Tab のプロパティ
タブの外観と動作の制御
タブは、UI コンポーネントをタブ付きラベルによってグループ化するためのコンテナーです。タブ グループ内にタブを作成するには、関数 uitab
を使用します。Tab
オブジェクトのプロパティ値を変更することによって、外観および動作の特定の要素を変更できます。ドット表記を使用して、特定のオブジェクトとプロパティを参照します。
fig = uifigure; tg = uitabgroup(fig); t = uitab(tg); t.Title = 'Data';
Tab
オブジェクトの一部のプロパティおよびプロパティ値は、タブが関数 uifigure
と関数 figure
のどちらを使用して作成された Figure の子かによって異なります。関数 uifigure
は、新しいアプリの作成時に使用が推奨される関数であり、App Designer アプリで使用される関数です。詳細については、アプリの作成方法を参照してください。
タイトルと色
Title
— タイトル
文字ベクトル | string スカラー | categorical 配列
タイトル。文字ベクトル、string スカラー、または categorical 配列として指定します。このプロパティを categorical 配列として指定した場合、MATLAB® は配列の最初の要素のみを表示します。
MATLAB では垂直スラッシュ ('|'
) 文字は改行として解釈されず、タイトル内に垂直スラッシュとして表示されます。
Unicode® 文字を指定する場合、Unicode 10 進コードを関数 char
に渡します。たとえば、['Multiples of ' char(960)]
は Multiples of
π として表示されます。
ForegroundColor
— タイトルの色
[0 0 0]
(既定値) | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 'r'
| 'g'
| 'b'
| ...
タイトルの色。RGB 3 成分、16 進数カラー コード、または表にリストされた色オプションのいずれかとして指定します。
RGB 3 成分および 16 進数カラー コードは、カスタム色を指定するのに役立ちます。
RGB 3 成分は、色の赤、緑、青成分の強度を指定する 3 成分の行ベクトルです。強度値は
[0,1]
の範囲でなければなりません。たとえば[0.4 0.6 0.7]
のようになります。16 進数カラー コードは、ハッシュ記号 (
#
) で始まり、3 桁または 6 桁の0
からF
までの範囲の 16 進数が続く文字ベクトルまたは string スカラーです。この値は大文字と小文字を区別しません。したがって、カラー コード"#FF8800"
、"#ff8800"
、"#F80"
、および"#f80"
は等価です。
あるいは、名前を使用して一部の一般的な色を指定できます。次の表に、名前の付いた色オプション、等価の RGB 3 成分、および 16 進数カラー コードを示します。
色名 | 省略名 | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|---|---|
"red" | "r" | [1 0 0] | "#FF0000" | |
"green" | "g" | [0 1 0] | "#00FF00" | |
"blue" | "b" | [0 0 1] | "#0000FF" | |
"cyan" | "c" | [0 1 1] | "#00FFFF" | |
"magenta" | "m" | [1 0 1] | "#FF00FF" | |
"yellow" | "y" | [1 1 0] | "#FFFF00" | |
"black" | "k" | [0 0 0] | "#000000" | |
"white" | "w" | [1 1 1] | "#FFFFFF" |
MATLAB の多くのタイプのプロットで使用されている既定の色の RGB 3 成分および 16 進数カラー コードを次に示します。
RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|
[0 0.4470 0.7410] | "#0072BD" | |
[0.8500 0.3250 0.0980] | "#D95319" | |
[0.9290 0.6940 0.1250] | "#EDB120" | |
[0.4940 0.1840 0.5560] | "#7E2F8E" | |
[0.4660 0.6740 0.1880] | "#77AC30" | |
[0.3010 0.7450 0.9330] | "#4DBEEE" | |
[0.6350 0.0780 0.1840] | "#A2142F" |
BackgroundColor
— 背景色
[0.94 0.94 0.94]
(既定値) | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 'r'
| 'g'
| 'b'
| ...
