Image のプロパティ
イメージ コンポーネントの外観と動作の制御
イメージは、アイコンやロゴなどの画像をアプリに表示できるようにする UI コンポーネントです。Image
プロパティは、イメージの外観と動作を制御します。ドット表記を使用して、特定のオブジェクトとプロパティを参照します。
fig = uifigure; im = uiimage(fig); im.ImageSource = "peppers.png";
イメージ
ImageSource
— イメージのソースまたはファイル
''
(既定値) | string スカラー | 文字ベクトル | m
×n
×3 のトゥルーカラー イメージ配列
イメージのソースまたはファイル。string スカラー、文字ベクトル、または m
×n
×3 のトゥルーカラー イメージ配列として指定します。ファイル名には、MATLAB® パス上のイメージ ファイル名、あるいはイメージ ファイルへの絶対パスを指定できます。他のユーザーとアプリを共有する予定の場合は、アプリのパッケージ化を容易にするためにイメージ ファイルを MATLAB パス上に配置します。
サポートされているイメージ形式には、JPEG、PNG、GIF、SVG または m
×n
×3 のトゥルーカラー イメージ配列が含まれます。トゥルーカラー イメージ配列の詳細については、イメージの種類を参照してください。
例: im = uiimage("ImageSource","peppers.png");
例: im.ImageSource = "C:\TEMP\ngc6543a.jpg";
HorizontalAlignment
— レンダリング後のイメージの水平方向の配置
'center'
(既定値) | 'left'
| 'right'
イメージ コンポーネント エリア内のレンダリング後のイメージの水平方向の配置。'center'
、'left'
または 'right'
として指定します。この水平方向の配置は、イメージ コンポーネントの境界線内を基準とした相対位置です。ScaleMethod
プロパティ値が 'stretch'
に設定されている場合、このプロパティを設定しても効果はありません。
たとえば、次の表は、各 HorizontalAlignment
値のレンダリング後のイメージを示しています。ここで、ScaleMethod
プロパティ値は 'none'
に設定されていて、VerticalAlignment
プロパティには既定値 'center'
が設定されています。ここに示されていない、その他多くの組み合わせを実装できます。
水平方向の配置の値 | 説明 | レンダリング後のイメージ |
---|---|---|
'center' | イメージの左端と右端は、イメージ コンポーネントの境界線内の左側と右側の間でそれぞれ等間隔です。 | |
'left' | イメージの左端は、イメージ コンポーネントの境界線内の左側と揃っています。 | |
'right' | イメージの右端は、イメージ コンポーネントの境界線内の右側と揃っています。 | |
VerticalAlignment
— レンダリング後のイメージの垂直方向の配置
'center'
(既定値) | 'top'
| 'bottom'
イメージ コンポーネント エリア内のレンダリング後のイメージの垂直方向の配置。'center'
、'left'
または 'right'
として指定します。垂直方向の配置は、イメージ コンポーネントの境界線内を基準とした相対位置です。ScaleMethod
プロパティ値が 'stretch'
に設定されている場合、このプロパティを設定しても効果はありません。
たとえば、次の表は、各 VerticalAlignment
値のレンダリング後のイメージを示しています。ここで、ScaleMethod
プロパティ値は 'none'
に設定されていて、HorizontalAlignment
プロパティには既定値 'center'
が設定されています。ここに示されていない、その他多くの組み合わせを実装できます。
垂直方向の配置の値 | 説明 | レンダリング後のイメージ |
---|---|---|
'center' | イメージの上端と下端は、イメージ コンポーネントの境界線内の上側と下側の間でそれぞれ等間隔です。 | |
'top' | イメージの上端は、イメージ コンポーネントの境界線内の上側と揃っています。 | |
'bottom' | イメージの下端は、イメージ コンポーネントの境界線内の下側と揃っています。 | |
ScaleMethod
— イメージのスケーリング方法
'fit'
(既定値) | 'fill'
| 'none'
| 'scaledown'
| 'scaleup'
| 'stretch'
イメージのスケーリング方法。次の表にリストされた値のいずれかとして指定します。この名前と値のペアの引数を使用して、イメージをコンポーネント エリア内にどのようにレンダリングするかを指定します。
次の表では、イメージ例を使用した各スケール方法も示します。レンダリング後のイメージ例では、イメージ コンポーネントの BackgroundColor
プロパティは 'magenta'
