 (既定値) | ContextMenu
オブジェクト
コンテキスト メニュー。関数 uicontextmenu
を使用して作成された ContextMenu
オブジェクトとして指定します。このプロパティは、コンポーネントを右クリックしたときにコンテキスト メニューを表示するために使用します。
TooltipString
— ツールヒント (非推奨)
文字ベクトル | string スカラー | categorical 配列
ツールヒント。文字ベクトル、string スカラー、または categorical 配列として指定します。アプリのコンポーネントにカーソルを合わせるとツールヒントが表示されます。このプロパティを categorical 配列として指定した場合、MATLAB はカテゴリの完全なセットではなく、配列内の値を使用します。
メモ
R2018b 以降、TooltipString
プロパティは推奨されません。代わりに、Tooltip
プロパティを使用してください。
Selected
— 選択状態 (非推奨)
'off'
(既定値) | on/off logical 値
メモ
Selected
プロパティの動作は R2014b で変更されており、推奨されません。このタイプのオブジェクトには何も影響しなくなりました。このプロパティは将来のリリースで削除される可能性があります。
SelectionHighlight
— 選択ハンドルの表示 (非推奨)
'on'
(既定値) | on/off logical 値
メモ
SelectionHighlight
プロパティの動作は R2014b で変更されており、推奨されません。このタイプのオブジェクトには何も影響しなくなりました。このプロパティは将来のリリースで削除される可能性があります。
位置
Position
— 位置とサイズ
[left bottom width height]
位置とサイズ。[left bottom width height]
の形式の 4 要素ベクトルとして指定します。次の表で、ベクトルの各要素について説明します。
要素 | 説明 |
---|---|
left | 親コンテナーの内側左端からユーザー インターフェイス コントロールの外側左端までの距離 |
bottom | 親コンテナーの内側下端からユーザー インターフェイス コントロールの外側下端までの距離 |
width | ユーザー インターフェイス コントロールの外側の右端と左端の間の距離 |
height | ユーザー インターフェイス コントロールの外側の上端と下端の間の距離 |
すべての測定値は、Units
プロパティで指定した単位で表されます。
メモ
Position
の値の基準は、親コンテナーの "描画可能領域" です。描画可能領域は、コンテナーの境界線の内側にある領域で、タイトルが占める領域は含まれません。親コンテナーが Figure である場合、メニュー バーおよびツール バーも描画可能領域には含まれません。
Position ベクトルの 1 つの値を変更
Position
ベクトルの 1 つの値を変更する場合、ドット表記と配列インデックス付けを組み合わせることができます。たとえば、次のコードはユーザー インターフェイス コントロールの幅を 52
に変更します。
b = uicontrol; b.Position(3) = 52; b.Position
ans = 20 20 52 20
InnerPosition
— 位置とサイズ
[left bottom width height]
位置とサイズ。[left bottom width height]
の形式の 4 要素ベクトルとして指定します。すべての測定値は、Units
プロパティで指定した単位で表されます。
このプロパティ値は、Position
プロパティ値および OuterPosition
プロパティ値と同一です。
OuterPosition
— 位置とサイズ
[left bottom width height]
位置とサイズ。[left bottom width height]
の形式の 4 要素ベクトルとして指定します。すべての測定値は、Units
プロパティで指定した単位で表されます。
このプロパティ値は、Position
プロパティ値および InnerPosition
プロパティ値と同一です。
Extent
— 囲んでいる四角形のサイズ
4 要素の行ベクトル
この プロパティ は読み取り専用です。
囲んでいる四角形のサイズ。4 要素の行ベクトルとして返されます。ベクトルの最初の 2 要素は常にゼロです。3 番目と 4 番目の要素はそれぞれ四角形の幅と高さです。すべての測定値は、Units
プロパティで指定した単位で表されます。
MATLAB は String
プロパティ値のサイズとフォントの特性に基づいて四角形のサイズを決定します。String
値のサイズを格納するように幅と高さを調整するには、Position
の幅と高さの値を Extent
の幅と高さの値よりわずかに大きく設定します。
1 行のテキストである String
値の場合、Extent
プロパティの高さの要素は 1 行の高さを意味します。幅の要素は、テキストをラップしてコントロールに表示する場合を含め、最長の行の幅を意味します。テキストが複数行になる場合、Extent
四角形はテキストのすべての行を含みます。Max
– Min
> 1
の場合、編集可能なテキスト フィールドは複数行であると見なされます。
Units
— 測定の単位
'pixels'
(既定値) | 'normalized'
| 'inches'
| 'centimeters'
| 'points'
| 'characters'
測定の単位。次の表のいずれかの値として指定します。
単位の値 | 説明 |
---|---|
'pixels' (既定) | ピクセル。 R2015b 以降、Windows および Macintosh システムにおいて、ピクセル単位の距離はシステム解像度に依存しません。
Linux システムでは、ピクセルのサイズは使用しているシステムの解像度によって決まります。 |
