DropDown のプロパティ
ドロップダウン リストの外観と動作の制御
ドロップダウン リストは、ユーザーによるオプションの選択やテキストの入力を有効にする UI コンポーネントです。ドロップダウン リストの外観と動作はプロパティで制御します。ドット表記を使用して、特定のオブジェクトとプロパティを参照します。
fig = uifigure; dd = uidropdown(fig); dd.Items = {'Red','Green','Blue'};
ドロップダウン
Value
— 値
Items
の要素 | ItemsData
の要素
値。Items
または ItemsData
の配列の要素として指定します。既定では、Value
は Items
の最初の要素になります。
Value
を Items
の要素として指定すると、その要素に一致するドロップダウン項目が選択されます。ItemsData
が空でない場合、Value
は ItemsData
の要素に設定しなければならず、ドロップダウンでリスト内の関連する項目が選択されます。
Editable
が 'on'
に設定されている場合、Value
を文字ベクトルまたは string スカラーとして追加で指定できます。
Items
— ドロップダウン項目
{'Option 1','Option 2','Option 3','Option 4'}
(既定値) | 文字ベクトルの cell 配列 | string 配列 | ...
ドロップダウン項目。文字ベクトルの cell 配列、string 配列、または 1 次元の categorical 配列として指定します。重複する要素を使用できます。ドロップダウン コンポーネントには Items
の配列の要素数と同数のオプションが表示されます。このプロパティを categorical 配列として指定した場合、MATLAB® はカテゴリの完全なセットではなく、配列内の値を使用します。
例: {'Red','Yellow','Blue'}
例: {'1','2','3'}
ItemsData
— Items
プロパティ値の各要素に関連付けるデータ
空の配列 ([]
) (既定値) | 1 行 n 列の数値配列 | 1 行 n 列の cell 配列
Items
プロパティ値の各要素に関連付けるデータ。1 行 n 列の数値配列または 1 行 n 列の cell 配列として指定します。重複する要素を使用できます。
たとえば、Items
値を従業員の氏名に設定した場合、ItemsData
値を対応する従業員の ID 番号に設定できます。ItemsData
値はアプリ ユーザーに表示されません。
ItemsData
値と Items
値の配列要素数が一致しない場合、次のいずれかが起こります。
ItemsData
値が空の場合、Items
値のすべての要素がアプリ ユーザーに表示されます。ItemsData
値の要素数がItems
値の要素数よりも多い場合、Items
のすべての要素がアプリ ユーザーに表示されます。MATLAB はItemsData
の余分な要素を無視します。ItemsData
値が空ではないが、要素数がItems
値の要素数よりも少ない場合、対応する要素がItemsData
値にあるItems
値の要素のみがアプリ ユーザーに表示されます。
例: {'One','Two','Three'}
例: [10 20 30 40]
ValueIndex
— 項目内の値のインデックス
1
(既定値) | 正の整数
項目または項目データのリストにおけるコンポーネント値のインデックス。正の整数として指定します。
ほとんどの場合、Value
プロパティを使用してコンポーネント値をクエリおよび更新できます。ただし、ValueIndex
プロパティは、Items
プロパティと ItemsData
プロパティの両方が空でない場合に便利です。この場合、ValueIndex
プロパティを使用して、現在の値に対応する Items
の要素をクエリできます。
fig = uifigure; dd = uidropdown(fig, ... "Items",["Red","Green","Blue"], ... "ItemsData",["#F00","#0F0","#00F"]); idx = dd.ValueIndex; disp(dd.Items(idx) + ": " + dd.Value)
Red: #F00
Placeholder
— プレースホルダー テキスト
''
(既定値) | 文字ベクトル | string スカラー
プレースホルダー テキスト。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。プレースホルダーは、ドロップダウン項目の簡単な説明を提供します。プレースホルダー テキストが表示されるのは、ドロップダウン コンポーネントに ''
が表示される場合のみです。これは、以下の 2 つの状況で行われます。
Value
プロパティが''
に設定される。対応する項目が
''
であるItemsData
の要素にValue
プロパティが設定される。
たとえば、ItemsData
のないドロップダウン コンポーネントにプレースホルダーを表示するには、''
を Items