に設定されています。SVG イメージ ファイルのスケーリング動作は、ファイルの定義方法によって異なる場合があります。
値 | 説明 | 例 | スケール アップ | スケール ダウン | 縦横比の維持 | クリップ イメージ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
元のイメージ | レンダリング後のイメージ | ||||||
'fit' | 任意の方向にスケーリングしてイメージをコンポーネント エリア内に表示し、クリッピングせずに縦横比を維持します。 | | | あり | あり | あり | なし |
'fill' | 任意の方向にスケーリングしてコンポーネント エリアを埋めて、縦横比を維持し、必要に応じてクリッピングします。 | | | あり | あり | あり | あり |
'none' | イメージの実際のサイズを使用し、縦横比を維持します。コンポーネント エリアがイメージより小さい場合、イメージはクリップされます。 | | | なし | なし | あり | あり |
'scaledown' | スケール ダウンし、クリッピングせずに縦横比を維持します。 元のイメージがコンポーネント エリアより大きい場合、イメージはスケール ダウンされ、 | | | なし | あり | あり | なし |
'scaleup' | スケール アップし、クリッピングにより縦横比を維持します。 元のイメージがコンポーネント エリアより小さい場合、イメージはスケール アップされ、 | | | あり | なし | あり | あり |
'stretch' | 任意の方向にスケーリングし、縦横比を維持せず、クリッピングせずにコンポーネント エリアを埋めます。 | | | あり | あり | なし | なし |
色
BackgroundColor
— 背景色
'none'
(既定値) | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 'r'
| 'g'
| 'b'
| ...
背景色。RGB 3 成分、16 進数カラー コード、または表にリストされた色オプションのいずれかとして指定します。
カスタム色を使用する場合は、RGB 3 成分または 16 進数カラー コードを指定します。
RGB 3 成分は、色の赤、緑、青成分の強度を指定する 3 成分の行ベクトルです。強度値は
[0,1]
の範囲でなければなりません。たとえば[0.4 0.6 0.7]
のようになります。16 進数カラー コードは、ハッシュ記号 (
#
) で始まり、3 桁または 6 桁の0
からF
までの範囲の 16 進数が続く string スカラーまたは文字ベクトルです。この値は大文字と小文字を区別しません。したがって、カラー コード"#FF8800"
、"#ff8800"
、"#F80"
、および"#f80"
は等価です。
あるいは、名前を使用して一部の一般的な色を指定できます。次の表に、名前の付いた色オプション、等価の RGB 3 成分、および 16 進数カラー コードを示します。
色名 | 省略名 | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|---|---|
"red" | "r" | [1 0 0] | "#FF0000" | |
"green" | "g" | [0 1 0] | "#00FF00" | |
"blue" | "b" | [0 0 1] | "#0000FF" | |
"cyan" | "c" | [0 1 1] | "#00FFFF" | |
"magenta" | "m" | [1 0 1] | "#FF00FF" | |
"yellow" | "y" | [1 1 0] | "#FFFF00" | |
"black" | "k" | [0 0 0] | "#000000" | |
"white" | "w" | [1 1 1] | "#FFFFFF" | |
"none" | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 色なし |
MATLAB の多くのタイプのプロットで使用されている既定の色の RGB 3 成分および 16 進数カラー コードを次に示します。
RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|
[0 0.4470 0.7410] | "#0072BD" | |
[0.8500 0.3250 0.0980] | "#D95319" | |
[0.9290 0.6940 0.1250] | "#EDB120" | |
[0.4940 0.1840 0.5560] | "#7E2F8E" | |
[0.4660 0.6740 0.1880] | "#77AC30" | |
[0.3010 0.7450 0.9330] | "#4DBEEE" | |
[0.6350 0.0780 0.1840] | "#A2142F" |
対話機能
URL
— イメージのハイパーリンクの URL
''
(既定値) | 文字ベクトル | string スカラー