'normalized' | これらの単位は親コンテナーを基準として正規化されます。コンテナーの左下隅が (0,0) で、右上隅が (1,1) になります。 |
'inches' | インチ。 |
'centimeters' | センチメートル。 |
'points' | ポイント。1 ポイントは 1/72 インチです。 |
'characters' | これらの単位は、グラフィックス ルート オブジェクトの既定の uicontrol フォントを基にしています。
既定の uicontrol フォントにアクセスするには、 |
MATLAB ではすべての単位を親オブジェクトの左下隅から測定します。
このプロパティは Position
プロパティに影響します。Units
プロパティを変更した場合、この既定値を想定する他の関数に影響を与えないように、計算の完了後に値を既定値に戻すことを検討してください。
Units
プロパティと Position
プロパティを指定する順序は次のように影響します。
Position
プロパティの前にUnits
プロパティを指定する場合、MATLAB は指定した単位を使用してPosition
を設定します。Position
プロパティの後にUnits
プロパティを指定する場合、MATLAB は既定のUnits
を使用して位置を設定します。その後、MATLAB はPosition
の値を、指定した単位における等価の値に変換します。
HorizontalAlignment
— uicontrol テキストの配置
'center'
(既定値) | 'left'
| 'right'
uicontrol テキストの配置。'center'
、'left'
または 'right'
として指定します。このプロパティは、String
プロパティ テキストの行揃えを決定します。
HorizontalAlignment
プロパティは、uicontrol の 'text'
スタイルおよび 'edit'
スタイルにのみ影響します。
コールバック
Callback
— プライマリ コールバック関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
プライマリ コールバック関数。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
この関数は、プッシュ ボタンのクリック、スライダーの移動、チェック ボックスの選択などのユーザーの操作への応答時に実行されます。この関数は、UIControl
オブジェクトの Enable
プロパティが 'on'
に設定されている場合にのみ実行できます。
コールバックのプロパティ値を関数ハンドル、cell 配列または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、コールバック関数の指定を参照してください。
データ型: function_handle
| cell
| char
ButtonDownFcn
— ボタンを押したときのコールバック関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
ボタンを押したときのコールバック関数。次の値の 1 つとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
コールバックのプロパティ値を関数ハンドル、cell 配列または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、コールバック関数の指定を参照してください。
ButtonDownFcn
コールバックは、ユーザーが UI コンポーネント上でマウス ボタンをクリックしたときに実行される関数です。コールバックは次の状況で実行されます。
ユーザーが UI コンポーネントを右クリックし、
Enable
プロパティが'on'
に設定されている。ユーザーが UI コンポーネントを右クリックまたは左クリックし、
Enable
プロパティが'off'
または'inactive'
に設定されている。
KeyPressFcn
— キー プレス コールバック関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
キーを押したときのコールバック関数。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
コールバックのプロパティ値を関数ハンドル、cell 配列または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、コールバック関数の指定を参照してください。
このコールバック関数は、UIControl
オブジェクトにフォーカスがあり、ユーザーがキーを押したときに実行されます。このプロパティに関数を定義しない場合、MATLAB はキー プレスを親 Figure に渡します。キーを繰り返し押すと UIControl
オブジェクトのフォーカスが維持され、キーが押されるたびに関数が実行されます。ユーザーが複数のキーをほぼ同時に押した場合、MATLAB は最後に押されたキーを検出します。
このプロパティを関数ハンドル (または関数ハンドルを含む cell 配列) で指定した場合、MATLAB はコールバック データを含むオブジェクトをコールバック関数の 2 番目の引数として渡します。このオブジェクトには次の表で説明するプロパティが含まれています。コールバック関数内のこれらのプロパティには、ドット表記を使用してアクセスできます。
プロパティ | 説明 | 例: | |||
---|---|---|---|---|---|
a | = | Shift | Shift-a | ||
Character | 1 つまたは複数のキーを押した結果として表示される文字。文字は空の場合や出力できない場合があります。 | 'a' | '=' | '' | 'A' |
Modifier | 押されている 1 つ以上の修飾キー (Ctrl、Alt、Shift など) の名前が格納される cell 配列です。 | {1x0 cell} | {1x0 cell} | {'shift'} | {'shift'} |