に追加して Value
プロパティを ''
に設定します。
fig = uifigure('Position',[100 100 300 200]); dd = uidropdown(fig,'Items',{'','One','Two'}, ... 'Value','', ... 'Placeholder','Options');
フォントと色
FontName
— フォント名
システムでサポートされているフォントの名前
フォント名。システムでサポートされているフォント名として指定します。既定のフォントは、特定のオペレーティング システムとロケールによって異なります。
指定したフォントが利用できない場合、MATLAB は、アプリが実行中のシステムで利用可能なフォントから最もよく一致するフォントを使用します。
例: 'Arial'
FontSize
— フォント サイズ
正の数値
フォント サイズ。正の数値として指定します。測定単位はピクセルです。既定のフォント サイズは、特定のオペレーティング システムとロケールによって異なります。
例: 14
FontWeight
— フォントの太さ
'normal'
(既定値) | 'bold'
フォントの太さ。次のいずれかの値として指定します。
'normal'
— 各フォントで定義されている既定の太さ'bold'
—'normal'
よりも太い文字
すべてのフォントに太字フォントがあるとは限りません。太字がないフォントの場合、'bold'
を指定すると標準フォントの太さになります。
FontAngle
— フォントの角度
'normal'
(既定値) | 'italic'
フォントの角度。'normal'
または 'italic'
として指定します。すべてのフォントにイタリックのフォントの角度があるわけではありません。イタリックがないフォントの場合、'italic'
を指定すると標準フォントの角度になります。
FontColor
— フォントの色
[0 0 0]
(既定値) | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 'r'
| 'g'
| 'b'
| ...
フォントの色。RGB 3 成分、16 進数カラー コードまたは表にリストされたオプションのいずれかとして指定します。
RGB 3 成分および 16 進数カラー コードは、カスタム色を指定するのに役立ちます。
RGB 3 成分は、色の赤、緑、青成分の強度を指定する 3 成分の行ベクトルです。強度値は
[0,1]
の範囲でなければなりません。たとえば[0.4 0.6 0.7]
のようになります。16 進数カラー コードは、ハッシュ記号 (
#
) で始まり、3 桁または 6 桁の0
からF
までの範囲の 16 進数が続く文字ベクトルまたは string スカラーです。この値は大文字と小文字を区別しません。したがって、カラー コード"#FF8800"
、"#ff8800"
、"#F80"
、および"#f80"
は等価です。
あるいは、名前を使用して一部の一般的な色を指定できます。次の表に、名前の付いた色オプション、等価の RGB 3 成分、および 16 進数カラー コードを示します。
色名 | 省略名 | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|---|---|
"red" | "r" | [1 0 0] | "#FF0000" | |
"green" | "g" | [0 1 0] | "#00FF00" | |
"blue" | "b" | [0 0 1] | "#0000FF" | |
"cyan" | "c" | [0 1 1] | "#00FFFF" | |
"magenta" | "m" | [1 0 1] | "#FF00FF" | |
"yellow" | "y" | [1 1 0] | "#FFFF00" | |
"black" | "k" | [0 0 0] | "#000000" | |
"white" | "w" | [1 1 1] | "#FFFFFF" |
MATLAB の多くのタイプのプロットで使用されている既定の色の RGB 3 成分および 16 進数カラー コードを次に示します。
RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|
[0 0.4470 0.7410] | "#0072BD" | |
[0.8500 0.3250 0.0980] | "#D95319" | |
[0.9290 0.6940 0.1250] | "#EDB120" | |
[0.4940 0.1840 0.5560] | "#7E2F8E" | |
[0.4660 0.6740 0.1880] | "#77AC30" | |
[0.3010 0.7450 0.9330] | "#4DBEEE" | |
[0.6350 0.0780 0.1840] | "#A2142F" |
BackgroundColor
— 背景色
[0.96 0.96 0.96]
(既定値) | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 'r'
| 'g'
| 'b'
| ...
