Toolbar のプロパティ
ツール バーの外観と動作の制御
ツール バーは、Figure ウィンドウ最上部にある水平方向のボタンのリストのコンテナーです。関数 uitoolbar
は Figure にツール バーを作成し、表示される前に必要なプロパティを設定します。プロパティの値を変更することによって、ツール バーの外観と動作を変更できます。ドット表記を使用して、特定のオブジェクトとプロパティを参照します。
tb = uitoolbar; tb.Visible = 'off';
対話機能
Visible
— 可視性の状態
'on'
(既定値) | on/off logical 値
可視性の状態。'on'
または 'off'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
'on'
— オブジェクトを表示します。'off'
— オブジェクトを削除せずに非表示にします。非表示の UI コンポーネントのプロパティには引き続きアクセスできます。
アプリの起動を高速化するには、起動時に表示する必要のないすべての UI コンポーネントの Visible
プロパティを 'off'
に設定します。
ContextMenu
— コンテキスト メニュー
空の GraphicsPlaceholder
配列 (既定値) | ContextMenu
オブジェクト
このプロパティを設定してもこのタイプのオブジェクトには影響しません。
コールバック
CreateFcn
— コンポーネント作成関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
コンポーネント作成関数。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB® 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
コールバックのプロパティ値を関数ハンドル、cell 配列または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、コールバック関数の指定を参照してください。
このプロパティは、MATLAB がコンポーネントを作成するときに実行されるコールバック関数を指定します。MATLAB は CreateFcn
コールバックを実行する前に、コンポーネントのすべてのプロパティ値を初期化します。CreateFcn
プロパティを指定しない場合、MATLAB は既定の作成関数を実行します。
作成中のコンポーネント オブジェクトを取得するには、CreateFcn
コード内で関数 gcbo
を使用します。
既存のコンポーネント オブジェクトに CreateFcn
プロパティを設定しても効果はありません。
DeleteFcn
— コンポーネント削除関数
''
(既定値) | 関数ハンドル | cell 配列 | 文字ベクトル
コンポーネント削除関数。次の値のいずれかとして指定します。
関数ハンドル。
最初の要素が関数ハンドルである cell 配列。cell 配列内のその後の要素はコールバック関数に渡される引数です。
有効な MATLAB 式を含む文字ベクトル (非推奨)。MATLAB は、この式をベース ワークスペースで評価します。
コールバックのプロパティ値を関数ハンドル、cell 配列または文字ベクトルとして指定する方法の詳細については、コールバック関数の指定を参照してください。
DeleteFcn
プロパティは、MATLAB がコンポーネントを削除するときに実行されるコールバック関数を指定します (ユーザーがウィンドウを閉じるときなど)。MATLAB はコンポーネント オブジェクトのプロパティを破棄する前に DeleteFcn
コールバックを実行します。DeleteFcn
プロパティを指定しない場合、MATLAB は既定の削除関数を実行します。
削除中のコンポーネント オブジェクトを取得するには、DeleteFcn
コード内で関数 gcbo
を使用します。
コールバック実行制御
Interruptible
— コールバックの割り込み
'on'
(既定値) | on/off logical 値
コールバックの割り込み。'on'
または 'off'
、もしくは数値または logical 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。'on'
の値は true
と等価であり、'off'
は false
と等価です。したがって、このプロパティの値を logical 値として使用できます。値は matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として格納されます。
Interruptible
プロパティは実行中のコールバックが割り込み可能かどうかを決定します。次の 2 つのコールバックの状態について考慮する必要があります。
"実行中" コールバックは、現在実行しているコールバックです。
"割り込み" コールバックは、実行中のコールバックに割り込もうとするコールバックです。
MATLAB がコールバックを呼び出すたびに、そのコールバックは実行中のコールバック (がある場合) に割り込もうとします。実行中のコールバックを所有するオブジェクトの Interruptible
プロパティが、割り込み可能かどうかを決定します。
値が
'on'
の場合、他のコールバックがオブジェクトのコールバックに割り込むことができます。drawnow
、figure
、getframe
、waitfor
、pause
などの、MATLAB が次にキューを処理するポイントで割り込みが発生します。実行中のコールバックにこれらいずれかのコマンドが含まれている場合、MATLAB はその場所でコールバックの実行を停止し、割り込みコールバックを実行します。割り込みコールバックが完了したときに MATLAB は実行中だったコールバックの実行を再開します。
