Helaba Invest、エンタープライズ財務分析ソフトウェアを開発およびデプロイ

Helaba Invest は当初、リスク評価やその他の財務計算用にサードパーティ製ソフトウェアの購入を検討していました。ドイツのデリバティブ規制や主要な規制要件であるオルタナティブ投資ファンド運用者指令 (AIFMD) への対応も対象でした。費用に加えて、対象ソフトウェアには柔軟性と透明性が欠如していることが大きな欠点でした。ブラックボックス ソリューションでは、チームは計算がどのように実行されているかを確認したり、アルゴリズムを変更したりすることができませんでした。そこで、独自のモデルを開発することにしました。

従来のプログラミング言語、オブジェクト指向の原則、または IT システムの展開の経験が限られていたため、チームはソフトウェアの構築に必要なスキルを身につけるためのカスタムトレーニングを必要としていました。モデルを開発した後、チームはそのモデルを全社内のアナリストや、Oracle データベースや投資管理ソフトウェアなど、会社の IT インフラストラクチャ内の他のシステムが利用できるようにする必要がありました。

Helaba Invest は MATLAB と MATLAB Production Server を使用して金融モデルおよびアルゴリズムのコアライブラリを構築し、それを既存のエンタープライズ アプリケーションに統合しました。

チームは、MATLAB と Financial Toolbox™ および Financial Instruments Toolbox™ を使用して作業し、価格感度、製品の査定、リスク指標 ("グリークス"、バリューアットリスク、最大ドローダウンなど)、および 5,000 を超えるデリバティブを含む 300 のポートフォリオの公正価値を計算するためのモデルおよびアルゴリズムを開発しました。

たとえば、Financial Toolbox を使用して金利曲線をブートストラップし、Financial Instruments Toolbox を使用してクレジット・デフォルト・スワップの価格付けと株式オプションのモデル化を行いました。

モデルとアルゴリズムをデスクトップ環境でローカルに使用した後、チームはそれらを共有ライブラリとして会社の IT 環境にデプロイする準備を開始しました。この段階で、チームは MathWorks Training Services が実施しているカスタマイズされたオンサイト トレーニングに参加しました。トレーニングには、並列計算、MATLAB でのオブジェクト指向プログラミング、および Java^® インターフェイスと .NET インターフェイスに重点を置いた MATLAB Production Server を使用した MATLAB アプリケーションのデプロイに関する数日間のセッションが含まれていました。

チームは、開発、テスト、および運用環境用に 、MATLAB Production Server の 3 つのインスタンスを実行するマルチコア Linux® サーバーを 1 つずつ設定しました (クライアント要件)。MATLAB Compiler SDK™ を使用してモデルおよびアルゴリズムをパッケージ化し、MATLAB Production Server 開発インスタンスにデプロイしました。

チームは Parallel Computing Toolbox™ を使用して、サーバーの 20 個の処理コアで同時に計算を実行することで、計算量の多い計算を高速化しました。

MATLAB Production Server の開発インスタンスでデプロイを検証した後、チームはそれをテストインスタンスに移動し、そこで Helaba Invest 内の独立したチームによって正式にテストしました。

デプロイされたモデルおよびアルゴリズムが正式なテストに合格すると、Helaba Invest の IT チームはそれらを MATLAB Production Server の運用環境インスタンスに移動し、そこでエンタープライズ IT 環境からアクセスできるようにしました。

現在、数百人の外部顧客と数十人の社内アナリストが、さまざまなフロントエンド アプリケーションを介してバックグラウンドで運用環境コアライブラリを使用しています。このライブラリには、個々のアナリストが Microsoft^® Excel^® アドインおよび会社の投資管理ソフトウェアを介して直接アクセスします。また、これは Oracle^® データベースへの Java インターフェイスを介して顧客向けの Web レポートを生成するためにも使用され、Helaba による AIFMD の遵守に対応しています。

• AIFMD 規制要件に対応するアプリケーションを開発。「当社の査定チームは早朝にデリバティブの公正価値価格を必要としていますが、外部の査定サービスからこの情報を確実に入手するにはコストがかかり、最終的には実行不可能であることが判明しました」と Veltum 氏は述べています。「MATLAB を使用すると、計算の実行およびプロセスの管理を完全に自社で行うことができるため、サードパーティに依存することがなくなりました。」
• カスタムトレーニングによる、立ち上がりの迅速化とコスト削減。「オンサイトで受けたトレーニングはニーズに合わせてカスタマイズされたものであったため、立ち上がりを迅速化できました」と Veltum 氏は指摘します。「コードを、よりロバストで、メンテナンスしやすく、効率的なものにする方法を学びました。また、私たちのチームと IT チームの両方が参加したセッションを通じて、2 つのグループ間のコラボレーションが強化されました。結果として、プロジェクトのリソースとサポートの費用が約 20% 削減されました。」
• スケーラブルでメンテナンスしやすいエンタープライズ アプリケーションを数百の顧客にデプロイ。「MATLAB Production Server を使用すると、複数の異なるシステムではなく 1 か所で改善や修正を行うことができるため、簡単にメンテナンスと管理を行うことができる一貫性のあるスケーラブルなコアライブラリを作成してデプロイできました」と Veltum 氏は述べています。「また、Java、.NET、Excel へのインターフェイスを介して、他の IT アプリケーションやプロセスに簡単に統合できます。」