背景色。RGB 3 成分、16 進数カラー コード、または表にリストされた色オプションのいずれかとして指定します。
RGB 3 成分および 16 進数カラー コードは、カスタム色を指定するのに役立ちます。
RGB 3 成分は、色の赤、緑、青成分の強度を指定する 3 成分の行ベクトルです。強度値は
[0,1]
の範囲でなければなりません。たとえば[0.4 0.6 0.7]
のようになります。16 進数カラー コードは、ハッシュ記号 (
#
) で始まり、3 桁または 6 桁の0
からF
までの範囲の 16 進数が続く文字ベクトルまたは string スカラーです。この値は大文字と小文字を区別しません。したがって、カラー コード"#FF8800"
、"#ff8800"
、"#F80"
、および"#f80"
は等価です。
あるいは、名前を使用して一部の一般的な色を指定できます。次の表に、名前の付いた色オプション、等価の RGB 3 成分、および 16 進数カラー コードを示します。
色名 | 省略名 | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|---|---|
"red" | "r" | [1 0 0] | "#FF0000" | |
"green" | "g" | [0 1 0] | "#00FF00" | |
"blue" | "b" | [0 0 1] | "#0000FF" | |
"cyan" | "c" | [0 1 1] | "#00FFFF" | |
"magenta" | "m" | [1 0 1] | "#FF00FF" | |
"yellow" | "y" | [1 1 0] | "#FFFF00" | |
"black" | "k" | [0 0 0] | "#000000" | |
"white" | "w" | [1 1 1] | "#FFFFFF" |
MATLAB の多くのタイプのプロットで使用されている既定の色の RGB 3 成分および 16 進数カラー コードを次に示します。
RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|
[0 0.4470 0.7410] | "#0072BD" | |
[0.8500 0.3250 0.0980] | "#D95319" | |
[0.9290 0.6940 0.1250] | "#EDB120" | |
[0.4940 0.1840 0.5560] | "#7E2F8E" | |
[0.4660 0.6740 0.1880] | "#77AC30" | |
[0.3010 0.7450 0.9330] | "#4DBEEE" | |
[0.6350 0.0780 0.1840] | "#A2142F" |
StyleConfigurations
— 追加されたスタイルの構成
空の n
行 3 列の table 配列 (既定値) | n
行 3 列の table 配列
この プロパティ は読み取り専用です。
関数 uistyle
を使用して作成されて追加されたスタイルの構成。n
行 3 列の table 配列として返されます。table 配列の各行は、ドロップダウン コンポーネントに現在適用されているスタイルに対応します。引き続き追加されたスタイルには、スタイル順序番号 n+1
が付与されます。Target
列と TargetIndex
列は、スタイルが追加されたコンポーネントの部分を指定します。Style
列は、スタイルのクラス名を示します。
関数 removeStyle
を使用してドロップダウン コンポーネントからスタイルを削除する場合に、このプロパティを使用します。
例: スタイルの削除
まず、2 つのスタイルをドロップダウン コンポーネントに追加します。
fig = uifigure; fig.Position = [100 100 300 250]; dd = uidropdown(fig); s1 = uistyle("FontColor","blue"); s2 = uistyle("FontColor","red"); addStyle(dd,s1,"item",1); addStyle(dd,s2,"item",[2 3 4]);
dd.StyleConfigurations
をクエリすると、MATLAB で 2 行 3 列の table 配列が返されます。最初に青のフォント スタイルがコンポーネントに追加されたため、青のフォント スタイルのスタイル順序番号は 1
です。レベル スタイルの TargetIndex
値 {[1]}
は、スタイルがコンポーネントの最初の項目に適用されたことを示します。同様に、2 番目のスタイルがコンポーネントの最後の 3 つの項目に追加されています。
dd.StyleConfigurations
ans = 2×3 table Target TargetIndex Style ______ ___________ _________________________ 1 item {[ 1]} 1×1 matlab.ui.style.Style 2 item {[2 3 4]} 1×1 matlab.ui.style.Style
スタイル順序番号 2
を指定して、ドロップダウン コンポーネントに追加された 2 番目のスタイルを削除します。コンポーネントの外観が最初のスタイルのみを使用するように更新されます。
