わずか数行の MATLAB コードを記述するだけで、金融工学モデルのプロトタイプを作成して検証を行い、並列処理でモデルの計算を加速し、そのまま運用に移行することができます。
主要な金融機関は、MATLAB を活用して、金利の算定、ストレステストの実施、数十億ドル規模のポートフォリオの管理を行い、複雑な金融商品の取引を 1 秒以内に処理しています。
- MATLAB は高速です。リスクやポートフォリオ分析のプロトタイプを、R の最大 120 倍、Excel/VBA の 100 倍、Python の最大 64 倍の速さで実行できます。
- モデルの評価や規制当局の承認に必要な文書を自動生成できます。
- アナリストは、あらかじめ用意されているアプリとツールで中間結果を可視化し、モデルのデバッグを行うことができます。
- IT 部門は、知的財産権で保護されたモデルを、Excel や Tableau といったデスクトップ/Web アプリケーション、あるいは Java、C++、Python などのプログラム言語環境にそのまま展開できます。
- MATLAB には、Bloomberg、Refinitiv、FRED などの無料/有料ソースから過去と現在の市場データをインポートするインターフェースが含まれています。
- トラディショナル データソースとオルタナティブ データソース由来のビッグデータやストリーミングデータにも対応しています。
「MATLAB によって、我々は投資の専門家として本来の業務に専念できるようになり、計量リスク管理とポートフォリオの最適化ダッシュボードを展開することもできました。このダッシュボードは、初日からチーム全体に付加価値をもたらしています。」
資産運用
- 取引時間中のリスクレポート、評価、取引実行などの機能を備えた、ポートフォリオ マネージャー向けダッシュボードを構築して拡張できます。
- 平均分散法、条件付きバリューアットリスク (CVaR)、カスタム目的関数、ブラック・リッターマン法など、あらかじめ用意されているツールを使用してポートフォリオを最適化できます。
- リスク調整後アルファ、トラッキングエラー、最大ドローダウン、シャープレシオを用いて投資パフォーマンスを測定できます。
リスク管理
- デフォルト確率 (PD)、デフォルト時損失率 (LGD)、デフォルト時エクスポージャー (EAD) などのモデルを開発して検証できます。IFRS 第 9 号や CECL に対応するために必要な予想信用損失 (ECL) を計算します。統計検定を用いてモデルのパフォーマンスを評価して、規制当局向けにレポートを作成します。
- 拡張された分析機能と広範なリスク要因への対応を通じて、バリューアットリスク (VaR) と期待ショートフォール (ES) の分析とバックテストを行うことができます。シナリオ分析とストレステストを実施して、逆境下におけるポートフォリオの感応度と耐性を評価します。
- 検証ツールと自動レポート生成により、モデルのリスク管理を合理化できます。並列計算機能を活用して、大規模なリスク シミュレーションを高速化できます。
- CCAR、DFAST、Basel III、Solvency II などの規制対応に向けて、リスク管理システムやストレステストの基盤を構築できます。
金融予測とモデリング
- クリックで操作できるアプリを使用して、時系列データを計量経済学モデル (ARMA、ARIMA、GARCH、EGARCH、GJR など) や機械学習アルゴリズムに適合させることができます。
- DSGE モデルと連動させることで、主要な経済変数を予測できます。
- ネルソン・シーゲルやスヴェンソンといったモデルから推定されるパラメーターに基づいて、金利モデリングと予測向けの関数を使用できます。
デリバティブの価格評価
- MATLAB でモンテカルロ シミュレーションを用いてエキゾチック オプションの価格とグリークス (感応度指標) を計算すると、Visual Basic、R、Python よりもはるかに高速で処理できます。
- 各種価格評価手法 (閉形式方程式、二項ツリー、三項ツリー、確率的ボラティリティモデルなど) から選択して、オプションの価格を算出できます。対象となるのは、ヨーロピアンオプション、アメリカンオプション、アジアンオプション、バリアオプション、キャップ、フロア、スワップ、複数原資産のデリバティブなどです。
- 計算集約型アプリケーションを並列実行したり、GPU に展開したりすることができます。
- Numerix と連動させることもできます。
保険と保険数理
- 大規模なデータセットを解析して、独自の保険数理モデルを作成し、並列化手法を用いて容易にシミュレーション時間を短縮できます。
- MATLAB を Solvency II に対応したプラットフォームとして活用し、独自のリスクモデルを作成できます。
- 変額年金、最低保証特約、定期保険、養老保険など、さまざまな保険商品の価格評価を行うことができます。