QPSK Demodulator Baseband
QPSK 変調されたデータの復調
ライブラリ:
Communications Toolbox /
Modulation /
Digital Baseband Modulation /
PSK
Communications Toolbox HDL Support /
Modulation /
PM
説明
QPSK Demodulator Baseband ブロックは、直交位相偏移変調 (QPSK) 方式を使用して変調された信号を復調します。入力は、変調信号のベースバンド表現です。
入力は複素信号でなければなりません。このブロックは、スカラーまたは列ベクトルの入力信号を受け入れます。データ型の詳細については、サポートされているデータ型を参照してください。
例
ノイズを含む QPSK 信号を変調および復調します。
doc_qpsk_demod モデルは、バイナリ データのランダムなフレームを QPSK 変調し、変調されたデータにノイズを追加し、そのデータを QPSK 復調して、受信信号のエラー レートを計算します。

シミュレーションを実行すると、エラー レートの結果が 1 行 3 列の行ベクトル ErrorVec としてベース ワークスペースに保存されます。最初の要素はビット エラー レート (BER) を保持します。
AWGN Channel ブロックの Eb/N0 は 4.3 dB に設定されています。モデルを実行して誤りの統計を表示します。Eb/N0 が 4.3 dB である場合、結果として得られる BER は約 0.01 になります。結果は多少変動する場合があります。
ans =
0.0104
AWGN の Eb/N0 を 7 dB に増やします。シミュレーションを再実行し、BER が減少していることを確認します。
ans = 7.0000e-04
端子
入力
QPSK 変調された入力信号。QPSK 変調された信号のベースバンド表現を含む複素数値スカラーまたは複素数値ベクトルとして指定します。ノイズ分散または信号強度の計算結果に極端な正または負の振幅が含まれる場合は、復調判定タイプの考慮事項について、軟判定 QPSK 復調を参照してください。
この端子は、Var 端子を有効にするまで、ブロックで名前なしになります。
データ型: double | single | fixed point
複素数のサポート: あり
ノイズ分散の推定。正のスカラーとして指定します。
ノイズ分散または信号強度の計算結果に極端な正または負の振幅が含まれる場合は、復調判定タイプの考慮事項について、軟判定 QPSK 復調を参照してください。
依存関係
このパラメーターは、[ノイズ分散ソース] を [端子] に設定した場合に適用されます。
データ型: double | single
出力
出力信号。スカラーまたは列ベクトルとして返されます。出力は PSK 変調された入力信号 In を復調したものです。
[出力タイプ] を
[整数]に設定した場合、返される出力信号の要素は範囲 [0, 3] の整数になります。[出力タイプ] を
[ビット]に設定した場合、QPSK はシンボルごとに 2 ビットであるため、返される出力信号には偶数個の要素をもつベクトルが含まれます。
この端子はブロックで名前なしになります。
データ型: double | single | int8 | int16 | int32 | uint8 | uint16 | uint32 | Boolean | fixed point
パラメーター
ブロック パラメーターを対話的に編集するには、プロパティ インスペクターを使用します。Simulink® ツールストリップの [シミュレーション] タブの [準備] ギャラリーで [プロパティ インスペクター] を選択します。
メイン
整数出力またはビット ペア出力のインジケーター。[整数] または [ビット] として指定します。
[出力タイプ] を
[整数]に設定し、[Constellation ordering] を[バイナリ]に設定した場合、ブロックは、点 e(jϕ + jπm/2) を m にマッピングします。ここで、ϕ はラジアン単位の位相オフセット ([位相オフセット (rad)]) で、m は 0、1、2、または 3 です。[出力タイプ] を
Bitに設定し、[判定タイプ] をHard decisionに設定した場合、出力にはバイナリ値のペアが含まれます。最上位ビット (ベクトルの一番上のビット) は、ブロック出力の最初のビットです。[出力タイプ] を
Bitに設定し、[判定タイプ] をLog-likelihood ratioまたはApproximate log-likelihood ratioに設定した場合、出力にはビット単位の LLR または近似 LLR 値がそれぞれ含まれます。
復調器出力。[硬判定]、[対数尤度比] または [近似対数尤度比] として指定します。LLR 出力および近似 LLR 出力を、Viterbi Decoder などの軟判定入力をサポートするエラー復号化器とともに使用して、優れたパフォーマンスを実現します。詳細については、アルゴリズムを参照してください。
[対数尤度比] と [近似対数尤度比] の判定タイプの出力値は、入力値と同じデータ型です。
依存関係
