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kfoldLoss

交差検証された分割済みの回帰モデルの損失

    説明

    L = kfoldLoss(CVMdl) は、交差検証済みの回帰モデル CVMdl で取得した損失 (平均二乗誤差) を返します。kfoldLoss は、すべての分割について、学習分割観測値で学習させたモデルを使用して検証分割観測値の損失を計算します。CVMdl.X および CVMdl.Y には、両方の観測値のセットが含まれます。

    L = kfoldLoss(CVMdl,Name,Value) は、1 つ以上の名前と値の引数で指定された追加オプションを使用して損失を返します。たとえば、カスタムの損失関数を指定できます。

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    carsmall データのアンサンブル回帰の交差検証損失を求めます。

    carsmall データセットを読み込み、排気量、馬力および車両重量を予測子として選択します。

    load carsmall
    X = [Displacement Horsepower Weight];

    回帰木のアンサンブルに学習をさせます。

    rens = fitrensemble(X,MPG);

    rens から交差検証済みのアンサンブルを作成し、k 分割交差検証損失を求めます。

    rng(10,'twister') % For reproducibility
    cvrens = crossval(rens);
    L = kfoldLoss(cvrens)
    L = 28.7114
    

    平均二乗誤差 (MSE) はモデルの品質を示す尺度です。交差検証済み回帰モデルの各分割の MSE を調べます。

    carsmall データセットを読み込みます。予測子 X と応答データ Y を指定します。

    load carsmall
    X = [Cylinders Displacement Horsepower Weight];
    Y = MPG;

    交差検証済みの回帰木モデルの学習を行います。既定では、10 分割交差検証が実行されます。

    rng('default') % For reproducibility
    CVMdl = fitrtree(X,Y,'CrossVal','on');

    各分割の MSE を計算します。箱ひげ図を使用して損失値の分布を可視化します。いずれの値も外れ値でないことがわかります。

    losses = kfoldLoss(CVMdl,'Mode','individual')
    losses = 10×1
    
       42.5072
       20.3995
       22.3737
       34.4255
       40.8005
       60.2755
       19.5562
        9.2060
       29.0788
       16.3386
    
    
    boxchart(losses)

    Figure contains an axes object. The axes object contains an object of type boxchart.

    交差検証済みの 10 分割の一般化加法モデル (GAM) に学習させます。その後、kfoldLoss を使用して交差検証の累積回帰損失 (平均二乗誤差) を計算します。誤差を使用して、予測子 (予測子の線形項) あたりの最適な木の数と交互作用項あたりの最適な木の数を特定します。

    代わりに、名前と値の引数OptimizeHyperparametersを使用して fitrgam の名前と値の引数の最適な値を特定することもできます。例については、OptimizeHyperparameters を使用した GAM の最適化を参照してください。

    patients データセットを読み込みます。

    load patients

    予測子変数 (AgeDiastolicSmokerWeightGender、および SelfAssessedHealthStatus) と応答変数 (Systolic) を格納する table を作成します。

    tbl = table(Age,Diastolic,Smoker,Weight,Gender,SelfAssessedHealthStatus,Systolic);

    既定の交差検証オプションを使用して交差検証済み GAM を作成します。名前と値の引数 'CrossVal''on' として指定します。また、5 つの交互作用項を含めるように指定します。

    rng('default') % For reproducibility
    CVMdl = fitrgam(tbl,'Systolic','CrossVal','on','Interactions',5);

    'Mode''cumulative' として指定すると、関数 kfoldLoss は累積誤差を返します。これは、各分割に同じ数の木を使用して取得したすべての分割の平均誤差です。各分割の木の数を表示します。

    CVMdl.NumTrainedPerFold 
    ans = struct with fields:
          PredictorTrees: [300 300 300 300 300 300 300 300 300 300]
        InteractionTrees: [76 100 100 100 100 42 100 100 59 100]
    
    

    kfoldLoss では、最大で 300 個の予測子木と 42 個の交互作用木を使用して累積誤差を計算できます。

    10 分割交差検証を行った累積平均二乗誤差をプロットします。'IncludeInteractions'false として指定して、計算から交互作用項を除外します。

    L_noInteractions = kfoldLoss(CVMdl,'Mode','cumulative','IncludeInteractions',false);
    figure
    plot(0:min(CVMdl.NumTrainedPerFold.PredictorTrees),L_noInteractions)

    Figure contains an axes object. The axes object contains an object of type line.