背景色。RGB 3 成分、16 進数カラー コード、または表にリストされた色オプションのいずれかとして指定します。
RGB 3 成分および 16 進数カラー コードは、カスタム色を指定するのに役立ちます。
RGB 3 成分は、色の赤、緑、青成分の強度を指定する 3 成分の行ベクトルです。強度値は
[0,1]
の範囲でなければなりません。たとえば[0.4 0.6 0.7]
のようになります。16 進数カラー コードは、ハッシュ記号 (
#
) で始まり、3 桁または 6 桁の0
からF
までの範囲の 16 進数が続く文字ベクトルまたは string スカラーです。この値は大文字と小文字を区別しません。したがって、カラー コード"#FF8800"
、"#ff8800"
、"#F80"
、および"#f80"
は等価です。
あるいは、名前を使用して一部の一般的な色を指定できます。次の表に、名前の付いた色オプション、等価の RGB 3 成分、および 16 進数カラー コードを示します。
色名 | 省略名 | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|---|---|
"red" | "r" | [1 0 0] | "#FF0000" | |
"green" | "g" | [0 1 0] | "#00FF00" | |
"blue" | "b" | [0 0 1] | "#0000FF" | |
"cyan" | "c" | [0 1 1] | "#00FFFF" | |
"magenta" | "m" | [1 0 1] | "#FF00FF" | |
"yellow" | "y" | [1 1 0] | "#FFFF00" | |
"black" | "k" | [0 0 0] | "#000000" | |
"white" | "w" | [1 1 1] | "#FFFFFF" |
MATLAB の多くのタイプのプロットで使用されている既定の色の RGB 3 成分および 16 進数カラー コードを次に示します。
RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|
[0 0.4470 0.7410] | "#0072BD" | |
[0.8500 0.3250 0.0980] | "#D95319" | |
[0.9290 0.6940 0.1250] | "#EDB120" | |
[0.4940 0.1840 0.5560] | "#7E2F8E" | |
[0.4660 0.6740 0.1880] | "#77AC30" | |
[0.3010 0.7450 0.9330] | "#4DBEEE" | |
[0.6350 0.0780 0.1840] | "#A2142F" |
対話機能
Tooltip
— ツールヒント
''
(既定値) | 文字ベクトル | string スカラー | 文字ベクトルの cell 配列 | string 配列 | 1 次元の categorical 配列
ツールヒント。文字ベクトル、string スカラー、文字ベクトルの cell 配列、string 配列、または 1 次元の categorical 配列として指定します。このプロパティを使用して、実行時にユーザーがポインターをコンポーネントに合わせるとメッセージが表示されるようにします。複数行のテキストを表示するには、文字ベクトルの cell 配列または string 配列を指定します。配列の各要素は、テキストの各行になります。このプロパティを categorical 配列として指定した場合、MATLAB はカテゴリの完全なセットではなく、配列内の値を使用します。
ContextMenu
— コンテキスト メニュー
空の GraphicsPlaceholder
配列 (既定値) | ContextMenu
オブジェクト
コンテキスト メニュー。関数 uicontextmenu
を使用して作成された ContextMenu
オブジェクトとして指定します。このプロパティは、コンポーネントを右クリックしたときにコンテキスト メニューを表示するために使用します。
位置
Position
— タブの位置とサイズ
[left bottom width height]
この プロパティ は読み取り専用です。
タブの位置とサイズ。[left bottom width height]
の形式の 4 要素ベクトルとして返されます。次の表で、ベクトルの各要素について説明します。
要素 | 説明 |
---|---|
left | タブ グループの内側左端からタブの内側左端までの距離です。 |
bottom | タブ グループの内側下端からタブの内側下端までの距離です。 |
width | タブの内側の左右の端の間の距離です。 |
height | タブの内側の上下の端の間の距離です。 |
すべての測定値は、Units
プロパティで指定した単位で表されます。
メモ
Position
プロパティを使用するときに検討しなければならない重要な点がいくつかあります。
Position
の値は、タブ タイトルの長さと親TabGroup
オブジェクトのTabLocation
