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スパース モデルの線形化

Sparse Second Order ブロックまたは Descriptor State-Space ブロックを含む Simulink® モデルからスパース線形モデルを取得できます。このようなモデルを線形化すると、次のいずれかのスパース状態空間オブジェクトが生成されます。

スパース モデルの詳細については、スパース モデルの基礎を参照してください。

コマンド ライン線形化の例については、スパース 2 次モデル オブジェクトへの Simulink モデルの線形化を参照してください。

Sparse Second Order ブロックは常に mechss モデルに線形化されます。その結果、線形化されたモデル全体は、このブロックが存在する場合に 2 次スパース モデルになります。

Descriptor State-Space ブロックをスパース モデルに線形化するには、[スパース モデルに線形化する] ブロック パラメーターを選択します。

Descriptor State Space block properties with Linearize to sparse model property selected.

このパラメーターはプログラムによっても選択できます。ここで、blockpathDescriptor State-Space ブロックへのパスです。

set_param(blockpath,'LinearizeToSparse','on')

Descriptor State-Space ブロックの [スパース モデルに線形化する] パラメーターはブロックのカスタム線形化を指定すると無視されます。

コマンド ラインでのスパース モデルの線形化

関数 linearize または slLinearizer インターフェイスを使用して、コマンド ラインでスパース ブロックを含むモデルを線形化できます。

結果の線形化モデルを解析するには、次を行います。

  • 時間領域の場合は、時間ベクトルまたは最終シミュレーション時間を指定する必要があります。たとえば、100 個のサンプル点を使用して 10 秒間にわたり線形化スパース モデル linsys のステップ応答をプロットします。

    t = linspace(0,10,1000);
    step(sys,t)
  • 周波数領域の場合は、周波数ベクトルを指定する必要があります。たとえば、対数的に等間隔な 1,000 個の周波数点を使用して 101 から 105 rad/sec にわたり線形化スパース モデル linsys のボード線図をプロットします。

    w = logspace(1,5,1000);
    bode(linsys,w)

コマンド ラインでスパース モデルを解析する方法の詳細については、スパース モデルの基礎を参照してください。

モデル線形化器を使用したスパース モデルの線形化

モデル線形化器アプリを使用して、スパース ブロックを含むモデルを対話形式で線形化できます。

結果の線形化モデルの時間領域応答または周波数領域応答をプロットするたびに、モデル線形化器は、プロットする時間または周波数のベクトルを入力するよう求めるメッセージを表示します。以下に例を示します。

  • 時間領域 — 0.01 秒のインクリメントで 10 秒間応答をプロットします。

    Sparse model dialog with Time vector text field

  • 周波数領域 — 対数的に等間隔な 100 個の周波数点を使用して 10–1 から 103 rad/sec の間、応答をプロットします。

    Sparse model dialog with frequency vector specified using logspace function

既存のスパース モデル応答プロットに対して時間または周波数のベクトルは変更できません。代わりに、更新された時間または周波数のベクトルを使用して同じスパース モデルの新しいプロットを作成します。

線形化スパース モデルの構造を表示するには、モデルを MATLAB® ワークスペースにエクスポートして、関数 spyshowStateInfo を使用します。

制限

スパース線形化には次の制限があります。

  • スパース モデルを線形化するときにブロック削減を無効にすると、結果の線形モデルは密な ss モデル オブジェクトになります。

  • シミュレーションの制限により、モデルに Descriptor State-Space ブロックまたは Sparse Second Order ブロックが含まれている場合、スナップショットの線形化は機能しない可能性があります。

  • スパース線形化は、genss または uss (Robust Control Toolbox) などの調整可能なモデルまたは不確かさをもつモデルに関連するブロックの置換と互換性がありません。

  • 線形化スパース システムの解析時に [極-零点配置図] プロットと [I/O 極-零点配置図] プロットはサポートされません。

参考

ブロック

関数

アプリ

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