イメージのハイパーリンクの URL。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。ユーザーがイメージをクリックすると、URL で指定された Web アドレスが新しいブラウザー タブで開きます。ユーザーがアプリを、MATLAB Online™ を使用してブラウザーで実行しているか Web アプリとして実行している場合、新しいタブは現在のブラウザーで開きます。それ以外の場合、新しいタブはユーザーのシステムにおける既定のブラウザーで開きます。
AltText
— イメージ代替テキスト
''
(既定値) | string スカラー | 文字ベクトル
イメージ代替テキスト (alt テキスト)。string スカラーまたは文字ベクトルとして指定します。このプロパティを使用してイメージの説明を提供します。スクリーン リーダーは、このテキストを使用してイメージについて説明します。
Visible
— 可視性の状態
'on'
(既定値) | on/off logical 値
可視性の状態。'on'
または 'off'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
'on'
— オブジェクトを表示します。'off'
— オブジェクトを削除せずに非表示にします。非表示の UI コンポーネントのプロパティには引き続きアクセスできます。
アプリの起動を高速化するには、起動時に表示する必要のないすべての UI コンポーネントの Visible
プロパティを 'off'
に設定します。
Enable
— 操作可能状態
'on'
(既定値) | on/off logical 値
操作可能状態。'on'
または 'off'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
このプロパティを
'on'
に設定した場合、アプリ ユーザーはコンポーネントを操作できます。このプロパティを
'off'
に設定した場合、コンポーネントはグレー表示されます。これは、アプリ ユーザーがコンポーネントを操作することができず、コンポーネントはコールバックをトリガーしないことを示します。
Tooltip
— ツールヒント
''
(既定値) | 文字ベクトル | 文字ベクトルの cell 配列 | string 配列 | 1 次元の categorical 配列
ツールヒント。文字ベクトル、文字ベクトルの cell 配列、string 配列、または 1 次元の categorical 配列として指定します。このプロパティを使用して、実行時にユーザーがポインターをコンポーネントに合わせるとメッセージが表示されるようにします。コンポーネントが無効になっている場合でも、ツールヒントは表示されます。複数行のテキストを表示するには、文字ベクトルの cell 配列または string 配列を指定します。配列の各要素は、テキストの各行になります。このプロパティを categorical 配列として指定した場合、MATLAB はカテゴリの完全なセットではなく、配列内の値を使用します。
ContextMenu
— コンテキスト メニュー
空の GraphicsPlaceholder
配列 (既定値) | ContextMenu
オブジェクト
コンテキスト メニュー。関数 uicontextmenu
を使用して作成された ContextMenu
オブジェクトとして指定します。このプロパティは、コンポーネントを右クリックしたときにコンテキスト メニューを表示するために使用します。
位置
Position
— イメージ コンポーネントの位置とサイズ
[100 100 100 100]
(既定値) | [left bottom width height]
親を基準にしたイメージ コンポーネントの位置とサイズ。[left bottom width height]
の形式の 4 要素ベクトルとして指定します。次の表で、ベクトルの各要素について説明します。
要素 | 説明 |
---|---|
left | 親コンテナーの内側左端からイメージ コンポーネントの外側左端までの距離 |
bottom | 親コンテナーの内側下端からイメージ コンポーネントの外側下端までの距離 |
width | イメージ コンポーネントの外側の左右の端の間の距離 |
height | イメージ コンポーネントの外側の上下の端の間の距離 |
Position
の値の基準は、親コンテナーの "描画可能領域" です。描画可能領域は、コンテナーの境界線の内側にある領域で、メニュー バーやタイトルなどの装飾が占める領域は含まれません。
すべての測定単位はピクセルです。
InnerPosition
— イメージ コンポーネントの内側の位置とサイズ
[100 100 100 100]
(既定値) | [left bottom width height]
イメージ コンポーネントの内側の位置とサイズ。[left bottom width height]
の形式の 4 要素ベクトルとして指定します。すべての測定単位はピクセルです。このプロパティ値は、Position
プロパティと同一です。
OuterPosition