プロパティによって影響されます。Position
の値の基準は、親TabGroup
の "描画可能領域"、つまり境界内の領域です。タブがグリッド レイアウト マネージャー内にある場合、
Position
プロパティの値は直ちには更新されません。Position
の値を使用して、タブのサイズを基準にタブの子のサイズを変更するには、SizeChangedFcn
コールバックを使用します。
InnerPosition
— タブの位置とサイズ
[left bottom width height]
この プロパティ は読み取り専用です。
タブの位置とサイズ。[left bottom width height]
の形式の 4 要素ベクトルとして返されます。すべての測定値は、Units
プロパティで指定した単位で表されます。
このプロパティ値は、Position
プロパティ値および OuterPosition
プロパティ値と同一です。
OuterPosition
— タブの位置とサイズ
[left bottom width height]
この プロパティ は読み取り専用です。
タブの位置とサイズ。[left bottom width height]
の形式の 4 要素ベクトルとして返されます。すべての測定値は、Units
プロパティで指定した単位で表されます。
このプロパティ値は、Position
プロパティ値および InnerPosition
プロパティ値と同一です。
Units
— 測定の単位
'pixels'
| 'normalized'
| 'inches'
| 'centimeters'
| 'points'
| 'characters'
測定の単位。次の表のいずれかの値として指定します。
単位の値 | 説明 |
---|---|
'pixels' (uifigure ベースのアプリの既定) | Windows® および Macintosh システムでのピクセル単位の距離は、システムの解像度に依存しません。
Linux® システムでは、ピクセルのサイズは使用しているシステムの解像度によって決まります。 |
'normalized' (figure ベースのアプリの既定) | これらの単位は親コンテナーを基準として正規化されます。コンテナーの左下隅が |
'inches' | インチ。 |
'centimeters' | センチメートル。 |
'points' | ポイント。1 ポイントは 1/72 インチです。 |
'characters' | これらの単位は、グラフィックス ルート オブジェクトの既定の uicontrol フォントを基にしています。
既定の uicontrol フォントにアクセスするには、 |
MATLAB のほとんどのアプリ作成機能では距離をピクセル単位で測定するため、推奨値は 'pixels'
です。親コンテナーのサイズに基づいて再スケーリングされるオブジェクトを作成するには、関数 uigridlayout
を使用して作成されたグリッド レイアウト マネージャーをオブジェクトの親にします。詳細については、プログラミングによるアプリのレイアウトを参照してください。
コールバック
SizeChangedFcn
— サイズ変更のコールバック
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
サイズ変更のコールバック。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
このコールバック関数を定義して、このコンテナーのサイズが変更されたときに (ユーザーがウィンドウのサイズを変更した場合など)、アプリのレイアウトをカスタマイズします。
メモ
uifigure
ベースのアプリでは、SizeChangedFcn
コールバックは、このコンテナーの AutoResizeChildren
プロパティが 'off'
に設定されていない限り実行されません。App Designer で、[UI Figure プロパティ] パネルの [AutoResizeChildren] チェック ボックスをオフにすることで SizeChangedFcn
実行可能ファイルを作成できます。
SizeChangedFcn
コールバックは、親タブ グループ コンテナーで以下の処理が行われた場合に実行されます。
はじめて表示される。
サイズ変更中に表示される。
サイズ変更後にはじめて表示される。この状況は、コンテナーが非表示の間にサイズが変更され、その後表示される場合に発生します。
SizeChangedFcn
コールバックを定義するときに検討しなければならないその他の重要な点は、次のとおりです。
SizeChangedFcn
が使用する変数がすべて定義されるまで、このコンテナーの表示を遅延させることを検討します。これにより、SizeChangedFcn
コールバックがエラーを返すのを防ぐことができます。この遅延を実現するには、Visible
プロパティを'off'
に設定して、親タブ グループ コンテナーの表示を遅延させます。SizeChangedFcn
コールバックが使用する変数を定義した後で、Visible
プロパティを'on'
