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信号アナライザーでのスカログラム計算

スカログラムは信号の連続ウェーブレット変換 (CWT) の絶対値で、時間と周波数の関数としてプロットされます。スカログラムは、低周波数成分を含む信号や、周波数成分が急激に変化する信号を識別する場合、スペクトログラムより便利な場合があります。短時間の高周波数イベントにおける時間の位置推定と長時間の低周波数イベントにおける周波数の位置推定を向上させたい場合に、スカログラムを使用します。

入力信号を無限時間の正弦波に分解するスペクトログラムとは異なり、CWT は "ウェーブレット" に信号を分解します。ウェーブレットは、周波数と時間の両方で位置決めされるため、突然の変化による中断を伴う規則的な振る舞いを示すデータの解析に優れています。つまり、ウェーブレットには開始と終了があります。ウェーブレットが有限であるため、振幅と形状を制御するだけでなく、位置も制御することができます。この追加の自由度により、CWT では、過渡状態を検出し、信号の周波数が急激に変化している領域を特定できます。

メモ

スカログラムの表示を使用するには、Wavelet Toolbox™ のライセンスが必要です。

時間での位置推定を得るために、スペクトログラムは入力信号をウィンドウ セグメントに分割し、1 つずつフーリエ変換を行って表示します。(詳細は、信号アナライザーでのスペクトログラム計算を参照)。ただし、ウィンドウの長さは固定され、不確定性原理によって時間分解能と周波数分解能の間でトレードオフが設定されます。

  • たとえば、バーストを検出するために時間分解能を向上させると、周波数分解能が低下します。

  • たとえば、トーンを高精度にするために周波数分解能を向上させると、時間分解能が低下します。

一方、スカログラムは、信号が変わるとウェーブレットをリサイズし、条件が変わるとウェーブレットを調整することができます。この手続きでは、ウェーブレットを引き伸ばすことにより長時間の低周波数情報を取得し、ウェーブレットを縮小することにより短時間の高周波数情報を取得します。この手続きを使用して、スカログラムは低周波数における良好な周波数位置推定を、また、高周波数における良好な時間位置推定を達成できます。

スカログラムを計算するために、信号アナライザーは以下のステップを実行します。

  1. 信号が 100 万サンプルを超える場合、信号をオーバーラップ セグメントに分割します。

  2. 各セグメントの CWT を計算して、スカログラムを取得します。

  3. セグメントごとにスカログラムを表示します。

ヒント

  • スカログラム表示は一様にサンプリングされていない信号はサポートしていません。一様にサンプリングされていない信号のスカログラムを計算するには、関数resampleを使用して等間隔グリッドに信号をリサンプリングします。

  • ディスプレイで利用できるスカログラム表示は、1 つの信号のみを含みます。異なる信号のスカログラムを計算するには、個別のディスプレイを開き、各信号をそれぞれのディスプレイにドラッグします。

信号のセグメント分割

入力信号が 100 万サンプル以下の場合、信号アナライザーは関数 cwt を直接使用します。信号が 100 万サンプルを超える場合、アプリは次のステップを実行します。

  1. 隣接するセグメント間で 50% のオーバーラップがある 100 万サンプルのセグメントに信号を分割します。

  2. 最後のセグメントが信号の端点を越えた場合は、最後のセグメントが 100 万サンプルになるまで信号にゼロ パディングします。

  3. 各セグメントのスカログラムを計算した後、次のようにエッジの影響を削除します。

    • 最初と最後を除いて、すべてのセグメントの最初の 250,000 スカログラム サンプルと最後の 250,000 スカログラム サンプルを破棄します。

    • 最初のセグメントの最後の 250,000 スカログラム サンプルを破棄します。

    • 最後のセグメントで、最初の 250,000 スカログラム サンプルとゼロ パディングされた領域に対応するサンプルを破棄します。

たとえば、サンプルが 2.6 × 106 の信号について考えてみましょう。

連続ウェーブレット変換の計算

信号アナライザーは、関数 cwt の既定の設定を使用して CWT を計算します。アプリは、一般化解析モールス ウェーブレットをガンマ係数 γ = 3 で使用します。詳細は、Morse Wavelets (Wavelet Toolbox)を参照してください。

信号アナライザーでは、2 つの独立した周波数分解能制御が提供されています。

  • [時間と帯域幅] スライダーは時間と帯域幅の積を制御します。これは、時間領域でのウェーブレット時間に比例します。時間と帯域幅の積が増加すると、ウェーブレットで中央部の振動が増え、時間内のスプレッドが大きくなり、周波数のスプレッドが狭くなります。スライダーは 3 ~ 120 の範囲で移動します。既定値は 60 です。図は、さまざまな時間と帯域幅の積 P のモールス ウェーブレットを示しています。実数部は青、虚数部は赤、絶対値は黒です。

  • [オクターブあたりの音の数] スライダーは、CWT の離散化に使用されるオクターブごとのスケールの数を制御します。オクターブあたりの音の数が増加すると、スケール解像度が細かくなります。スライダーは、4 ~ 16 の範囲で、4 の倍数のステップで移動します。既定値は 8 です。

スカログラムの表示

信号アナライザーは、時間と周波数の関数として CWT 係数の絶対値をプロットします。信号がセグメントに分割された場合、アプリは個々のセグメントのスカログラムを結合し、表示します。アプリは円すい状影響圏もプロットし、エッジの影響が顕著になる位置を示します。

参考

アプリ

関数

関連する例

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