実行中のコールバックにこれらのコマンドが含まれていない場合、MATLAB はそのコールバックの実行を中断せずに終了させます。
値が
'off'
の場合、割り込みの試行はすべてブロックされます。割り込みコールバックを所有するオブジェクトのBusyAction
プロパティが、その割り込みコールバックを破棄するかキューに入れるかを決定します。
メモ
コールバックの割り込みと実行は、以下の状況では動作が異なります。
割り込みコールバックが
DeleteFcn
、CloseRequestFcn
またはSizeChangedFcn
コールバックの場合、Interruptible
プロパティの値にかかわらず割り込みが発生します。実行中のコールバックが関数
waitfor
を現在実行している場合、Interruptible
プロパティの値にかかわらず割り込みが発生します。Timer
オブジェクトは、Interruptible
プロパティ値にかかわらず、スケジュールに従って実行されます。MATLAB は、割り込みが発生したときにプロパティの状態や表示を保存しません。たとえば、
gca
コマンドやgcf
コマンドから返されたオブジェクトは、別のコールバックを実行するときに変更されている可能性があります。
Interruptible
プロパティおよび BusyAction
プロパティがプログラムの動作に及ぼす影響を示す例は、コールバック実行への割り込みを参照してください。
BusyAction
— コールバック キューイング
'queue'
(既定値) | 'cancel'
コールバック キューイング。'queue'
(既定値) または 'cancel'
として指定します。BusyAction
プロパティは MATLAB による割り込みコールバックの実行の処理方法を決定します。次の 2 つのコールバックの状態について考慮する必要があります。
"実行中" コールバックは、現在実行しているコールバックです。
"割り込み" コールバックは、実行中のコールバックに割り込もうとするコールバックです。
割り込みコールバックの割り込み元の BusyAction
プロパティは、MATLAB が割り込みコールバックの実行を処理する方法を決定します。BusyAction
プロパティは次の値をとります。
'queue'
— 割り込みコールバックをキューに入れ、実行中のコールバックが終了した後に処理されるようにします。'cancel'
— 割り込みコールバックを実行しません。
MATLAB がコールバックを呼び出すたびに、そのコールバックは実行中のコールバックに割り込もうとします。コールバックを実行中のオブジェクトの Interruptible
プロパティが、割り込み可能かどうかを決定します。Interruptible
は次のように設定します。
on
— MATLAB が次にキューを処理するポイントで割り込みが発生します。これは既定値です。off
— 割り込みコールバックを所有するオブジェクトのBusyAction
プロパティによって、MATLAB が割り込みコールバックをキューに追加するか無視するかを決定します。
BusyAction
プロパティおよび Interruptible
プロパティがプログラムの動作に及ぼす影響を示す例は、コールバック実行への割り込みを参照してください。
BeingDeleted
— 削除状態
on/off logical 値
この プロパティ は読み取り専用です。
削除状態。matlab.lang.OnOffSwitchState
型の on/off logical 値として返されます。
MATLAB は、DeleteFcn
コールバックが実行を開始すると、BeingDeleted
プロパティを 'on'
に設定します。コンポーネント オブジェクトが存在しなくなるまで BeingDeleted
プロパティは 'on'
に設定されたままです。
クエリや変更の前にオブジェクトが削除されようとしていないか確認するために BeingDeleted
プロパティの値をチェックします。
HitTest
— 現在のオブジェクトになる能力 (非推奨)
'on'
(既定値) | on/off logical 値
このプロパティは、このタイプのオブジェクトに影響しません。
親/子
Children
— Toolbar
の子
空の GraphicsPlaceholder
配列 (既定値) | コンポーネント オブジェクトの 1 次元配列
Toolbar
の子。空の GraphicsPlaceholder
またはコンポーネント オブジェクトの 1 次元配列として返されます。Toolbar
オブジェクトの子は、PushTool
オブジェクトおよび ToggleTool
オブジェクトです。
Children
プロパティを使用して子の追加や削除を行うことはできません。このプロパティは、子のリストの参照や子の並べ替えに使用します。この配列の子の順序は、ツール バーに表示されるツールの右から左への順序を反映しています。つまり、右端のツールがリストの一番上にあり、左端のツールがリストの一番下にあります。たとえば、Children
プロパティによって返されるこのツールの順序は、プッシュ ツールがツール バーのトグル ツールの左側に表示されることを示します。
toolOrder = tb.Children
toolOrder = 2×1 graphics array: ToggleTool PushTool
このリストに子を追加するには、子コンポーネントの Parent
プロパティを Toolbar
オブジェクトに設定します。
HandleVisibility
プロパティが 'off'
に設定されているオブジェクトは Children
プロパティにリストされません。
HandleVisibility
— オブジェクト ハンドルの可視性
'on'
(既定値) | 'callback'
| 'off'
オブジェクト ハンドルの可視性。'on'
、'callback'
または 'off'
として指定します。
