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QPSK Modulator Baseband

直交位相偏移変調手法を使った変調

  • QPSK Modulator Baseband block

ライブラリ:
Communications Toolbox / Modulation / Digital Baseband Modulation / PSK
Communications Toolbox HDL Support / Modulation / PM

説明

QPSK Modulator Baseband ブロックは、直交位相偏移変調 (QPSK) 方式を使用して信号を変調します。出力は、変調信号のベースバンド表現です。このブロックは、スカラーまたは列ベクトルの入力信号を受け入れます。データ型の詳細については、サポートされているデータ型を参照してください。

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QPSK 変調をランダム データの信号に適用します。加法性ホワイト ガウス ノイズ (AWGN) チャネル経由で変調信号を渡します。信号コンスタレーションをプロットします。

doc_qpsk_mod モデルは QPSK データを生成し、AWGN を適用して結果のコンスタレーション ダイアグラムを表示します。

AWGN Channel ブロックの Eb/N0 を 15 dB に設定してモデルを実行します。コンスタレーション ダイアグラムは、AWGN が適用された QPSK シンボル サンプルを示します。

Eb/N0 を 15 dB から 10 dB に変更します。コンスタレーション ダイアグラムにおいて、ノイズ レベルは、サンプル間の距離が大きくなるにつれて増加しています。

ノイズを含む QPSK 信号を変調および復調します。

doc_qpsk_demod モデルは、バイナリ データのランダムなフレームを QPSK 変調し、変調されたデータにノイズを追加し、そのデータを QPSK 復調して、受信信号のエラー レートを計算します。

シミュレーションを実行すると、エラー レートの結果が 1 行 3 列の行ベクトル ErrorVec としてベース ワークスペースに保存されます。最初の要素はビット エラー レート (BER) を保持します。

AWGN Channel ブロックの Eb/N0 は 4.3 dB に設定されています。モデルを実行して誤りの統計を表示します。Eb/N0 が 4.3 dB である場合、結果として得られる BER は約 0.01 になります。結果は多少変動する場合があります。

ans =

    0.0104

AWGN の Eb/N0 を 7 dB に増やします。シミュレーションを再実行し、BER が減少していることを確認します。

ans =

   7.0000e-04

cm_qpsk_vs_msk モデルは、フィルター処理された直交位相偏移変調 (QPSK)、および最小偏移変調 (MSK) の変調方式を比較します。

このモデルは、Random Integer Generatorブロックからのランダムな整数データを使用し、フィルター処理された QPSK 信号を生成します。この信号は、QPSK Modulator Basebandブロックによって変調され、Raised Cosine Transmit Filterブロックによってフィルター処理されます。このモデルは、Bernoulli Binary Generatorブロックからのランダムなバイナリ データを使用し、MSK 信号を生成します。この信号は、MSK Modulator Basebandブロックによって変調されます。このモデルは、AWGN Channelブロックを使用して、フィルター処理された QPSK 信号、および MSK 信号の両方にノイズを追加します。アイ ダイアグラムブロックを使用して、両方の信号のアイ ダイアグラムが可視化されます。

フィルター処理された QPSK 変調の場合、信号の同相成分と直交成分のどちらの値も任意のシンボル間隔で変化することができます。MSK 変調の場合、シンボル間隔は QPSK の半分ですが、同相成分と直交成分は交互のシンボル エポックで値が変化します。

QPSK 変調された信号と MSK 変調された信号のアイ ダイアグラムのプロットを比較します。QPSK の場合、理想的なサンプリング周期は 1/2 サンプルで、同相信号成分と直交信号成分のどちらのサンプリング時間も 0.5、1.5、2.5、... になります。MSK の場合、理想的なサンプリング周期は 1 サンプルで、同相信号成分のサンプリング時間は 0.5、1.5、2.5、...、直交信号成分のサンプリング時間は 1、2、3、... になります。

端子

入力

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入力信号。スカラーまたは列ベクトルとして指定します。

  • [入力タイプ][整数] に設定した場合、入力信号の要素を範囲 [0, 3] の整数として指定します。

  • [入力タイプ][ビット] に設定した場合、2 ビット QPSK 変調シンボルの数が確実に 0 または正の整数になるよう、入力信号を偶数個の要素を含むバイナリ ベクトルとして指定します。