removeStyle(dd,2)
対話機能
Visible
— 可視性の状態
'on'
(既定値) | on/off logical 値
可視性の状態。'on'
または 'off'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
'on'
— オブジェクトを表示します。'off'
— オブジェクトを削除せずに非表示にします。非表示の UI コンポーネントのプロパティには引き続きアクセスできます。
アプリの起動を高速化するには、起動時に表示する必要のないすべての UI コンポーネントの Visible
プロパティを 'off'
に設定します。
Editable
— ドロップダウン コンポーネントの編集可否の状態
'off'
(既定値) | on/off logical 値
ドロップダウン コンポーネントの編集可否の状態。'off'
または 'on'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
Enable
プロパティ値が 'off'
である場合、編集可否のプロパティ値が 'on'
でもアプリ ユーザーはドロップダウン コンポーネントのテキストを変更できません。
Enable
— 操作可能状態
'on'
(既定値) | on/off logical 値
操作可能状態。'on'
または 'off'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
このプロパティを
'on'
に設定した場合、アプリ ユーザーはコンポーネントを操作できます。このプロパティを
'off'
に設定した場合、コンポーネントはグレー表示されます。これは、アプリ ユーザーがコンポーネントを操作することができず、コンポーネントはコールバックをトリガーしないことを示します。
Tooltip
— ツールヒント
''
(既定値) | 文字ベクトル | 文字ベクトルの cell 配列 | string 配列 | 1 次元の categorical 配列
ツールヒント。文字ベクトル、文字ベクトルの cell 配列、string 配列、または 1 次元の categorical 配列として指定します。このプロパティを使用して、実行時にユーザーがポインターをコンポーネントに合わせるとメッセージが表示されるようにします。コンポーネントが無効になっている場合でも、ツールヒントは表示されます。複数行のテキストを表示するには、文字ベクトルの cell 配列または string 配列を指定します。配列の各要素は、テキストの各行になります。このプロパティを categorical 配列として指定した場合、MATLAB はカテゴリの完全なセットではなく、配列内の値を使用します。
ContextMenu
— コンテキスト メニュー
空の GraphicsPlaceholder
配列 (既定値) | ContextMenu
オブジェクト
コンテキスト メニュー。関数 uicontextmenu
を使用して作成された ContextMenu
オブジェクトとして指定します。このプロパティは、コンポーネントを右クリックしたときにコンテキスト メニューを表示するために使用します。
位置
Position
— ドロップダウン コンポーネントの位置とサイズ
[100 100 100 22]
(既定値) | [left bottom width height]
親を基準にしたドロップダウン コンポーネントの位置とサイズ。ベクトル [left bottom width height]
として指定します。次の表で、ベクトルの各要素について説明します。
要素 | 説明 |
---|---|
left | 親コンテナーの内側左端からドロップダウン コンポーネントの外側左端までの距離 |
bottom | 親コンテナーの内側下端からドロップダウン コンポーネントの外側下端までの距離 |
width | ドロップダウン コンポーネントの外側の右端と左端の間の距離 |
height | ドロップダウン コンポーネントの外側の上端と下端の間の距離 |
すべての測定単位はピクセルです。
Position
の値の基準は、親コンテナーの "描画可能領域" です。描画可能領域は、コンテナーの境界線の内側にある領域で、メニュー バーやタイトルなどの装飾が占める領域は含まれません。
例: [100 100 100 22]
InnerPosition
— ドロップダウン コンポーネントの内側の位置とサイズ
[100 100 100 22]
(既定値) | [left bottom width height]
ドロップダウン コンポーネントの内側の位置とサイズ。[left bottom width height]
として指定します。位置の値の基準は親コンテナーです。すべての測定単位はピクセルです。このプロパティ値は、ドロップダウン コンポーネントの Position
と同一です。
OuterPosition
— ドロップダウン コンポーネントの外側の位置とサイズ
[100 100 100 22]]
(既定値) | [left bottom width height]
この プロパティ は読み取り専用です。
ドロップダウン コンポーネントの外側の位置とサイズ。[left bottom width height]
として返されます。位置の値の基準は親コンテナーです。すべての測定単位はピクセルです。このプロパティ値は、ドロップダウン コンポーネントの Position