Key | 押されているキー。キーに刻印された (小文字の) ラベルまたはテキストの説明によって識別されます。 | 'a' | 'equal' | 'shift' | 'a' |
Source | ユーザーがキーを押したときのフォーカスのあるオブジェクトです。 | UIControl オブジェクト | UIControl オブジェクト | UIControl オブジェクト | UIControl オブジェクト |
EventName | コールバック関数を実行する原因となったアクションです。 | 'KeyPress' | 'KeyPress' | 'KeyPress' | 'KeyPress' |
修飾キーを押すと、次のようにコールバック データに影響します。
修飾キーは
Character
プロパティに影響を与える可能性がありますが、Key
プロパティを変更することはありません。一部のキーと、Ctrl で修飾されたキーは、
Character
プロパティに出力不能文字を格納します。Ctrl、Alt、Shift および他のいくつかのキーは、
Character
プロパティ データを生成しません。
ユーザーがどの文字を押したかを判断するために、Figure の CurrentCharacter
プロパティをクエリすることもできます。
KeyReleaseFcn
— キーを離したときのコールバック関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
キーを離したときのコールバック関数。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
コールバックのプロパティ値を関数ハンドル、cell 配列または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、コールバック関数の指定を参照してください。
このコールバック関数は、UIControl
オブジェクトにフォーカスがあり、ユーザーがキーを離したときに実行されます。
このプロパティを関数ハンドル (または関数ハンドルを含む cell 配列) で指定した場合、MATLAB はコールバック データを含むオブジェクトをコールバック関数の 2 番目の引数として渡します。このオブジェクトには次の表で説明するプロパティが含まれています。コールバック関数内のこれらのプロパティには、ドット表記を使用してアクセスできます。
プロパティ | 説明 | 例: | |||
---|---|---|---|---|---|
a | = | Shift | Shift-a | ||
Character | 離されたキーの文字解釈。 | 'a' | '=' | '' | 'A' |
Modifier |
| {1x0 cell} | {1x0 cell} | {1x0 cell} | {1x0 cell} |
Key | 離されたキーの名前。キーに刻印された小文字のラベルまたはテキストの説明によって識別されます。 | 'a' | 'equal' | 'shift' | 'a' |
Source | ユーザーがキーを押したときのフォーカスのあるオブジェクトです。 | UIControl オブジェクト | UIControl オブジェクト | UIControl オブジェクト | UIControl オブジェクト |
EventName | コールバック関数を実行する原因となったアクションです。 | 'ase' | 'ase' | 'ase' | 'ase' |
修飾キーを押すと、次のようにコールバック データに影響します。
修飾キーは
Character
プロパティに影響を与える可能性がありますが、Key
プロパティを変更することはありません。一部のキーと、Ctrl で修飾されたキーは、
Character
プロパティに出力不能文字を格納します。Ctrl、Alt、Shift および他のいくつかのキーは、
Character
プロパティ データを生成しません。
ユーザーがどの文字を押したかを判断するために、Figure の CurrentCharacter
プロパティをクエリすることもできます。
CreateFcn
— コンポーネント作成関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
コンポーネント作成関数。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
コールバックのプロパティ値を関数ハンドル、cell 配列または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、コールバック関数の指定を参照してください。
このプロパティは、MATLAB がコンポーネントを作成するときに実行されるコールバック関数を指定します。MATLAB は CreateFcn
コールバックを実行する前に、コンポーネントのすべてのプロパティ値を初期化します。CreateFcn
プロパティを指定しない場合、MATLAB は既定の作成関数を実行します。
作成中のコンポーネント オブジェクトを取得するには、CreateFcn
コード内で関数 gcbo
を使用します。
既存のコンポーネント オブジェクトに CreateFcn
プロパティを設定しても効果はありません。
DeleteFcn
— コンポーネント削除関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
コンポーネント削除関数。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
コールバックのプロパティ値を関数ハンドル、cell 配列または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、コールバック関数の指定を参照してください。
DeleteFcn
プロパティは、MATLAB がコンポーネントを削除するときに実行されるコールバック関数を指定します (ユーザーがウィンドウを閉じるときなど)。MATLAB はコンポーネント オブジェクトのプロパティを破棄する前に DeleteFcn