— イメージ コンポーネントの外側の位置とサイズ
[100 100 100 100]
(既定値) | [left bottom width height]
この プロパティ は読み取り専用です。
イメージ コンポーネントの外側の位置とサイズ。[left bottom width height]
の形式の 4 要素ベクトルとして返されます。すべての測定単位はピクセルです。このプロパティ値は、Position
プロパティと同一です。
Layout
— レイアウト オプション
空の LayoutOptions
配列 (既定値) | GridLayoutOptions
オブジェクト
レイアウト オプション。GridLayoutOptions
オブジェクトとして指定します。このプロパティは、グリッド レイアウト コンテナーの子であるコンポーネントのオプションを指定します。コンポーネントがグリッド レイアウト コンテナーの子ではない場合 (たとえば、Figure またはパネルの子である場合) は、このプロパティは空で、効果はありません。しかし、コンポーネントがグリッド レイアウト コンテナーの子である場合は、GridLayoutOptions
オブジェクトの Row
プロパティおよび Column
プロパティを設定して、グリッドの対象とする行と列にコンポーネントを配置することができます。
たとえば、以下のコードは、イメージ コンポーネントをその親グリッドの 3 行目の 2 列目に配置します。
g = uigridlayout([4 3]); im = uiimage(g); im.ImageSource = 'peppers.png'; im.ScaleMethod = 'fill'; im.Layout.Row = 3; im.Layout.Column = 2;
イメージが複数の行または列にまたがるようにするには、Row
または Column
プロパティを 2 要素ベクトルとして指定します。たとえば、このイメージは列 2
から 3
にまたがります。
im.Layout.Column = [2 3];
コールバック
ImageClickedFcn
— イメージ クリック時のコールバック
' ' (既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
イメージ クリック時のコールバック。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
このコールバックは、ユーザーがアプリでイメージをクリックしたときに実行されます。URL
プロパティを使用して開くリンクを指定した場合、コールバックはリンクが開いた後に実行されます。
このコールバック関数は、ユーザーのイメージ操作に関する特定の情報にアクセスできます。MATLAB は、この情報を ImageClickedData
オブジェクトに格納して、2 番目の引数としてコールバック関数に渡します。App Designer では、引数は event
と呼ばれます。ドット表記を使用して、オブジェクトのプロパティをクエリできます。たとえば、event.Source
は、ユーザーの操作に応じてコールバックをトリガーする Image
オブジェクトを返します。ImageClickedData
オブジェクトは、文字ベクトルとして指定されているコールバック関数では使用できません。
次の表に、ImageClickedData
オブジェクトのプロパティを示します。
プロパティ | 値 |
---|---|
EventName | 'ImageClicked' |
Source | コールバックを実行するコンポーネント |
コールバックの記述の詳細については、App Designer のコールバックを参照してください。
CreateFcn
— 作成関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
オブジェクト作成関数。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
コールバックを関数ハンドル、cell 配列、または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、App Designer のコールバックを参照してください。
このプロパティは、MATLAB がオブジェクトを作成するときに実行されるコールバック関数を指定します。MATLAB は CreateFcn
コールバックを実行する前に、すべてのプロパティ値を初期化します。CreateFcn
プロパティを指定しない場合、MATLAB は既定の作成関数を実行します。
既存のコンポーネントに CreateFcn
プロパティを設定しても効果はありません。
このプロパティを関数ハンドルまたは cell 配列として指定した場合、コールバック関数の最初の引数を使用して、作成中のオブジェクトにアクセスできます。それ以外の場合は、関数 gcbo
を使用してオブジェクトにアクセスします。
DeleteFcn
— 削除関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
