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setBlockParam

slTuner インターフェイス内の調整ブロックのパラメーター化を設定

説明

setBlockParam を使うと、slTuner インターフェイスで調整ブロックの既定のパラメーター化をオーバーライドできます。Subsystem ブロックや S-Function ブロックなどの、非アトミックなコンポーネントのパラメーター化を指定することもできます。

slTuner インターフェイスは、調整された各 Simulink® ブロックを、制御設計ブロックとして、または genmat タイプか genss タイプの一般化されたパラメトリック モデルとしてパラメーター化します。このパラメーター化では、systune などのコマンドに対し、調整された変数が指定されます。

setBlockParam(st,blk,tunable_mdl) は、slTuner インターフェイスの指定ブロックのパラメーター化として、調整可能なモデルを割り当てます。

setBlockParam(st,blk1,tunable_mdl1,...,blkN,tunable_mdlN) は、一度に複数のブロックにパラメーター化を割り当てます。

setBlockParam(st,blk) は、blk によって参照されるブロックで既定のパラメーター化へと戻し、そのブロックを Simulink の現在のブロック値で初期化します。

setBlockParam(st) は、st のすべての調整ブロックを、その既定のパラメーター化に戻します。

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scdcascade モデルの slTuner インターフェイスを作成します。

open_system('scdcascade')
st = slTuner('scdcascade',{'C1','C2'});

C1C2 はどちらも PI コントローラーです。C1 の既定のパラメーター化を調べます。

getBlockParam(st,'C1')
Tunable continuous-time PID controller "C1" with formula:

             1 
  Kp + Ki * ---
             s 

and tunable parameters Kp, Ki.

Type "pid(ans)" to see the current value.

既定のパラメーター化は、調整可能な PI コントローラー (tunablePID) です。

C1 を比例コントローラーとして再パラメーター化します。比例ゲインを 4.2 に初期化して、パラメーター化をブロックに割り当てます。

G = tunableGain('C1',4.2);
setBlockParam(st,'C1',G);

これで、systune などの調整コマンドでは、stC1 ブロックに対するこの比例コントローラー パラメーター化が使用されるようになります。カスタマイズされたパラメーター化は、Simulink® ブロックの既定のパラメーター化と互換性があります。そのため、writeBlockValue を使用して、調整された値をブロックに書き戻すことができます。

setBlockParam を使用して、モデルを何度も再コンパイルすることなく複数のブロック パラメーター化を一度に設定することもできます。たとえば、C1C2 の両方を PID コントローラーとして再パラメーター化します。

C1PID = tunablePID('C1PID','PID');
C2PID = tunablePID('C2PID','PID');
setBlockParam(st,'C1',C1PID,'C2',C2PID);

scdcascade モデルの slTuner インターフェイスを作成します。

open_system('scdcascade')
st = slTuner('scdcascade',{'C1','C2'});

C2 のパラメーター化を調整可能なゲインとなるよう変更し、結果を調べます。

G = tunableGain('C2',5);
setBlockParam(st,'C2',G);
getBlockParam(st,'C2')
Tunable gain "C2" with 1 outputs, 1 inputs, and 1 tunable parameters.

Type "ss(ans)" to see the current value.

C2 のパラメーター化を既定の PI コントローラーに戻し、結果を調べます。

setBlockParam(st,'C2');
getBlockParam(st,'C2')
Tunable continuous-time PID controller "C2" with formula:

             1 
  Kp + Ki * ---
             s 

and tunable parameters Kp, Ki.

Type "pid(ans)" to see the current value.

入力引数

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Simulink でモデル化された制御システムを調整するためのインターフェイス。slTuner インターフェイスとして指定します。

st の調整ブロックのリストにあるブロック。文字ベクトルまたは string として指定します。ブロックの絶対パスか、st の他の調整ブロックの中から該当ブロックを一意に識別できるブロックの部分パスを指定できます。

例: blk = 'scdcascade/C1', blk = "C1"

setBlockParam(st,blk) を使用して既定のブロック パラメーター化に戻す場合、blk を文字ベクトルの cell 配列または string 配列として指定すると、複数のブロックを戻すことができます。

例: {'C1','C2'}

ブロックのパラメーター化。以下のいずれかとして指定します。

詳細

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調整ブロック

slTuner インターフェイスで使用される "調整ブロック" は、Simulink モデル内のブロックのうち、調整目標を満たすためにパラメーター調整を行うブロックを示します。ゲイン、伝達関数、状態空間モデルなどの線形要素を表現する Simulink ブロックは、ほとんどが調整可能です (調整がサポートされているブロックの完全なリストは、調整された Simulink ブロックをパラメーター化する方法を参照してください)。また、SubSystem ブロックや S-Function ブロックなど、より複雑なブロックも、等価の調整可能な線形モデルを指定することで調整可能です。

調整ブロックのパラメーターを調整するには、systune などの調整コマンドを使用します。

slTuner インターフェイスを作成する際に、調整ブロック (たとえば、C1C2) を指定しなければなりません。

st = slTuner('scdcascade',{'C1','C2'})

addBlock および removeBlock により、調整ブロックのリストを変更できます。

調整ブロックを対話的に操作するには、以下を使用します。

調整された変数

slTuner インターフェイス内では、"調整された変数" は、調整された Simulink ブロックのパラメーター化に直接関与する、あるいは一般化されたパラメトリック モデルを通して関与する任意の制御設計ブロックです。調整された変数は、systune などの調整コマンドで操作されるパラメーターです。

一般化モデルまたは調整可能な曲面によりパラメーター化された Simulink ブロックでは、次のことが該当します。

  • getBlockValue により、ブロック パラメーター化の全体的な値にアクセスできます。ブロック パラメーター化内の調整された変数の値にアクセスするには、getTunedValue を使用します。

  • setBlockValue は、ブロック値の変更には使用できません。ブロック パラメーター化内の調整された変数の値を変更するには、setTunedValue を使用します。

制御設計ブロックによりパラメーター化された Simulink ブロックでは、ブロック自体が調整された変数です。ブロック値を変更するには、setBlockValuesetTunedValue のいずれかを使用できます。同様に、ブロック値は getBlockValuegetTunedValue のいずれかを使用して取得できます。

バージョン履歴

R2011b で導入