RegressionLinear クラス
高次元データ用の線形回帰モデル
説明
RegressionLinear は、回帰用の学習済み線形モデル オブジェクトです。線形モデルは、サポート ベクター マシン回帰 (SVM) または線形回帰モデルです。fitrlinear は、高次元データ セットの計算時間を短縮する手法 (確率的勾配降下法など) を使用して目的関数を最小化することにより RegressionLinear モデルを当てはめます。回帰損失と正則化項を加算することにより目的関数が構成されます。
他の回帰モデルとは異なり、また、メモリ消費を節約するため、RegressionLinear モデル オブジェクトには学習データが格納されません。ただし、推定した線形モデル係数、推定した係数、正則化強度などは格納されます。
学習済みの RegressionLinear モデルを使用して、新しいデータに対する応答を予測できます。詳細については、predictを参照してください。
構築
RegressionLinear オブジェクトの作成には fitrlinear を使用します。
プロパティ
線形回帰のプロパティ
イプシロン不感応区間の幅の半分。非負のスカラーとして指定します。
Learner が 'svm' ではない場合、Epsilon は空の文字列 ([]) です。
データ型: single | double
正則化項の強度。非負のスカラーまたは非負値のベクトルを指定します。
データ型: double | single
線形回帰モデルのタイプ。'leastsquares' または 'svm' を指定します。
次の表では、 です。
β は p 個の係数のベクトルです。
x は p 個の予測子変数による観測値です。
b はスカラー バイアスです。
| 値 | アルゴリズム | 損失関数 | FittedLoss の値 |
|---|---|---|---|
'svm' | サポート ベクター マシン回帰 | イプシロン不感応: | 'epsiloninsensitive' |
'leastsquares' | 通常の最小二乗による線形回帰 | 平均二乗誤差 (MSE): | 'mse' |
線形係数の推定値。展開された予測子の数と等しい長さの数値ベクトルとして指定します (ExpandedPredictorNames を参照)。
データ型: double
推定バイアス項またはモデルの切片。数値スカラーを指定します。
データ型: double
線形モデルの当てはめに使用する損失関数。'epsiloninsensitive' または 'mse' を指定します。
| 値 | アルゴリズム | 損失関数 | Learner の値 |
|---|---|---|---|
'epsiloninsensitive' | サポート ベクター マシン回帰 | イプシロン不感応: | 'svm' |
'mse' | 通常の最小二乗による線形回帰 | 平均二乗誤差 (MSE): | 'leastsquares' |
複雑度ペナルティのタイプ。'lasso (L1)' または 'ridge (L2)' を指定します。
最小化のための目的関数は、平均損失関数 (FittedLoss を参照) と次の表の正則化値を加算することにより作成されます。
| 値 | 説明 |
|---|---|
'lasso (L1)' | LASSO (L1) ペナルティ: |
'ridge (L2)' | リッジ (L2) ペナルティ: |
λ は、正則化項の強度を規定します (Lambda を参照)。
バイアス項 (β0) は正則化ペナルティから除外されます。
他の回帰のプロパティ
カテゴリカル予測子のインデックス。正の整数のベクトルとして指定します。CategoricalPredictors には、対応する予測子がカテゴリカルであることを示すインデックス値が格納されます。インデックス値の範囲は 1 ~ p です。p はモデルの学習に使用した予測子の数です。どの予測子もカテゴリカルではない場合、このプロパティは空 ([]) になります。
データ型: single | double
RegressionLinear モデルに学習をさせるために使用したパラメーター。構造体を指定します。
ModelParameters のフィールドにはドット表記でアクセスします。たとえば、線形係数およびバイアス項の相対許容誤差にアクセスするには Mdl.ModelParameters.BetaTolerance を使用します。
データ型: struct
予測子データに現れる順序で並んでいる予測子名。文字ベクトルの cell 配列として指定します。PredictorNames の長さは、予測子変数として使用される学習データ X または Tbl に含まれている変数の数と等しくなります。
データ型: cell
展開された予測子名。文字ベクトルの cell 配列を指定します。
モデルがカテゴリカル変数用のエンコーディングを使用している場合、ExpandedPredictorNames には展開された変数を表す名前が格納されます。それ以外の場合、ExpandedPredictorNames は PredictorNames と同じです。
データ型: cell
応答変数名。文字ベクトルを指定します。
データ型: char
応答変換関数。"none" または関数ハンドルを指定します。ResponseTransform は、生の応答値を変換する方法を表します。
MATLAB® 関数やユーザー定義関数の場合は、関数ハンドルを入力します。たとえば、Mdl.ResponseTransform = @function を入力できます。ここで function は、元の応答の数値ベクトルを受け入れ、変換した応答が格納されている同じサイズの数値ベクトルを返します。
データ型: char | string | function_handle
オブジェクト関数
incrementalLearner | 線形回帰モデルのインクリメンタル学習器への変換 |
lime | Local Interpretable Model-agnostic Explanations (LIME) |
loss | 線形回帰モデルの回帰損失 |
partialDependence | 部分依存の計算 |
plotPartialDependence | 部分依存プロット (PDP) および個別条件付き期待値 (ICE) プロットの作成 |
predict | 線形回帰モデルの応答予測 |
selectModels | 当てはめた正則化線形回帰モデルの選択 |
shapley | シャープレイ値 |
update | コード生成用にモデル パラメーターを更新 |
コピーのセマンティクス
値。値のクラスがコピー操作に与える影響については、オブジェクトのコピーを参照してください。
例
SVM、双対 SGD およびリッジ正則化を使用して線形回帰モデルに学習をさせます。
次のモデルにより、10000 個の観測値をシミュレートします。
は、10% の要素が非ゼロ標準正規である 10000 行 1000 列のスパース行列です。
e は、平均が 0、標準偏差が 0.3 のランダムな正規誤差です。
rng(1) % For reproducibility
