インポートとエクスポートでサポートされるファイル形式
MATLAB® にデータをインポートする理想的なワークフローは、データの形式と個人の基本設定によって異なります。データをプログラムでインポートするか、専用のワークフローを使用できます。最も一般的なのは、データに合わせて調整された関数を使用してプログラムでデータをインポートする方法です。
MATLAB ワークスペースにデータをインポートすると、新たに作成する変数により、ワークスペースにある同名の既存の変数はすべて上書きされます。
プログラムによるファイルのインポート
MATLAB には、特定のファイル形式をインポートするために調整された関数が含まれています。ファイル全体またはファイルの一部のみをインポートする場合は、その形式固有の関数を使用することを検討してください。形式固有の多くの関数には、データの範囲または部分を選択するオプションがあります。形式固有の関数の中には、複数のオプションの出力を指定できるものもあります。
次の表に、MATLAB アプリケーションからインポートおよびエクスポートできるファイル形式を示します。
ファイルの内容 | 拡張子 | 説明 | インポート関数 | エクスポート関数 |
---|---|---|---|---|
MATLAB 書式設定済みデータ | MAT | 保存された MATLAB ワークスペース | ||
MATLAB ワークスペース内の変数への部分的アクセス | matfile | matfile | ||
テキスト | 任意、 | 区切り記号で区切られた数字 | ||
区切り記号で区切られた数字、またはテキストと数字の組み合わせ | なし | |||
区切り記号で区切られた列方向の数字、またはテキストと数字の組み合わせ | ||||
プレーン テキスト | ||||
スプレッドシート | XLS XLSB (Windows® 版 Microsoft® Excel® を備えたシステムのみ) XLTM (インポートのみ) ODS (Windows 版 Microsoft Excel を備えたシステムのみ) | ワークシートあるいはスプレッドシートの範囲内の列方向のデータ | ||
拡張マークアップ言語 | XML | XML 形式のテキスト | ||
JavaScript® Object Notation | JSON | JSON 形式のテキスト | ||
Parquet 形式のデータ | PARQUET | Parquet 形式の列方向データ | parquetread | parquetwrite |
Data Acquisition Toolbox™ ファイル | DAQ | Data Acquisition Toolbox | なし | |
科学データ | CDF | 一般的なデータ形式 | CDF ファイルを参照 | CDF ファイルを参照 |
FITS | Flexible Image Transport System | FITS ファイルを参照 | FITS ファイルを参照 | |
HDF | HDF4 または HDF-EOS2 | HDF4 ファイルを参照 | HDF4 ファイルを参照 | |
H5 | HDF5 | HDF5 ファイルを参照 | HDF5 ファイルを参照 | |
NC | Network Common Data Form (netCDF) | NetCDF ファイルを参照 | NetCDF ファイルを参照 | |
イメージ データ | BMP | Windows ビットマップ | ||
GIF | グラフィックス交換形式 | |||
HDF | 階層データ形式 | |||
JPEG | Joint Photographic Experts Group | |||
JP2 | JPEG 2000 | |||
PBM | Portable Bitmap | |||
PCX | Paintbrush | |||
PGM | Portable Graymap | |||
PNG | Portable Network Graphics | |||
PNM | Portable Any Map | |||
PPM | Portable Pixmap | |||
RAS | Sun® Raster | |||
TIFF | Tagged Image File Format | |||
XWD | X Window Dump | |||
CUR | Windows カーソル リソース | なし | ||
ICO | Windows アイコン リソース | |||
オーディオ (全プラットフォーム) | AU | NeXT/Sun サウンド | なし | |
AIFF | オーディオ交換ファイル形式 | |||
AIFC | 圧縮コーデック対応オーディオ交換ファイル形式 | |||
FLAC | Free Lossless Audio Codec | |||
MP3 | MPEG-1 オーディオ レイヤー III | |||
OGG | Ogg Vorbis | |||
OPUS | Ogg Opus | |||
WAV | Microsoft WAVE サウンド | |||
オーディオ (Windows) | M4A | MPEG-4 Part 3 AAC | ||
任意 | Microsoft Media Foundation サポート形式 | なし | ||
オーディオ (Mac) | M4A | MPEG-4 Part 3 AAC | ||
オーディオ (Linux®) | 任意 | GStreamer サポート形式 | なし | |
ビデオ (全プラットフォーム) | AVI | Audio Video Interleave | ||
MJ2 | Motion JPEG 2000 | |||
ビデオ (Windows) | MPG | MPEG-1 | VideoReader | なし |
ASF | Windows Media® | |||
任意 | Microsoft DirectShow® サポート形式 | |||
ビデオ (Windows 7 以降) | MP4 | MPEG-4 | VideoReader | VideoWriter |
MOV | QuickTime® | VideoReader | なし | |
任意 | Microsoft Media Foundation サポート形式 | |||
ビデオ (Mac) | MP4 | MPEG-4 | VideoReader | VideoWriter |
MPG | MPEG-1 | VideoReader | なし | |
MOV | QuickTime | |||
任意 |
| |||
ビデオ (Linux) | 任意 |
| VideoReader | なし |
Triangulation | STL | 光造形法 | stlread | stlwrite |
低水準ファイル | 任意のテキスト形式 | 低水準バイナリ テキスト データ | fread | fwrite |
任意 | 低水準バイナリ | fscanf | fprintf | |
任意のテキスト形式 | テキスト ファイルまたは string からの書式付きデータ | textscan | なし |
特殊なデータ形式用のワークフロー
バイナリ データのメモリ マッピング
バイナリ データのファイルでは、メモリ マッピングの概要を検討してください。メモリ マッピングを使用すると、MATLAB 標準のインデックス操作を使用してファイル データにアクセスできます。メモリ マッピングは、ディスク上のファイルの一部または全体を、アプリケーションのアドレス空間内の一定のアドレス範囲にマッピングする方法です。これによってアプリケーションでは、動的メモリへのアクセスと同様にディスク上のファイルにアクセスできるようになります。メモリ マッピングの主な利点としては、効率性、高速なファイル アクセス、アプリケーション間でのメモリの共有、および効率性の高いコーディングが挙げられます。
MATLAB ツールボックスによる特殊なインポート
MATLAB ツールボックスで特殊なインポート操作を行います。たとえば、Database Toolbox™ ソフトウェアを使用してリレーショナル データベースからデータをインポートします。特定のツールボックスに関するドキュメンテーションを参照して、使用できるインポート機能を確認してください。
データの読み込みおよび書き込み用の Web サービス
RESTful や WSDL などの Web サービスを使用して、JSON、XML、イメージまたはテキストなどのインターネット メディア タイプ形式のデータの読み取りや書き込みを行うことができます。詳細については、以下を参照してください。
低水準 IO によるデータの読み取り
形式固有の関数でデータを読み取れない場合やニーズに合う専用のワークフローがない場合は、fscanf
や fread
などの "低水準 I/O 関数" を使用します。低水準関数ではファイルからの読み取りを最大限に制御できますが、データの構造についての詳細な知識が必要です。このワークフローは一般には使用されません。