線形システムの変換
さまざまな線形システム モデル間の変換が実行できるよう、Signal Processing Toolbox™ 関数が多数用意されています。適切な伝達関数を見つけるには、次の表を参考にしてください。表の左側で "変換元" のモデルの行を、表の最上段で "変換先" のモデルの列を見つけ、行と列の交点で関数の名前を求めます。この表の一部のセルは空欄になっています。
変換先 → 変換元 ↓ | 伝達関数 | 状態空間 | 零点-極-ゲイン | 部分分数 | ラティス型フィルター | 2 次セクション | 畳み込み行列 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
伝達関数 | |||||||
状態空間 | なし | なし | なし | ||||
零点-極-ゲイン | なし | なし | なし | ||||
部分分数 | なし | なし | なし | なし | なし | ||
ラティス型フィルター | なし | なし | なし | なし | なし | ||
SOS | なし | なし | なし |
メモ
あるフィルターの構造またはモデルを別のものに変換すると、元のフィルター構造やモデルとは特性が異なる場合があります。これは、コンピューターの演算精度の制限や、変換の丸め計算による誤差によるものです。
ツールボックスのフィルター設計関数の多くでは、これらの関数が内部で使用されています。たとえば、関数 zp2ss
では、アナログ プロトタイプの零点と極が、バタワース フィルター、チェビシェフ フィルター、または、楕円フィルターの作成に必要な状態空間形式に変換されます。一旦状態空間形式に変換されると、フィルター設計関数によって必要な任意の周波数変換が行われます。すなわち、初期のローパス設計が、バンドバス フィルター、ハイパス フィルター、バンドストップ フィルターや、必要なカットオフ周波数をもつローパス フィルターへと変換されます。
メモ
Signal Processing Toolbox のすべての 2 次セクション変換は、デジタル フィルターのみに適用されます。