と同一です。
Layout
— レイアウト オプション
空の LayoutOptions
配列 (既定値) | GridLayoutOptions
オブジェクト
レイアウト オプション。GridLayoutOptions
オブジェクトとして指定します。このプロパティは、グリッド レイアウト コンテナーの子であるコンポーネントのオプションを指定します。コンポーネントがグリッド レイアウト コンテナーの子ではない場合 (たとえば、Figure またはパネルの子である場合) は、このプロパティは空で、効果はありません。しかし、コンポーネントがグリッド レイアウト コンテナーの子である場合は、GridLayoutOptions
オブジェクトの Row
プロパティおよび Column
プロパティを設定して、グリッドの目的の行と列にコンポーネントを配置することができます。
たとえば、以下のコードは、ドロップダウンをその親グリッドの 3 行目の 2 列目に配置します。
g = uigridlayout([4 3]); dd = uidropdown(g); dd.Layout.Row = 3; dd.Layout.Column = 2;
ドロップダウンが複数の行または列にまたがるようにするには、Row
または Column
プロパティを 2 要素ベクトルとして指定します。たとえば、次のドロップダウンは 2
列目から 3
列目にまたがります。
dd.Layout.Column = [2 3];
コールバック
ValueChangedFcn
— 値が変更されたときのコールバック
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
値が変更されたときのコールバック。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
このコールバック関数は、ドロップダウン リストから別のオプションを選択するときに実行されます。Value
プロパティがプログラムにより変更される場合には実行されません。
このコールバック関数は、ユーザーのドロップダウン操作に関する特定の情報にアクセスできます。MATLAB は、この情報を ValueChangedData
オブジェクトに格納して、2 番目の引数としてコールバック関数に渡します。App Designer では、引数は event
と呼ばれます。ドット表記を使用して、オブジェクトのプロパティをクエリできます。たとえば、event.PreviousValue
はドロップダウンの直前の値を返します。ValueChangedData
オブジェクトは、文字ベクトルとして指定されているコールバック関数では使用できません。
次の表に、ValueChangedData
オブジェクトのプロパティを示します。
プロパティ | 値 |
---|---|
Value | アプリ ユーザーによる最新操作の後のドロップダウン コンポーネントの値。 |
PreviousValue | アプリ ユーザーによる最新操作の前のドロップダウン コンポーネントの値。 |
Edited | ドロップダウン コンポーネントに新しい値を入力した結果としてコールバックが実行されたかどうかを示す logical 値。
|
Source | コールバックを実行するコンポーネント。 |
EventName | 'ValueChanged' |
コールバックの記述の詳細については、App Designer のコールバックを参照してください。
DropDownOpeningFcn
— ドロップダウン メニューを開くときのコールバック
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
ドロップダウン メニューを開くときのコールバック。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
このプロパティは、ユーザーがクリックしてドロップダウン メニューを開いたときに実行するコールバック関数を指定します。このコールバックの使用方法として、ドロップダウン メニューのエントリのリストの動的な更新があります。
このコールバック関数は、ユーザーのドロップダウン操作に関する特定の情報にアクセスできます。MATLAB は、この情報を DropDownOpeningData
オブジェクトに格納して、2 番目の引数としてコールバック関数に渡します。App Designer では、引数は event
と呼ばれます。ドット表記を使用して、オブジェクトのプロパティをクエリできます。たとえば、event.Source
は、ユーザーの操作に応じてコールバックをトリガーする DropDown
オブジェクトを返します。DropDownOpeningData
オブジェクトは、文字ベクトルとして指定されているコールバック関数では使用できません。
次の表に、DropDownOpeningData
オブジェクトのプロパティを示します。
プロパティ | 値 |
---|---|
Source | コールバックを実行するコンポーネント |
EventName | 'DropDownOpening' |
コールバックの記述の詳細については、App Designer のコールバックを参照してください。
ClickedFcn
— クリックしたときのコールバック