に設定します。入れ子にされたコンテナーがアプリに含まれる場合、コンテナーのサイズは内側から順に変更されます。
サイズを変更しているコンテナーに
SizeChangedFcn
内からアクセスするには、ソース オブジェクト (コールバック内の最初の入力引数) を参照します。
uifigure
ベースのアプリでは、サイズ変更動作を指定する別の方法は、GridLayout
オブジェクトを作成するか、App Designer で自動リフロー オプションを使用することです。これらのオプションは SizeChangedFcn
コールバックより使いやすくなっています。ただし、SizeChangedFcn
コールバックにはこれらのオプションに勝る利点があります。以下に例を示します。
定義する最小サイズまでまたは最大サイズまでの、コンポーネントのサイズ変更。
非線形のサイズ変更動作の実装。
ButtonDownFcn
— ボタンを押したときのコールバック関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
ボタンを押したときのコールバック関数。次の値の 1 つとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
コールバックのプロパティ値を関数ハンドル、cell 配列または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、コールバック関数の指定を参照してください。
ButtonDownFcn
コールバックは、ユーザーがコンテナー内でマウス ボタンをクリックしたときに実行される関数です。
CreateFcn
— 作成関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
オブジェクト作成関数。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
コールバックを関数ハンドル、cell 配列、または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、App Designer のコールバックを参照してください。
このプロパティは、MATLAB がオブジェクトを作成するときに実行されるコールバック関数を指定します。MATLAB は CreateFcn
コールバックを実行する前に、すべてのプロパティ値を初期化します。CreateFcn
プロパティを指定しない場合、MATLAB は既定の作成関数を実行します。
既存のコンポーネントに CreateFcn
プロパティを設定しても効果はありません。
このプロパティを関数ハンドルまたは cell 配列として指定した場合、コールバック関数の最初の引数を使用して、作成中のオブジェクトにアクセスできます。それ以外の場合は、関数 gcbo
を使用してオブジェクトにアクセスします。
DeleteFcn
— 削除関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
オブジェクト削除関数。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
コールバックを関数ハンドル、cell 配列、または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、App Designer のコールバックを参照してください。
このプロパティは、MATLAB がオブジェクトを削除するときに実行されるコールバック関数を指定します。MATLAB は、オブジェクトのプロパティを破棄する前に DeleteFcn
コールバックを実行します。DeleteFcn
プロパティを指定しない場合、MATLAB は既定の削除関数を実行します。
このプロパティを関数ハンドルまたは cell 配列として指定した場合、コールバック関数の最初の引数を使用して、削除されるオブジェクトにアクセスできます。それ以外の場合は、関数 gcbo
を使用してオブジェクトにアクセスします。
コールバック実行制御
Interruptible
— コールバックの割り込み
'on'
(既定値) | on/off logical 値
コールバックの割り込み。'on'
または 'off'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
このプロパティは実行中のコールバックが割り込み可能かどうかを決定します。次の 2 つのコールバックの状態について考慮する必要があります。
"実行中" コールバックは、現在実行しているコールバックです。
"割り込み" コールバックは、実行中のコールバックに割り込もうとするコールバックです。
MATLAB は、コールバック キューを処理するコマンドを実行するたびにコールバックの割り込み動作を判別します。これらのコマンドには、drawnow
、figure
、uifigure
、getframe
、waitfor
、pause
があります。
実行中コールバックにこれらのコマンドが含まれていない場合、割り込みは発生しません。MATLAB は、実行中コールバックの実行を先に終了させ、その後に割り込みコールバックを実行します。