    L_noInteractions の最初の要素は、切片 (定数) 項のみを使用して取得したすべての分割の平均誤差です。L_noInteractions の (J+1) 番目の要素は、切片項と各線形項の最初の J 個の予測子木を使用して取得した平均誤差です。累積損失をプロットすると、GAM の予測子木の数が増えるにつれて誤差がどのように変化するかを観察できます。

    最小誤差とその最小誤差の達成時に使用された予測子木の数を調べます。

    [M,I] = min(L_noInteractions)
    M = 28.0506
    
    I = 6
    

    GAM に 5 個の予測子木が含まれるときに誤差が最小になっています。

    線形項と交互作用項の両方を使用して累積平均二乗誤差を計算します。

    L = kfoldLoss(CVMdl,'Mode','cumulative');
    figure
    plot(0:min(CVMdl.NumTrainedPerFold.InteractionTrees),L)

    Figure contains an axes object. The axes object contains an object of type line.

    L の最初の要素は、切片 (定数) 項と各線形項のすべての予測子木を使用して取得したすべての分割の平均誤差です。L の (J+1) 番目の要素は、切片項、各線形項のすべての予測子木、および各交互作用項の最初の J 個の交互作用木を使用して取得した平均誤差です。プロットから、交互作用項を追加すると誤差が大きくなることがわかります。

    予測子木の数が 5 個のときの誤差で問題がなければ、一変量の GAM にもう一度学習させ、交差検証を使用せずに 'NumTreesPerPredictor',5 と指定して予測モデルを作成できます。

    入力引数

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    交差検証された分割済みの回帰モデル。RegressionPartitionedModel オブジェクト、RegressionPartitionedEnsemble オブジェクト、RegressionPartitionedGAM オブジェクト、RegressionPartitionedGP オブジェクト、RegressionPartitionedNeuralNetwork オブジェクト、または RegressionPartitionedSVM オブジェクトとして指定します。オブジェクトは 2 つの方法で作成できます。

    • 次の表に記載されている学習済み回帰モデルをそのオブジェクト関数 crossval に渡す。

    • 次の表に記載されている関数を使用して回帰モデルに学習をさせ、その関数の交差検証に関する名前と値の引数のいずれかを指定する。

    名前と値の引数

    オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで Name は引数名、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後ろにする必要がありますが、ペアの順序は関係ありません。

    R2021a より前では、名前と値をそれぞれコンマを使って区切り、Name を引用符で囲みます。

    例: kfoldLoss(CVMdl,'Folds',[1 2 3 5]) は、平均二乗誤差の計算に 1 番目、2 番目、3 番目、および 5 番目の分割を使用し、4 番目の分割は除外するように指定します。

    使用する分割のインデックス。正の整数ベクトルとして指定します。Folds の要素は 1 から CVMdl.KFold の範囲でなければなりません。

    Folds で指定された分割のみが使用されます。

    例: 'Folds',[1 4 10]

    データ型: single | double

    モデルの交互作用項を含むというフラグ。true または false として指定します。この引数は、一般化加法モデル (GAM) の場合のみ有効です。つまり、この引数を指定できるのは、CVMdlRegressionPartitionedGAM である場合だけです。

    CVMdl のモデル (CVMdl.Trained) に交互作用項が含まれる場合、既定値は true です。モデルに交互作用項が含まれない場合、値は false でなければなりません。

    例: 'IncludeInteractions',false

    データ型: logical

    損失関数。'mse' または関数ハンドルとして指定します。

    • 組み込み関数 'mse' を指定します。この場合、損失関数は平均二乗誤差です。

    • 関数ハンドル表記を使用して独自の関数を指定します。

      n は学習データの観測値数 (CVMdl.NumObservations) とします。使用する関数ではシグネチャが lossvalue = lossfun(Y,Yfit,W) になっていなければなりません。ここで

      • 出力引数 lossvalue はスカラーです。

      • 関数名 (lossfun) を指定します。

      • Y は、観測された応答の n 行 1 列の数値ベクトルです。

      • Yfit は、予測された応答の n 行 1 列の数値ベクトルです。

      • W は、観測値の重みの n 行 1 列の数値ベクトルです。

      'LossFun',@lossfun を使用して独自の関数を指定します。

    データ型: char | string | function_handle

    出力の集約レベル。'average''individual'、または 'cumulative' として指定します。

    説明
    'average'出力は、すべての分割の平均を表すスカラー値です。
    'individual'出力は、分割ごとに 1 つずつの値が含まれている長さ k のベクトルです。k は分割数です。
    'cumulative'

    メモ

    この値を指定する場合、CVMdlRegressionPartitionedEnsemble オブジェクトまたは RegressionPartitionedGAM オブジェクトでなければなりません。

