エンジニアは、現代の生産機器の複雑化や、柔軟性に対する要求の増大に対応するため、MATLAB および Simulink を活用しています。
産業オートメーションや機械のエンジニアは、MATLAB や Simulink でモデルベースデザイン(MBD、モデルベース開発)を使用して、次のことを行います。
- 機械制御および監視ロジックの設計およびテスト
- 機器の機能に対する自動テストの実施
- 予知保全およびオペレーション最適化のための AI (人工知能) アルゴリズムの設計
- 産業用コントローラーおよび PLC 用のリアルタイムコード (C/C++、IEC 61131-3) の生成
デジタルツイン
エンジニアは、MATLAB や Simulink を使用して、物理ベースのマルチドメイン モデリング ツールやアセットのデータを使用してモデルを定義できます。データ駆動型モデルと物理モデルはいずれも、稼働中のアセットの実環境データで調整することで、デジタルツインとして機能させることができます。エンジニアは、このようなデジタルツインを使用して、予測、what-if シミュレーション、異常検出、故障分離などを行うことができます。
また、MATLAB や Simulink を使用して、用途に適した場所 (エッジ スマート デバイス、PLC、産業用コントローラー、またはシステムの IT インフラストラクチャ) にデジタルツインを実装することができます。
AI (人工知能)
エンジニアは、MATLAB や Simulink を使用して、産業オートメーションのアプリケーションに AI やデータ サイエンス アルゴリズムを組み込むことができます。データサイエンスや機械学習のエキスパートである必要はありません。たとえば、エンジニアは専用アプリを使ってデータをラベル化したり、AI モデルの学習を行ったりすることで、品質の低いデータも管理できます。
仮想試運転
エンジニアは、MATLAB や Simulink でコンポーネント、システム、またはプラントのシミュレーション モデルを使用して、実際のプロトタイピングや運用機器に実装する前に、設計のテストと妥当性確認を行うことができます。仮想試運転を使用すると、エンジニアはプロセスの早期の段階で設計エラーを特定して排除できるため、開発と妥当性確認にかかる時間を短縮して、リスクと潜在的な損害を軽減できます。
運用環境への統合
MATLAB や Simulink のアルゴリズムは、運用環境のデバイスにフィールドレベル (エッジ)、監視および制御レベル、または企業レベル (サーバーまたはクラウド IT) で展開できます。
MATLAB および Simulink では、幅広いバスやプロトコルを介して通信を行うことができます。以下に例を示します。
- OPC UA
- イーサネット TCP または UDP
- EtherCAT
- CAN
- シリアル (例: RS232 または RS485)
- Modbus
- GPIB
エンジニアは、MATLAB や Simulink を AVEVA™ PI System™ などのソフトウェアと統合することもできます。