このパラメーターは、[出力タイプ] を Bit に設定した場合に適用されます。
ノイズ分散の推定。正のスカラーとして指定します。
ノイズ分散または信号強度の計算結果に極端な正または負の振幅が含まれる場合は、復調判定タイプの考慮事項について、軟判定 QPSK 復調を参照してください。
このパラメーターはノーマル モード、アクセラレータ モード、およびラピッド アクセラレータ モードで調整可能です。Simulink Coder™ ラピッド シミュレーション (RSIM) ターゲットを使用して RSIM 実行可能ファイルを作成する場合は、モデルを再コンパイルせずにパラメーターを調整できます。再コンパイルの回避は、異なる量のノイズでシミュレーションを複数回 (おそらく複数のコンピューターで) 実行するモンテ カルロ シミュレーションに便利です。
調整可能: Yes
依存関係
このパラメーターは、[ノイズ分散ソース] を [ダイアログ] に設定した場合に適用されます。
整数出力またはビット ペア出力のシンボル マッピング。[グレイ] または [バイナリ] として指定します。
グレイ符号の順序を使用してシンボルをマッピングするには、このパラメーターを
[グレイ]に設定します。バイナリ符号の順序を使用してシンボルをマッピングするには、このパラメーターを
[バイナリ]に設定します。
信号コンスタレーションの 0 番目の点の位相 (ラジアン単位)。スカラーとして指定します。
データ型
復調された信号の出力データ型。次のいずれかのオプションとして指定します。
整数出力の場合、出力データ型を、
'Inherit via internal rule'、'Smallest unsigned integer'、double、single、int8、uint8、int16、uint16、int32、またはuint32に設定できます。ビット出力については、[判定タイプ] を
Hard decisionに設定した場合に、データ型を、'Inherit via internal rule'、'Smallest unsigned integer'、double、single、int8、uint8、int16、uint16、int32、uint32またはbooleanに設定できます。
このパラメーターを 'Inherit via internal rule' に設定した場合、ブロックは出力のデータ型を入力端子から継承します。
入力が浮動小数点型 (
singleまたはdouble) の場合、出力のデータ型は入力のデータ型と同じになります。入力データ型が固定小数点の場合、出力データ型はこのパラメーターが
'Smallest unsigned integer'に設定されているかのように動作します。
このパラメーターを 'Smallest unsigned integer' に設定した場合、出力データ型は、モデルの [コンフィギュレーション パラメーター] ダイアログ ボックスの [ハードウェア実行] ペインで使用されている設定に基づいて選択されます。
ASIC/FPGAを [ハードウェア実行] ペインで指定し、[出力タイプ] をBitに設定した場合、出力データ型は理想的な最小 1 ビット サイズ (ufix(1)) になります。その他の選択肢を選んだ場合は、1 ビットに収まるうちで最小の語長となる符号なし整数とされ、通常は対応する文字のサイズとなります (たとえば、uint8)。ASIC/FPGAを [ハードウェア実行] ペインで指定し、[出力タイプ] をIntegerに設定した場合、出力データ型は理想的な最小 2 ビット サイズ (ufix(2)) になります。その他の選択肢を選んだ場合は、2 ビットに収まるうちで最小の語長となる符号なし整数とされ、通常は対応する文字のサイズとなります (たとえば、uint8)。
データ型の指定に関する詳細については、データ型アシスタントを参照してください。
依存関係
このパラメーターは、[出力タイプ] を [整数] に設定した場合、または [出力タイプ] を [ビット] に設定して [判定タイプ] を [硬判定] に設定した場合に適用されます。
ブロックの特性
詳細
[出力タイプ] パラメーターを [整数] に設定した場合、出力値は 0、1、2、および 3 です。出力 m に対して [Constellation ordering] を [バイナリ] に設定した場合、出力シンボルは ej(ϕ + πm/2) になります。ここで、ϕ は位相オフセット ([位相オフセット]) です。この場合、ブロックはスカラーまたは列ベクトル信号を受け入れます。
[出力タイプ] パラメーターを [ビット] に設定した場合、出力にはバイナリ値のペアが含まれます。この設定の場合、ブロックは偶数の長さの列ベクトルを出力します。[位相オフセット (rad)] パラメーターを π/4 に設定すると、ブロックは、[Constellation ordering] パラメーターを [バイナリ] または [グレイ] に設定するかどうかに従い、次の図に示す信号コンスタレーションの 1 つを使用します。
次の図は、バイナリ符号化およびグレイ符号化されたコンスタレーションの順序を示しています。この図では、最上位ビットは一番左のビットであり、このビットが最初にブロックに入力されます。