コールバックを実行します。DeleteFcn
プロパティを指定しない場合、MATLAB は既定の削除関数を実行します。
削除中のコンポーネント オブジェクトを取得するには、DeleteFcn
コード内で関数 gcbo
を使用します。
コールバック実行制御
Interruptible
— コールバックの割り込み
'on'
(既定値) | on/off logical 値
コールバックの割り込み。'on'
または 'off'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
Interruptible
プロパティは実行中のコールバックが割り込み可能かどうかを決定します。次の 2 つのコールバックの状態について考慮する必要があります。
"実行中" コールバックは、現在実行しているコールバックです。
"割り込み" コールバックは、実行中のコールバックに割り込もうとするコールバックです。
MATLAB がコールバックを呼び出すたびに、そのコールバックは実行中のコールバック (がある場合) に割り込もうとします。実行中のコールバックを所有するオブジェクトの Interruptible
プロパティが、割り込み可能かどうかを決定します。
値が
'on'
の場合、他のコールバックがオブジェクトのコールバックに割り込むことができます。drawnow
、figure
、getframe
、waitfor
、pause
などの、MATLAB が次にキューを処理するポイントで割り込みが発生します。実行中のコールバックにこれらいずれかのコマンドが含まれている場合、MATLAB はその場所でコールバックの実行を停止し、割り込みコールバックを実行します。割り込みコールバックが完了したときに MATLAB は実行中だったコールバックの実行を再開します。
実行中のコールバックにこれらのコマンドが含まれていない場合、MATLAB はそのコールバックの実行を中断せずに終了させます。
値が
'off'
の場合、割り込みの試行はすべてブロックされます。割り込みコールバックを所有するオブジェクトのBusyAction
プロパティが、その割り込みコールバックを破棄するかキューに入れるかを決定します。
メモ
コールバックの割り込みと実行は、以下の状況では動作が異なります。
割り込みコールバックが
DeleteFcn
、CloseRequestFcn
またはSizeChangedFcn
コールバックの場合、Interruptible
プロパティの値にかかわらず割り込みが発生します。実行中のコールバックが関数
waitfor
を現在実行している場合、Interruptible
プロパティの値にかかわらず割り込みが発生します。Timer
オブジェクトは、Interruptible
プロパティ値にかかわらず、スケジュールに従って実行されます。MATLAB は、割り込みが発生したときにプロパティの状態や表示を保存しません。たとえば、
gca
コマンドやgcf
コマンドから返されたオブジェクトは、別のコールバックを実行するときに変更されている可能性があります。
Interruptible
プロパティおよび BusyAction
プロパティがプログラムの動作に及ぼす影響を示す例は、コールバック実行への割り込みを参照してください。
BusyAction
— コールバック キューイング
'queue'
(既定値) | 'cancel'
コールバック キューイング。'queue'
(既定値) または 'cancel'
として指定します。BusyAction
プロパティは MATLAB による割り込みコールバックの実行の処理方法を決定します。次の 2 つのコールバックの状態について考慮する必要があります。
"実行中" コールバックは、現在実行しているコールバックです。
"割り込み" コールバックは、実行中のコールバックに割り込もうとするコールバックです。
割り込みコールバックの割り込み元の BusyAction
プロパティは、MATLAB が割り込みコールバックの実行を処理する方法を決定します。BusyAction
プロパティは次の値をとります。
'queue'
— 割り込みコールバックをキューに入れ、実行中のコールバックが終了した後に処理されるようにします。'cancel'
— 割り込みコールバックを実行しません。
MATLAB がコールバックを呼び出すたびに、そのコールバックは実行中のコールバックに割り込もうとします。コールバックを実行中のオブジェクトの Interruptible
プロパティが、割り込み可能かどうかを決定します。Interruptible
は次のように設定します。
on
— MATLAB が次にキューを処理するポイントで割り込みが発生します。これは既定値です。off
— 割り込みコールバックを所有するオブジェクトのBusyAction
プロパティによって、MATLAB が割り込みコールバックをキューに追加するか無視するかを決定します。
BusyAction
プロパティおよび Interruptible
プロパティがプログラムの動作に及ぼす影響を示す例は、コールバック実行への割り込みを参照してください。
BeingDeleted
— 削除状態
on/off logical 値
この プロパティ は読み取り専用です。
削除状態。matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として返されます。
MATLAB は、DeleteFcn
コールバックが実行を開始すると、BeingDeleted
プロパティを 'on'
に設定します。コンポーネント オブジェクトが存在しなくなるまで BeingDeleted
プロパティは 'on'
に設定されたままです。
クエリや変更の前にオブジェクトが削除されようとしていないか確認するために BeingDeleted
プロパティの値をチェックします。
HitTest
— 現在のオブジェクトになる能力
'on'
(既定値) | on/off logical 値
現在のオブジェクトになる能力。'on'