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
クリックしたときのコールバック。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
このコールバック関数は、ユーザーがドロップダウン コンポーネント内の任意の位置をクリックしたときに実行されます。
このコールバック関数は、ユーザーのドロップダウン コンポーネント操作に関する特定の情報にアクセスできます。MATLAB は、この情報を ClickedData
オブジェクトに格納して、2 番目の引数としてコールバック関数に渡します。App Designer では、引数は event
と呼ばれます。ドット表記を使用して、オブジェクトのプロパティをクエリできます。たとえば、event.InteractionInformation
は、ユーザーがクリックしたドロップダウン コンポーネント内の位置に関する情報を返します。ClickedData
オブジェクトは、文字ベクトルとして指定されているコールバック関数では使用できません。
次の表は、ClickedData
オブジェクトのプロパティを示しています。
プロパティ | 値 |
---|---|
InteractionInformation | アプリ ユーザーがクリックしたコンポーネント内の位置に関する情報。この情報は、次のプロパティをもつオブジェクトとして保存されます。
ドット表記を使用して、オブジェクトのプロパティをクエリできます。たとえば、 |
Source | コールバックを実行するコンポーネント |
EventName | 'Clicked' |
次の表に、ドロップダウン コンポーネントに関連付けられている InteractionInformation
オブジェクトのプロパティを示します。
プロパティ | 値 |
---|---|
Item | クリックされたドロップダウン コンポーネント項目のインデックス。スカラーとして返されます。 ユーザーのクリックしたドロップダウン コンポーネントの領域が項目に関連付けられていない場合、 |
Location | ドロップダウン コンポーネントの親コンテナーの左下隅を基準とした、ユーザーのクリック位置。
|
ScreenLocation | プライマリ ディスプレイの左下隅を基準とした、ユーザーのクリック位置。
|
コールバックの記述の詳細については、App Designer のコールバックを参照してください。
例: ドロップダウン コンポーネントのクリック時のデータの表示
食料品を表す項目と、それらのコストを表す項目データを含むドロップダウン コンポーネントを作成します。ユーザーがコンポーネントをクリックしたときに実行される、displayCost
という名前の ClickedFcn
コールバック関数を指定します。関数 displayCost
内で次を行います。
event.InteractionInformation
オブジェクトを使用して、ユーザーが項目をクリックしたかどうかに関する情報にアクセスします。ユーザーが、(項目に関連付けられていないドロップダウン コンポーネント内の場所ではなく) 項目をクリックした場合、その項目とコストをクエリします。
項目とそのコストをコマンド ウィンドウに表示します。
この例を試すには、次のコードを新しいスクリプトに保存して、実行します。ドロップダウン コンポーネントの項目をクリックし、そのコストを表示します。
fig = uifigure; dd = uidropdown(fig); dd.Items = ["Apple","Banana","Orange"]; dd.ItemsData = [1.2,0.5,1.2]; dd.ClickedFcn = @displayCost; function displayCost(dd,event) idx = event.InteractionInformation.Item; if ~isempty(idx) fruit = dd.Items(idx); cost = dd.ItemsData(idx); disp(fruit + " cost $" + cost) end end
CreateFcn
— 作成関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
オブジェクト作成関数。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
コールバックを関数ハンドル、cell 配列、または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、App Designer のコールバックを参照してください。
このプロパティは、MATLAB がオブジェクトを作成するときに実行されるコールバック関数を指定します。MATLAB は CreateFcn
コールバックを実行する前に、すべてのプロパティ値を初期化します。CreateFcn
プロパティを指定しない場合、MATLAB は既定の作成関数を実行します。
既存のコンポーネントに CreateFcn
プロパティを設定しても効果はありません。
このプロパティを関数ハンドルまたは cell 配列として指定した場合、コールバック関数の最初の引数を使用して、作成中のオブジェクトにアクセスできます。それ以外の場合は、関数 gcbo