実行中コールバックにこれらのいずれかのコマンドが含まれている場合、実行中コールバックを所有するオブジェクトの Interruptible
プロパティに応じて割り込みが発生するかどうかが決まります。
Interruptible
の値が'off'
の場合、割り込みは発生しません。代わりに、割り込みコールバックを所有するオブジェクトのBusyAction
プロパティに応じて、割り込みコールバックが破棄されるかコールバック キューに追加されるかが決まります。Interruptible
の値が'on'
の場合、割り込みが発生します。MATLAB は、コールバック キューの次回処理時に、実行中コールバックの実行を停止し、割り込みコールバックを実行します。割り込みコールバックが完了した後、MATLAB は実行中だったコールバックの実行を再開します。
メモ
コールバックの割り込みと実行は、以下の状況では動作が異なります。
割り込みコールバックが
DeleteFcn
、CloseRequestFcn
またはSizeChangedFcn
コールバックの場合、Interruptible
プロパティの値にかかわらず割り込みが発生します。実行中のコールバックが関数
waitfor
を現在実行している場合、Interruptible
プロパティの値にかかわらず割り込みが発生します。割り込みコールバックが
Timer
オブジェクトで所有されている場合、Interruptible
プロパティの値にかかわらずスケジュールに従ってコールバックが実行されます。
BusyAction
— コールバック キューイング
'queue'
(既定値) | 'cancel'
コールバック キューイング。'queue'
または 'cancel'
として指定します。BusyAction
プロパティは MATLAB による割り込みコールバックの実行の処理方法を決定します。次の 2 つのコールバックの状態について考慮する必要があります。
"実行中" コールバックは、現在実行しているコールバックです。
"割り込み" コールバックは、実行中のコールバックに割り込もうとするコールバックです。
BusyAction
プロパティによってコールバック キューイングの動作が決まるのは、次の両方の条件を満たす場合のみです。
これらの条件に当てはまる場合、割り込みコールバックを所有するオブジェクトの BusyAction
プロパティに応じて MATLAB による割り込みコールバックの処理方法が決まります。BusyAction
プロパティは次の値を取ることができます。
'queue'
— 割り込みコールバックをキューに入れ、実行中のコールバックが終了した後に処理されるようにします。'cancel'
— 割り込みコールバックを実行しません。
BeingDeleted
— 削除状態
on/off logical 値
この プロパティ は読み取り専用です。
削除状態。matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として返されます。
MATLAB は、DeleteFcn
コールバックが実行を開始すると、BeingDeleted
プロパティを 'on'
に設定します。コンポーネント オブジェクトが存在しなくなるまで BeingDeleted
プロパティは 'on'
に設定されたままです。
クエリや変更の前にオブジェクトが削除されようとしていないか確認するために BeingDeleted
プロパティの値をチェックします。
親/子
Parent
— 親オブジェクト
TabGroup
オブジェクト
親オブジェクト。TabGroup
オブジェクトとして指定します。TabGroup
は、関数 uifigure
を使用して作成した Figure
の子でなければなりません。
Children
— タブの子
空の GraphicsPlaceholder
配列 (既定値) | コンポーネント オブジェクトの 1 次元配列
タブの子。空の GraphicsPlaceholder
またはアプリ コンポーネント オブジェクトの 1 次元配列として返されます。
タブの Children
プロパティを使用して子の追加や削除を行うことはできません。このプロパティは、子のリストの参照や子の並べ替えに使用します。この配列内の子の順序は、画面に表示されるタブの順序を反映しています。
このリストに子を追加するには、子コンポーネントの Parent
プロパティをこの Tab
オブジェクトに設定します。
HandleVisibility
— オブジェクト ハンドルの可視性
'on'
(既定値) | 'callback'
| 'off'
オブジェクト ハンドルの可視性。'on'
、'callback'
または 'off'
として指定します。
このプロパティは、オブジェクトの親がもつ子のリストにおけるそのオブジェクトの可視性を制御します。オブジェクトがその親オブジェクトのリストで、子として可視できない場合、オブジェクト階層の検索またはプロパティのクエリによってオブジェクトを取得する関数は、そのオブジェクトを返しません。これらの関数には、get
、findobj
、clf
および close