    • CVMdlRegressionPartitionedEnsemble の場合、出力は長さ min(CVMdl.NumTrainedPerFold) のベクトルです。各要素 j は、弱学習器 1:j で学習させたアンサンブルを使用して取得したすべての分割の平均です。

    • CVMdlRegressionPartitionedGAM の場合、出力の値は IncludeInteractions の値によって異なります。

      • IncludeInteractionsfalse の場合、L(1 + min(NumTrainedPerFold.PredictorTrees)) 行 1 列の数値列ベクトルです。L の最初の要素は、切片 (定数) 項のみを使用して取得したすべての分割の平均です。L(j + 1) 番目の要素は、切片項と各線形項の最初の j 個の予測子木を使用して取得した平均です。

      • IncludeInteractionstrue の場合、L(1 + min(NumTrainedPerFold.InteractionTrees)) 行 1 列の数値列ベクトルです。L の最初の要素は、切片 (定数) 項と各線形項のすべての予測子木を使用して取得したすべての分割の平均です。L(j + 1) 番目の要素は、切片項、各線形項のすべての予測子木、および各交互作用項の最初の j 個の交互作用木を使用して取得した平均です。

    例: 'Mode','individual'

    R2023b 以降

    予測子に欠損値がある観測値に使用する予測した応答値。"median""mean""omitted"、または数値スカラーとして指定します。この引数は、ガウス過程回帰モデル、ニューラル ネットワーク モデル、サポート ベクター マシン モデルに対してのみ有効です。つまり、この引数を指定できるのは、CVMdlRegressionPartitionedGP オブジェクト、RegressionPartitionedNeuralNetwork オブジェクト、または RegressionPartitionedSVM オブジェクトである場合だけです。

    説明
    "median"

    kfoldLoss は、予測子に欠損値がある観測値について予測した応答値として、学習分割データ内の観測された応答値の中央値を使用します。

    この値は、CVMdlRegressionPartitionedGP オブジェクト、RegressionPartitionedNeuralNetwork オブジェクト、または RegressionPartitionedSVM オブジェクトである場合の既定値です。

    "mean"kfoldLoss は、予測子に欠損値がある観測値について予測した応答値として、学習分割データ内の観測された応答値の平均値を使用します。
    "omitted"kfoldLoss は、予測子に欠損値がある観測値を損失の計算から除外します。
    数値スカラーkfoldLoss は、予測子に欠損値がある観測値について予測した応答値として、この値を使用します。

    すべての予測子の値、観測された応答値、または観測値の重みが観測値にない場合、その観測値は kfoldLoss での損失の計算に使用されません。

    例: "PredictionForMissingValue","omitted"

    データ型: single | double | char | string

    出力引数

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    損失。数値スカラーまたは数値列ベクトルとして返されます。

    既定の損失は、検証分割観測値と、学習分割観測値で学習させた回帰モデルによる予測との間の平均二乗誤差です。

    • Mode'average' である場合、L はすべての分割の平均損失です。

    • Mode'individual' である場合、L は各分割の損失が含まれている k 行 1 列の数値列ベクトルです。k は分割数です。

    • Mode'cumulative'CVMdlRegressionPartitionedEnsemble である場合、Lmin(CVMdl.NumTrainedPerFold) 行 1 列の数値列ベクトルです。各要素 j は、弱学習器 1:j で学習させたアンサンブルを使用して取得したすべての分割の平均損失です。

    • Mode'cumulative'CVMdlRegressionPartitionedGAM の場合、出力の値は IncludeInteractions の値によって異なります。

      • IncludeInteractionsfalse の場合、L(1 + min(NumTrainedPerFold.PredictorTrees)) 行 1 列の数値列ベクトルです。L の最初の要素は、切片 (定数) 項のみを使用して取得したすべての分割の平均損失です。L(j + 1) 番目の要素は、切片項と各線形項の最初の j 個の予測子木を使用して取得した平均損失です。

      • IncludeInteractionstrue の場合、L(1 + min(NumTrainedPerFold.InteractionTrees)) 行 1 列の数値列ベクトルです。L の最初の要素は、切片 (定数) 項と各線形項のすべての予測子木を使用して取得したすべての分割の平均損失です。L(j + 1) 番目の要素は、切片項、各線形項のすべての予測子木、および各交互作用項の最初の j 個の交互作用木を使用して取得した平均損失です。

    代替機能

    木モデルの交差検証損失を計算する場合は、cvloss を呼び出すことで RegressionPartitionedModel オブジェクトの作成を回避できます。調査を複数回行う予定の場合、交差検証木オブジェクトを作成して時間を節約できます。

    拡張機能

    バージョン履歴

    R2011a で導入

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