または 'off'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
'on'
— ユーザーが実行中のアプリでコンポーネントをクリックしたときに、現在のオブジェクトをUIControl
に設定します。関数Figure
および関数gco
の両方のCurrentObject
プロパティは、現在のオブジェクトとしてUIControl
を返します。'off'
— ユーザーが実行中のアプリでコンポーネントをクリックしたときに、現在のオブジェクトを、HitTest
が'on'
になるUIControl
の最も近い先祖に設定します。
親/子
Parent
— 親オブジェクト
Figure
| Panel
| ButtonGroup
| Tab
親オブジェクト。Figure
、Panel
、ButtonGroup
または Tab
オブジェクトとして指定します。UI コンポーネントの作成時に親コンテナーを指定する場合、または既存の UI コンポーネントを別の親コンテナーに移動する場合にこのプロパティを使用します。
Children
— UIControl
の子
空の配列
UIControl
の子。空の配列として返されます。UIControl
オブジェクトは子をもちません。このプロパティを設定しても効果はありません。
HandleVisibility
— UIControl
ハンドルの可視性
'on'
(既定値) | 'callback'
| 'off'
UIControl
ハンドルの可視性。'on'
、'callback'
または 'off'
として指定します。
このプロパティは、オブジェクトの親がもつ子のリストにおける UIControl
ハンドルの可視性を制御します。ハンドルがその親オブジェクトのリストで、子として可視できないとき、オブジェクトの階層を検索したり、ハンドルのプロパティをクエリしてハンドルを取得する関数は、ハンドルを返しません。このような関数には get
、findobj
、gca
、gcf
、gco
、newplot
、cla
、clf
および close
があります。HandleVisibility
プロパティはまた、親 Figure の CurrentObject
プロパティでオブジェクトのハンドルの可視性も制御します。ハンドルは非表示の場合も有効なままです。オブジェクト ハンドルがわかっている場合は、そのプロパティを関数 set で設定または関数 get で取得して、ハンドルに作用する関数に渡すことができます。
HandleVisibility の値 | 説明 |
---|---|
'on' | UIControl ハンドルは常に表示されます。 |
'callback' | UIControl ハンドルはコールバック内から、あるいはコールバックにより呼び出される関数から参照できます。しかし、コマンド ラインから呼び出される関数からは参照できません。このオプションを使用すると、コマンド ラインからの UIControl へのアクセスがブロックされますが、コールバック関数からのアクセスは許可されます。 |
'off' | UIControl ハンドルは常に非表示です。このオプションは、他の関数による UI の意図しない変更を防止するために役立ちます。HandleVisibility を 'off' に設定すると、その関数の実行中にハンドルが一時的に非表示になります。 |
グラフィックス ルートの ShowHiddenHandles
プロパティを 'on'
に設定すると、HandleVisibility
の値にかかわらず、すべてのハンドルを可視にできます。この設定は、HandleVisibility
値には影響しません。
メモ
ボタン グループ外で uibuttongroup
によって管理されるラジオ ボタンとトグル ボタンへのアクセスは試行しないでください。偶発的なアクセスを防ぐには、これらのラジオ ボタンとトグル ボタンの HandleVisibility
を 'off'
に設定します。
識別子
Type
— グラフィックス オブジェクトのタイプ
'uicontrol'
この プロパティ は読み取り専用です。
グラフィックス オブジェクトのタイプ。'uicontrol'
として返されます。
Tag
— オブジェクト識別子
''
(既定値) | 文字ベクトル | string スカラー
オブジェクト識別子。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。オブジェクトの識別子として機能する一意の Tag
値を指定できます。コードの他の部分からオブジェクトにアクセスする必要がある場合、関数 findobj
を使用して Tag
値に基づいてオブジェクトを検索できます。
UserData
— ユーザー データ
[]
(既定値) | 配列
ユーザー データ。任意の配列として指定します。UserData
を指定すると、アプリ内でデータを共有するのに役立ちます。詳細については、コールバック間のデータ共有を参照してください。
バージョン履歴
R2006a より前に導入R2020a: UIContextMenu
プロパティは非推奨
R2020a 以降、コンテキスト メニューをグラフィックス オブジェクトまたは UI コンポーネントに割り当てる UIContextMenu
プロパティの使用は推奨されなくなりました。代わりに、ContextMenu
プロパティを使用してください。プロパティ値は同じです。
現在のところ、UIContextMenu
プロパティのサポートを削除する予定はありません。ただし、UIContextMenu
プロパティは、グラフィカル オブジェクトまたは UI コンポーネントで関数 get
を呼び出して返されるリストに表示されなくなります。
MATLAB コマンド
次の MATLAB コマンドに対応するリンクがクリックされました。
コマンドを MATLAB コマンド ウィンドウに入力して実行してください。Web ブラウザーは MATLAB コマンドをサポートしていません。
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