このプロパティは、オブジェクトの親がもつ子のリストにおけるそのオブジェクトの可視性を制御します。オブジェクトがその親オブジェクトのリストで、子として可視できない場合、オブジェクト階層の検索またはプロパティのクエリによってオブジェクトを取得する関数は、そのオブジェクトを返しません。このような関数には get
、findobj
、gca
、gcf
、gco
、newplot
、cla
、clf
および close
があります。HandleVisibility
プロパティはまた、親 Figure の CurrentObject
プロパティでオブジェクトのハンドルの可視性も制御します。オブジェクトは参照できない場合も有効です。オブジェクトにアクセスできる場合は、そのプロパティを設定および取得して、それをオブジェクトに作用する任意の関数に渡すことができます。
HandleVisibility の値 | 説明 |
---|---|
'on' | オブジェクト ハンドルは常に表示されます。 |
'callback' | オブジェクト ハンドルはコールバック内から、あるいはコールバックにより呼び出される関数から参照できます。しかし、コマンド ラインから呼び出される関数からは参照できません。このオプションを使用すると、コマンド ラインからのオブジェクトへのアクセスがブロックされますが、コールバック関数からはアクセスできます。 |
'off' | オブジェクト ハンドルは常に非表示です。このオプションは、他の関数による UI の意図しない変更を防止するために役立ちます。HandleVisibility を 'off' に設定すると、その関数の実行中にハンドルが一時的に非表示になります。 |
識別子
Type
— グラフィックス オブジェクトのタイプ
'uitoolbar'
この プロパティ は読み取り専用です。
グラフィックス オブジェクトのタイプ。'uitoolbar'
として返されます。
Tag
— オブジェクト識別子
''
(既定値) | 文字ベクトル | string スカラー
オブジェクト識別子。文字ベクトルまたは string スカラーとして指定します。オブジェクトの識別子として機能する一意の Tag
値を指定できます。コードの他の部分からオブジェクトにアクセスする必要がある場合、関数 findobj
を使用して Tag
値に基づいてオブジェクトを検索できます。
UserData
— ユーザー データ
[]
(既定値) | 配列
ユーザー データ。任意の配列として指定します。UserData
を指定すると、アプリ内でデータを共有するのに役立ちます。詳細については、コールバック間のデータ共有を参照してください。
uifigure
ベースのアプリのみ
BackgroundColor
— 背景色
[0.9569 0.9569 0.9569]
(既定値) | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 'r'
| 'g'
| 'b'
| ...
メモ
このプロパティは、App Designer 内で、および関数 uifigure
を使用して作成されたアプリ内で、ツールバーについてのみ変更できます。
背景色。RGB 3 成分、16 進数カラー コード、または表にリストされた色オプションのいずれかとして指定します。
RGB 3 成分および 16 進数カラー コードは、カスタム色を指定するのに役立ちます。
RGB 3 成分は、色の赤、緑、青成分の強度を指定する 3 成分の行ベクトルです。強度値は
[0,1]
の範囲でなければなりません。たとえば[0.4 0.6 0.7]
のようになります。16 進数カラー コードは、ハッシュ記号 (
#
) で始まり、3 桁または 6 桁の0
からF
までの範囲の 16 進数が続く文字ベクトルまたは string スカラーです。この値は大文字と小文字を区別しません。したがって、カラー コード"#FF8800"
、"#ff8800"
、"#F80"
、および"#f80"
は等価です。
あるいは、名前を使用して一部の一般的な色を指定できます。次の表に、名前の付いた色オプション、等価の RGB 3 成分、および 16 進数カラー コードを示します。
色名 | 省略名 | RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|---|---|
"red" | "r" | [1 0 0] | "#FF0000" | |
"green" | "g" | [0 1 0] | "#00FF00" | |
"blue" | "b" | [0 0 1] | "#0000FF" | |
"cyan" | "c" | [0 1 1] | "#00FFFF" | |
"magenta" | "m" | [1 0 1] | "#FF00FF" | |
"yellow" | "y" | [1 1 0] | "#FFFF00" | |
"black" | "k" | [0 0 0] | "#000000" | |
"white" | "w" | [1 1 1] | "#FFFFFF" |
MATLAB の多くのタイプのプロットで使用されている既定の色の RGB 3 成分および 16 進数カラー コードを次に示します。
RGB 3 成分 | 16 進数カラー コード | 外観 |
---|---|---|
[0 0.4470 0.7410] | "#0072BD" | |
[0.8500 0.3250 0.0980] | "#D95319" | |
[0.9290 0.6940 0.1250] | "#EDB120" | |
[0.4940 0.1840 0.5560] | "#7E2F8E" | |
[0.4660 0.6740 0.1880] | "#77AC30" | |
[0.3010 0.7450 0.9330] | "#4DBEEE" | |
[0.6350 0.0780 0.1840] | "#A2142F" |
バージョン履歴
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