を使用してオブジェクトにアクセスします。
DeleteFcn
— 削除関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
オブジェクト削除関数。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
コールバックを関数ハンドル、cell 配列、または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、App Designer のコールバックを参照してください。
このプロパティは、MATLAB がオブジェクトを削除するときに実行されるコールバック関数を指定します。MATLAB は、オブジェクトのプロパティを破棄する前に DeleteFcn
コールバックを実行します。DeleteFcn
プロパティを指定しない場合、MATLAB は既定の削除関数を実行します。
このプロパティを関数ハンドルまたは cell 配列として指定した場合、コールバック関数の最初の引数を使用して、削除されるオブジェクトにアクセスできます。それ以外の場合は、関数 gcbo
を使用してオブジェクトにアクセスします。
コールバック実行制御
Interruptible
— コールバックの割り込み
'on'
(既定値) | on/off logical 値
コールバックの割り込み。'on'
または 'off'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
このプロパティは実行中のコールバックが割り込み可能かどうかを決定します。次の 2 つのコールバックの状態について考慮する必要があります。
"実行中" コールバックは、現在実行しているコールバックです。
"割り込み" コールバックは、実行中のコールバックに割り込もうとするコールバックです。
MATLAB は、コールバック キューを処理するコマンドを実行するたびにコールバックの割り込み動作を判別します。これらのコマンドには、drawnow
、figure
、uifigure
、getframe
、waitfor
、pause
があります。
実行中コールバックにこれらのコマンドが含まれていない場合、割り込みは発生しません。MATLAB は、実行中コールバックの実行を先に終了させ、その後に割り込みコールバックを実行します。
実行中コールバックにこれらのいずれかのコマンドが含まれている場合、実行中コールバックを所有するオブジェクトの Interruptible
プロパティに応じて割り込みが発生するかどうかが決まります。
Interruptible
の値が'off'
の場合、割り込みは発生しません。代わりに、割り込みコールバックを所有するオブジェクトのBusyAction
プロパティに応じて、割り込みコールバックが破棄されるかコールバック キューに追加されるかが決まります。Interruptible
の値が'on'
の場合、割り込みが発生します。MATLAB は、コールバック キューの次回処理時に、実行中コールバックの実行を停止し、割り込みコールバックを実行します。割り込みコールバックが完了した後、MATLAB は実行中だったコールバックの実行を再開します。
メモ
コールバックの割り込みと実行は、以下の状況では動作が異なります。
割り込みコールバックが
DeleteFcn
、CloseRequestFcn
またはSizeChangedFcn
コールバックの場合、Interruptible
プロパティの値にかかわらず割り込みが発生します。実行中のコールバックが関数
waitfor
を現在実行している場合、Interruptible
プロパティの値にかかわらず割り込みが発生します。割り込みコールバックが
Timer
オブジェクトで所有されている場合、Interruptible
プロパティの値にかかわらずスケジュールに従ってコールバックが実行されます。
BusyAction
— コールバック キューイング
'queue'
(既定値) | 'cancel'
コールバック キューイング。'queue'
または 'cancel'
として指定します。BusyAction
プロパティは MATLAB による割り込みコールバックの実行の処理方法を決定します。次の 2 つのコールバックの状態について考慮する必要があります。
"実行中" コールバックは、現在実行しているコールバックです。
"割り込み" コールバックは、実行中のコールバックに割り込もうとするコールバックです。
BusyAction
プロパティによってコールバック キューイングの動作が決まるのは、次の両方の条件を満たす場合のみです。
これらの条件に当てはまる場合、割り込みコールバックを所有するオブジェクトの BusyAction
プロパティに応じて MATLAB による割り込みコールバックの処理方法が決まります。BusyAction
プロパティは次の値を取ることができます。
'queue'
— 割り込みコールバックをキューに入れ、実行中のコールバックが終了した後に処理されるようにします。'cancel'
— 割り込みコールバックを実行しません。
BeingDeleted
— 削除状態
on/off logical 値
この プロパティ は読み取り専用です。
削除状態。matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として返されます。