が含まれます。オブジェクトは参照できない場合も有効です。オブジェクトにアクセスできる場合は、そのプロパティを設定および取得して、それをオブジェクトに作用する任意の関数に渡すことができます。
HandleVisibility の値 | 説明 |
---|---|
'on' | オブジェクトは常に参照できます。 |
'callback' | オブジェクトはコールバック内から、あるいはコールバックにより呼び出される関数から参照できます。しかし、コマンド ラインから呼び出される関数からは参照できません。このオプションを使用すると、コマンド ラインからのオブジェクトへのアクセスがブロックされますが、コールバック関数からのアクセスは許可されます。 |
'off' | オブジェクトは常に参照できません。このオプションは、他の関数による UI の意図しない変更を防止するために役立ちます。HandleVisibility を 'off' に設定すると、その関数の実行中にオブジェクトが一時的に非表示になります。 |
識別子
Type
— グラフィックス オブジェクトのタイプ
'uitab'
この プロパティ は読み取り専用です。
グラフィックス オブジェクトのタイプ。'uitab'
として返されます。
Tag
— オブジェクト識別子
''
(既定値) | 文字ベクトル | string スカラー
オブジェクト識別子。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。オブジェクトの識別子として機能する一意の Tag
値を指定できます。コードの他の部分からオブジェクトにアクセスする必要がある場合、関数 findobj
を使用して Tag
値に基づいてオブジェクトを検索できます。
UserData
— ユーザー データ
[]
(既定値) | 配列
ユーザー データ。任意の MATLAB 配列として指定します。たとえば、スカラー、ベクトル、行列、cell 配列、文字配列、table、または構造体を指定できます。このプロパティを使用して、任意のデータをオブジェクトに保存します。
App Designer を使用している場合は、UserData
プロパティを使用する代わりに、アプリでパブリック プロパティまたはプライベート プロパティを作成してデータを共有します。詳細については、App Designer アプリ内でのデータの共有を参照してください。
uifigure
ベースのアプリのみ
AutoResizeChildren
— 子のサイズの自動変更
'on'
(既定値) | on/off logical 値
メモ
このプロパティは、App Designer 内および関数 uifigure
を使用して作成されたアプリ内のタブでのみ有効です。
子のサイズの自動変更。'on'
または 'off'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
'on'
— コンテナーのサイズが変更されると、子コンポーネントのサイズが自動的に変更されます。'off'
— 子コンポーネントのサイズは変更されません。
AutoResizeChildren
プロパティはコンテナーの直接の子に影響します。入れ子にされたコンテナー内の子には影響しません。
サイズ変更の動作をカスタマイズするには、AutoResizeChildren
プロパティを 'off'
に設定して、コンテナーの SizeChangedFcn
コールバックを作成します。詳細については、プログラムによるアプリのサイズ変更動作の管理を参照してください。
アプリのサイズ変更を無効にするには、Figure の Resize
プロパティを 'off'
に設定します。
Scrollable
— スクロール機能
'off'
(既定値) | on/off logical 値
メモ
このプロパティは、App Designer 内および関数 uifigure
を使用して作成されたアプリ内のタブでのみ有効です。
スクロール機能。'off'
または 'on'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
このプロパティを 'on'
に設定すると、コンテナー内でのスクロールが有効になります。ただし、以下の追加要件があります。
コンテナー内の子コンポーネントは、コンテナーが一度に表示できるよりも大きい領域を占めていなければならない。
コンテナーに収まらないコンポーネントは、コンテナーより上または右になければならない。コンテナーより下または左にあるコンポーネントにスクロールすることはできません。
コンテナーにグリッド レイアウト マネージャーが含まれている場合、コンテナーの
Scrollable
プロパティには何の効果もありません。スクロールを有効にするには、代わりにGridLayout
オブジェクトのScrollable
プロパティを'on'
に設定します。
特定のタイプのチャートと座標軸では、スクロール可能なコンテナーはサポートされていません。ただし、チャートや座標軸をスクロール不可能なパネル内に配置してから、そのパネルをスクロール可能なコンテナーに配置することはできます。詳細については、App Designer でのグラフィックスの表示を参照してください。