n = 1e4;
d = 1e3;
nz = 0.1;
X = sprandn(n,d,nz);
Y = X(:,100) + 2*X(:,200) + 0.3*randn(n,1);線形回帰モデルに学習をさせます。既定の設定では、fitrlinear はリッジ ペナルティがあるサポート ベクター マシンを使用し、SVM 用の双対 SGD を使用して最適化を行います。近似の要約を抽出して、最適化アルゴリズムによるモデルがどの程度データに当てはまるかを判断します。
[Mdl,FitInfo] = fitrlinear(X,Y)
Mdl =
RegressionLinear
ResponseName: 'Y'
ResponseTransform: 'none'
Beta: [1000×1 double]
Bias: -0.0056
Lambda: 1.0000e-04
Learner: 'svm'
Properties, Methods
FitInfo = struct with fields:
Lambda: 1.0000e-04
Objective: 0.2725
PassLimit: 10
NumPasses: 10
BatchLimit: []
NumIterations: 100000
GradientNorm: NaN
GradientTolerance: 0
RelativeChangeInBeta: 0.4907
BetaTolerance: 1.0000e-04
DeltaGradient: 1.5816
DeltaGradientTolerance: 0.1000
TerminationCode: 0
TerminationStatus: {'Iteration limit exceeded.'}
Alpha: [10000×1 double]
History: []
FitTime: 0.0675
Solver: {'dual'}
Mdl は RegressionLinear モデルです。Mdl と学習データまたは新しいデータを loss に渡して、標本内平均二乗誤差を調べることができます。または、Mdl と新しい予測子データを predict に渡して、新しい観測値の応答を予測することができます。
FitInfo は、重要な情報として終了ステータス (TerminationStatus) とソルバーによるモデルのデータへの当てはめにかかった時間 (FitTime) が含まれている構造体配列です。FitInfo を使用して、最適化終了時の結果が満足できるものであるかどうかを判断することをお勧めします。この場合、fitrlinear は最大反復回数に達しました。モデルに再学習をさせることもできますが、学習時間は短いので、データを通す回数を増やしてください。または、LBFGS など別のソルバーを試してください。
次のモデルにより、10000 個の観測値をシミュレートします。
は、10% の要素が非ゼロ標準正規である 10000 行 1000 列のスパース行列です。
e は、平均が 0、標準偏差が 0.3 のランダムな正規誤差です。
rng(1) % For reproducibility
n = 1e4;
d = 1e3;
nz = 0.1;
X = sprandn(n,d,nz);
Y = X(:,100) + 2*X(:,200) + 0.3*randn(n,1);5% のデータをホールドアウトします。
rng(1); % For reproducibility cvp = cvpartition(n,'Holdout',0.05)
cvp =
Hold-out cross validation partition
NumObservations: 10000
NumTestSets: 1
TrainSize: 9500
TestSize: 500
IsCustom: 0
IsGrouped: 0
IsStratified: 0
Properties, Methods
cvp は、n 個のデータを学習セットとテスト セットに無作為に分割する方法を定義する CVPartition オブジェクトです。
学習セットを使用して線形回帰モデルに学習をさせます。学習時間を短縮するため、観測値が列単位になるように予測子データの行列を配置します。
idxTrain = training(cvp); % Extract training set indices X = X'; Mdl = fitrlinear(X(:,idxTrain),Y(idxTrain),'ObservationsIn','columns');
ホールドアウト標本の観測値と平均二乗誤差 (MSE) を予測します。
idxTest = test(cvp); % Extract test set indices yHat = predict(Mdl,X(:,idxTest),'ObservationsIn','columns'); L = loss(Mdl,X(:,idxTest),Y(idxTest),'ObservationsIn','columns')
L = 0.1851
ホールドアウト標本の MSE は 0.1852 です。
拡張機能
使用上の注意および制限:
fitrlinearを使用して線形回帰モデルに学習をさせる場合、以下の制限が適用されます。予測子データの入力引数値は、行列である場合、完全な数値行列でなければなりません。コード生成ではスパース データがサポートされません。
正則化強度は 1 つしか指定できず、
'auto'または名前と値のペアの引数'Lambda'に非負のスカラーを指定します。名前と値のペアの引数
'ResponseTransform'の値を無名関数にすることはできません。コーダー コンフィギュアラーを使用するコード生成ではカテゴリカル予測子 (
logical、categorical、char、string、またはcell) がサポートされません。名前と値の引数'CategoricalPredictors'は使用できません。カテゴリカル予測子をモデルに含めるには、モデルを当てはめる前にdummyvarを使用してカテゴリカル予測子を前処理します。
詳細は、コード生成の紹介を参照してください。
次のオブジェクト関数は GPU 配列を完全にサポートしています。
次の少なくとも 1 つに該当する場合、オブジェクト関数は GPU で実行されます。
モデルが GPU 配列を使用して当てはめられている。
オブジェクト関数に渡す予測子データが GPU 配列である。
オブジェクト関数に渡す応答データが GPU 配列である。
バージョン履歴
R2016a で導入fitrlinear を使用して GPU 配列で RegressionLinear オブジェクトを当てはめることができます。GPU で実行できるように、RegressionLinear のほとんどのオブジェクト関数で GPU 配列の入力引数がサポートされるようになりました。GPU 配列の入力をサポートしていないオブジェクト関数は、incrementalLearner、lime、shapley、および update です。
MATLAB Command
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