MATLAB は、DeleteFcn
コールバックが実行を開始すると、BeingDeleted
プロパティを 'on'
に設定します。コンポーネント オブジェクトが存在しなくなるまで BeingDeleted
プロパティは 'on'
に設定されたままです。
クエリや変更の前にオブジェクトが削除されようとしていないか確認するために BeingDeleted
プロパティの値をチェックします。
親/子
Parent
— 親コンテナー
Figure
オブジェクト (既定値) | Panel
オブジェクト | Tab
オブジェクト | ButtonGroup
オブジェクト | GridLayout
オブジェクト
親コンテナー。関数 uifigure
を使用して作成された Figure
オブジェクト、またはその子コンテナー (Tab
、Panel
、ButtonGroup
または GridLayout
) のいずれかとして指定します。コンテナーが指定されていない場合、MATLAB は関数 uifigure
を呼び出し、親コンテナーとして使用される新しい Figure
オブジェクトを作成します。
HandleVisibility
— オブジェクト ハンドルの可視性
'on'
(既定値) | 'callback'
| 'off'
オブジェクト ハンドルの可視性。'on'
、'callback'
または 'off'
として指定します。
このプロパティは、オブジェクトの親がもつ子のリストにおけるそのオブジェクトの可視性を制御します。オブジェクトがその親オブジェクトのリストで、子として可視できない場合、オブジェクト階層の検索またはプロパティのクエリによってオブジェクトを取得する関数は、そのオブジェクトを返しません。これらの関数には、get
、findobj
、clf
および close
が含まれます。オブジェクトは参照できない場合も有効です。オブジェクトにアクセスできる場合は、そのプロパティを設定および取得して、それをオブジェクトに作用する任意の関数に渡すことができます。
HandleVisibility の値 | 説明 |
---|---|
'on' | オブジェクトは常に参照できます。 |
'callback' | オブジェクトはコールバック内から、あるいはコールバックにより呼び出される関数から参照できます。しかし、コマンド ラインから呼び出される関数からは参照できません。このオプションを使用すると、コマンド ラインからのオブジェクトへのアクセスがブロックされますが、コールバック関数からのアクセスは許可されます。 |
'off' | オブジェクトは常に参照できません。このオプションは、他の関数による UI の意図しない変更を防止するために役立ちます。HandleVisibility を 'off' に設定すると、その関数の実行中にオブジェクトが一時的に非表示になります。 |
識別子
Type
— グラフィックス オブジェクトのタイプ
'uidropdown'
この プロパティ は読み取り専用です。
グラフィックス オブジェクトのタイプ。'uidropdown'
として返されます。
Tag
— オブジェクト識別子
''
(既定値) | 文字ベクトル | string スカラー
オブジェクト識別子。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。オブジェクトの識別子として機能する一意の Tag
値を指定できます。コードの他の部分からオブジェクトにアクセスする必要がある場合、関数 findobj
を使用して Tag
値に基づいてオブジェクトを検索できます。
UserData
— ユーザー データ
[]
(既定値) | 配列
ユーザー データ。任意の MATLAB 配列として指定します。たとえば、スカラー、ベクトル、行列、cell 配列、文字配列、table、または構造体を指定できます。このプロパティを使用して、任意のデータをオブジェクトに保存します。
App Designer を使用している場合は、UserData
プロパティを使用する代わりに、アプリでパブリック プロパティまたはプライベート プロパティを作成してデータを共有します。詳細については、App Designer アプリ内でのデータの共有を参照してください。
バージョン履歴
R2016a で導入R2023b: 項目リスト内のコンポーネント値のインデックスへのアクセス
ValueIndex
プロパティを使用して、項目リスト内のコンポーネント値のインデックスにアクセスします。
R2023a: ドロップダウン コンポーネントの項目のスタイル追加
関数 uistyle
を使用してドロップダウン コンポーネントのスタイルを作成し、関数 addStyle
を使用してスタイルを個別の項目またはドロップダウン コンポーネント全体に追加します。
R2022b: ユーザーによるドロップダウン コンポーネントのクリックに対する応答のプログラミング
ClickedFcn
コールバック プロパティを使用して、ユーザーによるドロップダウン コンポーネントのクリックに対する応答をプログラミングします。
R2021a: プレースホルダー テキストの指定
Placeholder
プロパティを使用して、想定されるドロップダウン コンポーネントの入力を説明する簡単なヒントを提供します。
MATLAB コマンド
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