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線形化の基礎
線形化のためのシステムの定義、線形応答のプロット、線形化結果の検証
Simulink® モデルの線形化は、モデルで定義されている既定の操作点で行うことができます。詳細については、Simulink モデルのモデル操作点での線形化を参照してください。また、最適化ベースの探索を使用して見つけた操作点や、特定のシミュレーション時間で見つけた操作点も指定できます。
モデルの一部分の線形化された応答を抽出するには、特定の線形化の入出力ポイントを定義できます。詳細については、モデルの一部を線形化するよう指定を参照してください。線形化の後、時間領域と周波数領域の両方で結果を解析し、検証できます。
ツール
Simulink による制御設計入門 | 無料の自己学習形式の対話型 Simulink Control Design コース (R2020b 以降) |
関数
linearize | Simulink モデルまたはサブシステムの線形近似 |
linearizeOptions | 線形化オプションの設定 |
getlinio | Simulink モデル、Linear Analysis Plots ブロック、または Model Verification ブロックから線形解析ポイントを取得 |
linio | Simulink モデル、Linear Analysis Plots ブロックまたは Model Verification ブロックに対し線形解析ポイントを作成 |
setlinio | Simulink モデル、Linear Analysis Plots ブロックまたは Model Verification ブロックに線形解析ポイントを保存 |
linlft | 指定されたブロックの影響を取り除きながら、モデルを線形化します。 |
linlftfold | 指定されたブロックとモデルの線形化結果を組み合わせる |
fastRestartForLinearAnalysis | 線形解析の高速リスタート |
トピック
入門
- 非線形モデルの線形化
操作点の周りの小さい領域で有効な非線形システムの線形近似を取得します。 - 線形化ツールの選択
Simulink Control Design™ ソフトウェアでは、ユーザー インターフェイス、関数、またはブロックを使用して、非線形モデルの線形解析を行うことができます。 - 正確な線形化アルゴリズム
Simulink Control Design ソフトウェアは、ブロックごとの手法を使用してモデルを線形化します。Simulink モデル内の各ブロックを個別に線形化し、これらのブロックの線形化を組み合わせる方法でシステム全体の線形化を行います。 - Simulink モデルのモデル操作点での線形化
初期状態値と入力信号から構成されている操作点でモデルを線形化します。 - プラントの線形化
ブロックの入力と出力に個別の解析ポイントを定義しなくても、Simulink モデル内のブロックまたはサブシステムを線形化できます。指定したブロックまたはサブシステムは、線形化を行う前にモデルの残りの部分から分離されます。 - 開ループ応答の計算
フィードバック ループの影響を除外して、プラントとコントローラーの応答を組み合わせたものを解析および計算できます。 - 線形化したモデルの状態の順序
線形化されたモデルの状態の順序を制御できます。この状態の順序は、線形化の結果に表示されます。
操作点の仕様
- 平衡化された操作点での線形化
指定された入力、出力または状態の制約を満たす操作点で Simulink モデルを線形化できます。 - シミュレーション スナップショットでの線形化
Simulink モデルをシミュレートし、指定されたシミュレーション時間におけるシステムの状態レベルと入力レベルを抽出する。 - トリガー シミュレーション イベントでの線形化
特定のイベント時点で Simulink モデルを線形化できます。線形化イベントは、トリガーベース イベントでも、関数呼び出しイベントでもかまいません。
モデルの一部の指定
- モデルの一部を線形化するよう指定
線形解析ツールで線形化するサブシステム、ループ、またはブロックを指定する。
- ソフトウェアでループ開始点を処理する方法
ループ開始点は、ソフトウェアが各ブロックを線形化する方法でなく、線形化されたブロックを再結合する方法のみに影響します。操作点の計算時、ソフトウェアは開始点を無視します。
特殊な特性をもつモデル
- 遅延をもつモデルの線形化
連続時間遅延ブロックを使用して Simulink モデルを線形化する場合、遅延を近似するか、遅延を正確に表現できます。 - マルチレート モデルの線形化
異なるサンプル時間をもつブロックを含む Simulink モデルを線形化することができます。
- モデル参照を含むモデルの線形化
モデル参照サブシステムのブロックごとの正確な線形化を行うには、まずノーマル モードでそのシミュレーションを実行するように設定します。 - Simscape ネットワークの線形化
Simulink Control Design ソフトウェアを使用して、Simscape™ コンポーネントをもつモデルを線形化することができます。 - スパース モデルの線形化
Sparse Second Order ブロックまたは Descriptor State-Space ブロックを含む Simulink モデルからスパース線形システムを取得する。
解析と検証
- モデル線形化器の応答プロットを使用した結果の解析
線形化されたモデルの時間領域応答および周波数領域応答を解析します。複数のモデルの応答を比較して、安定余裕や整定時間などのシステム特性を表示することができます。 - モデル線形化器を使用した線形化されたモデル方程式の表示
線形化したモデルの状態空間方程式をモデル線形化器で表示できます。 - モデル線形化器を使用した周波数領域における線形化の検証
非線形モデルの周波数応答を推定し、その結果を線形化されたモデルの応答と比較することで、線形化の結果の精度を評価できます。 - 時間領域における線形化の検証
非線形モデルと線形化したモデルのシミュレートされた出力を比較して、線形化の結果の精度を評価できます。
コード生成
- モデル線形化器からの線形化用のMATLAB コードの生成
コマンド ラインでの対話的な線形化の結果を再現するには、モデル線形化器を使用して MATLAB® スクリプトまたは関数を生成できます。