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idfrd
周波数応答データまたはモデル
説明
idfrd
オブジェクトは、周波数値の範囲にわたる周波数応答データを格納します。idfrd
オブジェクトは 2 つの方法で使用できます。iddata
オブジェクトと同様に、時間領域モデルまたは周波数領域モデルを推定するための推定データとしてこのオブジェクトを使用できます。あるいは、idss
状態空間モデルや他の同定した線形モデルを使用する方法と同様に、線形モデルとしてこのオブジェクトを使用できます。idfrd
コマンドを使用して、周波数応答データをカプセル化するか、線形の時間領域または周波数領域の動的モデルを周波数応答モデルに変換します。
モデル推定コマンド ssest
など、iddata
オブジェクトを受け入れるコマンドは通常、idfrd
オブジェクトも受け入れます。ただし、idfrd
オブジェクトには 1 つの実験からのデータのみを含めることができます。iddata
オブジェクトが備えている複数実験機能はありません。
解析および検証コマンド compare
、sim
、bode
など、同定された線形モデルを受け入れるコマンドは通常、idfrd
モデルも受け入れます。
次の形式のモデルを考えます。
伝達関数推定は であり、出力の加法性ノイズ スペクトル Φv は次のとおりです。
ここで、λ は e(t) の推定分散、T はサンプル時間です。
連続時間システムでは、ノイズ スペクトルは次のとおりです。
idfrd
オブジェクトは および Φv を格納します。
作成
idfrd
モデルは 3 つの方法のいずれかで取得できます。
idfrd
コマンドを使用して周波数応答データからモデルを作成する。たとえば、サンプル時間Ts
を使用して特定の周波数で取得した周波数応答データをカプセル化するidfrd
モデルを作成します。例については、周波数応答データからの idfrd オブジェクトの作成を参照してください。sysfr = idfrd(ResponseData,Freq,Ts)
時間領域データ、周波数領域データ、または周波数応答データを使用して、
spa
などの周波数応答推定コマンドを使用してモデルを推定する。sysfr = spa(data)
モデルの周波数応答を計算することで、
idss
モデルのような線形モデルを、idfrd
モデルに変換する。線形モデル変換の例については、周波数応答モデルへの時間領域モデルの変換を参照してください。sysfr = idfrd(sys)
idfrd
モデル オブジェクトからの情報の抽出およびモデル オブジェクトの変換に使用できる関数については、オブジェクト関数を参照してください。
構文
説明
周波数応答オブジェクトの作成
は、周波数値 sysfr
= idfrd(ResponseData,Frequency,Ts)Frequency
における線形システムの周波数応答 ResponseData
を格納する離散時間 idfrd
オブジェクトを作成します。Ts
はサンプル時間です。連続時間システムでは、Ts
を 0
に設定します。
は、1 つ以上の名前と値の引数を使用して追加プロパティを設定します。最初の 3 つの引数の後に名前と値の引数を指定します。たとえば、周波数単位を MHz として指定するには、sysfr
= idfrd(___,Name,Value
)sysfr = idfrd(ResponseData,Frequency,Ts,'FrequencyUnits','MHz')
を使用します。
周波数応答モデルへの同定された線形モデルの変換
は System Identification Toolbox™ または Control System Toolbox™ 線形モデルを、出力ノイズ スペクトルおよびスペクトル共分散を含め、既定の周波数における周波数応答データに変換します。sysfr
= idfrd(sys
)
は、sysfr
= idfrd(sys
,Frequency,FrequencyUnits)FrequencyUnit
で指定された単位で Frequency
ベクトルの周波数を解釈します。
入力引数
プロパティ
オブジェクト関数
動的システム モデルに適用できる多くの関数は idfrd
モデル オブジェクトにも適用できます。これらの関数は 3 つの一般的なタイプに分類されます。
chgTimeUnit
やchgFreqUnit
など、idfrd
モデル オブジェクトに対して操作を行い、結果のオブジェクトを返す関数getcov
など、モデル情報を取得または解釈する関数
他の同定された線形モデルとは異なり、idss
や idtf
などのコマンドを使用して idfrd
モデルを別のモデル タイプに直接変換することはできません。代わりに、idfrd
オブジェクトを推定データとして使用して、対象モデルの推定コマンドを使用します。たとえば、idfrd
モデルの sysfr
の周波数応答データから sys = ssest(sysfr,2)
を使用して 2 次状態空間モデルを推定します。idfrd
オブジェクトを推定データとして使用する例については、周波数応答データを使用した時間領域モデルの推定を参照してください。
以下のリストには、idss
モデルで使用できる関数の代表的なサブセットが含まれています。
例
バージョン履歴
R2006a より前に導入