オブジェクト削除関数。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
コールバックを関数ハンドル、cell 配列、または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、App Designer のコールバックを参照してください。
このプロパティは、MATLAB がオブジェクトを削除するときに実行されるコールバック関数を指定します。MATLAB は、オブジェクトのプロパティを破棄する前に DeleteFcn
コールバックを実行します。DeleteFcn
プロパティを指定しない場合、MATLAB は既定の削除関数を実行します。
このプロパティを関数ハンドルまたは cell 配列として指定した場合、コールバック関数の最初の引数を使用して、削除されるオブジェクトにアクセスできます。それ以外の場合は、関数 gcbo
を使用してオブジェクトにアクセスします。
コールバック実行制御
Interruptible
— コールバックの割り込み
'on'
(既定値) | on/off logical 値
コールバックの割り込み。'on'
または 'off'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
このプロパティは実行中のコールバックが割り込み可能かどうかを決定します。次の 2 つのコールバックの状態について考慮する必要があります。
"実行中" コールバックは、現在実行しているコールバックです。
"割り込み" コールバックは、実行中のコールバックに割り込もうとするコールバックです。
MATLAB は、コールバック キューを処理するコマンドを実行するたびにコールバックの割り込み動作を判別します。これらのコマンドには、drawnow
、figure
、uifigure
、getframe
、waitfor
、pause
があります。
実行中コールバックにこれらのコマンドが含まれていない場合、割り込みは発生しません。MATLAB は、実行中コールバックの実行を先に終了させ、その後に割り込みコールバックを実行します。
実行中コールバックにこれらのいずれかのコマンドが含まれている場合、実行中コールバックを所有するオブジェクトの Interruptible
プロパティに応じて割り込みが発生するかどうかが決まります。
Interruptible
の値が'off'
の場合、割り込みは発生しません。代わりに、割り込みコールバックを所有するオブジェクトのBusyAction
プロパティに応じて、割り込みコールバックが破棄されるかコールバック キューに追加されるかが決まります。Interruptible
の値が'on'
の場合、割り込みが発生します。MATLAB は、コールバック キューの次回処理時に、実行中コールバックの実行を停止し、割り込みコールバックを実行します。割り込みコールバックが完了した後、MATLAB は実行中だったコールバックの実行を再開します。
メモ
コールバックの割り込みと実行は、以下の状況では動作が異なります。
割り込みコールバックが
DeleteFcn
、CloseRequestFcn
またはSizeChangedFcn
コールバックの場合、Interruptible
プロパティの値にかかわらず割り込みが発生します。実行中のコールバックが関数
waitfor
を現在実行している場合、Interruptible
プロパティの値にかかわらず割り込みが発生します。割り込みコールバックが
Timer
オブジェクトで所有されている場合、Interruptible
プロパティの値にかかわらずスケジュールに従ってコールバックが実行されます。
BusyAction
— コールバック キューイング
'queue'
(既定値) | 'cancel'
コールバック キューイング。'queue'
または 'cancel'
として指定します。BusyAction
プロパティは MATLAB による割り込みコールバックの実行の処理方法を決定します。次の 2 つのコールバックの状態について考慮する必要があります。
"実行中" コールバックは、現在実行しているコールバックです。
"割り込み" コールバックは、実行中のコールバックに割り込もうとするコールバックです。
BusyAction
プロパティによってコールバック キューイングの動作が決まるのは、次の両方の条件を満たす場合のみです。
これらの条件に当てはまる場合、割り込みコールバックを所有するオブジェクトの BusyAction
プロパティに応じて MATLAB による割り込みコールバックの処理方法が決まります。BusyAction
プロパティは次の値を取ることができます。
'queue'
— 割り込みコールバックをキューに入れ、実行中のコールバックが終了した後に処理されるようにします。'cancel'
— 割り込みコールバックを実行しません。
BeingDeleted
— 削除状態
on/off logical 値
この プロパティ は読み取り専用です。
削除状態。matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として返されます。