この端子はブロックで名前なしになります。

データ型: double | single | int8 | int16 | int32 | uint8 | uint16 | uint32 | Boolean | fixed point

出力

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QPSK 変調されたベースバンド信号。複素数値のスカラーまたはベクトルとして返されます。出力は、QPSK 変調された信号の複素ベースバンド表現です。

この端子はブロックで名前なしになります。

データ型: double | single | fixed point

パラメーター

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ブロック パラメーターを対話的に編集するには、プロパティ インスペクターを使用します。Simulink® ツールストリップの [シミュレーション] タブの [準備] ギャラリーで [プロパティ インスペクター] を選択します。

メイン

整数入力またはビット ペア入力のインジケーター。[整数] または [ビット] として指定します。

整数入力またはビット ペア入力のシンボル マッピング。[グレイ] または [バイナリ] として指定します。

  • グレイ符号の順序を使用してシンボルをマッピングするには、このパラメーターを [グレイ] に設定します。

  • バイナリ符号の順序を使用してシンボルをマッピングするには、このパラメーターを [バイナリ] に設定します。

詳細については、整数値信号とバイナリ値信号を参照してください。

信号コンスタレーションの 0 番目の点の位相 (ラジアン単位)。スカラーとして指定します。

ブロック マスクで [View Constellation] をクリックして、指定したブロック パラメーターの信号コンスタレーションを可視化します。コンスタレーションを表示する前に、パラメーターの設定を適用します。詳細については、変調器ブロックのコンスタレーションの表示を参照してください。

データ型

出力データ型。[double][single][fixdt(1,16)][fixdt(1,16,0)][逆伝播による継承]、または [<データ型式>] として指定します。

  • [fixdt(1,16)][fixdt(1,16,0)]、または [<データ型式>] とした場合、より詳しい項目を指定するためのパラメーターが有効になります。

  • [逆伝播による継承] とした場合、出力データ型とスケーリングは次のブロックに一致するように設定されます。

データ型の指定に関する詳細については、データ型アシスタントを参照してください。

ブロックの特性

データ型

Boolean | double | fixed pointa, b | integer | single

多次元信号

なし

可変サイズの信号

あり

a ''input type'' が ''bit'' に設定されている場合、入力が ufix(1) になります。M-ary 変調で ''input type'' が ''integer'' に設定されている場合、入力が ufix(ceil(log2(M))) になります。

b 固定小数点出力は符号付きでなければなりません。

詳細

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アルゴリズム

直交位相偏移変調では、メッセージ ビットが 2 ビット シンボルにグループ分けされ、定振幅ベースバンド信号の 4 つの位相の 1 つとして送信されます。このグループ分けにより、帯域幅の効率が BPSK の効率の 2 倍になります。一般的な QPSK 信号は次のように表現されます。

sm(t)=2EsTscos(2πfct+2πm4+ϕ);m{0,1,2,3},

ここで、Es はシンボルあたりのエネルギー、Ts はシンボルの持続時間、ϕ は初期位相オフセットです。QPSK 信号の複素ベースバンドの表現は次のようになります。

sm(t)=exp(j(2πm4+ϕ));m{0,1,2,3}.

この QPSK コンスタレーション ダイアグラムでは、各 2 ビット シーケンスが 4 つの可能な状態の 1 つにマッピングされます。状態は位相 π/4、3π/4、5π/4、および 7π/4 に対応します。

QPSK binary mapping constellation for π/4 phase offset.

ビット エラー レートのパフォーマンスを向上させるために、受信ビットをグレイ符号順にマッピングできます。グレイ符号化の主な利点は、隣接するコンスタレーション点の間の移動では、2 ビットのうち 1 つのみが変更されることです。次の表では、バイナリ マッピングとグレイ マッピングについて、コンスタレーション点のシーケンスを比較しています。

バイナリ符号化シーケンスグレイ符号化シーケンス
0000
0101
1011
1110

グレイ符号化は高次の変調に適用できます。次に、グレイ符号化された QPSK コンスタレーションを示します。

QPSK Gray mapping constellation for π/4 phase offset.

グレイ符号化を使用した場合、AWGN 環境下での QPSK のビット エラー確率は次のようになります。

Pb=Q(2EbN0),

これは BPSK の式と同じです。結果として、QPSK は帯域幅の効率の 2 倍と同等のパフォーマンスになります。

拡張機能

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C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2006a より前に導入