Predictive Maintenance Toolbox™ では、センサーデータの管理、状態インジケーターの設計、機器の残存耐用時間 (RUL) の推定ができます。
このツールボックスには、統計解析、スペクトル解析、時系列解析など、データに基づく手法とモデルベースの手法を使って特徴量の調査、抽出、ランク付けを行うための関数と対話型アプリが用意されています。周波数法や時間周波数法を使用して振動データから特徴量を抽出することで、回転機の健全性を監視することができます。生存モデル、類似性モデル、トレンドベース モデルを使用して RUL を予測すると、機器の故障時期を推定することができます。
ローカルファイル、クラウドストレージ、分散ファイルシステムからインポートしたセンサーデータを整理および解析することができます。Simulink® モデルから生成された故障のシミュレーション データをラベル付けすることもできます。このツールボックスには、モーター、ギアボックス、バッテリーなどの機器向けの参照例が含まれており、独自の予知保全および状況監視のアルゴリズムの開発に再利用することができます。
アルゴリズムを運用可能にするために、C/C++ コードを生成してエッジに展開したり、実稼働環境のアプリケーションを作成してクラウドに展開したりすることができます。
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故障および異常検出
変化点検出、カルマンフィルター、管理図を使用して、システム内の変化を追跡し、故障の有無や異常を判別します。
RUL 推定モデル
機器の RUL を推定して、機器の故障時期の予測や保守スケジュールの最適化に役立てることができます。使用する RUL 推定アルゴリズムのタイプは、データから抽出される状態インジケーターや使用可能なデータ量によって異なります。
分類モデルを使用した故障診断
サポート ベクター マシン、k 平均法クラスタリング、およびその他の機械学習手法を用いて分類モデルやクラスタリングモデルを学習させ、故障の根本原因を切り分けます。
診断特徴デザイナーアプリ
特徴量を抽出、視覚化、ランク付けして、機器の健全性を監視するための状態インジケーターを設計します。アプリから MATLAB コードを生成して、プロセス全体を自動化します。
信号に基づく状態インジケーター
レインフローカウント、スペクトルピーク検出、スペクトル尖度、およびその他の時間法、周波数法、時間周波数法を使用して、未処理または前処理済みのセンサーデータから特徴量を抽出します。ライブエディターのタスクを使用して、位相空間の再構築を対話的に実行し、非線形信号の特徴量を抽出します。
モデルに基づく状態インジケーター
線形および非線形の時系列モデル、状態空間モデル、伝達関数モデルをセンサーデータに当てはめます。当てはめたこれらのモデルのプロパティと特性を状態インジケーターとして使用します。
エッジへの展開
MATLAB Coder™ を使用して、RUL モデルや特徴量計算のための C/C++ コードを生成します。
クラウドへの展開
MATLAB Compiler™ と MATLAB Compiler SDK™ を使用して、予知保全アルゴリズムを C/C++ 共有ライブラリ、Web アプリ、Docker コンテナー、Microsoft® .NET アセンブリ、Java® クラス、Python® パッケージとして展開します。生成されたライブラリを、コードを書き直したりカスタム インフラストラクチャを構築したりすることなく Microsoft® Azure®、AWS®、またはオンプレミスの専用サーバー上の MATLAB Production Server™ に展開します。
ベアリングとギアボックス
内輪および外輪の故障分類、ギアの歯の故障検出、RUL の推定に関するアルゴリズムを開発します。
ポンプ、モーター、バッテリー
ポンプ内の漏れや詰まりの検出、モーター摩擦の変化の追跡、バッテリーの経時劣化の推定に関するアルゴリズムを開発します。
データのインポートと管理
ローカルファイル、Amazon S3™、Windows Azure® Blob Storage、Hadoop® 分散ファイルシステム、OPC UA サーバー、および OSIsoft PI System からデータをインポートします。
Simulink および Simscape からの故障データの生成
お使いの機器の Simulink および Simscape™ モデルを使用して故障データをシミュレーションし、ラベル付けします。パラメーター値の修正、故障の投入、モデルダイナミクスの変更ができます。
製品リソース:
予知保全ビデオシリーズ
このビデオシリーズを見て、予知保全について学習しましょう。