MATLAB は、DeleteFcn
コールバックが実行を開始すると、BeingDeleted
プロパティを 'on'
に設定します。コンポーネント オブジェクトが存在しなくなるまで BeingDeleted
プロパティは 'on'
に設定されたままです。
クエリや変更の前にオブジェクトが削除されようとしていないか確認するために BeingDeleted
プロパティの値をチェックします。
親/子
Parent
— 親コンテナー
Figure
オブジェクト (既定値) | Panel
オブジェクト | Tab
オブジェクト | ButtonGroup
オブジェクト | GridLayout
オブジェクト
親コンテナー。関数 uifigure
を使用して作成された Figure
オブジェクト、またはその子コンテナー (Tab
、Panel
、ButtonGroup
または GridLayout
) のいずれかとして指定します。コンテナーが指定されていない場合、MATLAB は関数 uifigure
を呼び出し、親コンテナーとして使用される新しい Figure
オブジェクトを作成します。
HandleVisibility
— オブジェクト ハンドルの可視性
'on'
(既定値) | 'callback'
| 'off'
オブジェクト ハンドルの可視性。'on'
、'callback'
または 'off'
として指定します。
このプロパティは、オブジェクトの親がもつ子のリストにおけるそのオブジェクトの可視性を制御します。オブジェクトがその親オブジェクトのリストで、子として可視できない場合、オブジェクト階層の検索またはプロパティのクエリによってオブジェクトを取得する関数は、そのオブジェクトを返しません。これらの関数には、get
、findobj
、clf
および close
が含まれます。オブジェクトは参照できない場合も有効です。オブジェクトにアクセスできる場合は、そのプロパティを設定および取得して、それをオブジェクトに作用する任意の関数に渡すことができます。
HandleVisibility の値 | 説明 |
---|---|
'on' | オブジェクトは常に参照できます。 |
'callback' | オブジェクトはコールバック内から、あるいはコールバックにより呼び出される関数から参照できます。しかし、コマンド ラインから呼び出される関数からは参照できません。このオプションを使用すると、コマンド ラインからのオブジェクトへのアクセスがブロックされますが、コールバック関数からのアクセスは許可されます。 |
'off' | オブジェクトは常に参照できません。このオプションは、他の関数による UI の意図しない変更を防止するために役立ちます。HandleVisibility を 'off' に設定すると、その関数の実行中にオブジェクトが一時的に非表示になります。 |
識別子
Type
— グラフィックス オブジェクトのタイプ
'uiimage'
この プロパティ は読み取り専用です。
グラフィックス オブジェクトのタイプ。'uiimage'
として返されます。
Tag
— オブジェクト識別子
''
(既定値) | 文字ベクトル | string スカラー
オブジェクト識別子。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。オブジェクトの識別子として機能する一意の Tag
値を指定できます。コードの他の部分からオブジェクトにアクセスする必要がある場合、関数 findobj
を使用して Tag
値に基づいてオブジェクトを検索できます。
UserData
— ユーザー データ
[]
(既定値) | 配列
ユーザー データ。任意の MATLAB 配列として指定します。たとえば、スカラー、ベクトル、行列、cell 配列、文字配列、table、または構造体を指定できます。このプロパティを使用して、任意のデータをオブジェクトに保存します。
App Designer を使用している場合は、UserData
プロパティを使用する代わりに、アプリでパブリック プロパティまたはプライベート プロパティを作成してデータを共有します。詳細については、App Designer アプリ内でのデータの共有を参照してください。
バージョン履歴
R2019a で導入R2023a: イメージ代替テキストの指定
AltText
プロパティを指定してイメージの説明を提供します。スクリーン リーダーは、アプリ ユーザーがアプリを操作する際にこのテキストを使用してイメージについて説明します。
R2022b: URL
プロパティを使用したイメージのハイパーリンクの作成
ユーザーがアプリ内のイメージをクリックしたときに Web アドレスを開くには、イメージの URL
プロパティを指定します。
MATLAB コマンド
次の MATLAB コマンドに対応するリンクがクリックされました。
コマンドを MATLAB コマンド ウィンドウに入力して実行してください。Web ブラウザーは MATLAB コマンドをサポートしていません。
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