バージョン履歴
R2014b で導入R2022b: uifigure
ベースのアプリで Position
、InnerPosition
、および OuterPosition
の各プロパティから境界とタイトルを除くタブ グループ領域に基づく位置が返される
App Designer で作成されたアプリ、および関数 uifigure
を使用して作成されたアプリでは、タブ グループの InnerPosition
プロパティをクエリしたときに、そのプロパティから以前のリリースとは異なる値が返されます。さらに、TabLocation
が 'left'
または 'bottom'
の場合にタブ グループのタブの Position
、InnerPosition
、および OuterPosition
の各プロパティをクエリすると、それらのプロパティから以前のリリースとは異なる値が返されることがあります。
次の表で、R2022b とそれ以前のリリースにおけるプロパティの値の違いについて説明します。
プロパティ | R2022b 以降 | R2022a 以前 | ||
---|---|---|---|---|
説明 | イメージ | 説明 | イメージ | |
タブ グループの InnerPosition | タブ グループのサイズと位置を表す [left bottom width height] の形式の 4 要素ベクトルは、その親の描画可能領域を基準とし、それに含まれるタブの境界とタイトルを "除いた" ものになります。 | タブ グループの | タブ グループのサイズと位置を表す [left bottom width height] の形式の 4 要素ベクトルは、その親の描画可能領域を基準とし、それに含まれるタブの境界とタイトルを "含めた" ものになります。 | タブ グループの |
タブの Position 、InnerPosition 、および OuterPosition | タブのサイズと位置を表す [left bottom width height] の形式の 4 要素ベクトルは、タブ グループの描画可能領域を基準とし、タブ グループの描画可能領域から境界とタイトルを "除いた" ものになります。 | タブ グループの描画可能領域 (青の実線) を基準とするタブの | タブのサイズと位置を表す [left bottom width height] の形式の 4 要素ベクトルは、タブ グループの描画可能領域を基準とし、タブ グループの描画可能領域に境界とタイトルを "含めた" ものになります。 | タブ グループの描画可能領域 (青の実線) を基準とするタブの |
アプリのレイアウトが変わった場合は、次の方法でコードを更新することを検討してください。
タブ グループの
InnerPosition
— タブ グループのInnerPosition
プロパティへの参照をタブ グループのPosition
プロパティに置き換えて、境界とタブのタイトルを含むタブ グループのサイズと位置を使用します。タブの
Position
、InnerPosition
、およびOuterPosition
— 位置ベクトルの最初の 2 つの要素への参照を置き換えて、タブのタイトルが占める左または下の領域を代わりに使用します。たとえば、アプリにTabLocation
の値が'left'
のタブ グループがあり、そのタブ グループのタブのPosition
プロパティを参照している場合、その参照をタブ グループの境界とタブの描画可能領域の間の水平距離に置き換えます。
R2020a: UIContextMenu
プロパティは非推奨
R2020a 以降、コンテキスト メニューをグラフィックス オブジェクトまたは UI コンポーネントに割り当てる UIContextMenu
プロパティの使用は推奨されなくなりました。代わりに、ContextMenu
プロパティを使用してください。プロパティ値は同じです。
現在のところ、UIContextMenu
プロパティのサポートを削除する予定はありません。ただし、UIContextMenu
プロパティは、グラフィカル オブジェクトまたは UI コンポーネントで関数 get
を呼び出して返されるリストに表示されなくなります。
R2018b: TooltipString
プロパティは非推奨
R2018b 以降、UI コンポーネントのツールヒントを指定する TooltipString
プロパティの使用は推奨されなくなりました。代わりに、Tooltip
プロパティを使用してください。プロパティ値は同じです。
現在のところ、TooltipString
プロパティのサポートを削除する予定はありません。ただし、TooltipString
プロパティは、UI コンポーネントで関数 get
を呼び出して返されるリストに表示されなくなります。
MATLAB コマンド
次の MATLAB コマンドに対応するリンクがクリックされました。
コマンドを MATLAB コマンド ウィンドウに入力して実行してください。Web ブラウザーは MATLAB コマンドをサポートしていません。
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