| 端子 | サポートされているデータ型 |
|---|---|
入力 |
|
Var |
|
出力 |
|
[データ型アシスタント] は、データ属性の設定を支援します。[データ型アシスタント] を使用するには、
をクリックします。詳細については、データ型アシスタントを利用したデータ型の指定 (Simulink)を参照してください。
アルゴリズム
QPSK 復調に必要な信号前処理は、構成によって異なります。
次の図は、自明な位相オフセット (π/4 の奇数倍) 構成用の硬判定 QPSK 復調の信号図を示しています。

次の図は、自明ではない位相オフセット構成用の硬判定 QPSK 復調の浮動小数点信号図を示しています。

次の図は、自明ではない位相オフセット構成用の硬判定 QPSK 復調の固定小数点信号図を示しています。

軟復調では、2 つの軟判定対数尤度比 (LLR) アルゴリズム (厳密な LLR と近似 LLR) を使用できます。厳密な LLR アルゴリズムは近似 LLR アルゴリズムよりも正確ですが実行速度が遅くなります。各アルゴリズムの詳細については、硬判定復調と軟判定復調のトピックを参照してください。
メモ
厳密な LLR アルゴリズムは有限の精度演算で指数を計算します。計算に非常に大きな正または負の振幅が含まれる場合、厳密な LLR アルゴリズムの結果は次のようになります。
ノイズ分散が極度に大きい値の場合は、
Infまたは-Infノイズ分散と信号強度の両方が非常に小さい値の場合は
NaN
近似 LLR アルゴリズムでは指数が計算されません。近似 LLR アルゴリズムを使用することによって、Inf、-Inf、および NaN の結果を回避できます。
拡張機能
C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。
HDL Coder™ は、HDL の実装および合成ロジックに影響を与える、追加の構成オプションを提供します。
このブロックは 1 つの既定の HDL アーキテクチャをもっています。
| ConstrainedOutputPipeline | 設計内で既存の遅延を移動することによって出力に配置するレジスタの数。分散型パイプラインは、これらのレジスタを再分散しません。既定の設定は |
| InputPipeline | 生成コードに挿入する入力パイプライン ステージの数。分散型パイプラインと制約付き出力パイプラインは、これらのレジスタを移動できます。既定の設定は |
| OutputPipeline | 生成コードに挿入する出力パイプライン ステージの数。分散型パイプラインと制約付き出力パイプラインは、これらのレジスタを移動できます。既定の設定は |
バージョン履歴
R2006a より前に導入
MATLAB Command
You clicked a link that corresponds to this MATLAB command:
Run the command by entering it in the MATLAB Command Window. Web browsers do not support MATLAB commands.
Web サイトの選択
Web サイトを選択すると、翻訳されたコンテンツにアクセスし、地域のイベントやサービスを確認できます。現在の位置情報に基づき、次のサイトの選択を推奨します:
また、以下のリストから Web サイトを選択することもできます。
最適なサイトパフォーマンスの取得方法
中国のサイト (中国語または英語) を選択することで、最適なサイトパフォーマンスが得られます。その他の国の MathWorks のサイトは、お客様の地域からのアクセスが最適化されていません。
南北アメリカ
- América Latina (Español)
- Canada (English)
- United States (English)
ヨーロッパ
- Belgium (English)
- Denmark (English)
- Deutschland (Deutsch)
- España (Español)
- Finland (English)
- France (Français)
- Ireland (English)
- Italia (Italiano)
- Luxembourg (English)
- Netherlands (English)
- Norway (English)
- Österreich (Deutsch)
- Portugal (English)
- Sweden (English)
- Switzerland
- United Kingdom (English)